2016年6月20日(月)
セガゲームスが配信するiOS/Android用アプリ『夢色キャスト』。本作のダウンロード数が100万人を突破したことを記念して、開発者インタビューを行いました!
『夢色キャスト』は、2015年9月に配信がスタートした女性向けのiOS/Android用ミュージカルリズムゲームです。プレイヤーは、ミュージカル劇団“夢色カンパニー”に所属する脚本家として、7人のメインキャストと交流を深めながら劇団を盛り上げていくことになります。
今年3月にボーカル曲を収録したCDが発売され、4月にはメインシナリオの第二部が実装、5月にはついに100万ダウンロードを突破! さらに、6月には話題の大型コラボが開催されます。
今回、開発ディレクターの高田暁子氏を中心に、開発プロデューサーの岩濱正人氏、そして公式ニコ生でもおなじみの夢色カンパニースタッフ・遠藤峻亮氏にも同席いただいて、開発の裏話や今後の展開について語っていただきました!(※インタビュー中は敬称略)
――まずは、100万ダウンロード突破おめでとうございます!
高田:ありがとうございます。ひとえに遊んでくださっている皆様のおかげで、大変うれしく思います。100万という数字を聞いて、より一層たくさんの人に『夢色キャスト』を長く楽しんでいただけるようやっていかなくてはいけないなと、改めて気を引き締める思いです。
――『夢色キャスト』は、ユーザーさんひとりひとりの熱量がとても高いという印象です。
高田:そうですね。題材がミュージカルであるということや、メインのキャラクターが少ないということもあり、世界観やドラマを深く楽しんでくださる方が多いのかなと。また、『夢色キャスト』は、ユーザーさん同士がSNSなどでとても積極的にコミュニケーションをとられていて、情報の拡散力も高いのかなと考えています。
――それではゲームについて伺います。本作で“ミュージカル”を題材にされた理由を教えていただけますか?
高田:ミュージカルが好きなスタッフが作った、ということもありますが、『夢色キャスト』はオンラインゲームですから、ユーザーさんに長く飽きずに楽しんでもらうことが重要になります。ミュージカルには、1作品ごとに深い世界観があります。キャラクターとリズムゲームを組み合わせたゲームを考えた時に、ミュージカルをモチーフにすれば世界観や曲、イラストの幅をいろいろと広げられるのではないかと思い、題材に選びました。
――メインキャスト7人のうち、最初に生まれたのはどのキャストですか?
高田:7人同時です。本作は今までのどのスマートフォン向けゲームでもやったことのないレベルで、各キャラクターを掘り下げたいという思いがあったんです。そのため、メインキャストは7人でいこうというのは企画立案当初からほぼ決まっていました。立ち位置やカンパニーでの役回り、性格のバランスを決めて、全員同じように掘り下げていきました。ただ、7人全員、今の設定に落ち着くまでは大変でした(笑)。
デザイン面でもそうなのですが、本作のメインキャストは“実在しうる”という点を重要視しているんです。ユーザーさんにキャストを気に入っていただいて、この人のことをもっと知りたい、恋をしたいと思っていただけるゲームを目指していますので、突飛すぎて実在しなさそうな設定にはしない、というポリシーがありました。だからといって、本当にいる人をそのまま描いてしまってはおもしろみに欠けます。突飛にはならず、だけど深みや意外性のあるという点で、設定のバランスをとるのがとても難しかったですね。
本作は、本編とは別に恋愛ドラマを用意しています。恋愛ドラマはラブストーリーではあるものの、7人それぞれの成長を主人公が見守ったり、後ろから彼らの背中を押したりする展開になっています。シリアスでつらいエピソードがあったとしても、つらいまま終わるのではなく、主人公と一緒に乗り越える、というのが『夢色キャスト』の恋愛ドラマのコンセプトです。
――シナリオを制作する上で、気をつけている点はありますか?
高田:“メインドラマ”は、7人と主人公のカンパニーでの役割や劇団員としての立ち位置をユーザーさんに伝えていくものと考えているので、恋愛要素は入れないようにしています。こちらでは、7人すべてのキャストについて語ることで、ユーザーさんが好きなキャスト以外にも興味を持ってもらえるように作っています。
逆に“恋愛ドラマ”は、皆様に甘いシチュエーションを楽しんでいただくためのものでもありつつ、7人それぞれの成長を一緒に体験する役割もあるので、そこのバランスに気をつけつつ、各キャストを深く掘り下げていく仕組みにしています。
“楽屋”については、1日何回か気軽に行けて、かつ好きなメンバー以外の反応も見られる場所です。そうすることで、「このキャストもいいかもしれない」と思っていただけるように、日常的なふれあいの場所として考えています。
――これまでにさまざまな演目が登場しましたが、一番印象的だったのは?
高田:印象的だったのは、“The AUDITION”という演目ですね。この演目の設定、曲、ビジュアルが完成した時に『夢色キャスト』というゲームが具体的になったなと感じました。キャラクターデザイン・ののかなこさんに描き上げていただいた絵を見た時は、「『夢色キャスト』の世界観が形になった」という実感がわきましたね。
――ちなみに、ユーザーさんからの評判がよかった衣装はどれでしょうか?
高田:何か1つがずば抜けてというのはないのですが、最近ですと『レ・ミゼラブル』をベースとした“さいはての人々”と“フライト・インポッシブル!”、あと新選組をモチーフにした“Rising”に関しては高評価をいただいている感触ですね。
▲“さいはての人々” |
▲“フライト・インポッシブル!” |
▲“Rising” |
岩濱:“さいはての人々”はこれまでとキャストの絵のタッチが違って、どんな風に受け入れられるのか心配していました。演目の雰囲気にはあっていたことから、いい評価をいただけたのかなと思います。
高田:キャラクターを全面に押し出したタイトルでありながら、1作品の中でイラストのタッチを変えるのは前代未聞だと思います。ですが、『夢色キャスト』のキャストイラストは、「ミュージカルの一場面を切り取ったもの」でもあるんです。衣装や照明なども含め、「演目らしさ」をもっと突き詰めたいという思いがチームの中にありまして。
“さいはての人々”をやる時、今までの絵のタッチでは、原作が持つ世界観をユーザーさんには伝えきれないだろうということで、線の描き方や影の付け方を変えるというチャレンジをしました。今後も演目1シリーズで世界観をきっちり表現してお伝えできるようなイラスト作りをしていきたいですね。
――リズムゲームのバランス調整で苦労されたところはありますか?
高田:コンシューマーで女性向けのゲームをされている方、またスマートフォンでテキスト中心の女性向けのタイトルを遊ばれている方にも本作を遊んでいただきたいという思いがありました。リズムゲームは難しくてできないよという方に遊んでいただきつつ、リズムゲームが好きな方にも楽しんでいただけるように調整するのが難しかったですね。
パネルタッチタイプのインターフェイスにしたのは、リズムゲーム初心者の方にも気持ちよくプレイしていただきたかったからです。『夢色キャスト』のリズムゲームは、いわゆる「モグラたたき」に近く、そのほうが難易度は落としやすいだろうと思いまして。なので、EASYに関しては必ず指1本で遊べるようにしています。
ただ、ゲームとしての深みを出すためには、難易度が高いほうにも振り切れるようにしておかなければならない。あの8マスで、EXPERTやMASTERといった高難易度、かつ楽しいリズムゲームが作れるかどうかが課題でした。リリース直前まで、試行錯誤を繰り返していましたね。
アドベンチャーゲームしかやりませんというユーザーさんが、「リズムゲームも楽しいね」と言ってくださったり、逆にリズムゲームを深くに遊びたいというユーザーさんが「女性向けのアドベンチャーゲームも結構楽しいね」と言ってくださったら、このプロジェクトは成功だねとチームで話しながら作っていました。
――リズムゲームの演目で、ボーカル曲だけでなくBGMも入れられた意図をお聞かせください。
高田:リズムゲームに関しては、ミュージカルらしさがどうすれば出せるかということに悩みながら作っていました。セリフの掛け合いもミュージカルらしくはありますが、リズムゲームの曲としては成立しません。世界観やストーリーを表現しつつリズムゲームとしても楽しめるものを作りたいなと思っていた時に、劇伴……歌のない曲を使ってみたらいいのではないかと思ったんです。
BGMも、こういう曲なら「世界観を表現しつつ、プレイして楽しい」というところに落ち着けるまで、すごく大変でした。ただのBGMでは繰り返してのプレイに耐えられないので、メロディラインを印象的なものにして「歌えるBGM」を目指しました。また、リズムゲームとしてもおもしろい曲運びが必要なので、そのあたりを詰めつつここまできたという背景があります。
――個人的にリズムゲームは好きなんですが得意ではないので、『夢色キャスト』のようにレアリティの高いキャラクターをチームに入れるとちゃんとクリアできる仕様はありがたいです。そのあたりのバランスは絶妙ですよね。
高田:そうですね。これくらいのパラメータを持つキャストをそろえれば、どれくらいミスしてもクリアできるという調整はしています。あとはコンボですね。リズムゲームの楽しさの根幹は、フルコンボをつなぐことだと思うんです。リズムゲームが苦手な方にも、そこをまず伝えたかった。でも、苦手な方はそもそも「コンボとは何?」という状態ですよね。そこであえてキャストのスキルでコンボをつなげるという仕組みを入れ、「フルコンボって気持ちいい!」というのを実感していただけたらと考えました。
ただ、やはりコンボをつなぐスキルを持つキャストは基本的にスコアをあまり稼げない設定になっています。コンボをつなぐスキルを持ったキャストに助けてもらってフルコンボの楽しさを知っていただく。さらにそこからのステップアップとして、今度はスコアを極めようというところにつながっていくといいなと思っています。
定期的に開催する“トレジャーイベント”は、コンボを継続していくとより多くのアイテムが手に入るイベントなので、私も全員コンボ継続スキルを持ったキャストのチームで挑みます。でも、スコアを競う“スコアマッチ”のようなイベントでは、コンボ継続のキャラクターを外してスコアアップのキャラクターを入れますし、難易度の高い“MASTER演目”では、タフネスアップやタフネス回復でガッチリ固めたチームにします。まずはリズムゲームの楽しさを体感していただいた上で、カードの配置の工夫でいろいろな遊び方ができるようにと考えています。
――ちなみに、高田さんのオススメのスキルは?
高田:目に見えて効果が実感できるのは、やはりトレジャーイベントにおけるコンボ継続ですね。今後、スキルに関しては、種類を増やしてより楽しく遊べるようにしていきたいなと思っています。
▲コンボ継続スキルを持ったカードは、トレジャーイベントで頼りになります。 |
――同じキャラクターでもカードによってさまざまなスキル効果があるので、どんな組み合わせにするかチーム編成を考えているだけで楽しいですよね。
高田:そう言っていただけるとうれしいです。ユーザーさんに、キャストの魅力やドラマ、楽曲を楽しんでいただけるようにすることはもちろんですが、チーム一同、ゲームとしてもよりおもしろいものにしていきたいという強い思いがあります。とにかく、メインキャストの7人を、シナリオでもゲームでも触れ続ければ続けるほど深みが増していくようにしたいですね。
■電撃の『夢色キャスト』プレイヤーの質問にも答えていただきました!
電撃にも、もちろん『夢色キャスト』をプレイしている編集&ライターがいます。そんなメンバーからの質問にも答えていただきました!
Q.今後、交換ショップのラインナップは変更されますか?
高田:時期はまだお伝えできませんが、変更は予定しています。
Q.曜日曲の追加などはありますか?
高田:日替わり、特別楽曲のメニューの中に遊べる曲を随時増やしていく予定です。すでに配信を終了しているイベント楽曲に関しても、復刻を予定しています。
Q.ずばり、ユーザーさんに人気の楽曲は?
高田:プレイされた回数、ということですと、やはりイベントの楽曲が多いですね。定常楽曲の13曲の中では当然最初にやる“CALL HEAVEN!!”が多いです。
Q.今夏に水着イベントはありますか!?
高田:実在しうる人物設定ややストーリーがコンセプト……と言っているからには季節に合ったイベントは起こりえますね(笑)。
岩濱:必要以上の露出は極力しない方針なのですが、自然な露出はあっていいと思うので、水着イベントを開催してもおかしくはないですね。
▲個人的に、交換のショップのラインナップ変更、期待しています……! |
――今後予定されているアップデートの内容について、お答えできる範囲で教えていただけますか?
高田:キャスト周りですと、ソロチャレンジボイスはこれまで演目が出ている時にしか聞けなかったのですが、カード詳細画面から直接聞けるようになります。期間限定でなくなってしまった、もうプレイできない楽曲にひも付いていたソロチャレンジボイスも聞けるようになります。
遠藤:“Message from 夢キャスチーム ♯2”では言っているのですが、持っているキャストイラストと一緒に写真が撮れるんですよ! これが僕イチ推しですね。この機能について書かれていることに気づいていないユーザーさんもいらっしゃるのではないかなと思いまして、改めて言います(笑)。
岩濱:他にも、細かな新機能、改善はたくさんあります。半年くらいのスパンでいろいろ変わっていくと思いますので、期待していてください。
▲こんなロマンチックな写真も撮れるように! |
――『夢色キャスト』はリアルイベントやコラボカフェなど、ゲーム以外にもさまざまな展開をされていますよね。
遠藤:今年の3月~4月にかけて池袋PARCOで期間限定ショップをやったのですが、同様のものを6~8月に横浜、神戸、福岡の3カ所で展開します。神戸に関しては第二部の舞台なので、タイミングばっちりという感じですね。
高田:今までにない……「あれがグッズ化されるの!?」というものもありますので、お楽しみに。
――“プリントキャラマイド”をはじめとするグッズ展開も、積極的に行われていますね。
遠藤:グッズがたくさん出るというのも、僕にとっては初めての経験ですね。キャラマイドは、僕も自分でセブン‐イレブンに行って買ってみました(笑)。
高田:私も買いましたよ(笑)。
――私も買いました(笑)。
▲“プリントキャラマイド”は、セブン‐イレブン店頭のマルチコピー機で購入できるモバイルチャンス付きプリント出力サービスです。 |
岩濱:グッズやLINEスタンプを作成、販売するとか、JOYSOUNDなどでやっているリアル店舗とのコラボキャンペーンって、当社の他のゲームでは通常、そこまで重要視していないんですよね。でも、本作ではどれもすごく人気なんです。いかに、ユーザーさんから愛されているか、よくわかると言いますか。そういえば、“セガネットワークス ファン感謝祭”の時もすごく盛り上がりましたね。
遠藤:“セガネットワークス ファン感謝祭”は、私も特に印象に残っています。朝7時から並んでくださった方もいて。皆さん、友だち同士ですごく楽しそうにしてくれているんですよ。こういう文化が女性向けのゲームにはあるというのは、タイトルを担当していて楽しいなと。
僕は今までずっと男性向けのゲームを担当していたので、今回初めて女性向けのゲームのユーザーさんに接したんですが、とにかく皆さんの熱量や愛がすごい! 広がり方も男性向けタイトルとは違って、1人すごく好きな人がいたら、その人が友だちを巻き込んでどんどん拡大してくれるんですよ。そういったことの積み重ねで、100万ダウンロードを達成できたと思っています。皆さんの、本作が好きでそれを誰かに広めよう、もっといろいろな人に教えてあげようという熱い気持ちに助けられています。
ゲームのメンテナンスが早くあけた時に、問い合わせなどで「メンテナンスを早くあけてくださってありがとうございます」というお礼の連絡をいただくことがありまして。よくできた時は優しく応援してくれて、ダメな時はちゃんと叱ってくれる。我々を支えてここまでついてきてくださって、本当に感謝しております。
――それでは最後にひと言ずつメッセージをお願いします!
岩濱:私の言いたいことは、基本的に全部、公式サイトの“Message from 夢キャスチーム(♯1、♯2)”に書くようにしています。先ほど遠藤と打ち合わせしたのですが、7月頭ににも♯3を書くことが決まっているので、ぜひそちらを見てください!
遠藤:先ほども申し上げたのですが、『夢色キャスト』というのは皆さんと一緒に作り上げてきたというところが非常に強いタイトルです。まだまだ至らない点はたくさんありますので、そこはもっとよくしていきつつ、皆さんと一緒に『夢色キャスト』、夢色カンパニーをよりよくしていくことができたらなと思っております。今後ともよろしくお願いします。
高田:脚本家として遊んでくださっているユーザーさんとメインキャスト7人とで“夢色カンパニー”です。末永くカンパニーを愛していただけるよう、スタッフ一同、皆さんが楽しめるものを作っていきたいと思います!!
(C)SEGA/夢色カンパニー
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