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2016年7月23日(土)

セガ愛に包まれ大成功のうちに幕を閉じた“セガオンリーのオーケストラコンサート第2弾”をレポート!

文:電撃オンライン

 今回で2回目となるセガの楽曲オンリーのオーケストラコンサート“GAME SYMPHONY JAPAN(GSJ) 17th CONCERT SEGA Special 2016”が、2016年7月17日に東京・池袋の東京芸術劇場で開催された。

 前回同様、セガの全面協力・監修となる本公演は、今年で25周年の『ソニック』や『ぷよぷよ』シリーズ、20周年の『NiGHTS into dreams…』といった周年タイトルをお祝いする特別なコンサートということもあり、総勢約100人によるオーケストラ演奏ももちろん、楽曲にかかわったクリエイター陣をゲストに招いて制作秘話などをうかがうトークも充実。前回以上にファンにはうれしいコンサート内容となっていた。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 会場にはそんなスペシャルなコンサートを見逃すまいと、開場前からたくさんのセガフリークがつめかけ、セガ作品やメガドライブなどのセガハードをあしらったTシャツを着たファンや、ソニックのぬいぐるみを持った熱烈なファンの姿も数多く見かけられた。また、会場にはソニックとすけとうだらの着ぐるみもお祝いに駆けつけ、写真を撮るファンで人だかりもでき、開演前から熱い熱気に包まれた状況に!

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』
『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

開演前から豪華トークコーナー。『ソニック』づくしの第1部

 開演前のプレトークでは、『ソニック』の生みの親である中裕司氏が登壇。『ソニック』誕生の経緯や世界で愛される続ける理由、さらに同じく25周年を迎えた『ぷよぷよ』について熱く語った。リハーサルでのオーケストラの演奏を聴いて、その壮大さから「『ソニック』のRPGを作りたくなる!」との発言も飛び出した。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 三部構成の第1部は、セガの顔である『ソニック』シリーズから10タイトル17曲を披露。まずは初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』でおなじみの「セ~ガ~」というタイトルSEの再現からメガドライブ時代の作品の楽曲がメドレーで演奏された。それを聴いた中氏はいい思い出がよみがえってきたと感想を述べ、音を体で感じられるからオーケストラは素晴らしいと大絶賛!

 続いて『ソニックアドベンチャー』、『ソニックアドベンチャー2』の楽曲では、シリーズのサウンドディレクターである瀬上純氏が登場し、新しく新調したというソニックが描かれたギターでオーケストラとセッション。また、中学生のときに自身が演奏したビデオを瀬上氏に送ったことをきっかけに交流が続いているという、ドラマーのAct.氏もゲストとして演奏に参加。「自分のゲームをプレイして育った人に新しい経験をしてもらいたいと思い、ゲストとして参加してもらった」と語った瀬上氏。次の世代を担うドラマーとの協演にご満悦の様子だった。中氏も「ロック調の曲をオーケストラ+ギターの演奏で楽しめるのは豪華」とほめたたえた。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』
『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 ロック調の激しい曲から一転し、『ソニックヒーローズ』の楽曲“Seaside Hill”では、瀬上氏がアコースティックギターで演奏。「新しいことをやりたくて、普段ライブでは使わないアコギを使ってみました。でも、曲が短くて残念。もう少し長くても…」と、もっと演奏していたかったという本音をポロリ。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 第1部の締めくくりは、『ソニック ロストワールド』から“Wonder World ‐Title Theme‐”を演奏。曲を手掛けたサウンドディレクターの大谷智哉氏がピアノでオーケストラと協演した。人前で演奏するのは初と緊張を隠せない様子だったが、見事な演奏で観客からは盛大な拍手が送られていた。ちなみに演奏した曲には3つのバージョンが存在し、本公演用にミックスした特別バージョンを演奏したとのことだった。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

25周年の『ぷよぷよ』メドレーで始まる第2部。そしてファン歓喜の光吉劇場!

 第2部は、『ぷよぷよ』メドレーからスタート。“や・ば・い・で・す(ピンチ)”で、ゲーム同様ぷよぷよが積みあがってゲームオーバーになったところで、シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀氏と、ゲームでおなじみのすけとうだらの着ぐるみが登場。オーケストラでの『ぷよぷよ』楽曲の演奏の夢がかなったとほくほく顔で語り、さらに『ぷよぷよ』を遊んだことある人という細山田氏の問いかけに、ほぼ全員の観客が手を上げる姿を見て笑顔を浮かべていた。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 続く『シェンムー』のテーマ曲“シェンムー ~莎木~”では、ピンクのドレスに身を包んだ二胡奏者のKiRiKoさんが登場し、力強くも幻想的な二胡の美しい音色で演奏に華を添えた。演奏後には、作曲者でもある光吉猛修氏がセガの社是である“創造は生命”と書かれたタオルを掲げて登場し、場内からは大きな歓声が。「海外ではよく演奏される曲だが、二胡の部分はクラリネットで代用されることが多く、実際の二胡での演奏は制作発表以来」と語り、制作者冥利に尽きると、感慨深そうだった。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』
『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 あらかた15周年となる『スペースチャンネル5』の楽曲では、今回も主人公のうららが衛星中継で参加。オーケストラの演奏に合わせて、「UP! RIGHT! LEFT! DOWN! SHOOT! SHOOT! SHOOT!」と実際のゲームプレイを再現した生レポートで、宇宙人に踊らされてしまった光吉氏と合唱団の面々を華麗に救出。間奏で「デイトナ~!」とシャウトするなど、盛り上げながら踊らされていた光吉氏は、途中振りを間違えたりもしたため、「不自然ながらも救出」と、うららに冷静にツッコまれていた。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 『スペースチャンネル5 パート2』のエンディング曲である“THIS IS MY HAPPINESS”では、光吉氏が美声を披露。観客の手拍子で会場は一体に。その後、ゲームディレクターである吉永匠氏が登壇。「ひとことで言えば、すごく感動した! ふたことで言うと、すごくすごく感動した!」と興奮した様子で語り、断られるのを覚悟で提案した演出に、「RIGHT! はこうですか?」と、ノリノリで付き合ってくれた指揮者の志村氏の懐の深さに感謝を述べた。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 20周年を迎えた『サクラ大戦』からは、おなじみのテーマ曲“檄!帝国華撃団”を光吉氏の歌付きで披露。また「デイトナァァァァァァーーー!!!」のシャウトで有名な『デイトナUSA』の“Let’s Go Away”では、途中客席に降りて、握手&ハイタッチをして回るなど、光吉氏のサービス精神旺盛な一面も。また、観客も退場する光吉氏にセガコールで熱く応えていた。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

今回も感動の第3部『NiGHTS』。そしてサプライズのアンコール!

 第3部は、20周年を迎えた『NiGHTS into dreams…』。演奏前にトークコーナーとして、サウンドを手掛けられたササキトモコさん、幡谷尚史さん、さらにプロデューサー兼メインプログラマーであった中裕司氏が登場。「(開発時は)曲のプレゼンが毎回大変で……。でも、あのとき鍛えられたおかげで今はプレゼンが平気になりました」(ササキ氏)などの思い出話が飛び出した。

 演奏では21曲を一挙にメドレーで演奏。起動時の“ソニックチーム”のロゴSEなども再現されており、実際にゲームを始めて、エンディングまでの流れが目に浮かぶような構成に。「20年前のプレイした頃を思い出して聴いてほしい」とのササキさんの言葉も相まって、会場全体を大きな感動で包み込んだ。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』
『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 そしてアンコールでは、司会を務めた『セガ・ハード・ガールズ』の声優陣7人全員が登場。セガの社歌をモチーフにしたアニメ『Hi☆sCoool! セハガール』のエンディング曲“若い力 ‐SEGA HARD GIRLS MIX‐”をダンスパフォーマンスとともに披露した。

 続いて、シャドウ・ザ・ヘッジホッグのギターを持った中氏と、ソニックのギターを持った瀬上氏が登場。『ソニック』シリーズの楽曲“Star Light Zone”“Escape from the City”“All Clear”が3曲メドレーで演奏されるなか、急きょやることが決まったというエアギターで中氏と瀬上氏が盛り上げると、会場のボルテージは最高潮に! その後、出演者全員が登壇し、観客からの割れんばかりの拍手の中、2時間にわたる周年をお祝いするスペシャルなコンサートは幕を閉じた。

 ちなみにアンコールの『ソニック』メドレーの1曲目で演奏された“Star Light Zone”は、演目にない曲だったうえ、UFOキャッチャーでも使われている聴きなじみのある有名な曲ということもあり、多くのファンがサプライズに喜んでいた。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』
『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

 最後に、コンサートの終演後に出演者の方々からいただいたコメントを掲載する。興奮冷めやらぬ様子をぜひ感じとってほしい!

『ソニック』シリーズの生みの親
中裕司氏

 2部の演奏中にステージ裏で、瀬上に「エアーでもいいからアンコールに出たらいいのに」って話をしたら、「じゃあ一緒に出ましょう」ということで、急きょアンコールでは人生初のエアギターを披露させていただきました。練習中にも何個かピックを飛ばしてしまい、本番でも1個飛ばしてしまったのですが、ギタリストの気分が味わえて、すごく楽しかったです。レーサーや声優、映画出演など、いろいろやってきましたが、ついにオーケストラをバックにエアギターを披露という実績を獲得してしまいました(笑)。オーケストラの方々を前にして、大丈夫なのかな? と、若干不安ではありましたが、指揮者の志村さんがとてもノリのいい方で、どうぞ、どうぞ!といってくださったのには感謝ですね。

 あと開演前のプレトークも、最初は30分と聞いて、そんなに長くやるのかって思っていたのですが、全然足りなかったですね。ボクの思いでは3分の1ぐらいしか話せていなくて、まだいっぱい話したいことがありますよ。とにかくボク自身すごく楽しかったですし、お客さんも楽しんでもらえていたら、うれしいですね。25周年のお祭り感が出せてよかったと思います。

『ぷよぷよ』シリーズ総合プロデューサー
細山田水紀氏

 お客さんがいっぱいで驚いていますし、『ぷよぷよ』を遊んだことある人がほぼ100%だったので、とってもうれしかったです。『ぷよぷよ』のオーケストラ、いい感じって声がすでにあるみたいなので、もっと大きな声でいっていただいて、単独のコンサートも実現できるといいなぁと野望も抱いています!(笑)

(株)セガ・インタラクティブ サウンドクリエイター
光吉猛修氏

 セガの社是の書かれたタオルを掲げて参加させていただきました。生の二胡での『シェンムー』の楽曲の演奏は発表会以来ですごく感慨深くて、いろいろ言いたいこともあったんですが、ぐっとその気持ちを抑えて「『シェンムー3』にはかかわっていません」というのが精いっぱいで(笑)。まだまだセガの曲はたくさんあるので、また機会があれば、がっつり食い込んでいきますので、よろしくお願いします!

『NiGHTS』シリーズサウンドディレクター
幡谷尚史氏

 人前に立つのが苦手なので、トークは困りましたが、ササキさんが出るというので今回出演させていただきました。もしかすると、もう二度とないかもしれませんね(笑)。『NiGHTS』の楽曲に関しては、いろいろな部分で細かくバージョンアップしているのもあって、密度が濃くなっていて、前回と比べてもよりお客さんに楽しんでいただいたのではないかと思っています。2部に関しては、光吉くん大活躍で! あと『シェンムー』がよかったですね。初めて聴いた人でも楽しめたんじゃないかなと思います。ちなみに、けっこうゴリ押しに近かったんですが、『スペースチャンネル5 パート2』のエンディングテーマを今回入れてもらって、ボク的にはやり残したことはないかなと(笑)。

『NiGHTS』シリーズ メインコンポーザー
ササキトモコ氏

 トークのときはすごく緊張していて、倒れるかと思ったのですが、中さんと幡谷さんに助けられて、なんとか立っていられました(笑)。ホント私、昔のことは何も覚えてない人なので、やっと今、公演が終わってからなんとなく思い出し始めて、ちょっと遅かったかなって。『NiGHTS』の曲は、ブラッシュアップされていて、より聴きごたえがあるというか、集中して聴けるようになっていて、前回以上にすごくよかったです。

指揮
志村健一氏

 今回は周年の記念コンサートなので、作品の想いをぶつけるコンサートにしなくちゃいけないと思い、あらためてゲームをひと通り見直しましたし、楽団員のみなさんにもストーリーの内容だったり、場面だったりをより詳しく伝えて演奏してもらいました。なので、前回以上にオーケストラからゲームの情景を感じ取っていただけたのではないかと感じています。『ぷよぷよ』の楽曲を演奏したり、『シェンムー』では二胡との協演をしたり、いろいろ新しいことにチャレンジしたので、正直怖い部分もあったのですが、聴きたいものを探して、届けていくのがGSJですし、そういうことに真剣に取り組んでもいる団体でもあるので、ファンの方にまたコンサートに足を運んでいただければと思っています。

『GAME SYMPHONY JAPAN 17th CONCERT SEGA Special 2016』

(C)SEGA

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