2016年7月13日(水)
ネクソンは、IMC Gamesが制作する新作MMORPG『Tree of Savior(ツリーオブセイヴァー)』において、ユーザーを招いた発表会&体験会イベントを7月12日に開催しました。
イベントでは、昨年の12月に行われたクローズドベータテスト以降に追加された変更点についての解説が行われた他、新クラスなどの追加要素を体験することができました。
最初に、ネクソンの代表取締役社長オーウェン・マホニー氏が登壇しました。オーウェン氏は「成功のためには、素晴らしいゲームを市場に提供することが必要。そのため、我々は提供するゲームの品質にこだわりを持っている」とコメント。
さらに『ToS』について「精緻なグラフィック表現にストーリー性、さらに美しい音楽により、深いゲーム体験を楽しむことができる」と絶賛し、さらに「多彩な職業選択によって、ユーザーの皆さんにこれまでにないゲーム体験を味わってもらえる」と、本作に対する自信を表しました。簡便さを求められるアプリがはやっている日本で、どれだけのユーザーを勝ち取れるのか、興味がわくところです。
▲昨今、新しいMMORPGの数が少なくなった日本のオンラインゲーム市場において、『ToS』による長期的な運用を考えていると語るオーウェン氏。 |
次に登壇したのは、『ToS』を開発したIMC Gamesの開発統括、および社長のキム・ハッキュ氏。
キム氏は、流行しているスマホゲームを引き合いに出しながら、臨場感あふれるゲームを楽しめるのが、MMORPGの醍醐味だとコメント。
『ToS』の開発について、IMC Gamesは独特のアイデア、多様なキャラクター、わかりやすいインターフェイス、美しい世界観やサウンドに全力を注いできたと語り、「日本でのローンチに時間がかかってしまったが、そのぶん完成度の高いバージョンを提供できる」と力説しました。
▲MMORPGのサービス開始は、終わりではなく、新たな始まりでもあると話すキム氏。これから日本のユーザーと、どのような『ToS』を作りあげていけるのか楽しみしているという。 |
続いて、『ToS』の日本サービスでのゲーム運用チームプロジェクトマネージャー、今濱隆一郎氏が壇上に登り、本作について説明しました。昨今のMMORPGと『ToS』を比べて、“変わらないもの”としてシンプルなゲーム性、“変わったもの”としてユーザビリティ、“進化したもの”としてグラフィックとサウンドを挙げました。
今後のロードマップも発表され、オープンベータテストは8月24日、正式サービスはオープンベータテストから1カ月以降を予定しているそうです。
さらに今濱氏は、クローズドベータテストからの変更点について、具体的な内容の解説を行いました。ここでは、“新しく追加される要素”と“変更・修正される要素”、そして“オープンベータテスト以降に実装予定の要素”の3つが紹介されました。
7次職として、新たに8つのクラスが追加されます。ソードマン系がテンプラーとドラグーン、アーチャー系がマスケティアとキャノニア、ウィザード系がウォーロックとフェザーフット、クレリック系がプレイグドクターとカバリストです。
他にも、最大レベルが200から280に引き上げられ、それにともない高レベルコンテンツが追加されます。また、同一アカウントのキャラクター間でアイテムを共有できる“チーム倉庫”などが実装されます。
▲サーバ間で対戦できるギルド対戦コンテンツも追加されます。サービス開始時のサーバ数は3つを予定しているとのこと。 |
▲“トークン”と呼ばれる、いわゆる課金でさまざまな恩恵が受けられるようなシステムも。 |
獲得経験値をはじめとするバランスが調整され、クローズドベータテストでは厳しかったという声が多かったレベル上げが緩和されています。また、コレクションコンプリートもキャラクター単体から同アカウント内キャラクター(チーム)共通へと変更になり、コンプリートの難度が下がりました。
▲モンスターの出現間隔の調整では、クエストでモンスターを狩りやすくするために出現するスピードを早めたそうです。 |
先ほど7次職の情報が出ましたが、すでに8次職まで開発が進んでいるそうです。“アイテム超越システム”は装備品を覚醒させるというもので、ハイレベル向けのやり込みコンテンツになるとのこと。
“ディフェンス系ミッション”はミドル層向けのコンテンツになります。その名の通り守りながら戦う必要があるため、設置系のスキルが活用できるとのことです。
『ToS』の追加要素を紹介後、本イベントのゲストとして声優の酒井広大さんと濱田みづきさんが登場しました。2人は『ToS』で、それぞれ男女のプレイヤーキャラクターボイスを務めており、アフレコでの思い出話や言うのが難しかったスキルの名前など、トークに花が咲きました。
▲酒井さん(写真左)は、アルケミストのスキル“コンバスション”が、濱田さん(写真右)はクレリックの“デプロテクテッドゾーン”が苦手なセリフだったそうです。確かに言いにくそう。 |
トークの後、誰よりも早く酒井さんと濱田さんが最新バージョンである『ToS』を先行プレイ! 新たに追加されたフィールドにて見事な連携を披露し、クエストを攻略していました。
最後に酒井さんと濱田さん、そして今濱氏から、『ToS』のユーザーに向けて一言ずつメッセージが送られました。
濱田さんは、これから先行体験を行う会場のユーザーに向けて、「ぜひたくさんプレイして、『ToS』の魅力を感じ取っていってくれたらうれしいです」とコメント。
酒井さんは、「かわいくてポップなグラフィックですが、MMORPGの魅力がふんだんに詰まっていますので、これからオープンベータテストやサービス開始などがありますが、ぜひ楽しみにしてください」と、『ToS』を早くプレイしたいユーザーに向けてメッセージを送りました。
2人と一緒にゲームをプレイした今濱氏は「みんなでワイワイと遊ぶと本当に楽しいゲームですので、オンラインゲームの原点の楽しさをぜひ味わっていただきたい」と語りました。
▲最後にゲームキャラクターに扮したコスプレイヤーさんも交えて撮影! |
発表会後、『ToS』最新バージョンを試遊できる時間がありました。新しく追加された7次職を操作し、新たな高レベルダンジョンの探検やフィールドの探索などを行うことができました。
▲筆者がプレイできたのは“ウォーロック”と“カバリスト”の2つの7次職です。 |
最初にプレイしたウォーロックは、敵を退治して悪霊を召喚したり操ったりするウィザード系のクラスです。魔法による攻撃や、召喚した悪霊で自分を保護することもできます。
▲グリモワールに挿入した悪魔を召喚! 強力な攻撃で何もしなくても敵をせん滅してくれました。 |
▲悪魔以外にも、自爆するコウモリやステータスをアップしてくれる猫などを召喚できます。 |
ソロでプレイしたのですが、悪魔に猫、コウモリなどを引き連れての探索は、なかなか新鮮。ただ、召喚中はつねにSPが減少していくので、SP回復アイテムは必需品だと感じました。
続いて、プレイしたのはクレリック系のカバリスト。豊富なサポートスキルや、数秘術での戦闘が得意なクラスです。
▲防御壁に回復と、かなりの継戦能力を持つクレリック系のクラス。攻撃手段に乏しいので、パーティで力を発揮するタイプです。 |
▲せっかくなので、新たに追加された推奨レベル246の“スベンティマス流刑地”に遠征。自分のレベルが最大の280なので大丈夫かと思ってましたが、敵が2、3匹集まると一瞬でやられてしまいました……。 |
ちなみに同行した電撃オンラインの編集は、同じクレリック系統ですが別クラスになるプレイグドクターでパーティプレイを試遊していました。プレイグドクターも豊富なバフで味方を支援するクラスです。
280レベルのキャラクター4人で240前後の敵が出現するダンジョンに挑戦していましたが、バフが切れるとだいぶ苦戦を強いられているようでした。補助クラスはかなり重要な立ち位置になりそうですね。
今回の体験プレイは1時間程度でしたので、それほど細部まではプレイできませんでしたが、新たなクラスや新マップ、モンスターなどゲームのボリュームがさらに増え、ますますサービス開始が楽しみになってきました。
最後に、キム・ハッキュ氏と今濱氏に、『ToS』の気になる点について取材を行いましたので、その内容を掲載します。また、IMC Gamesの『ToS』開発統括キム・セヨン氏からも一部質問の回答をいただいたので、あわせてご紹介します。
――『ToS』の見どころになる部分は、どこだとお考えでしょうか?
キム・ハッキュ氏:多様なキャラクターと精緻なグラフィックです。さまざまな細かい点について調整を行っています。効率重視で急ぐのではなく、じっくりとプレイして楽しんでいただけると幸いです。
――日本でのサービス開始に向けて調整した箇所はありますか?
キム・ハッキュ氏:まず安定性を重視しています。不具合の修正やバランス調整、クライアントの最適化など、完成度を高めることに力を注ぎました。
――さまざまな楽しさを体験できるのがMMORPGの強みですが、ユーザーたちの交流を活性化させるために考えたコンテンツはどのようなものがありますか?
キム・ハッキュ氏:各キャラクターのスキルは、そのキャラクター単体で使用するだけではなく、他のプレイヤーのスキルと組み合わせることでさらに効果が上昇するものがあります。それらがユーザーの間で広まっていければと思います。
今濱氏:それ以外に、ギルド対戦やインスタンスダンジョンで、サーバーの枠を超えてマッチングするシステムを準備しております。
またコミュニティにつきまして、本作のギルドはかなり強固な関係性を持ち、敷居もハードルも高いものになっています。そのため、それよりゆるいコミュニティを用意することも考えております。
――ダンジョンなどの難易度は、日本向けに調整は行われるのでしょうか?
キム・ハッキュ氏:根本的なシステムは、グローバルバージョンと同じものになっています。ただしサービス開始以降は、ユーザーの皆さんからのフィードバックによって、ローカライズしていこうと考えております。
――日本では極端に簡単なゲームが増えています。それらのゲームに慣れているユーザーは、本作を不親切なゲームだととらえる可能性があります。この状況について、どのようにお考えでしょうか? また、どのような対策をとられているかを教えてください。
今濱氏:レールに沿って進むのがおもしろいゲームだとは考えておりません。自分でいろいろ試行錯誤することがゲームの原点だと思います。
『ToS』は今の流行ではありませんが、ゲームのおもしろさを内包している稀有なゲームであると、判断しております。そのうえで、ゲーム本来のおもしろさを運営の力で出していければと思っております。
その方法ですが、現状ですと難しくてすぐやめてしまう人もいると思いますので、Webコンテンツや動画、生放送などで、最初のとっかかりをフォローをしていくつもりです。
――韓国で人気の職業と、その理由について教えていただけますか?
キム・セヨン氏:韓国では、強力な範囲攻撃スキルを持ったウィザード系クラスが人気で、とくにウィザード3サークルの詠唱短縮スキルを得た“エレメンタリスト”の人気が高くなっています。
ソロプレイを好むユーザーの間では、レンジャーとフレッチャーをマスターしたアーチャー系クラスの人気があります。
――対人戦があるゲームでは、職業間のバランス調整が難しくなります。特に本作ではクラス数も多いので苦労されたと思いますがどのような指針で調整を行ったか教えていただけますか?
キム・セヨン氏:対人で強力なクラスは存在していましたが、これらの性能を下げるよりは、そのようなクラスに対応するカウンターパートを作る方策を優先しました。
例えば、サイコキノクラスの“対象を少し空中に浮かせるスキル”がとても強かった際は、他のクラスの治療スキルでそのスキルを無効にすることができるようなアップデートをしました。
――日本のユーザーには、本作をどのように楽しんでもらいたいですか?
キム・ハッキュ氏:過去のタイトルにおいても、日本の文化やプレイスタイルを拝見させていただき、それらが新たなインスピレーションになったことがあります。そのようなおもしろい文化を、本作でも作っていただければと思います。
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