2016年6月17日(金)
『Destiny 鉄の章』黄金時代の遺産が牙をむく大地で、サラディン卿とともに鉄の豪傑たちの足跡をたどる【E3 2016】
全世界で数多くのプレイヤーが参加している人気オンラインFPS『Destiny』。6月10日には、その最新拡張パックである『鉄の章』の発売が決定したばかり。E3 2016で、本作の開発元であるBungieのDavid Dague氏にインタビューを実施し、配信が待ち遠しい『鉄の章』の内容についてうかがった。
今回の物語はアイアンバナーでおなじみの“サラディン卿”が中心に
――新たに発表された拡張パック『鉄の章』の概要について教えてください。今回は敵対種族のなかでもフォールンにフィーチャーしたもののようですが……。
『Destiny』では、昨年発売された拡張パックII『ハウス・オブ・ウルブズ』をはじめ、これまでもさまざまなハウス(部族)のフォールンが登場してきましたが、今回の相手となるのは地球のハウス・オブ・デビルズです。
彼らは地球の旧ロシアで見つけた黄金時代のテクノロジーを用いてみずからの心や体を異形の姿になるまで改造していて、ほかのフォールンからは“デビル・スプライサー”と呼ばれています。彼らが旧ロシアで掘り当てた黄金時代の遺産ともいうべきテクノロジー“ZIVA”は一種の細菌のような存在で、かつて鉄の豪傑たちを滅ぼしたほどの力をもっています。
鉄の豪傑たちの唯一の生き残りであるサラディン卿は、プレイヤーの分身であるガーディアンを集め、当時彼らがやろうとしていたことを果たそうとしている、というのが『鉄の章』の冒頭の流れとなります。
――鉄の豪傑というのはどういった人々なのでしょうか?
ゴーストによるガーディアン蘇生技術が確立される以前の時期に、暗黒の脅威から人々を守っていた英雄たちです。当時はフェルウインターの山頂という場所に砦を築いていましたが、旧ロシアで発見されたナノテクノロジー“ZIVA”によって滅ぼされてしまいました。
その生き残りであるサラディン卿は、かつての鉄の豪傑たちのような人材を育てるため、タワーで“アイアンバナー(※1)”を実施してガーディアンたちを鍛え上げているのです。今回、アイアンバナーによる鍛錬が一定の成果を上げたことを確信した彼は、ガーディアンたちを率いて再びタワーに迫るZIVAによる危機を阻止しようとしています。
※1:アイアンバナーは、『Destiny』において月に1回程度開催されている対戦イベント。ガーディアンのレベルや装備の差がお互いのダメージに反映されるため、テクニックを含めたガーディアンの総合力が問われる。
――トレイラーではサラディン卿が炎に包まれた両手斧のような武器を持っていますが、ゲーム上ではどのように使われるのでしょうか?
炎につつまれているうえに鎖も巻かれているこの素晴らしい武器は、『鉄の章』をプレイする人全員にこの武器を使う機会があります。ヘビーウェポンのように装備して使うのではなく、ある特定の状況で使えるようになります。『ハウス・オブ・ウルブズ』の“スコーチキャノン”のような感じですね。実際の使い道などについては、今後情報を公開していきたいと思っています。
※2:スコーチキャノンは、『ハウス・オブ・ウルブズ』のコンテンツで使用できた武器で、発射ボタンを押す長さで威力と爆発範囲が拡大する強力な弾を発射する。落ちているところを拾うと使用できた。
――アイアンバナーでおなじみのサラディン卿が『鉄の章』の中心人物とのことですが、開発チームのなかでも彼は人気のあるキャラクターなのでしょうか?
もちろん! 開発チームのなかで彼は非常に愛されているキャラクターです。我々にとって月に1回開催するアイアンバナーで、彼は普段は閉鎖されているタワーの奥の炎に包まれたゴングの前に立っているのですが、開催されると同時に楽しみに待っていたガーディアンたちが開いたゲートをくぐって彼の前に集まるときが開発チームの好きな瞬間だったりします。
また、アイアンバナーでガーディアンが入手できるレジェンダリー装備は、ひとつひとつの名前がかつての鉄の豪傑たちにちなんだものになっています。『鉄の章』では、アイアンバナーで手にする装備の名前の由来について、ガーディアンにいろいろと思いをはせてほしいですね。
『鉄の章』でガーディアンが訪れることになるフィルウェンターの山頂は、タワーやリーフのベスタ基地のようにガーディアンたちが集まる新たなソーシャルスペースとなります。ただし、最初は敵に占領されている状態なので、まずはこれを取り戻す必要があります。ここには、かつての戦いで倒れた鉄の豪傑たちのモニュメントも存在しますよ。
――新たなソーシャルスペースとなるフィルウェンターの山頂について教えてください。
タワーでのサラディン卿は、アイアンバナーの期間中のみこの地を訪れるビジター的な立場でした。今回登場するフェルウインターの山頂は、鉄の豪傑たちの拠点であると同時にサラディン卿の居場所であり、ガーディアンは彼から新たなサポートを受けられるようになります。
――アイアンバナー関連のサポートもこちらで受けることになるのでしょうか?
『鉄の章』におけるクルーシブルについての情報は、8月ごろの公開を予定しています。『鉄の章』実装後もアイアンバナーはもちろん開催されますが、『Destiny』の対戦モードであるクルーシブルのなかで、アイアンバナーというパズルのピースがどのように当てはまるのか、今後の情報を楽しみにまっていただければと思います。
『Destiny』は、サービス開始から1年以上経た現在も世界で多くのプレイヤーが集う
――世界中でサービスを展開している本作ですが、ピーク時のユニークユーザーはどのくらいいるのでしょうか?
まず、『Destiny』が非常に熱心なコミュニティに支えられていることを光栄に思っています。プレイヤーですが、オシリスの試練やアイアンバナーといった期間限定のイベント開催時に戻ってくる人や普段からずっと遊び続けている人など、プレイスタイルの幅は広がっていますが、全体としての数は大きく変化しているようには感じていません。サービス開始から現在に至るまで数百万人の人が遊んでいます。
――『Destiny』では、『SRL』などこれまで1回のみ開催されたイベントがいくつかあると思うのですが、これらのイベントが再び開催されることはありますか?
開発陣のなかには、これらのイベントを担当するチームが存在し、今まで以上に熱心に仕事をしています。彼らが一生懸命考えているのは、どういった体験やタイミングでのイベントを実施すればプレイヤーに楽しんでもらえるかということです。今のタイミングで明らかにできることはありませんが、イベントなどのスペシャルな体験については開発チームのなかで日夜考えられています。
――続けて『Destiny』をプレイしているガーディアンたちにとっては、『鉄の章』で追加される新たなレイドミッションが気になるところですが、今回のレイドはどういった内容になるのでしょうか?
新たなコンテンツが発表されるタイミングでは毎回そうなのですが、今回のレイドも現時点で最高難度かつ最高の新しい体験が得られるミッションとなります。これまでお話した今回の脅威であるZIVAやスプライサーたちを、以前のように封印するのではなく完全に滅ぼすことが目的です。敵の拠点で行われるミッションをいかにクリアしていくか、プレイヤーのみなさんにぜひ探求してもらいたいですね。
『鉄の章』は、今夏をメドにさらなる詳細が明かされる
――『鉄の章』ではストーリーやレイド以外にどのようなコンテンツが追加されますか?
ストライクミッションも新規やアレンジ版が登場するほか、クルーシブルでは新しいゲームモード(ルール)が追加される予定です。さらにフェルウインターの山頂のほかに新しいフィールドを探索することもできます。ガーディアンの装備についても新しいものが大幅に追加されます。また、『鉄の章』のストーリーでは、鉄の豪傑たちの存在に近づくにつれ、プレイヤーにガーディアンの新しい能力の可能性を体験してもらえるような仕掛けを用意しています。
――先行予約の特典“鉄のギャラルホルン”について教えてください。
鉄のギャラルホルンは黒と銀の美しいデザインが特徴です。また、特定のクエストをクリアすることでトラディショナルな白と金のカラーリングが施されたギャラルホルンを運に頼ることなく入手することができます。ウルフパック弾をはじめとするギャラルホルンの特徴は、そのまま新しいギャラルホルンにも受け継がれていますよ。
――『Destiny』ではこれまでさまざまなボリュームの拡張コンテンツが配信されてきましたが、『鉄の章』のボリュームはそれと比較してどの程度の規模になるのでしょうか?
おなじフォールンをテーマとした『ハウス・オブ・ウルブス』に、さらにいろいろな要素が追加されているといった感じでしょうか。価格以上にお得なボリュームになっていることは間違いないですよ。これから夏に向けてさらに詳細な情報をお届けすることを約束しますので楽しみにしていてください。