2016年8月23日(火)
『ウイイレ2017』で香川真司選手が対戦。制作者インタビューではマスターリーグにもレジェンド登場と発表
現地時間の8月17~21日にかけて、ドイツ・ケルンで開催中の国際ゲーム産業見本市“gamescom 2016”。同会場で、KONAMIが9月15日に発売するPS4/PS3用ソフト『ウイニングイレブン 2017』のインタビューを行いました。
お話を伺うことができたのは、本作のアシスタントプロデューサーを務める益田圭氏。さらなる進化を遂げたゲーム性や戦術的な要素について存分に語っていただきましたので、『ウイイレ』ファンはぜひご一読ください。
なお先日、本作とドイツのサッカークラブ“ボルシア ドルトムント”のオフィシャルパートナー契約締結が発表されましたが、その様子も記事の後半部分でお届けします。香川真司選手やピエール・オーバメヤング選手が『ウイイレ』をプレイする姿も掲載しておりますのであわせてお楽しみください!
マイケル・オーウェン選手などのレジェンドはマスターリーグでも使用できる!
▲益田圭氏。 |
――まずはゲームシステムについてお聞かせください。本作のコンセプトである“コントロールリアリティ”とはどういったものなのでしょう?
『ウイイレ』の1番のウリが“対戦ゲームとして楽しい”ということですので、ここ数年は試合中の駆け引きが楽しいというところをずっと突き詰めてやってきました。
それを実現する新しい機能として、トラップぎわの駆け引きやAIを含めたチームプレーというところを、大きくフィーチャーしています。
ボールに近寄る、一度離れてからボールを蹴る、受ける瞬間にボールをスルーするといった、ボールを受ける瞬間の駆け引きを、新しい操作を必要とすることなくゲームのなかに落とし込みました。
チームプレーについては、戦術関連で新たに“コンセプトアレンジ”という機能を盛り込みました。今回、FCバルセロナとプレミアムパートナー契約を結びましたが、FCバルセロナの戦術を再現するためのティキタカやリヴァプールFCのクロップ監督が採用するゲーゲンプレスといった大きな戦術のうえに、さらに局所的な戦術をアレンジできるようになっています。
これはオフェンスだけでなく、ディフェンス側にも複数用意しています。
――コンセプトアレンジは、チームごとに用意されているのでしょうか?
チームごとではなく、全体のゲームプランの中でセレクトできるような形ですね。イメージとしては、背の高い選手がいるならば、セットプレー時にハイボールを放り込むような戦術がマッチする、といった具合でしょうか。
選手の特徴に合った戦術や自分のプレースタイル、または、相手への対策にカウンターとして設定する、そういった形で、プレイヤーそれぞれの好みに合うような形で、自分なりの戦術を見つけるという遊び方ができるようになっています。なお、設定する際には、選手がどういう動きをするかが、わかりやすく表示されるようになっています。
――言葉や図で説明してくれているので、サッカー初心者もすんなりと理解できそうです。
そうですね。なお、ゲームプランですがサイドバックの選手が前線に上がったり、中央の選手がサイドに流れるようにしたり、“センタリングターゲット”のように背の高い選手をセットプレー時にゴール前に集めることも可能です。
もちろん、守備専用のプランもありますよ。ハードマークでイブラヒモビッチのような危険な選手をマンマークしたり、スルーパスを警戒して、全体的にディフェンスラインを下げるなどですね。“カウンターターゲット”といって、選手1人を前線に残してカウンターを狙う、なんてこともできます。
ただ、ティキタカのような選手に高い技術を要求するものは、チームによっては上手く機能しないこともあります。
あとは、攻守のバランスを試合中に変更し、オフェンスやディフェンスにどのくらい選手を割り当てるかを調整できます。アディショナルタイム限定ではありますが、攻守バランスの“攻”をマックスにすると、セットプレーにキーパーが参加するようになります。
――本作ではゴールキーパーのモーションも増えているようですね。
120ほどのモーションを、前作から追加しています。前作でユーザー様からフィードバックがあったのは、キーパーがあまり強くないということと、ファールが多いということでした。この2つはぜひ改良せねば、と受け止めておりまして。
120のモーションに関しては、近距離でシュートを放たれた際や倒れた後の行動など、もともと足りないと感じていた部分を補っています。ただ、キーパーが強くなることでゴールが決まらない、というフラストレーションがたまらないよう、バランス調整には気をつけているところです。ゴールシーンの気持ちよさは残しつつ、キーパーの強さも表現するといった形ですね。
また、キーパーは前作以上にパラメータを細分化しています。もともとキーパーは能力の差を出しづらかったのですが、アニメーションやパラメータの追加によって、いいキーパー、そうでないキーパーというのが、色濃く個性化できたと思います。
たとえば、ノイアーなどは現実同様、めちゃくちゃ前に出てきますし、その反対にあまり飛び出さずにゴール前でどっしりと構えるキーパーもいます。
――マスターリーグの“交渉”など、各モードにも新要素が導入されていますが、なかでも特に注目してほしいものはありますか?
すでに発表しているなかでは“myClub”モードでの選手の調子ですね。選手の評価を週間ごとにつけており、それに関連して選手の調子がリアルと連動するという仕様があるのですが、これまではたとえばネイマールが1週間絶好調のまま、といったこともあったんです。
『ウイイレ2017』では、評価によって選手自身が備えているコンディションをコントロールする能力を加味したうえで、調子の具合が上下するようになりました。誰をスタメンにするか、誰を控えに入れておくかが、これまで以上に重要になっています。
この他、マスターリーグに関しては、かなり細かくいろいろなところを強化しています。交渉やトレーニングなどがそうですね。
交渉では、移籍最終日を表現したいということで、最終日になると時間ごとにカウントダウンされるようになりました。ある交渉を行うと2時間進むといった具合に、時間内でギリギリの交渉を行い最後にはどうなるか、という要素を入れています。
トレーニングに関しては、プレースタイルやスキルなどを身に付けられるようになりました。今回はトレーニングによって、より自分好みの選手に成長させられるようになっています。
――レジェンド選手の存在もファンとしては気になるところですが、何名くらい登場するのでしょう?
数は言えないのですが、実名で選手の顔も再現した形で、myClubモードに登場します。myClubで獲得したレジェンド選手はマスターリーグにも登場するようになりますので、往年の名選手を若いうちに獲得し、じっくりと育成することもできますよ。
現時点では、マイケル・オーウェン選手、ロビー・ファウラー選手、イアン・ラッシュ選手らを発表していますが、この他の選手の登場にもご期待ください。
――グラフィックスについても、さらなる進化を遂げているという印象です。
『2016』と『2017』を比べていただくとわかるのですが、選手だけでなく、たとえば夜や昼のライティングに関しても新しいエンジン上でしっかりと表現できるようになっています。
特に、昼ですとピッチ上の影などでプレイしづらいこともあったのですが、本作ではプレイしやすくなっていますよ。これもプレイヤーの皆さんにとって気になるところだと思うのですが、昼でも遊びやすくなっていますので、そこにも注目してほしいですね。
――聞けば聞くほど新要素が盛りだくさんですね。もうこれ以上進化させられる場所はないのでは? と思えるほどです。
しかし、実際の試合を観ていると表現できていない部分がかなりあるんです。すでに実装されている要素に関しても再度見直し、いいモーションや悪いモーション、実際にコントロールできるかどうかを確認しています。
モーションを選手に入れた時にそぐわないというか、カッコよく表現できなかったものが実は結構あるので、毎回、ブラッシュアップしています。キーパーについても「実際のキーパーであればこう動けるのに『ウイイレ』では動けないね」というところは足していかないといけません。
それに本来でしたら、ボールは自由自在に動きますよね。トラップする位置によって、当然動きも違う。これをすべて再現しようとするとデータの量が膨大になりすぎてしまいますので、システム上でうまく吸収できるようにする。その兼ね合いですね。
パスだって1つのチャレンジですし、弾道もそう。目指しているのは、プレイヤーが意識をしなくても「こういう体制でこのように蹴ったら、ボールはこう飛んで行くよね」というのがちゃんとつながり、気持ちいいと思える表現ができるようになることです。そうした表現は、今後もまだまだ増やしていきたいですね。
香川選手とオーバメヤング選手が対戦! 『ウイイレ』が上手いのはどっち!?
冒頭でもお伝えしたとおり、本作はドイツのサッカークラブ“ボルシア ドルトムント”と、KONAMIのサッカーゲームにおけるオフィシャルパートナー契約を締結しました。会場では、その模様が公開されています。
また8月18日には、KONAMIブースに、ボルシア ドルトムントに所属する香川真司選手とピエール・オーバメヤング選手が登場。2人はゲーム内でお互いにボルシア ドルトムントを選択し対戦を行いました。
結果は3対1で香川選手の勝利! ゴールを決めて喜ぶ香川選手の姿や1点を返して得意げな表情を見せるオーバメヤング選手の姿が印象的でした。
対戦後は会場に押しかけたファンと交流。両選手とも、1人1人に直筆のサインを手渡し、笑顔で一緒に記念撮影を行っていました。
日本での発売も間近に迫った『ウイニングイレブン 2017』。インタビューにもあったとおり、本当に大幅な進化を遂げていますので、キックオフを楽しみに待ちましょう!
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データ
- ▼『ウイニングイレブン 2017』
- ■メーカー:KONAMI
- ■対応機種:PS4
- ■ジャンル:スポーツ
- ■発売日:2016年9月15日
- ■価格:7,600円+税
- ▼『ウイニングイレブン 2017』
- ■メーカー:KONAMI
- ■対応機種:PS3
- ■ジャンル:スポーツ
- ■発売日:2016年9月15日
- ■価格:6,600円+税