2016年8月18日(木)
『Committed RED』は幸村の人間性を落としこんだ曲に! 西川さんが『戦国BASARA』を開発したらどうなる!?
カプコンから8月25日に発売予定のPS4/PS3用ソフト『戦国BASARA 真田幸村伝』の主題歌を手がける、T.M.Revolution 西川貴教さんへのインタビューを掲載する。
西川さんは、T.M.Revolutionだけでなく、ロックバンド・abingdon boys schoolとしても『戦国BASARA』シリーズの曲にかかわってきたアーティストだ。
インタビューでは、今回の主題歌『Committed RED』の制作秘話から始まり、PVやコラボ、今年20周年を迎えたT.M.Revolutionの活動についてもお聞きしている。『戦国BASARA』ファンだけでなく、同氏のファンもぜひご覧いただきたい。
――『戦国BASARA 真田幸村伝』の主題歌である『Committed RED』は、どのようなイメージで楽曲作りをされたのでしょうか? また、注目して聞いてほしい部分、歌詞はありますか?
2015年に『戦国BASARA』シリーズが10周年を迎えました。そして新たに始まる烈伝シリーズの主役が真田幸村。本年は世間的にも真田家にまつわる人物に注目が集まっている。そこで今回は赤揃えにしようと思いました。
『戦国BASARA』シリーズの幸村はまっすぐで正直な武将。あまり理屈で考えず、自分の気持ちに正直な武将で、それが逆風だとしても身を投じる。そこは歌詞に反映されていると思います。
――今回の『戦国BASARA 真田幸村伝』についてどのような印象を抱いていますか?
今回のタイトルはまだ遊べていないのですが、幸村や伊達政宗を幼少期から扱うということで、保志さん(声優の保志総一朗さん)しかり、中井さん(声優の中井和哉さん)しかりが、どう表現しているのかは注目だと思います。あとはあの2人がどのくらいから、ああいう風になってしまったのか、気になりますよね。何か転機があったのか……。
――曲作りに際して、シリーズプロデューサーである小林裕幸さんと密にやり取りをされると思うのですが、今回はどのようなやり取りがありましたか?
もう蜜もクソもないんです、お互いに手の内を知り尽くしているんですよね。今回は『真田幸村伝』の内容や思いについて、聞かせていただきました。そこをふまえたうえで、こちらで解釈して楽曲に落としていった感じです。
綿密なイメージがある時もあるのですが……『3』や『4』などのナンバリングタイトルとは違って、今回は烈伝シリーズということで自由度は高かったですね。シリーズの初期から活躍しているキャラにスポットを当てているので、細かい設定を聞かずとも、人間性やキャラ性をそのまま落とし込んでいけばいいのではないかということは確認させてもらいました。
――できあがった時の感想はどうでした?
「バッチリです~。ありがとうございます~」みたいな感じだったと思います。ホント、人の苦労も知らずに(笑)。
――『Committed RED』のPVはProduction I.G様とコラボされていますが、こちらはどのような経緯で行われることになったのでしょうか?
長く『戦国BASARA』とやってきたので、その関係性の中でいろいろなことをやれたらいいなと考えていました。
僕はゲームの『戦国BASARA』も好きですがアニメ版も好き。そこでアニメ第一期を制作されたProduction I.Gさんにお願いできないかと思いました。スケジュールの都合もあり、難しいかと思ったのですが、「こういう形であればやれると思います」と言っていただけて、コラボが実現しました。
――シリーズ10周年ということで、“戦国”というテーマで10年間、曲を作られてきましたが、『戦国BASARA』の曲を作るうえで意識していることは?
作品としての部分をきちんと表現したいと思っています。そのひとつであるキャラクター性をどう表現するかはまず考えますね。そのタイトルごとにキーパーソンが1人か2人はいるので、彼らを投影するように作っていき、そういったアプローチをしながら、主題歌になるように作っています。タイトルごとの色合いの違いを感じてもらえるとうれしいですね。
他にも、ゲームのシステムが曲の違いというか、特徴として現れることもあります。『戦国BASARA4 皇』の『DOUBLE-DEAL』は、ギャンブル要素が含まれたゲーム性だったことを反映して表現されている作品になっていると思います。
また、『戦国BASARA』ではプレイ中に曲を流しながらプレイできるので、こちらもスピード感を意識して作りますね。プレイしている時の迫力あるBGMや効果音に負けないトラックを作る。プレイしながら心地よくなってもらえたら、きっとハマっているということだと思うので、そうなってもらえたらいいなと思って制作しています。
▲“戦国BASARA10周年祭~十年十色の宴~”時の様子。トークやライブコーナーに登壇した。 |
――今回、T.M.Revolutionの名曲の数々をゲーム内の合戦中BGMに設定できるDLCが登場します。こちらについて、改めて感想を聞かせてください。
10年前からゲームのプレイ中に曲を流せるスタイルが『戦国BASARA』には定着しています。今回は『戦国BASARA』にまつわる曲だけでなく、T.M.Revolutionの20周年と手を組んでいただき、さまざまなT.M.R.楽曲の中からチョイスして配信されています。T.M.R.の曲を流しながらプレイしてもらえると、これまでとはまったく違う雰囲気に変わると思うので、そういう部分も楽しんでもらえたらうれしいです。
――DLC楽曲の選曲の経緯は?
5月にベスト盤『2020 -T.M.Revolution ALL TIME BEST-』が出て、シングルばかり40曲を収録しているんです。その中で、思えば1/4くらいが『戦国BASARA』の曲になっているんですよね。ですのでここはあえて、この10年でT.M.Revolutionを見知っていただいた方が、知る以前の曲がいいだろうと思い、2001年くらいまでの曲にしているんです。
――シリーズ曲以外も使えるというのは、あまりないことだと思うのですが、『戦国BASARA』とマッチしそうだと思う曲はどれでしょうか?
『魔弾~Der Freischutz~』は、雑賀孫市とか射撃武器を扱う武将にマッチしそうな気はしますね。逆に『HIGH PRESSURE』や『HOT LIMIT』がどうなるか……『戦国BASARA』の曲はスリリングだったり、疾走感だったりがいいんですが、ちょっとノホホンとしている曲なので(笑)。どんな感じになるのか僕自身も楽しみです。
――もし、西川さんがプロデュースして好きな烈伝シリーズを作るとしたら、どんな作品にしますか?
過去作で描かれた浅井長政とお市がすごいいい話だったので……思い切り方向性を変えてみて恋愛シミュレーションゲームにしましょうか(笑)。お市を落とすゲームで、失敗するとものすごく暗い感じになるやつ。「(選択肢は)これじゃなかったのか!?」って、ビクビクしながらプレイしましょう(笑)。
▲浅井長政とお市。 |
ただ、女性キャラが少ないので、ゲームとして完全に成立させるのは難しそう。ミニゲームでもいいんじゃないでしょうか? 例えば“フランス製のマフラーをあげる”とかでお市を落とそうとするけど、長政への愛が深くてなかなかうまくいかないとか(笑)。本編と関係のないところで展開する、そういうタイトルがおもしろいかなと(笑)。
――おもしろそうですね。8月31日にニューシングル『RAIMEI』がリリースされますが、こちらはどのような楽曲に仕上がっているのでしょう。
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』という虚淵玄さんが原作の作品があります。こちらは、日台の合同映像企画で、台湾の人形劇・布袋劇(プータイシー)を取り扱っています。その虚淵さんからご指名いただいて、曲を担当させていただくことになりました。実は虚淵さんが『戦国BASARA』シリーズの曲を聴いてくださって、スピード感と剣戟というイメージが合致して僕に白羽の矢を立ててくださったそうです。
『戦国BASARA』と関係性がないようで、僕の中では繋がりがあると感じています。海外の作品なので文化の違いはあるのですが、おもしろい作品になっているので、応援していただけるとうれしいです。
――T.M.Revolutionが20周年を迎えました。21年目を見据えて、どのようなビジョンを持っているのか、お話いただけますか?
自分が思うカラー、ファンが思うカラーを見極めながら、いい意味で踏襲し、いい意味で裏切って、次のアクションを起こしていければいいなと思っています。毎回、期待値を超えていかなければという大変さはあるのですが、「相変わらずおもしろいことをやっているな」と思ってもらえる存在になれたらいいですね。
――最後に、ファンや読者に向けて一言お願いできますでしょうか。
『戦国BASARA』シリーズは11年目に突入し、烈伝シリーズが始まりました。僕自身も一ファンとして、『戦国BASARA』シリーズの今後の展開をとても楽しみにしています。
舞台もあり、他にどんな展開があるのか……いろいろな期待を膨らませてもらっています。ぜひとも、みなさんもいろんな楽しみ方をしていただければと思っています。
また、T.M.Revolutionとしては20周年ということもあって、ただいま全県をまわるツアーの真っ最中です。『戦国BASARA』の曲もたくさん演奏させていただいていますので、皆さんもライブに足をお運びいただければと思います!
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