2016年6月15日(水)
コーエーテクモゲームスから2016年に発売予定の、PS4/PS3/PS Vita用ソフト『ベルセルク無双』。オメガフォースが放つ“最凶”コラボ『無双』として発売される本作について、コーエーテクモゲームスの鯉沼久史プロデューサーにお話を伺いました。
──6月13日にティザー映像とともにタイトルが発表されましたが、E3開催にあわせて発表した理由はあるのでしょうか?
テレビアニメの『ベルセルク』が7月から始まるのもあり、6月24日にはコミックも最新刊(38巻)が発売されます。なので、その前には発表したかったのですが、日本ではいいタイミングでイベントがなく、E3にあわせて発表する形になりました。
また、海外のファンの皆さんにも『ベルセルク無双』をちゃんと発信したかったので、E3でティザーを出しました。
──そもそも制作に至った経緯を教えていただけますか?
私がもともとマンガを読んでいて『ベルセルク』が好きだったというのもありますが、制作のお話をいただいた際に、開発チームでも原作が好きなスタッフがいて「これならおもしろく作れる可能性があるな」と思い、チームを立ち上げました。
──テレビアニメのお話もありましたが、『ベルセルク無双』ではアニメで描かれるストーリーとリンクしたりはするのでしょうか。
それはありません。コラボレーションタイトルを作る際に必ず意識しているのですが、原作を知らない人がプレイしても、ゲームをやれば作品の全体像が見えるようにストーリーを入れさせてもらっています。
『ベルセルク』は1989年から連載しているタイトルで、今は読んでいない方や、そもそも読んだことがないという方もいらっしゃるだろうと思うんです。なので、アニメとは異なる範囲でストーリーを再現しようと、黄金時代篇からその後のガッツが黒い剣士として復讐の旅に出るまでを踏み込んだ形で描こうと思っています。
──かなりのボリュームになりそうですね。
『ベルセルク』は1997年にも一度アニメ化されていて、三部作の劇場版も公開されましたよね。その昔の劇場版もゲーム内に使わせてもらいながら、新しい映像を我々で用意したりしているので、映像だけ見てもかなりボリューム感があるものになりますよ。すでにデータの容量が危ないという話を聞いています。
──先ほどお伺いしましたが、いろいろな理由からE3で発表することになったかと思うのですが、海外での反応はいかがでしょうか。
先日公開したティザー映像は、海外でも公開しています。再生数から見ても好評なようなので、注目度は高いなと思っています。
先ほどもブラジルの方からインタビューを受けていたのですが、ブラジルではちょうど『ベルセルク』の新装版単行本が発売されているらしいです。また、アニメについても皆さんとてもよくご存じで、こちらがびっくりするようなこともありますね。
──ティザー映像はキャスカの“生贄の烙印”がかなり印象的でしたが、ガッツは出ていませんね。
実は『北斗無双』の時も同じようなことをやったんですが……ユリアが出てきて北斗七星の死兆星が光るみたいな。その時も、なんで主人公が出ていないのって言われましたね(笑)。
もうしばらくしたら、ちゃんとガッツが出てくる映像をお見せします!
──ティザー映像も少しエロい雰囲気がありますが、『ベルセルク』だとどうしてもエログロなダークな雰囲気は外せないと思うんです。ゲームではその点はどうなるでしょうか。
確かに、そこは原作ファンが期待している部分ですよね。ですので、原作ファンに満足してもらえるようにしたいと思っています。
ですが、どうしても表現の問題はあって、さらに海外と日本ではそのハードルに違いがあります。例えば今回のティザー映像も、日本では問題ないのですが、海外だとエロ表現が少し厳しくて……。逆に日本だとグロすぎるものはNGになりますし。
ワールドワイドでどこまで表現できるかのラインを見極めて、うまく原作の雰囲気を表現できるよう模索しながら進めています。
──年齢制限はどうなりそうですか?
国内では今のところ、CERO:Dを目指しています。
──ストーリーは黄金時代篇から描くとのことですが、そうなると戦闘について気になる点が出てきます。初めの人間同士の戦争については『無双』として想像できるのですが、使徒などはどうなるのでしょうか?
戦う対象がいろいろいるんですよね。なので、他の『無双』と違って、人VS人だったものが人VS化け物に変化していくのがおもしろいのかなと思います。
大型ボスなども用意していて、大型ボスと1対1で戦うシーンはもちろん、雑魚も多数相手にしながら巨大ボスも出てきたりする場合もあります。
──ガッツの戦い方も物語が進むと変わりますよね。
原作を読んでいても、ガッツが徐々に人間離れしていく部分がありますよね。戦い方や攻撃方法も変わっていきますので、そこももちろん再現しています。
今までの『無双』だと、自分が成長して気持ちよく敵をなぎ倒せるのが楽しかったのですが、今回は敵も使徒になったりとどんどん変わっていくので、やり応えがあると思いますよ。
──ガッツ以外のキャラクターはプレイアブルキャラとして登場するのでしょうか?
それはもちろん、プレイアブルキャラクターが複数いて選べるというのは『無双』に課せられた宿命だと思っていますので。まだ詳細は言えませんが、期待していてください。
──魔力を持っているキャラクターもいるので、ガッツとは違う方向性でアクションが楽しめそうですよね。
シールケなどですね。原作ですでに火・水・風などのエレメンタルの設定が用意されているので、無理なくファンタジー要素を盛り込んだ『無双』にできたなと思っていますので、ガッツ以外のキャラクターたちについても楽しみにしていてください。
──発売機種がPS4/PS3/PS Vitaの3機種とのことですが、これについては何かありますでしょうか。
コラボタイトルですし、テレビアニメも始まります。こういったタイトルですと、PS3をお持ちの方で遊びたいというファンがまだ多いと思いますので、きちんと対応できるといいなと考えています。
遊びたいと思ってくださるファンの皆さんの手に、しっかり届くように調整したいと思います。
──最後に、『ベルセルク無双』を期待しているファンにメッセージをお願いします。
私自身も連載当時から好きなタイトルで、昔から長く続いている作品ですが、今読んでものめり込めるくらい楽しいんです。その物語を、しっかりとゲームでも楽しめるように再現しますので、『ベルセルク』が好きだよという方に、ぜひ遊んでもらいたいです。
そもそも『ベルセルク』ってなあに? という世代の方もいらっしゃると思いますが、そういった皆さんは、ぜひゲームから遊んでもらって『ベルセルク』ファンになってもらえるとうれしいですね。
──アニメを見て気になったらゲームを遊んでもらうのもよさそうですね。
そうですね。コラボタイトルでうれしいと思うのが、ゲームが発売したことで原作が盛りあがってくれるというのもあるんですよね。原作サイドの方から「ゲームのおかげですよ!」と言われると、本当にうれしいしホッとしますね。
『ベルセルク無双』でも、ゲームから入って好きになってもらって、『ベルセルク』を盛りあげてもらえるとうれしいです。
(C)三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/ベルセルク製作委員会
(C)コーエーテクモゲームス
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