2016年9月3日(土)
どうも、黒船Mk-IIです。今回の『エルダー・スクロールズ・オンライン(ESO)』完全日本語版のレビューでは……といきたいところですが、これまでかなり好き勝手にプレイしていたため、あえて横に置いていた“本作のバックグラウンド”を説明したいと思います。
『エルダー・スクロールズ』の名を冠することからもわかるように、本作からはそこかしこに『The Elder Scrolls IV:Oblivion(オブリビオン)』や『The Elder Scrolls V:Skyrim(スカイリム)』などのフレーバーを感じとることができます。
というわけで今回は、これらの作品とどのようなつながりがあるのか、そのごく一部を紹介したいと思います。
『ESO』の舞台は、それまでタムリエル大陸を支配していたレマン王朝が滅びて、皇帝不在の“大空位時代”と呼ばれる時期のタムリエル大陸。
4作目『オブリビオン』の時代が第三紀433年で、5作目『スカイリム』がその約200年後の第四紀201年、本作は第二紀582年ということで、『オブリビオン』の時代の大体1000年くらい前の話になります。
あと300年くらい経つと、『オブリビオン』の冒頭で暗殺される皇帝の初代であるタイバー・セプティムが歴史に登場し、タムリエルを統一して第三紀が始まる感じです。詳しくは後ろで書きますが、まだ支配構造は残っているものの、あわよくば次の皇帝になってやろうと各種族・勢力が入り乱れて戦っている、群雄割拠な時代ってわけですね。
さて、そんな物騒な時代が舞台の『ESO』ですが、さらに厄介なことに“オブリビオン(地獄みたいなところ)”の住人であるデイドラの王子モラグ・バルが何やら陰謀を巡らせているとのこと。どうせろくでもないことだから阻止しよう――というのが、本作のメインストーリーです。
▲こちらが冒涜と不和をつかさどるモラグ・バル。影だけですが、こんなにはっきり姿が見えるのは初めてではないでしょうか? |
おひとり様レビューの第1回でも書きましたが、デイドラの王族といったら神様みたいな存在なので、「ちょっとおもしろいこと思いついちゃった!」みたいな理由で介入することはできません。
そこで暗躍するのが伝説の死霊術師“虫の王”マニマルコ。そう、『オブリビオン』で魔術師ギルドを壊滅させた、見た目はさえないおっさんのマニマルコですよ。
『オブリビオン』ではエピソードの割に強い印象はまったくないのですが、今回はラスボスかそれに近い配役。黒船Mk-II的には、彼が汚名を返上できるほどの活躍をしてくれるか気になるところです!(時代的には本作のほうが過去ですが)
▲一時的とはいえ帝都を奪った<選ばれし5人>をそそのかして世界の危機をもたらすなど、“伝説の死霊術師”という肩書に恥じない活躍を見せてくれるマニマルコ。 |
▲“ドラゴンボーン”こそが正当な皇帝の資格を持つとのこと。ということは『オブリビオン』に登場した皇族の生き残りマーティン・セプティムもドラゴンボーン。……自分で戦えたんじゃなかろうか。 |
ここで“ドラゴンボーン”を知らない人に説明しましょう。ドラゴンボーンとは、“竜の血脈”を意味する言葉で、ドラゴンが使う“シャウト”を使いこなし、さらには倒したドラゴンの魂を吸収し、力を伸ばしていく特別な存在です。『スカイリム』の主人公も、このドラゴンボーンでした。
割かしのっぴきならない状況ですが、それはそれとして勢力争いに明け暮れるのが人間の性。せっかく皇帝もいなくなったので、空位となっている皇帝の座を手に入れるようと、タムリエル大陸の各種族が3つの勢力に分かれて、『オブリビオン』の舞台であるシロディールで大乱戦、というのが大規模PvP“同盟戦争”の概要です。
▲モラグ・バルが暗躍をよそに内輪もめ。まぁ、ほとんどの人間はモラグ・バルの陰謀を知らないから仕方ないんですけど。 |
デイドラの野望を阻止することが目的のメインストーリーを歴史の裏とするなら、“同盟戦争”はまさに表舞台。シロディールはPvPエリアということで、帝都以外の街は登場しないようですが、それでもシリーズファン的には期待が高まるところではないでしょうか。必死に守ろうとした帝都を攻城兵器で火の海に変える……。デイドラとの戦いはそこまでしなきゃならないんですね。
▲帝都を制圧した勢力が暫定的に皇帝の座に得られるという“同盟戦争”。今も昔もクーデターや革命の目標は首都制圧ということでしょうか。 |
ここまでは主に、ゲーム内からうかがい知ることができる過去作品とのつながりを見てきましたが、ちょっぴり変わったところからも過去作品とのつながりを感じることができます。代表的なもののひとつがPVです。
動画:【日本語版】BE3 2016 ? Looking Back at ESO
シリーズファンであれば、なんとな~く耳に覚えのある音楽が流れていませんでしたか? マッドクラブたちがヒドい目に遭った後あたりからですね。
そう、かなりアレンジは施されておりますが、『エルダー・スクロールズ』シリーズのメインテーマが使われているんです。『スカイリム』のPVと聞き比べると、わかりやすいんじゃないかと。
ちなみに、『スカイリム』のPVでドラゴンと戦っているのが、先ほど紹介した“ドラゴンボーン”です。
シリーズ3作目から登場しているこのメインテーマですが、タイトルごとにアレンジをされつつも長年使われていると、聞いただけで「おっ」と思いますね。
今回、どうしてこんな記事を書いたのかというと、『ESO』のことを“食わずぎらい”している人が結構いるんじゃないかと思ったからです。『オブリビオン』や『スカイリム』にハマった人の中には、あのぼう大な量のコンテンツを個人で楽しめるところに魅力を感じた人も多いことでしょう。
確かにその点においては、オンラインゲームである『ESO』は違うものと言えるでしょう。とは言え、きちんと『エルダー・スクロールズ』の流れをくんだ作品であり、記事の冒頭でお伝えしたように『オブリビオン』や『スカイリム』のフレーバーを感じ取ることができる作品です。
これまで“おひとり様レビュー”を展開してきましたが、1人でプレイを始めてみてもしっかり楽しめる作品になっています。まずは、モラグ・バルの野望を阻止するメインストーリーからじっくりと楽しんでみてくださいね。
さて今度は、『エルダー・スクロールズ・オンライン』ならではの要素である“同盟戦争”に参加してみた感想をお届けしようと思います。その前にもう1本別の記事が入るかもしれませんが、お楽しみに!
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