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2016年6月17日(金)

『Detroit Become Human』は主人公が死んでも物語が続く。交渉人・コナーの物語は捜査と説得がカギに

文:あべくん

 米国・ロサンゼルスで開催されたコンピュータゲームの祭典“E3 2016(Electronic Entertainment Expo 2016)”。同会場では『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』や『BEYOND:Two Souls』を世に送り出したQuantic Dream(クアンティック・ドリーム)の最新作『Detroit Become Human』のデモプレイセッションが行われました。

『Detroit Become Human』

 本記事では、デモプレイセッションにより判明した本作の特徴や注目したいポイントを紹介します。

何が重要になるかわからない! 犯人に対してどう行動するかはプレイヤー次第

 デモプレイセッションでは、高層マンションの最上階で少女を人質に取ったアンドロイドに対し、同じくアンドロイドの交渉人・コナーが説得を試みるシーンの紹介が行われました。

『Detroit Become Human』
『Detroit Become Human』
▲交渉人のアンドロイド、コナー。

 それがどういったシチュエーションであるかは、動画を観ていただくのが一番わかりやすいかと思います。下記の動画に収録されている事件が、今回のデモプレイで確認できた状況になります。

●動画:『Detroit Become Human』E3 2016 Trailer(コナー篇/ 日本語吹替版)

 動画では、犯人が屋上から少女ともども飛び降りる、少女は助かるものの犯人とコナーがビルから落下してしまう、説得に成功し犯人が無事に少女を解放するものの、ヘリで待機していた警官から狙撃されてしまうなど、あらゆる場面を確認できます。

 このように交渉の結果は、説得を試みる前の現場での捜査、屋上での犯人との交渉によって、幾通りにも分岐していくのだそうです。

『Detroit Become Human』

 ここで現場での捜査とその状況について説明しましょう。デモプレイは、コナーが事件の現場となった高層マンションの一室に足を踏み入れた場面から始まります。

 現場ではコナーの他、多数の警官が事件を捜査しています。現場はひどく荒らされており、屋上に立て籠もっている人物が殺害したとみられる人間の死体の数々や割れてしまい魚が床に飛び出た水槽など、さまざまな証拠が存在するといった状況です。

 コナーは、犯人との交渉に臨む前に、そういった気になる箇所を調べて回ることができます。調査には実質的に関係のなさそうな行動、たとえば先ほど述べた魚を水槽に戻す、といったこともできるようです。

 一見事件に関係がないように見える行動が、後々大きな意味を持つこともあるようです。犯人との交渉時には、コナーの発言や行動を△、○、□、×ボタンなどで選ぶことができます。その内容は“(人物の)名前を呼ぶ”、“(犯人の要求に)従う”、“無視する”など多岐にわたります。

 この時、捜査で犯人や少女の名前を知っておかないと、“(人物の)名前を呼ぶ”という行動にロックがかかり、その行動を行うことができなくなってしまいます。できるだけ有利に交渉を進められるよう、時間の許す限り情報を集めることが重要になる訳です。

『Detroit Become Human』

 今回のデモプレイセッションでは確認できませんでしたが、先述した“水槽に魚を戻す”という行為も、もしかすると犯人が大事に可愛がっていたペット、ということもあるかもしれません。逆に、魚が嫌悪の対象である可能性も考えられます。

 どういった行動が交渉時に役立つのか、それを見つけ出す、というのがとてもユニークで楽しそうに感じられました。

 ちなみに、捜査時に拳銃を入手できることもあります。コナーが拳銃を所持している場合、チャンスがあれば犯人を射撃することも可能な訳です。もちろん“死人に口なし”ですので、犯人を射殺して少女を解放できたとしても、それがベストではない可能性もある訳ですが……。

『Detroit Become Human』

 再度、捜査の説明に戻りますが、アンドロイドであるコナーは床に落ちている証拠が、落ちる前はどのような状態にあったかを確認できる能力を備えています。

 現場の状況を確認するだけでなく、何かしらの矛盾が発見できる可能性もあります。この他、警察官とうまく協力関係を結べるどうかなども、コナーがどのように話しかけるかで結果が変わってきます。うまく警官にとりいることができれば捜査資料を共有でき、より説得しやすくなるかもしれません。

『Detroit Become Human』

 このように、あらゆる状況に能動的に働きかけることで、複雑に分岐する物語を楽しめるというのが本作の大きな特徴であり、魅力であるようです。

 ちなみに、本作のクリエイターが言うには、交渉が成功したとしても失敗に終わったとしても、さらには結果としてコナーが死亡したとしても物語は続いていく、つまりゲームオーバーという概念が存在しないとのことでした。

『Detroit Become Human』
『Detroit Become Human』

 最後に僕個人の感想になりますが、SIEカンファレンスで映像を見ただけでもAVG好きとしてワクワクしましたが、デモプレイセッションで捜査や交渉の様子を見て、一日でも早くプレイしてみたい! と強く思うようになりました。

 本当に私的な意見で恐縮ですが、個人的にE3 2016の発表タイトルのなかではNo.1だと思っています。操作できるのはコナーと、先に発表されていたカーラだけではないようですし、続報にも期待したいですね!

『Detroit Become Human』
▲カーラ。彼女とコナーの物語はどのように交差するのでしょうか。

(C)Sony Computer Entertainment Europe. Developed by Quantic Dream.

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