2016年6月29日(水)

【電撃PS】海外のビッグタイトルを手掛けたローカライザーたちによるスペシャル鼎談、その全文を掲載!(後編)

文:電撃PlayStation

 5月26日発売の電撃PS Vol.615にて、ビッグタイトルを手掛けた担当者さんたちにインタビューし、海外タイトルのローカライズにまつわる裏話や各社・各人のローカライズの特徴などを詳しくうかがう鼎談企画を掲載。ここでは、その後半の模様をお届けします。

『ローカライズスペシャル鼎談』

⇒スペシャル鼎談の前編はこちら

鼎談参加メンバー

◆ソニー・インタラクティブエンタテインメント
ローカライズプロデューサー 石立大介さん

代表担当作:『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』『The Last of Us』『ラチェット&クランク THE GAME』『HELLDIVERS(ヘルダイバー)』など

『ローカライズスペシャル鼎談』

◆スクウェア・エニックス
ローカライズディレクター 西尾勇輝さん

代表担当作:『オーバーウォッチ オリジンズ・エディション』『Life is Strange(ライフ イズ ストレンジ)』『ディアブロIII』『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』など

『ローカライズスペシャル鼎談』

◆スパイク・チュンソフト
ローカライズプロデューサー 本間 覚さん

代表担当作:『ウィッチャー3 ワイルドハント』『ディヴィニティ オリジナル・シン エンハンスド・エディション』『ドラゴンエイジ:オリジンズ/ドラゴンエイジ2』『テラリア』など

『ローカライズスペシャル鼎談』

ローカライズ時の、日本ならではの注意点とは

――(鼎談前半にて)文字種という日本ならではのお話が出ましたが、同じく日本の仕組みとして“CERO”という規準がありますよね。

西尾:その話、しますか?(笑)

石立:CEROに関しては、うちはプラットフォーマーなので、最も厳しく守らなきゃいけない立場です。社内のチェック体制もすごく厳しいですね。

西尾:うちもしっかりチェックされます。

本間:うちはそのあたり、担当プロデューサーが1人で責任を持つといった感じです。お2人は社内にそういう専門のチームがあると聞きましたが。

西尾:はい。セリフやテキストで倫理に反するものがないかなどをチェックしています。

石立:うちもそうですね。あと政治的文化的に問題になりそうな表現とか。あとはゲーム内のイメージが既存のイメージと似ていないかとか。いわゆる商標周りの問題を探す部隊がいて、それは日本のチームがすごく優秀なんですよ。

本間:うちはそういうところも含めて自分の責任で、何かあれば自分が首を切られるっていう。

石立:場合によっては訴訟のリスクもありますからね。そのあたりは慎重にならなきゃいけない。

西尾:海外ゲームってやんちゃしがちなんですよね。『LIS』とかはパロディも多かったですから。

石立:昔のゲームとかはパブリックドメイン(※9)だと思ってるふしがありますよね。

本間:「あれ権利とってるの?」って聞いたら「ちょっと聞いてみるわ」って。お前も知らないのかよ、みたいな(笑)

西尾:CERO周りで印象に残っているのはやっぱり『ウィッチャー』なんですよね。全裸のシーンが出てくるなかで、うまく世界のイメージを崩さないように着衣していますよね。ああした対応をしてくれる開発会社って、そうそういないなって思うんですよ。

本間:個人的にはやっぱりニップレスがよかったんですけど、どうしても包帯を巻いたみたいな横バンドになってしまいました。ほかのインタビューでも話したことあるんですが、ニップレスか、光か、ブラジャーの3つの選択肢があって、最終的にCD PROJEKT REDはいろんなリスクを考慮したり、世界観との兼ね合いもあって、横バンドになりましたね。

 現代もののゲームならニップレスでもいいんですが、中世ファンタジー世界でニップレスというのは受け入れられないという気もしましたし。できれば3Dモデルとしてブラを着用してほしかったんですが、やっぱりハードルが高いじゃないですか。モデルが消えちゃったら「どうすんだコレ」となるので。

石立:モデルだとリスクがあるんですよね。事故が怖い。

本間:リスクが高すぎて、最悪回収というところまであり得るので。泣く泣くテクスチャに貼り付けて、際どい部分は映っていないことにするという方法にするしかなかったです。お尻はOKだったりするので、例えば冒頭でのイェネファーというゲラルトの恋人が、後ろを向いてお尻が丸出しのシーンがあるんですが、あれは中東版などを見ると、ちゃんとパンツを履いているんですよ。地域によってはお尻もダメなので。当然開発としては、同じアセットは使い回したいじゃないですか。しかし日本はお尻はOKなので、「ケツは出してくれ!」って言いまして。その結果、出してもらってます。

石立:なるほど、そうなんですね。本間さんの情熱は本当にすごいですね(笑)。

本間:あと、あのシーンは横乳が見えるんですケド、乳首は見えてないのでセーフ! ということで、このシーンだけは元のモデルでやってくれと言って、やってもらいました。

西尾:素晴らしいこだわりですね(笑)。

石立:そういうのを開発が聞いてくれるというのは開発の度量もあると思うんですけど、やはり開発との信頼関係の影響もありますよね。

本間:そうですね。さきほどの西尾さんの『CoD』と同じように、自分もポーランドのワルシャワに数カ月滞在したんです。たぶん同じ理由だと思うんですが、世界各地で独自のQAを許すと、どこからか情報が漏えいしてしまう可能性があるから、と。そこで2~3カ月間彼らと一緒に仕事をするうちに信頼関係を構築できたと思っています。おかげで、今はもうDLCの作業は日本でやらせてもらえるようになりました。

 規制って一辺倒になりがちで、例えば「パンツ履かせてくれ」って言ったら全部のシーンで履かされるんです。でも細かくチェックすると、履かせなくていいシーンもけっこうあったりする。それは全部自分が個別に確認してリクエストしなきゃいけないのですが、そういった細かい要望にちゃんと応えてくれたので、いい世界観としてまとめることができました。今回のDLCの“血塗られた美酒”にもヤバイシーンがあるので、そこも可能な限り残すようにしています。

西尾:それは楽しみ(笑)。『LIS』にもグラフィック周りで修正対応があったのですが、初めてお仕事を一緒にする開発会社にもかかわらず、E3でお会いして以来ずっとやりとりしていたおかげか、すぐに対応してもらえました。とあるシーンの落書きとして描かれた男性器の代わりに何を描くのか……なんてことを20通くらいやりとりしていました(笑)。

石立:そういう場合は削るだけで終わりがちですが、それをちゃんと差し替えるというのは素晴らしいですね。

西尾:そう、消すだけで終わりがちなんですよね。一番ラクですから。でも人生初ですね、会社間のやりとりであんなに●●●とか●●●とか書くのは……。

石立:でも絵もダメなんですか。基準がよくわからなかったりしますよね。

西尾:『LIS』に出てくるイラストはあまりかわいらしいものではなく、ちょっとリアルな感じでしたからね。「あ、これは確かにダメだ」と。エロのほうの規制か、グロのほうの規制かというところで、国によって基準が違いますよね。日本のゲームは海外だとロリやペドだという認識をされてしまい、「これ発売できませんよ」と言われてしまったりしますし。逆にゴアに関しては海外のほうが日本に比べてだいぶ緩いですし。

石立:よく日本・ドイツ・オーストラリアって言いますよね。

本間:規制界の3大国家ですね(笑)。

石立:日本はまだグロにはちょっと厳しいですね。

西尾:規制の緩いゾンビものでも内臓がペロンチョしてるのはNGなど、やはりまだ厳しいですね。

石立:ゲームの映像が非常にリアルになったのはいいんですが、CEROさんの審査って、ゲームをやらない方々に、ゲームの映像を見てもらってレーティングを決める方式なんです。フォトリアルになるほど審査員にインパクトを与えちゃうんですよね。

西尾:逆にコミカルなエフェクトであれば、捉え方も異なりますよね。

石立:ただまあ、大きな視点からいうとゲーム業界って日本のなかでマイノリティーじゃないですか。人口が1億人いるとして、家庭用ゲーム機のユーザーさんはその数パーセントしかいない。なので、ゲームを遊ばない方から誤解を受けることもありますから、ゲーム業界とユーザーさんをいろいろな状況から守る意味では、自主規制を設ける機関は、やはりなんらかの形で必要だと思っています。

本間:たぶんCEROさんがなくなっちゃうと、本当に法律で規制するってことになっちゃうので……CEROさんがないともっと厳しくなっている世界が容易に想像できるんですよね。それこそ県ごとに規制されるなんてことにもなっちゃうと思うので。

石立:そうなんです。どうしてもゲームの世界にいると……僕もそうなんですけど、ゲームを遊ぶ人間の目線だけで考えがちなんですが、じつは日本社会全体や世界からどういう目で見られているかも大切だと思っているので、おとなしく……(笑)。

西尾:素晴らしいまとめです(笑)。制作物と、社会との間に入っていただいているという形ですね。

――操作周りに関しまして、◯ボタン決定、×ボタン決定についてこだわりなどはありますか?

本間:たぶんSIEさんって絶対○決定ですよね?

石立:うちは○決定ですね。でも『アンチャーテッド』の最新作で、×決定でいきたいって強い主張をされたことがあったんですよ。

本間:へ~。それは開発元のノーティードッグからですか?

石立:ノーティードッグと、アメリカのプロデューサーチームからですね。とにかくスケジュールが厳しいっていうのがわかっていたので、彼らからすると、ユーザーさんの体験に◯ボタンか×ボタンかは関係ないだろうと。その修正にUIプログラマーの手を使うくらいだったら、ちょっとでも絵をキレイにしたい、ちょっとでもフレームレートをよくしたいと言うんです。ただ、結果的には◯ボタンにすることができました。

西尾:『LIS』みたいなPS3、PS4のマルチプラットフォームの場合は、制約上PS3は◯ボタンにしなければならないので、「だったらPS4も○でお願い!」という交渉ができるんですけどね。ユーザーさん目線で見ると“本体のシステムが○決定なのに、ゲームに入ると×決定になるというのは不便だな”というのは我々ローカライズの人間も重々理解しているのですが、その事情が海外の開発になかなか伝わらないというのが現状ですよね。そして意外とそれを変えるのが簡単じゃないと。

本間:ただひっくり返せばいいかというと全然そんなことはなくて、ほかのゲームプレイで◯×使っているところにも影響しますし、非常にハードルは高いんです。自分は◯ボタンシンパなんで、◯ボタンしか愛せないんですけど(笑)。『ウィッチャー』に関しては、海外のマスター直前まで実装されていなくて、「あ、これはもう無理だな」と思っていたんですが、パッチでなんとか反映させていただけました。『ディヴィニティ』も作業を始めた当初から「日本では○決定が99%! ○決定じゃないと酷評される!」みたいにちょっと大げさなことを言って○にしてもらいました(笑)。

石立:僕は個人的には×ボタン派なんですけど、でも自分以外のユーザーさんを考えると、ほとんどのユーザーさんは国内ゲームに親しんでいる。そういうユーザーさんの気持ちになったときに、×ボタン決定というのはやはり「アレ?」ってなるなあと。

 あとはアクションゲームなどですと、何も考えずに◯ボタンとか×ボタンとかを連打してシステムメッセージを飛ばすことがあるじゃないですか。そういうときに、×ボタン決定だったことで、キャンセルするつもりが変なことをしちゃったとか、そういう事態が想像できるので、ローカライズ担当としては◯ボタン派ですかね。個人的には海外版のゲームをやることも多いので、×ボタンで世界が統一されたほうがラクだとは思うんですけど(笑)。

本間:ラクではありますよね。それを逆にテーマにして、×ボタン決定でローカライズしていらっしゃる方もいらっしゃいますし。だから今戦争状態なんですよね(笑)。

石立:古きよき◯ボタン派と、グローバルな×ボタン派だね。

――日本人の感覚からすると、○がハイで×がいいえという認識があるんですけど、海外だと違うんですよね?

西尾:海外では、テストなどでマス目にチェックを入れて正解を示すという文化なので、×が“正解”なんですよ。逆に○……空白は間違いという認識なんです。

石立:チェックっていうと、入国審査なんかでも大きく×を書かれるときありますよね。向こうの人たちは×で“選択した”“完了した”って感じなんですよ。

本間:○と×だから問題なんですよね。これがアルファベットとか数字だと問題ないんです。まあ、これはもうPS1からの歴史と言うか。でもだんだん×派が増えてきたので、新世代では×になるかもしれない。

西尾:本間さんはそのときまで抗い続ける?

本間:抗い続ける(笑)

石立:でもやっぱり、日本は○決定のほうがいいと思いますよ。やっぱり日本人の感覚としては○が正解なんで。その文化自体が崩れることはないと思うんですよね。

西尾:そういえば『OW』は何も言わなくても、最初のROMが○決定でした。

本間:マジですか!?

石立:さすがBlizzard(笑)。

西尾:先方に言うの忘れてたな~と思いながらゲームを起動したら○でしたね(笑)。おそらく『ディアブロ』での経験があったのが大きいんじゃないかな。そのときにしつこく「○でお願い!」って言っていたので、「どうせ言われるから先にやっとくわ」みたいな感じで対応してくれたと思うんですが。

石立:あと細かいところだと、メニューを一番下までスクロールしたあと、下を押すと一番上に戻るやつ。じつは海外ゲームって戻らないことが多いんですよね。

西尾:戻らないですね~。

石立:そういうのもデベロッパーさんにお願いするんですが、1回で変えてくれることはほぼなくて、2作、3作品ほどかけてようやく入れてくれるみたいなこともありますよね。

西尾:どう考えてもあったほうが便利ですからね。

本間:でもなぜかないんですよね~。下までいって“カツン”っていって止まるっていう。

西尾:たぶん1回前の画面戻った方が早いんじゃないかって思いますよね。

本間:自分はとくにPCタイトルの移植作品を扱うことが多いんですが、PC目線だとマウスでガッとスクロールすればそれで済んだりするので、たぶんその感覚なのかな。そういったコンソール用のUIとの違いというか。『ウィッチャー』みたいな超大作タイトルでもそのへんの落とし込みは甘いなとは思いました。

西尾:FPSって、どうしても北米ではPCがリードプラットフォームになってしまうので、『OW』もPC目線で作られている部分が多少あったりはしますね。ただ、コンソール版のローカライズという観点からするとBlizzardのローカライズチームってとても優秀な人たちばっかりで、日本語の優先度もすごく高く考えてもらっています。気づいている方もいらっしゃると思うんですが、ヒーローギャラリーに21人のヒーローが並んでるじゃないですか。あれって日本語版だとちゃんとあいうえお順なんですよ。

石立:あ~、それはすごい丁寧な仕事ですね。

西尾:それが最初から入ってたんです。だから僕最初バグだと思って「なんか日本だけ並び順違うんだけど」って報告したのですが、そうしたら「ちゃんとあいうえお順にしたんだよ?」って返信が来て、思わず「マジか!?」って言っちゃいました(笑)。なにその配慮!? みたいな。

本間:CD PROJEKT REDのローカライゼーション担当者もBlizzard出身なのでちょっとわかる部分もあるんですが、Blizzardって昔から韓国語を初めとした地域向けのローカライズをやっているので、そこの影響が波及しているんじゃないかな。

石立:僕がかかわった会社だと、ノーティードッグとか、ファーストパーティではないですがインソムニアックゲームズとか、PS1時代から日本にゲームを販売している会社は、やっぱり話が早いですね。彼らはもう日本向けにやるべきことがわかっているので。

西尾:経験の有無はやはり違いますよね、最近出てきたインディーの開発会社とかだと、2バイト文字への経験がないので、まず日本語のフォントを出すところからつまずくんですよね。

本間:文字化けとかけっこうありますし。

石立:フォントも出自の怪しいフリーフォントとか使ってたりしますからね。

本間:そう、勝手に入ってるんですよね。「日本語できたよ!」って言われて見てみたら、こちらで契約していないフォントが入っていたりね。

西尾:MS明朝とかMSゴシックとか入ってるんだよね(笑)。

石立:翻訳もどこから引っ張ってきたかわからない不思議な翻訳が入っていたりもしますよね。

本間:ワールドワイドでいろんなベンダーさんにお願いしてるんでしょうけど、日本語として破綻している翻訳が入っていることもありますね。

西尾:“NEW”のところに“新”って入ってたりしますからね。

石立:ありますね。なんでも漢字とひらがなにした方がいいと思っているというか。

本間:逆に漢字になってないとバグとして認識されますからね。“ニューゲーム”が“NEW GAME”になってると「これ英語になっちゃってるよ」とか言われたりしますから。

西尾:よくありますよね。わざと英語を残しているところを「これ未翻訳だったよ」っていって直されて戻ってくるっていう。

本間:なのでこちらで直して向こうに送る際に、ちゃんとこちらの意図が伝わるように説明を付けて送っています。向こうの思考に立つと、日本語になっていたものが英語になって返ってくるって、異常事態なわけじゃないですか。そういうところを補足してあげると1つミスが減るというか、余計なコミュニケーションを回避できるというか。

西尾:逆にそこまで細かく見てくれる開発の担当者はすごいなとも思いますね。

石立:まあそうなんですけど、勝手に直すのはやめてほしいです(笑)。

西尾:たしかに(笑)。

石立:日本語って、ひらがなカタカナ漢字と、アルファベットも使うじゃないですか。ほかの言語ではあまりないことなので、その感覚ってちょっと理解しづらいんだろうと思います。

西尾:ちょっと前に、ゲーム中に登場するテキストを全て翻訳する時代ってあったと思うんですよ。最近はちゃんと見た目を重視してというか、英語を残せるところは英語を残すという風潮があるので、『OW』も多少英語を残している部分があります。確か“You have died”などを残していたかな? 確かあれも1回日本語で「あなたは死にました」と返ってきて、直した記憶がありますね。「それはカッコ悪いわ」って。

石立:Tシャツとかに書いてあるファッション英語と同じですよね。英語で書いてあるほうがカッコイイ。

本間:『OW』のチュートリアルボイスみたいなのもすごい自然でよかったです。普通のマッチでも試合終了後に“PLAY OF THE GAME”って言うのも違和感なくて、アナウンスっぽくなっていていいなと思いました。

西尾:あのシーンはマッチの優秀者を見せる重要なシーンで、パッと見どういう状況なのかが英語ができない方でもわかる必要があるのと、カッコよく見せなきゃいけないところだったので悩みましたね。

本間:あそこを海外の大手ベンダーとかがやると“このゲームの優秀者”みたいにしてくると思うので、そういうところが我々が尽力できるところでもありますよね。

西尾:バランスが難しいんですよね。そういうとこも含めて隅々まで翻訳してほしいっていう方もなかにはいらっしゃるので。最終的に決めるのは自分になりますが……。

本間:最終的には担当者が自分で落としどころを作らなければいけませんね。

石立:僕は、チュートリアルの最後のトレーサーを追いかけるとこの最後の2ラインくらいと“PLAY OF THE GAME”は自分だったら違う感じにするかもなと思いました。なぜかというと、“PLAY”も“OF”も“THE”も“GAME”もそれぞれは簡単な単語なので、確かにわかるんですよ。でも、例えば“BEST PLAY”とかにすることもできて、そっちのほうが理解するための敷居が下がると思うんです。どっちもアリだとは思うんですけどね。

 FPSというジャンルはコアなユーザーさんが比較的多いし、英語っぽさが好きな人も多いので“PLAY OF THE GAME”でもたしかにいいなあとは思いますが。あとは、チュートリアルの最後のところは、「トレーサーを追いかけてください」っていうセリフ、同じようなことを何回か言うじゃないですか。

西尾:あれは……あれは……理由があるんです……!

本間:あれって同じボイスですよね?

石立:同じボイスのバリエーションのように聞こえますよね。でも違うらしいんですよ。西尾さんがニコ生でおっしゃってたんですけど、最後までセリフの順番がわからなかったって。

西尾:そうなんです。元はバラバラだったんです。さらにいえば5、6回仕様が変わっていて……。

石立:いや、全然問題ないシーンです。ただ、気になっちゃうんです。たぶんこれがさっき言っていた、厳しく見すぎるっていうやつで(笑)

西尾:いや、でもおっしゃることはすっごいわかります。僕も直したいんです、あそこ。なので、機会があればパッチで直そうかなと。どっかで直します。…………直します!

石立&本間:(笑)

石立:けなしたわけじゃないですよ(笑)。

西尾:大丈夫です、そうは受け取ってないです!(笑)

石立:西尾さんの仕事でいいなって思ったのは、ウィンストンっていうゴリラのヒーローですね。もともとインテリっていう設定だと思うんですけど、あれをいわゆる筋肉キャラにしないで、ですます調の学者っぽい言葉づかいにしたこと。けっこうみんなね、あれ(ゴリラ)を見ると「オレハ○○ダ」(大男の声真似)みたいにしがちなんですけど。

西尾:ウホウホさせがちですよね。

本間:担当させたい声優さんの声が頭に浮かびますよね(笑)

石立:そうそう(笑)。洋ゲーは十何人かの筋肉系声優さんたちが戦場で叫び合うみたいな、それこそ……おなじみの声が今日も聞こえる……みたいになりがちなんですけど、ああいうウィンストンのキャラづけは感心しました。ウェブで公開されているアニメーションがあるじゃないですか。CGのショートフィルムで、ウィンストンが「~~ですね」ってしゃべるのが、すごく“らしい”んですよね。

西尾:ショートムービーの時点ではまだキャラの背景などは伝わってなかったので、キャラを見て決めてますね。最終的にそれが正解だと思えたのでよかったです。

石立:ウィンストンのキャラ性能とも合ってるんですよ。見た目に反して一撃がそんなに強くなくて、バリアで仲間を守るみたいな。

西尾:怒るとゴリラになっちゃいますけどね。

石立:必殺技を使うとレイジモードになって、ジャンプとパンチしかできなくなるってやつですね(笑)。

西尾:そのときはセリフ喋らないので。それこそ「ウゴォォォ」しか言ってないから(笑)。

――先ほど、ローカライズを厳しい目で見てしまうという話がありましたが、いいローカライズと悪いローカライズの判断基準というのはどんなところでしょう?

石立:今おっしゃった“ローカライズ”って、吹き替えやUIのことを念頭に置かれてたと思うんですが、ローカライズの良し悪しってそれだけではないというのも言っておきたいです。まず、そもそも日本に何のゲームを持ってくるか、ということ。

 僕が本間さんに一番感心するのは、作品のセレクションなんですよ。「よくそれ持ってきたな!」っていう。『ディヴィニティ』とか、これは本間さんじゃないかもしれませんが『ホットライン:マイアミ』とか。そういった“どのタイトルを選ぶか”というのもローカライズとの範ちゅうで、むしろその作品選定と契約書の段階で、プロジェクトが半分くらい決まっちゃう重要なところでもあると思ってます。

西尾:日本の市場に何を持ってくるかというのが根幹にありますよね。

本間:うちの会社のローカライズ業務でいうと、まず何を持ってくるか選んで、契約を調整します。そこでまずお金に関するバトルがあり、そして当然社内のメンバーとバトルをしつつ、営業ともバトルをして、さらにマーケティングとバトルをする、みたいな(笑)。話がまとまったら、そこからようやくローカライズ作業をして、という形なので、そういう意味で言えばいいローカライズ悪いローカライズっていうのは、自分の中では翻訳のクオリティというよりは、各担当者がどれだけ力を入れているか、でしょうか。

 自分も『ウィッチャー』には相当な時間を費やしていますが、担当するプロデューサーが、どれだけそのタイトルを愛し、翻訳だけじゃなく収録のディレクションや、プロモーション、こういった場でお話することなどに、どれだけ力を入れているかが重要かなと思います。それがユーザーさんにどれだけ受け入れられるかにつながる、といっても過言じゃないと思っているので。直接的にはユーザーさんには見えない部分なんですが、裏では我々はそうやって作品に時間を費やしているので、そういったところにローカライズのクオリティは左右されるんじゃないかなと。

西尾:うちやSIEさんは海外にスタジオがあるので、言い方は悪いんですけど“やらざるを得ないもの”っていうのがあると思うんです。それでもどこかに愛を持って、時間をかけてローカライズしてあげれば絶対いい作品になると思っていて。『LIS』とかがまさにそうでした。

 逆に『OW』みたいな他社さんの作品をローカライズする場合は、本間さんのおっしゃる通りお金の調整などもしなきゃいけないじゃないですか。僕、お金の話とかあまり好きじゃないんですよ(笑)。なのでそうした部分は赤石沢などに担当してもらっていたりもして。うちのチーム体制ってほかとちょっと違うかもしれませんが、僕はどちらかというとディレクター周りの業務が多いんです。逆にお金のことを任せているから、僕はゲームのほうに専念できるというのもあります。『OW』に関しては言いだしっぺが僕だったので、お金周りのこともやってるんですけど。

石立:うちも最近担当を分けたんですよ。僕や安次嶺がローカライズプロデューサーという仕事で、谷口はローカライズスペシャリストって感じに。たぶんこのスペシャリストが、スクウェア・エニックスさんのディレクターに近い感じですかね。うちの場合、スペシャリストの仕事は限定されていて、台本作成と収録、テキストの納期と品質だけに責任を持つことになっています。だからQAもそこだけは彼らがやる。そうでないシステム周りとか権利交渉などのQAはローカライズプロデューサーがやります。そういうふうに分担すると、翻訳をやりたいっていう人にとってはすごくいい環境になるんですよね。

西尾:ありがたいですね、そういう人がいてくれると。

石立:ローカライズ業務とプロデューサー業務ってそんなに簡単には切り替えられないんですよ。例えば、キャラになりきってセリフとかを書いてるときに「すいません、ここチェックお願いします」って言われてチェックをして、そのすぐあとにまた同じテンションで書けるかっていうと、そんなことないんです。

本間:そうなんですよね。だから自分も早くその体制にしたいんですけど(笑)。自分もやっぱり作業がしたい人間なので。ゲームをプレイして、チェックをして、直して、ってやりたいんですけど、立場も上になってくると難しい。プロモーションのこともありますし、複数のプロジェクトを同時に回したりしていると、一気にそこで集中力が削がれてしまって。

 同じ8時間でも、3時間ほかの作業が入ると、作業効率が全然違うじゃないですか。例えば小説家とかって、静かな場所にこもってコツコツやらないと進まないと思うんです。たぶんローカライザーもそれと同じことをしないといいものができないと思うし、効率も悪いと思うんです。

 うちはファーストパーティでもないですし、海外にスタジオを持ってるわけでもないので、必ず毎年決まったタイトルが出るわけではありません。そうなるとある程度流動的になってしまうので、一定の部署に人員を配置するというのは、プロジェクトがないものにお金を使うことになってしまう、というケースが生まれてしまうので……難しいんですよね。理想としてはSIEさんと同じ体制を築いて自分は作業をメインにしたいんですけども、マネジメントもしなきゃいけない。

石立:あとはそもそもプロジェクトがもうかっていないと、ローカライズにお金をかけられないので、プロモーションへの協力とかプロジェクトマネジメントをしっかりやることが、間接的にローカライズの品質にもつながっていく面もあるんですよね。じつは8月に発売される『ラチェット&クランク THE GAME』なんですが、海外ではこの作品に合わせて、『ラチェット&クランク THE MOVIE』というフルCG映画が公開されているんです。

 この映画が、諸事情から日本では公開されないことになっていたんですが、僕たちローカライズプロデューサーや商品を企画してるチームの人たちが、日本の映画会社の人たちや海外で映画の権利を持っている人たちと交渉して、ゲームと映画をセットにした“限定版”という形で日本でも発売できることになったんです。

西尾:おー、素晴らしい!

石立:そういうことを企画するのが、ローカライズプロデューサーとして本当は大事なことなんですが、気づかれないところでもある。それで思い出したんですが、映画版の日本語台本を作成しているときに、もともと直しをお願いしていた方が急病で倒れられてしまって、その方の残した修正をもとに僕がその方の担当部分も修正したんです。

 そのとき、その作業だけに集中したら映画1本の台本チェックが24時間で終わって、あまりの効率にびっくりしたんですよ。それくらい集中できる環境というのは大事ですね。それまでは10分やったらメールをチェックして、10分やったら広報用のリリース文をチェックしたりとか、そういう感じだったんで、やはり効率よくないですね。

本間:会社に行かなくてもいい日を2週間くらい設定して、一気にやりたいですね。

石立:あとは複数のタイトルを並行してやるっていうのも、これはまだやっていますが、非効率ですよね。

西尾:『LIS』と『OW』がかぶっているときはつらかったですね。『LIS』の台本を書いているときは、心が女の子になってるんで(笑)。急にそこで『OW』の新しい台本が入ってくるとどうしても……。プロジェクトが立ってからはお金の管理は僕もやるので、予算繰りとかを考えなきゃいけないんですが、そういうことをやっているとわけわからなくなってくるんですよね。

本間:自分がポーランドに行っているときの話なんですが、『ウィッチャー』の発売が5月で、『テラリア』のPS4版の発売が2月にあったんですよ。で、ポーランドに行っているときにゲームを一切見ずにマスターアップさせるっていうことがありました。

西尾:遠隔マスターアップ!(笑)

本間:『テラリア』はPS3版とPS Vita版をすでにやっていたので、ある程度共通のアセットはあったんですが、当然新規の部分の翻訳は自分でやっていました。ポーランドで10時から夜まで『ウィッチャー』の仕事をして、ホテルに帰ってきてから3時間くらい『テラリア』をやって……みたいな。リモートデスクトップでがんばるんですけれど、ポーランドからなので回線がすっごい遅くて……。幸いにも『テラリア』は社内のプログラマーを使えたので、そちらに指示を出しながら、マスターアップはリモートデスクトップで行うっていう超荒業をやっていましたね。

西尾:停電しなくてよかったですね(笑)。

石立:海外出張中にマスターアップはすごいな……(苦笑)。

本間:誰にも誇れないんですけど、こういう場じゃないと話しても「はあ、なるほど」くらいにしかならないと思うんで(笑)。

西尾:大変さが伝わらないですからね(笑)

石立:武勇伝ですよね、それ(笑)。海外からゲーム触れないでマスターアップってすごい不安ですよ!

本間:『テラリア』じゃなくて完全新規タイトルだったら難しかったと思います。『テラリア』をさげすむわけではないですが、効率を考えるとその時間を『ウィッチャー』に当てたかったなとは思いますね。あと最近だと、自社タイトルの海外版などですね。『ダンガンロンパ』のSteam移植とかも、プロジェクトを自分で回してたりするんで。

石立:えっ、そうなんですか!?

本間:それをやりつつ、『ディヴィニティ』をやりつつ。

西尾&石立:仕事やりすぎでしょ(笑)。

本間:まず“血塗られた美酒”の仕事に入る前に『ディヴィニティ』を終わらせるっていうスケジュールを自分の中で立てて、その前に『ダンガンロンパ』の移植を終わらせるっていう、破綻しないようにはしてるんですけど。

西尾:いや、はたから見ると破綻してるようにしか見えないんですけど(笑)。

石立:うちの場合でもスケジュールがずれる場合があるんですけど……。

本間:『アンチャ』もずれてましたね(笑)。

石立:そう……。本当なら今頃終わってるはずだったのに、って後を引くというか。

本間:『ウィッチャー』も2月発売だったのが5月に延期したりしましたね。まあでも、明らかにこれ遅れるだろうと思ってたんですよ。2月の段階でまだフレームレートが安定していなかったし。でも大本が遅れるって言わないと、我々のほうではどうしようもないので。

石立:そうなんですよね~。

本間:向こうもギリギリまで待つんですよね。幸い5月には食い合うようなタイトルがなくて、売りやすいタイミングになったので『ウィッチャー』にとっては非常によい結果になりましたが。でもこちらの作業は別に遅れてないんですよね。ローカライズは2月の段階ですべて終わってたのに、開発の都合で、というと「あ、ローカライズが間に合ってないんだな」って思われちゃう。当時はそんなこと言えないので、今回みたいなある程度時間が経った場なら出しちゃってもいいかなと思うんですけど(笑)。非常に歯がゆかったです!

西尾:怖いな~。僕幸いまだ延期って経験したことなくって。

本間:歯がゆいですよ~。でも最近ローカライズが遅れるってあんまないですよね。

西尾&石立:ないですね。

西尾:海外のスタジオって、わりとあっさり延期するじゃないですか。Blizzardもこだわりが強い会社なので……。

本間:Blizzardって、いいものができるまでやる会社って有名ですもんね。

西尾:「終わったときに終わるんだよ」っていう謎の理論で遅らせたり、あるいはプロジェクトそのものをつぶしたりするので、けっこうヒヤヒヤしました(笑)。

石立:そのへんはノーティードッグもそうですね。

西尾:あそこもこだわり強いですよね。

石立:彼らは自分たちが遊びたいゲームになるまでは発売しないって言ってますからね。内部では絶対延期すると確信してるのに、それが言えない歯がゆさはありますよね。ノーティードッグはこのクオリティじゃ絶対出さないなって思ってるんだけど、彼らがギリギリまで頑張るのは知っているので、延期すると言わない限り、こちらとしても「いや、まだ予定どおりに出すつもりでおりまして……」としか言えない(笑)。

 ただ、最後の『アンチャ』の延期は、本当に流通要因だったんですよ。すべての地域で発売日に届けられないのが理由でした。日本は4月26日発売でいけたんですが、そういうのを言うわけにもいきませんから、世の中的には「また延期か」とか「また開発追いついてないのか」とか言われますよね。

本間:それちょっとまだ言うの早すぎるんじゃないですか?(笑)

石立:流通要因でっていうのは公式で発表されてるので(笑)。誰も信じてないですけど、今回は本当だから!

ユーザーさんからの反応――これからのローカライズについて

――最近のユーザーさんからのローカライズ作品への反応の変化などは感じていますか?

石立:僕はそんなに変化は感じないですね。逆にローカライズ側がユーザーさんを意識するようになったと思います。ローカライズのトップのクオリティはそんなに変わってないんですけど「こりゃ酷い!」っていうのがかなり減りました。しかも、だんだんプロジェクトが大きくなって、シムシップになって、ゲームが複雑化していることを考えると、これってものすごいことで、業界としての平均レベルはすごく上がってるんですよ。ユーザーさんの見る目が厳しくなったというより、業界として水準が上がったことで、ユーザーさんがそれに慣れてきたのかなと。

本間:傾向とか方向性みたいなものが会社ごとにある、というユーザーさんたちのイメージがあって、それって本当に1つのタイトルでイメージがついてしまうと、それが3、4年たってもぬぐえないんですよね。

西尾:そうですね……。

本間&石立:(笑)

本間:そういうのは日本のローカライズ業界って強くあると思うんですよ。例えば弊社ですとそういう厳しい意見をいただいていた時期があって、その時期は本当に「スパイクのローカライズはクソ」とかよく言われていたんですけども、それをどうにかしようと、『デッドアイランド』や『ドラゴンエイジ』、『ウィッチャー』などでがんばっていたわけです。

 それこそ1個でも何かやらかしたら、10タイトルくらいいい物を出さないと、悪い印象を払拭できないんじゃないかというくらい、ユーザーさんのなかでの各社のイメージがついてると思うんですが……。でも実際のところは今日の話にもあったとおり、個人のがんばりがすごく出るのがローカライズだと思っているので……その思考を変えてくださいというわけではないですけれども、この企画を通じてそういった固定観念が少しでも変わっていけば、各社にとっていい環境になるのではないかなと。

 ローカライズは会社ではなく、わりと個人なんです。もちろんダメなことをやったときに評判が悪くなるのは当たり前のことなんで、それは失敗として受け入れないといけないと思いますが、今がんばっている部分というのが過去の負債で陰ってしまう部分もあるのかなあ、と。

石立:あ、でも僕は現役で海外ゲームをプレイしているユーザーさんは、すごく見ていると思いますよ。ローカライズする側から見れば、当たっていると思うこともそうじゃない指摘もあるんですけど、ローカライズに対してちゃんと意見を言ってくれて、フィードバックをしてくれるという意味では、いいユーザーさんだなあと思います。日本の方って、海外と比べてそんなに「いい」って言わない印象があるんですよ。でもローカライズに関しては、あそこがよかった、素敵だったと言ってくれることが多いんで。

本間:『ウィッチャー』もすごく褒められたのでうれしかったですね。でも自分のなかでは、ローカライズクオリティの絶対的評価では70点くらいのデキでしかありません。でも世界同時発売という命題を守りつつ、規制も最低限に抑えて、日本人の方に『ウィッチャー』をちゃんとした形でお届けしているという点では、100点のデキだったと思います。

西尾:せっかくこういう場なので正直に話せば、過去にはみなさまからお叱りを受ける対応もいろいろありまして、なかなかそれを覆すのは難しいと感じています。一度失った信用を取り戻すのは本当に難しいと。

 『CoD:MW2』で言えば、当時大学生だった僕もめちゃくちゃプレイしていたのですが、1プレイヤーとしてローカライズについて憤りを感じていたこともありました。それが僕が今現在このポジションにいるきっかけとなっているのも事実なんです。ただ、それが原因で会社全体のローカライズがクソって思われるのはやっぱりちょっと悔しかったり、悲しいという気持ちはあります。

 これまでにみなさんからいただいたお叱りの声を受けて、会社としてはもちろん、担当者としてもさまざまな部分で改善を進めてはいますので、失った信頼をすぐに取り戻せるとは思いませんが、そうした部分がじょじょに伝わればよいなとは思っています。ただ最近のユーザーさんは、ローカライズ担当者が誰かを把握してくれていることも多いですし、把握されていない方でも、このローカライズはいいねというのをフィードバックとして発信してくれるので、そのあたりはとてもうれしいです。

石立:僕はその当時のローカライズはともかく、『CoD』というフランチャイズを日本であんなに流行らせたのはスクエニさんの功績だと思っているんで、そこは偉大な仕事をなさったなと思います。

西尾:当時のあのクオリティというのも、いろいろな理由があっての結果なのですが、ユーザーのみなさんがそこまで理解をする必要は一切ないとは思うんです。ユーザーのみなさんはあくまでも発売されたゲームを見るべきであって、ローカライズの裏側で何があったかなんてのは、言ってしまえば知ったこっちゃないことのはずなので。

石立:そこは僕もそう思います。

本間:だからまあ、こういう内情を、こうやって発散できる場があったっていうことはうれしいことですよね。

西尾:そうですね! だいぶ今溜飲が下がってる(笑)。

本間:結局我々がお届けするのは最終的なプロダクトとしての完成度だけなので、そのへんは共通見解としてあると思います。

石立:あと先ほど本間さんが『ウィッチャー』のことを70点と言ったように、ローカライズをしている側からの自己評価は世評より厳しいですね。うちでもたぶん、今、自分たちで評価したら『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』も『The Last of Us』もローカライズの出来としては満点ではないです。ただ与えられた状況下でどれだけのことができたかという意味では、100点の努力はしています。

本間:『ウィッチャー3』を自己評価100点で出そうと思ったら、たぶん3年くらい発売が延期されると思うので(笑)。

西尾:『LIS』も70点前後くらいかな?(笑)

石立:でもそんな感じですよね。90点です! とかあまり言えない(笑)。

本間:謙遜とかでもなんでもなく、90点は言えないですね~。

石立:といっても、日本のみなさんに不良品を届けているというわけでは決してなくて、ユーザーさんに対して感動を味わってもらえるように最大限努力しているっていうのは間違いないです。ただ、自分たちの努力に満足してしまったら進歩しないと思うので、ローカライズの品質についてはあえて厳しく見るようにしています。

――今後のゲームのローカライズってどう変化していくと思われますか?

西尾:うーーん、日本における海外ゲームの市場規模が大きくなればなるほど、海外の開発者の意識も変わってくるんじゃないでしょうか。よりローカライズフレンドリーにゲームを作るようにはすでになってきていますし。かといって「これからは全部シムシップです」なんてのは口が裂けても言えませんが(笑)。あくまでもローカライザーとしての視点ですが、ローカライズしやすい環境にはなってきているとは思います。ユーザーさんからだとわかりにくいところだとは思いますが。

石立:僕は、翻訳者さんでゲームをやる人がたぶん増えてくるんだろうなって思いますね。5年、10年前って、ゲーム専門で翻訳をやっている翻訳者さんってまず存在しなかったと思うんです。最近はスマホとかPCとかで日本語へローカライズされるものが増えてきたこともあって、ゲーム専門の翻訳者というのが成立しつつあるんですよ。なのでローカライズの水準というのは上がっていくんだろうなと思います。それと、子供の頃にゲームを体験した、ゲームが自分の中のカルチャーとしてある人たちが、だんだん現役世代になっているので、そういう面でもクオリティアップはするのかなと思いますね。

西尾:とくに今は海外ゲームのローカライズに触れて育ってきた人も増えてますしね。

本間:今日本語で遊べる海外ゲームっていうのがすごい増えてきてるなと思う半面、けっこう情報過多になってきて、何を遊んだらいいかわからないということにもなりがちかな、とも思ってまして。とくにSIEさんだと今はセルフパブリッシングできる環境があるじゃないですか。まあ日本語のクオリティについてはまた物議を醸すところではあると思うんですけども、そういったご時勢にスパイク・チュンソフトとしてできることというのは、そのなかに火を付けることというか、燃料を入れることでドカッと爆発的に話題になるようなものを見つけ、お金をかけて流行らしていくということ。うちからパブリッシングすることによってその火種を広げられるならそうしていきたいです。それでなくても日本語で遊べる環境は増えてきてるので、選択肢が増えるのはユーザーさんにとってはいいことなんじゃないかなと思いますね。

石立:もう1つ思うのは、ゲームがだんだんサービス化しているじゃないですか。発売後もゲームを遊んでくれるプレイヤーへのケアが続いていく。なので、発売時の音声やテキストとしての翻訳のよさだけじゃなく、発売後も含めた全体のサービスとしての質のよさっていうのが、広い意味でのローカライズに求められてくるのかなあと思っています。あとは、日本語にするだけだったら、本間さんがおっしゃったみたいにどんどん増えてるじゃないですか。だから、その中で、物語がいいものだったら吹き替えや字幕の技を駆使してユーザーさんに感動を与えられるようにとか、アクションゲームだったら日本流に調整してすごく手触りがいいとか、西尾さんみたいにフォントにもこだわって、見ていて違和感をまったく感じなくするとか。単に日本語にしましたっていうレベルはもうみんなクリアすると思うので、それを越える価値を提供できるかが重要だと思います。

西尾:究極のローカライズっていうのは、中身はもちろん、売り方とかプロモーションも含めて、ローカライズだと気付かせないことなのかなって思います。よりそこに近づかせようとは頑張っていますね。

石立:気付かせないというか、意識させないという感じですよね。海外で開発されたゲームも日本のゲームのように見せていたのが、PS1の頃の『クラッシュバンディクー』とかPS2の『ラチェット&クランク』だったと思うんですけど、今後は、海外ゲームだということは意識できるんだけど、洋画とか海外ドラマを見るような感じで海外ゲームを遊べる、心の障壁を取り払うという方向になるんじゃないかと思います。

本間:PS4でだいぶ障壁が薄くなった感じしますよね。そもそもそういうものを遊ぶ層がメインというのもあるのかもしれませんが。

西尾:今は当たり前にある存在にはなってきていると思いますね。それはPS4の存在が日本においては大きいんじゃないかなあと思います。

――今後挑戦してみたいタイトルやジャンルはありますか?

本間:FPSがやってみたいんですよね。自分が担当した大きいタイトルって、大きめのだと『セイクリッド2』をやって、『ドラゴンエイジ・オリジンズ』をやって、『ドラゴンエイジ2』をやって、『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』をやって、で『ウィッチャー3』をやってって感じなので。

西尾:見事にRPGしかやってないじゃないですか(笑)

本間:あとはMOBAみたいにキャラクター1人1人に全力投球して、キャラ付けからしゃべり方まで決めていけるようなゲームをやってみたいです。最近『クリプト・オブ・ネクロダンサー』というインディータイトルを担当したんですが、闘会議TVっていうニコニコのオンラインイベントを自分で企画し、自分でMCも担当しました。これからe-Sportsが盛んになっていくなかで、ユーザー間とのコミュニケーションにグイグイ入っていくのも重要かなと思っていて。プロモーションというよりコミュニティマネージメントなんですが、あわよくばそういうイベントを積極的に企画して、運営していきたいなと感じています。

石立:コミュニティマネージャーは、海外だと今はどの会社にもいますね。

西尾:当たり前になってますよね。

本間:自分でやんなって話なんですけど、人雇えってね(笑)

西尾:でも最近お二人とも前面に出てらっしゃるじゃないですか。

石立:日本だとコミュニティマネージャーっていう役職がないんですよね。

本間:プロモーション担当がついでにやるみたいになっちゃってますよね。

石立:でもプロモーションだと言えないことってあるじゃないですか。ネガティブな反応がでたときに、それに対応するのって本質的にはプロモーションじゃないんで。

本間:うちみたいな小規模だと、専門の広報がいるわけじゃないので、どうしても自分で出ていく機会が多くなっちゃうんですよね。でも最近そういう仕事も増えてきていて。例えば僕が『ウィッチャー』を担当したことを知っていたから『ディヴィニティ』を買っていただいたお客さんもいるんです。とくに僕がRPGばっかり担当しているので、RPG好きな人は担当タイトルを知ってくれてる人がいて、「本間さんがやってるRPGなら買う」という非常にありがたいご意見をいただけたりとか。そういうユーザーさんたちと生放送やイベントを通じて交流していくことで、直接伝播していきたいなと思うんですよね。ただ、自分の仕事はあくまで裏方、他人のふんどしで相撲を取っている立場に過ぎないので、可能な限り開発者に前面に出ていただく、という精神は忘れないよう心がけています。なので自分はツイッターをやらない方針で、そういうコミュニケーションポイントっていうのは、現状では生放送とかイベントだけにしています。

西尾:僕と石立さんはツイッターやってますね。お互いフォローはしていたんだけど、実際にお会いしたのは今日初めてっていう(笑)。

石立:これまでもニアミスはあったんですけどね。本間さんがおっしゃった、前面に出すぎると叩かれるということですが、僕はどんなコミュニケーションでもないよりはいいと思ってるんです。たとえ不満や厳しいご意見だとしても、誰にも言えないという状態よりはそれを伝える場所があった方がいいのかなと。さいわい優しいフォロワーさんばかりなので、そういうご意見はめったにいただきませんが。

西尾:僕はお2人に比べて業界経験が浅いので、今はまだいいローカライズをしていき、ディレクターとしてもっといい仕事ができれば……ということだけです。ゆくゆくは本間さんみたいに、「西尾の作品であれば、安心して遊べる」と言ってもらえるようになりたいです。

本間:もうなってると思いますよ(笑)。

石立:うん。『OW』関連のツイートで、『LIS』の西尾さんがやってるなら買おうかなってつぶやき見ましたよ。

西尾:ありがたいお話ですね。もしかしたら、それ僕かもしれないです。

本間:まさかの自作自演(笑)

西尾:いや、しないですけどね(笑)、ありがたいです。僕も最初、生放送とかすごくイヤだったんですけど、最近少しずつ慣れてきました。

本間:自分も最初メチャクチャイヤでしたよ。

西尾:元翻訳者なので、自分は裏方でいるべきだっていう変なプライドみたいなのがあったんですが……。まあこういった場に発展することもありますから良い面もあるのかなあと。スクエニのローカライズということにまだいろんな意見を持っている方がいらっしゃるので、会社を背負うっていうと大げさですが、ある意味担当者の名前を売っていくことがその払しょくにつながるかな、という考えもありますし、そうできるように頑張り続けたいですね。

石立:僕はやってみたいタイトルというのとはちょっと違うんですけど、うちは谷口とか安次嶺とかをはじめとして、けっこう人数が多いですし、タレントぞろいだと思っているんですよ。今回『アンチャ』の翻訳を僕がやらないで谷口にお願いしたのも、彼女の翻訳が今回の『アンチャ』のテーマに本当に合っていたからなんです。プレイしてもらえばわかると思うんですが、すごく微妙な人間同士の心のやり取りとか、現実世界でしか味わえなかったようなレベルの感情や表現が今回の『アンチャ』ではできるようになっていて、そういうのが谷口は本当に得意なんですね。なので自分だけで作業するということから脱却して、チームとしていいものを作ることを目指したいなと思っています。あとは本間さんと同じように、あまり知られていない“いいゲーム”を、ユーザーさんとのコミュニケーションを通じて、多くの人に伝えられるようにしたい。僕は“ゲームをすること”ってとても楽しいし、知的なことだと思ってるんです。なので、カルチャーとまではいかないかもしれないけれど、ゲームをやるってことが楽しくてカッコいいという感覚をできるだけ多くの人に伝えていきたいなと思います。あと個人的には、ローカライズでこれまで以上のスゴイいい作品を作り出したい。それこそ最初から最後まで自分でやって、「これはいいだろー!」って自信を持って送り出せるようなものを。まあそれでも5年後とかには「う~ん、60点!」とか言ってると思いますが(笑)。その3つですかね。

――いい感じにまとまりましたが、最後に言い残したことはありませんか?

石立:西尾さんが前に出てきてくださって嬉しいです。この業界って露出しているひとが数年前からおんなじだったりしたので(笑)。

本間:なんでローカライズ担当者が前に出てくるかって、結局自分が一番担当タイトルの一番いいところを説明できるからなんですよね。プロモーション担当の部署とかよりも、おそらく自分のほうが作品……自分でいえば『ウィッチャー』や『ディヴィニティ』のことを知ってると思いますから。そのゲームを一番知っている人が日本のユーザーさんに情報を届ける、というのが重要かなと思います。そういうアクションは今後も必要だと思うし、積極的にやっていこうと思うので、また皆さんの前に出ることもあるかと思いますが、決して調子に乗りたいわけじゃないので、叩かないでくれればと(笑)。

西尾:(笑)

石立:でも、プロモーション担当はプロモーション担当で重要なんですよ。『アンチャ』は昨年のTGSで主演の声優さんによる生吹き替えを行って大好評だったんですが、あれはプロモーションの人たちが企画したものなんです。ああいう企画はたぶん自分からじゃ出なかったと思いますね。そういう経験も踏まえて、また、プロモーション担当の人たちを間近で見てきた経験から、すごく信頼はしています。でも、プロモーションって比較的マスに向けて行うことが多いので、そこから漏れてしまうマニアックな「こういうこと知りたいよね」っていう話とか、作品の売りではないので宣伝には含めないけどプレイヤーからすると気になるところっていうのもあるじゃないですか。そういう細かいところをフォローするのが、ローカライズ担当者が露出する意味なのかなと思っています。あとは、宣伝ではない話、たとえば制作の裏話なんかをするのが意外と喜んでいただけることもあるので、そこは役割分担かなと思います。

西尾:うちの『OW』のプロモーション担当は一時期僕よりずっとプレイしていたので、下手したら僕より詳しいところあるかもしれないですけど(笑)。

石立:そういえば『LIS』 のPR担当の方と西尾さんがツイッターで絡んでいくのは、あれはああいう芸風なんですか? ああいうのまたやったりはしないんですかね。けっこうおもしろく拝見してたんですが(笑)。

西尾:あ~、PRの担当者によりますね。『OW』の担当は真面目なのでなかなかできないかもしれないです。『LIS』の担当だからできた面もありますね。彼はすぐ調子に乗るんで(笑)。でもあれは、プロレスでもなんでもなく、言葉は悪いですけど勝手にやられたことで、「ダメだ、フォロー入れなきゃ!」って僕が横から入ったんですよ。そうしたら出来レースみたいになっちゃったんですけど……。楽しんで頂けたようなら、ああいう方法もありかなと思いますが。あとはユーザーさんとのコミュニケーションも、なるべくリアルタイムでツイッターを通してやるようにはしています。

石立:西尾さんのツイッターは今なんというか、『OW』のサポート窓口みたいになってますよね(笑)。「このキャラ使ったらいいですよ」とか。ルシオを勧めてましたよね。

西尾:今のところほぼすべてのツイートに返信しているんで(笑)

石立:僕もほぼすべて返してます。『アンチャ』の発売期だけはすごい通知が伸びて、申し訳ないですがすぐにはすべてに返信できませんでしたが。自分がユーザーだったら、やっぱり質問が無視されるのはイヤじゃないですか。しかも何万人もフォロワーがいるわけでもないんで。

本間:なるほど、羨ましいですね。

石立:本間さんはツイッターやるといろいろ細かく説明しちゃいそう(笑)。

本間:そうだと思いますし、言っちゃいけないこと言っちゃいそうで(笑)。あとやっぱり、タイトルが多岐にわたってしまうというのもあります。ツイッターではおそらく対応しきれないので、やらない方針でいるんです。本当はやりたいんですけどね。

石立:僕も本当に深刻な案件はサポートにご案内しますね。ただやっぱり「できません」とユーザーさんに伝えてあげることですら、なにも回答がないよりはいいのかなとも思っています。あとうちのローカライズチームは、スパイク・チュンソフトさんのように定期的な生放送をやっているわけではないので、ツイッターとかで返信をしないとユーザーさんとの接点がなくなりがちなんですよね。

本間:自分も生放送などがあるとき、例えば『ウィッチャー3』が発売されたときとかは、ツイッターや掲示板を見て、これは解答したほうがいいだろうなというものをピックアップして、放送で口頭で説明したりということで補完をしますね。

西尾:僕はただ純粋にほかの人の意見が気になるっていうところがあって、エゴサーチしてしまいます。

石立:わかります。僕も作品名で検索してます。たぶん、ユーザーさんが思っている以上に、このローカライズいいとか、訳がステキとかいう意見は、ローカライズ担当者に勇気を与えています(笑)

本間:お気に入りの検索欄に入ってますよね。

西尾:ツイッターの検索欄に検索候補が出るじゃないですか。僕もだいたいクリックすると『ローカライズ』『オーバーウォッチ』『Life is Strange』しか出てこないですよ(笑)

本間:自分もだいたい『ウィッチャー』『ディヴィニティ』みたいになってます(笑)

石立:ローカライズをするうえで一番大変なところってユーザーさんの目には見えなかったりするじゃないですか。金額交渉とか権利処理とか何かの悪化やミスを防いだとか。制作中はそういうところに浸かっているので、完成物を遊んでくださった方はどう感じるのかが気になるんですよね。

本間:いや~めちゃめちゃ見ちゃいますよ。Amazonレビューとか食い入るように見ちゃいますね。

西尾:Amazonレビューは全部読んでますよ!

石立:結構みんな読んでると思いますよ。

本間:ローカライザーでさえこれなんだから、ゲーム作ってる人たちはもっとすごいでしょうね(笑)

西尾:なかなかガラスのハートじゃやっていけないですね。

石立:あとは電撃さんの前だからいうわけじゃないですけど、メディアさんのレビューで熱いレビューとかあるじゃないですか。あくまで僕の見方なんですが、あ、これ仕事だから仕方ないんだろうな~っていうレビューと、これは本当にすごい楽しんでくれたんだな~っていうレビューがあって、うちはけっこう『The Last of Us』のときに熱いレビューを各誌からいただいて、そういうのはすごくうれしいですね。そのレビューは翻訳して、ノーティドッグに送りました。

本間:あ、僕もやりました。だいたいAmazonレビュー訳しますね。Pros(いいところ)とcons(悪いところ)みたいに分けて、まとめてフィードバックとして送ったりしますね。

石立:あとはユーザーさんの感想やツイートなどをまとめたり、アンケートみたいなとこに書いていただいたご意見とか、そういうのを開発に送ったり。僕らでも嬉しいんだから、開発はもっと嬉しいんだろうと思うんですよね。

西尾:タイトルが掲載されている雑誌とかも送ったりしてますね。

――意外と担当タイトルの評価を気にされてるんですね(笑)。それでは、今後のタイトルにも期待しております。本日はありがとうございました!

『ローカライズスペシャル鼎談』 『ローカライズスペシャル鼎談』
▲右の画像は、石立氏に元ダンサーという経歴を生かしたポーズをお願いしたときのもの。インタビュー後もお三方の会話は弾んでいた様子です。

データ

▼『電撃PlayStaton Vol.617』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2016年6月23日
■定価:694円+税
 
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