スクエニ新作『ランガン キャノンボール』をレビュー。バトル×レースの新感覚ゲーム

文：Ak

　スクウェア・エニックスが贈る新機軸のiOS/Android用アプリ『ランガン キャノンボール（ランキャン）』。7月7日より配信される本作ですが、一足先に体験できる機会を得たので、基本システムの紹介を含めたレビュー記事をお届けします。

　さらに、記事の後半には本作のプロデューサーである横山祐樹さんのミニインタビューも掲載。レビューとあわせてお楽しみください！

1人でもみんなでも楽しめる、戦略性バツグンのバトル×レース！

　本作は、ハイスピードでめまぐるしく展開するバトルを制してレースでの勝利を目指すという、新感覚のゲームです。レース中に敵チームとバトルして勝利を収めることで、レースの展開を有利に進められます。

　レースは基本的にオートで進行しますが、“エネル”と呼ばれるエネルギーを使うことで、必殺技などさまざまなアクションを駆使してレースに介入可能。このエネルの使い方が、バトルやレースの結果に大きな影響を与えます。

▲情報量は多めですが、自分で行うのは基本的にはエネルを使ったアクションのみ。直感的な操作で楽しめるのがグッド！

●エネルをコントロールしてレースを有利に進めよう！

　エネルとは、敵を倒すことで入手できるエネルギーのこと。エネルを使うことで、エネルを効率よく獲得できるエネルギアのレベルアップや味方超人のパワーアップ、必殺技の使用が行えます。バトル中にプレイヤーが介入できる要素には、主にこのエネルがかかわってきます。

▲エネルの残量は画面右下に表示。考えなしに使うとすぐになくなってしまうので、残量にはつねに気を配りましょう。

　画面右下に表示されているのがエネルギアで、これはエネルを獲得するための装置のようなもの。エネルを消費してレベルアップさせると、敵の撃破時に獲得できるエネルの倍率をアップできます。長丁場のレースでは序盤にレベルアップさせておくと、終盤にエネルを十分に持って戦えるのでいい感じです。

　そして、画面下部に表示される味方超人のアイコンをタッチすることで、エネルを消費して超人をパワーアップさせることが可能。パワーアップした超人は、攻撃力と最大HPがアップ！　さらにHPが一定量回復するので、ピンチになった味方の回復にも利用できます。

　後述しますが超人には、前衛、後衛、回復といったタイプが存在。前衛の味方は攻撃を受ける機会が多いので、多少はパワーアップさせておきたいところ。しかし火力を重視するなら、攻撃力が高い後衛のパワーアップもアリかも？　超人ごとの優先順位をどう付けるかが、戦略の要になるでしょう。

　また、味方超人のアイコンを上にスライドさせると必殺技が発動！　必殺技の種類は超人ごとに異なります。攻撃や回復など効果はさまざまですが、その影響力は絶大！　ただし、消費エネルもそれなりに多いため、調子にのって使いすぎるとあっという間にエネル不足に陥るので注意して使いましょう。

▲必殺技を発動させると超人のカットインが！　切り札という演出でテンションも高まります。

　プレイしてみて個人的に感じた優先順位は、エネルギアの強化＞味方のパワーアップ＞必殺技といった印象でした。手ごわい敵はレースの中盤以降に出現しやすいので、比較的難易度が低めの序盤のうちに、エネルギアや味方超人を強化しておきたいところです。

　このあたりの、エネルをどう使うべきか悩むところは、戦略性があっていいですね。ちなみに、倒れた仲間の復活にもエネルが必要です。強敵が登場する戦闘では、多少余裕を持ってエネルを運用したほうがよさそうです。

●相手のフォーメーションを崩すなどの戦略も重要に！

　先ほどふれたように、超人には前衛、後衛、回復といった3タイプが存在。それぞれ、バトルの際にどこに配置されるかが異なります。前衛はHPが多く打たれ強いですが、射程が短いため敵の後衛には攻撃しにくいです。

　後衛は、射程が長く攻撃力が高いものの、やや打たれ弱いのが難点。回復は、唯一回復系の必殺技を持つので、ピンチの際の立て直しに一役かってくれます。パーティーのバランスとしては、前衛×2、後衛×2、回復×1といった構成が安定しているかもしれません。

　ちなみに、敵をタッチすると味方の攻撃を集中させるターゲットを指定できます。集中的に攻撃することで敵の必殺技を発動前に妨害したり、フォーメーションを崩したりといったことが可能です。

　ゲームスピードが速いので慣れないうちは多少とまどいますが、うまくターゲットを動かして攻撃を集中させて、必殺技を妨害できた時はかなり気持ちいい！　フォーメーションを崩した場合、前衛でも敵のリーダーや後衛を攻撃しやすくなり、注意すべき相手を狙いやすくなるので、かなり有利になります。

▲手ごわいスキルを使う敵は、フォーメーションを崩して早めに倒してしまいましょう。ターゲットの変更にはエネルを消費しないので、こまめに行って大丈夫！

●超人の能力を理解するのが勝利への近道！

　超人（ユニット）は、HPや攻撃力の他、属性やポジション、戦術、攻撃速度、超人タイプ、地域、リーダースキル、必殺技といった特性を備えています。属性は5種類存在し、それぞれに有利不利の関係があります。

　ポジションはそのユニットの初期配置で、戦術はリーダーにした際のフォーメーションに影響します。

　攻撃速度が速いほど、敵の攻撃を妨害しやすいように感じた要素で、かなり重要となりそうです。超人タイプや地域がどのような影響を及ぼすのかを体験会で確認することはできませんでしたが、どうやらリーダースキルの対象条件となる場合があるようです。

　リーダースキルは、チーム全体に効果があり、属性などを指定してパワーアップさせるものが多かったです。そのため、序盤では属性を統一してパーティーを組むと有利にレースを進められそうといった印象を受けました。

▲星5の超人・ノイズのリーダースキルは、味方超人の攻撃速度を上昇させる強力なもの。属性や超人タイプを選ばない点も便利です。

　ちなみに、超人の能力を上昇させる手段としては、強化や進化などがあります。強化にはお金が必要となりますが、手早く戦力を増強できるので、なるべく優先的に行っていきたいところです。

　体験会では進化に触れることはできませんでしたが、育成システムは比較的シンプルになっているようです。

▲お気に入りの超人をレベルアップ！　レベルを上げるほど必要な金額は増えていくので、序盤のうちは平均的にパーティのレベルを上げたほうがいいかも？

●コース選びが最重要？　かけ引きで勝利をつかむ“みんなでレース”

　本作には、ソロプレイ以外にも最大12人で遊べる“みんなでレース”モードがあります。“みんなでレース”では、バトルやレースがオートで進行。能力値の差が、勝敗に大きく影響するようです。

　最終的に、より多くのポイントを獲得したプレイヤーが勝利となります。なお、レースのだいたいの流れは、以下のような形です。

　これらのうち、プレイヤーが行うのは、【2】で参加するコースを選ぶことと、【4】でバトルを仕掛けるプレイヤーを選ぶこと。出走できるコースは4種類ほどあり、それぞれ獲得できるポイントが異なります。

　各コースに設定されたポイントは、同じコースを選択したプレイヤー同士でレースを行い、着順に応じて獲得するといった仕組みです。つまり、なるべく出走者の少ないコースを選ぶことが重要になるわけです。

　誰も参加者がいないコースを選択すれば、自動的にポイントを総取り！　まったく育っていないチームで挑んだとしても、勝利の可能性が生まれるのはいいですね。

▲獲得ポイントの多いコースでは、参加者多数の大混戦になることも！　欲を出して大量ポイント獲得を目指すか、空いていそうなコースで堅実にポイントを稼ぐか、そこがかなり重要！

　コースごとのバトルを終えてポイントが割り振られても、逆転の目は残っています。その後は、直接指定したプレイヤーにバトルを仕掛けて、勝利することでポイントを強奪可能！

　敗北しても1ポイントを奪えるので、1位になりそうなプレイヤーに他の全員で勝負を仕掛ければ、1位の座から引きずりおろせるかもしれません。

　基本的には高レベルのチームのほうがバトルで勝ちやすいため、上位を狙いやすくはあります。それでも、コースの指定やプレイヤーからのポイント強奪などで、ジャイアントキリングも十分起こり得るというバランスが、なかなかおもしろいですね！

▲レース開始前には、チームのパラメータなどから予想される人気度が表示されます。ここで目立ったプレイヤーは、他のプレイヤーから狙われやすくなるかも？

　ソロプレイでは、エネルの管理やターゲットの指定などで、戦略的にバトルのかけ引きを楽しめます。“みんなでバトル”では、自分を含めたどのプレイヤーが優位に立つかの予想しあいで、仲間とワイワイと盛り上がれるのが楽しいですね！

　特に友だち同士で顔を突き合わせながらプレイすると、出場コースのブラフの掛け合いなどがおもしろくなりそうです。一風変わったレースゲームを楽しみたいという人は、ぜひダウンロードしてみてください！

男子校的なノリで集まってワイワイと楽しんでほしい

　ここからは、本作のプロデューサーの横山祐樹さんのミニインタビューをお届けします。配信後の展開についてもお答えいただきましたので、ぜひご一読ください！

▲本作のプロデューサーの横山さん。

――『ランガン キャノンボール』が誕生した経緯をお聞かせください。

　数万人がトップを目指せるコンテンツを、数万人単位で盛り上がる。それをみんなでワイワイとプレイできたら楽しんじゃないか、それを実現したい、というところから開発がスタートしました。

　毎月開催されるG1イベントなどでプレイヤーのトップが決まるのですが、それをみんなで「誰が勝つかな」と予想したり、ゴールドをベットしたりして盛り上がれたら楽しそうだなと思いまして。

▲気の合う仲間と顔を突き合わせてレースを楽しめるのも、本作の大きな魅力。

――“バトル×レース”と、あまり見ないジャンルのゲームですよね。

　ジャンルだけ見ると珍しいですが、バトルの部分は基本的な要素を詰め込んだものになっています。

　レースですのでスピード感があるというか、あらゆる状況判断が求められると思いますが、必殺技を使うタイミングやデッキのリーダースキル、属性など、基本的なところをしっかり考えてプレイすれば、そんなに難しいと感じることなく遊べると思います。

――どちらかというと、戦略的な要素が強いゲームだという印象を受けました。

　そうですね。ゲームプレイにおいては“エネル”をどのキャラに使うかによって大きく変わってきます。エネルでキャラを強くするのか、それとも必殺技を使うのかといった形です。

　必殺技の種類も非常に豊富ですし、状況に応じて使うことでより大きな効果を発揮しますので、そのあたりでプレイヤースキルが求められるのかなと思います。

――エネルの使い方についてですが、エネルギアはレースのスタート直後からガンガン上げたほうがいいのでしょうか？

　レースごとの走行距離に応じてバトルの回数が増えますので、長距離のレースではエネルギアを上げておいたほうが有利に働く傾向にありますね。

――本作は7月7日に配信がスタートしますが、当面はどういった展開を行っていくのでしょう？

　始めは降臨レースというイベントを実施していきます。2日ごとに5キャラぶんの降臨レースが登場するといった形で、各属性の強いライバルが登場します。

　その後の展開についてはまだ秘密ですが、近いうちにG1レースを開催したいなと考えています。

――スクウェア・エニックスさんのアプリゲームということを考えると、さまざまなコラボを期待されるユーザーさんも多そうですね。

　僕自身、期待しています（笑）。できることなら、どんどんやっていきたいという思いはありますね。

――ゲームプレイに話を戻しますが、本作は“みんなでレースをする”という点を重視されているのでしょうか？

　1人でのプレイももちろん楽しいですが、その結果発表の場というのも必要だと思うんです。見知った仲間同士で持ち寄っての結果発表の場だったり、さらにはG1レースの本戦に出場して全プレイヤーの前でデッキを披露できたりといったことですね。

　1人でプレイするだけですと広がりがなくなってしまいますので、結果発表の場として、みんなでのレースはぜひ実装したいと考えていました。

▲みんなでレースをする際は、誰を狙うかが重要に！　レース前のブラフの掛け合いで勝敗が決まることも？

――1人用のプレイですと降臨レースなどがイベントとして登場しますよね。ギルドで特定のイベントをプレイできるといった、多人数でのレースにイベント的なものはあるのでしょうか？

　ギルドを用意してはいますが、ギルドに関してはゆるくつながれればいいなと考えているんです。あまりギルド単位で何かをさせようとは考えていません。

　ギルド対ギルドなども、ユーザー様の要望があれば考えていきたいところではありますが、ギルドに重きをおいてはいないです。ゆるくつながっていればメリットがあるといった形です。

　なお、ギルドのメリットとしてはメダルがあります。メダルを使うことで、曜日レースをその曜日ではない時に解放できたり、解放することで同じギルドの人も解放したレースに入れたりします。

――配信を楽しみにしています！　最後に、ユーザーさんに本作をどのように楽しんでほしいかお聞かせください。

　男子校的なノリで集まってワイワイと楽しんでほしいですね。部活だとか、そういったなかでワイワイ持ち寄ってプレイするような。

　みんなでレースをする場合は、自分が強化したデッキをみんなで持ち寄って遊んでほしいなと思います。「誰を狙おう」などと話しながら遊ぶとより楽しめると思いますので、みんなで盛り上がってほしいですね。

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