2016年6月14日(火)
SIEは、米国ロサンゼルスで開催した同社プレスカンファレンス“E3 2016 PlayStation Press Conference”で“コジマプロダクション”が開発するPS4用ソフト『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』を発表した。
この記事では、カンファレンスでの発表内容や、後日コジマプロダクション公式Twitterに投稿された作品に関するツイートをまとめていく。
▲DEATHは死、STRANDINGは座礁を意味する単語だが、はたしてこのタイトルが意味するものとは? |
【注目記事】小島秀夫監督にインタビュー。新作『DEATH STRANDING』で目指すものとは?【E3 2016】
『DEATH STRANDING』は、これまでの小島秀夫監督作品と同様に小島監督自身が企画、脚本、監督、ゲームデザインを手がけたタイトル。主人公には、俳優のノーマン・リーダス氏が起用されている。カンファレンスでは、リアルタイムレンダリングによるティザートレーラーが公開された。
トレーラー内やキービジュアル内のクレジットでは、開発スタッフとして野島一人氏、今泉健一郎氏、新川洋司氏、マーク・サーニー氏らの名前を確認できる。
なお、本日6月14日に投稿されたコジマプロダクション公式Twitterのツイートで、野島一人氏が矢野健二氏であることが判明した。
【小島監督のメッセージ】
コジマプロダクションによる『デス・ストランディング』のティザーをお届けすることができて、気持ちを新たにしています。昨年12月にプロダクションを立ち上げて以来、限られた時間と環境で前だけを向いて走ってきました。これもパートナーとして伴走してくれるSIEの皆さんと応援してくださるファンの方たちのおかげです。今後とも、私たちがお届けする“遊び”にご期待ください。
●動画:『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』E3 2016ティザートレーラー
カンファレンス終了後、各メディアが行ったインタビューに対して、コジマプロダクション公式Twitterがインタビューのポイントを公開。これを読めばタイトルに関する考察が進むかもしれない。
「ゲームの発売は先ですが、ユーザーの皆さんとの“ゲーム”は、もう始まっています」という発言が印象的だ。
本日の各メディアの小島監督インタビューよりポイントをお伝えします。(1)ティザーを公開したことの感想。E3は大好きなイベント。ここに来るのは2年振りですが、気分としては10年のブランクがあったような感慨があります。そのくらいの思いを抱えて帰ってきました。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(2)「デス・ストランディング」の意味。鯨やイルカが大量に海岸に打ち上げられる現象をマス・ストランディングといいます。生きた状態はライブ・ストランディング、死んだものをデス・ストランディングという。本作の場合、「ある世界」から「あるもの」が座礁することを意味します。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
一部メディアで、鯨やイルカの大量座礁をデス・ストランディングと表記していますが、それはマス・ストランディングです。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(3)strandには別の意味もある。心理学用語で「撚り糸」を意味します。人が人格や社会性を獲得する過程を、細い糸が撚り合わさって太い縄になるという考え方です。鎖とか絆ともとれます。タイトルの「ストランド」には座礁と縄という二つの意味があります。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(3)のツィートちょっと間違えました。「細い糸が撚り合わさって太い縄になるという考え方です」は、「細い糸が撚り合わさって太い縄になると捉える考え方です」が正解。人のこと言えませんね。すみません(や)
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(4)ティザーでは、臍帯、手錠など「縄」のモチーフと生物の座礁という二つのストランドが表現されています。もちろん他にもヒントはあります。ドッグタグの数式もそのひとつ。ゲームの発売は先ですが、ユーザーの皆さんとの"ゲーム"は、もう始まっています。皆さんはティザーから何を見つけますか?
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(5)コジプロを立ち上げ短期間で人や環境の整備をし、テクノロジーの研究、企画の構築、今回のティザーの制作までを行ないました。30年のゲーム創り経験があるので、不安や心配はありません。支えてくれたのは、マークさんやカイルさん、ソニーの皆さんたちと培った「縄(ストランド)」のおかげです。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(6)もちろん、その「縄(ストランド)」は、ノーマン・リーダスさんとの間にもあります。そのおかげで、2ヶ月半というこの短期間にティザーを完成させることができた。彼は苦しい時期を支えてくれ、今回のオファーを快諾してくれました。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(7)コインゲームの時代から、ゲームは失敗してもやり直しができるcontinueという文法でできていました。ゲームの中での失敗はキャラクターの死でもあるのです。新作では物語でもゲームシステムでも死を描きます。しかし、その死(デス)の意味はこれまでのゲームとは異なるでしょう。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(8)しかしこれまでのゲームと操作性はかわりません。車でたとえると、乗り慣れた車に乗るイメージ。アクセルもブレーキもハンドルも見慣れた車です。いつもの車をストレスなく運転していると、しばらくして全く違う体験をしていたことに気づく。そんなゲームになるはずです。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(9)大好きな作家、安部公房に「なわ」という短編があります。高校生の頃に読んだのですが、この作品は人類の最初の発明である「棒」と「縄」がテーマです。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(10)棒は悪い空間やモノを人から遠ざける。猿人は棒で人類になりました。棒で敵から身を守るのです。しかし、縄は大切なモノや善き人を引き寄せ、守ります。オンラインのゲームは人と繋がりますが、棒で闘います。SNSも棒で繋がっている感じですよね。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(11)棒と縄がキーワードです。新作でも棒は使います。でもそれだけじゃないんです。縄を使って人や世界とどうつながるか。棒だけじゃなく、縄で何ができるのか。それをみんなで遊びながら考えるゲームになります。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
(12)テクノロジーがこれだけ発達した現在、「アクション」とか「RPG」とかゲームをジャンルで分けることにあまり積極的な意味はないと思いますが、『デス・ストランディング』は、新しい「ジャンル」のゲームになるはずです。
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
連投たいへん失礼しました。せめて新作の輪郭が伝われば嬉しいです。どうかご期待ください(コジマプロダクション一同)
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
安部公房「なわ」は『無関係な死・時の崖』(新潮文庫)に収録されています(矢野)
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月16日
以下はカンファレンス直後に投稿されたツイート。トレーラーの楽曲や野島一人氏について明かされた。
ソニーカンファレンスにて、新作「DEATH STRANDING」を発表しました! pic.twitter.com/C6Rr6xczYu
小島秀夫 (@Kojima_Hideo) 2016年6月14日
『デス・ストランディング』のティザーにクレジットされている野島一人、お気づきのかたもいらっしゃるようですが、それはわたしです。よろしくお願いします(矢野健二)
Kojima Productions (@KojiPro2015) 2016年6月14日
数年前にアイスランドを訪れた際、CD屋内でたまたまかかっていたのがLow Roarでした。「DEATH STRANDING」のティザーではアルバム0に収録されているI’ll Keep Comingという曲を使っています。 pic.twitter.com/nAdyxOUIOy
小島秀夫 (@Kojima_Hideo) 2016年6月14日
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