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2016年6月17日(金)

『ゴッド・オブ・ウォー』が紡ぐ新たな物語。最新作では父と子の人間関係や絆が描かれる【E3 2016】

文:電撃オンライン

 アメリカ・ロサンゼルスで開催中の世界最大級ゲームショウイベント“E3 2016”。E3開幕に先駆けて行われたソニー・インタラクティブエンタテインメントの“PlayStation E3 2016 Press Conference”にて発表された『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズ最新作となるプレイステーション4用ソフト『GOD OF WAR』。

 “E3 2016”では、ディレクターのCORY BARLOG氏自らがカンファレンスのデモバージョンをプレイし、ゲームのテーマやシステムを解説するセッションが行われた。その内容をお届けしよう。

『ゴッド・オブ・ウォー』
▲ディレクターのCORY BARLOG氏

●動画:『God of War』E3 2016 Gameplay Trailer | PS4

父と子の人間関係が細かく描かれていくゲームプレイ

 セッションの開幕では、まずディレクターのCORY BARLOG氏によってゲームの背景が解説された。CORY氏によれば、本作は原点に戻ってゲームを作っているとのこと。また、制作開始時にBARLOG氏自身が子どもを持ったことで、自分も成長して物事の見方が変わってきた。それによって、キャラクターを重視する形で物事を見ていく、ということを重視して作っていると語った。

『ゴッド・オブ・ウォー』

 本作では新しい武器として斧のような物が登場する。この斧は武器としてだけではなく、1つのキーになっていることを明かした。斧は歴史的な話と密接にかかわっている部分があり、ただの武器というわけではなく、物語でも重要な位置を占めそうだ。

『ゴッド・オブ・ウォー』

 概要の説明が終わると、次にカンファレンスのデモバージョンを流しながらCORY氏がゲームを解説。冒頭では、あくまでも今回のデモがゲームの一部でしかないこと。オープンワールドではないが、オープンな道を行くような感覚で遊べるリニア(※決められたストーリーに沿って進んでいく)なゲーム性であることが語られた。

 本作では、クレイトスらしき“父親”と男の子の“息子”による2人を操作するゲームになっており、冒頭から父親と少年が掛け合いしつつ移動する場面が展開。

 先行して走っていったり、動物を仕留め損ねて父親に怒られたりと、さまざまな場面でイベントが起こり、父親と息子の人間関係が作り上げられていく演出が見てとれた。

『ゴッド・オブ・ウォー』

 場面が進むと敵らしき者が出現し、画面の奥に少年が残されたまま激しい戦闘が行われた。斧らしき武器を投げて戦う様子も見られたが、CORY氏によれば、この武器は投げ飛ばしてオブジェクトに突き刺し、そのままの状態にしておくこともできるとのこと。さらに、戦っている間に引き抜いてバトルに使うこともできると語った。

 斧に限らず、各種の武器が、これまでにない形でいろいろな動きができるということも明かされ、石を投げたりといった行動もできることが判明した。また、敵として戦う相手のなかには、死にきれていないゾンビのようなウォーリアもおり、そうした敵と戦う場面もあるようだ。

 ムービー中には「どんどん進んでいけ」という父親に対し、「フォローはしなくていいよ。ボクだけで戦えるよ」と強がる息子。それを否定する父親……と、1つのイベントごとに細かく親子の関係が描かれてたシーンも存在した。

親と子の関係がシームレスに描かれる新たな『ゴッド・オブ・ウォー』

 先ほどの戦闘シーンのように、本作では男の子と父親が一緒に行動しており、バトル中にも子どもが存在していることに意味があると語るCORY氏。さらに、子どもを動かすボタンがあり、それによって物語に深みを与えているところもある、と語った。

 また、子どもを動かすボタンを押すとカメラのアングルが変わり、背景の見え方も全然違ってくるとのこと。CORY氏によれば、本作は話の内容における“ストーリー”だけではなく、環境が変化することでの“ストーリー”というものが含まれているとも語った。

 一緒についてくる男の子のすべてをコントロールできるわけではなく、あくまでも自分の意思を持って動いており、父親とコンビネーションで行動するとのこと。それに対して、父親が教育していくのが、本作の中心になりそうだ。

 少年と父親の関係について、本作では父親から子どもに対して受け継がれていくもの。子どもがどんどん教育を得ていくことによって成長していくというもの。そうした子どもと父親の関係が作り上げられていくところをインタラクティブに見せていきたかった、とCORY氏は語っている。

 彼の言葉通り、今回のデモバージョンでは子どもがハンティングを学びたいと思っており、一生懸命学ぼうとしている少年を父親が助けて教育していく、という場面が描かれていた。

 なお、カットシーンのように見えるイベントもカメラによるカットシーンではなく、すべてシームレスで動いているとのこと。ゲームプレイとナレーションがシームレスでうまくいっており、このトランジション(移行)がすごく素晴らしいと自分では思っている、とCORY氏は語った。

 デモバージョンは仕留めた獲物の解体に戸惑う少年と父親のやり取り。ドラゴンのような巨大生物が飛んでいくシーンがラストになっていたが、ラストシーンにはゲームのすべてが含まれているとのこと。舞台となる場所にしてもキャラクターにしても全部見えており、「そこを見てもらえれば、よくわかる」とも語っていた。

 CORY氏によるデモの解説が終わったあとは質疑応答が行われた。「本作は父と子の物語が大きいのか、それとも神々との戦いがまだ続いているのか?」という質問に対してCORY氏は、「本作ではギリシャを出て北の地域に行くのですが、まだ神としてのパワーは残っている。ただ、自分が経験したいろいろなことを、子どもにすべて教えていきたいということが前提にある」と答えた。

 なお、本作の主人公はギリシャのパルテノン神殿を壊したスピリットが残っているものの、年を取ってパワーが落ちてきている状態であるとのこと。自分1人で孤立した状態であり、年を取ってもまた戦いに戻っていくという描写が、今回のストーリーで描かれるようだ。

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