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2016年9月7日(水)

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』各キャラの特徴をプロゲーマーのDustelBox氏が解説。プレイの感想もお届け

文:あんまさ

 ネクソンは、9月6日にPC用オンラインFPS『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』のプレスカンファレンスを、東京・六本木にあるNicofarre(ニコファーレ)で開催しました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』は、アニメーション作品である『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』を題材にしたPC用オンラインFPSゲームです。

 情報ネットワーク化が加速度的に進展し犯罪が複雑化した社会を舞台に、プレイヤーは電脳戦の他、高性能義体を生かした戦闘や諜報活動を任務とする精鋭部隊“公安9課”の一員となって近未来の日本でサイバーテロリストたちと戦います。

 ここでは、プレスカンファレンスで発表された内容の紹介と、実際に本作を試遊してのプレイレポートをお届けします。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲会場入り口では『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』に登場する、草薙素子の姿をした清瀬まちさんがお出迎え。
『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲司会進行を務めたのは渡辺順子さん。公安9課をサポートするオペレーターの衣装を身にまとって登場しました。

3種のゲームモードにマッチしたマップがそれぞれ登場。開発中のゲームモードも

 プレスカンファレンスは、ネクソンの代表取締役社長、オーウェン・マホニー氏のあいさつから始まりました。

 オーウェン氏は「長年にわたり培ってきたPCオンラインゲームの運用経験やノウハウを生かして、『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』のような高品質なゲームをユーザーの皆さまに提供し、それを長期的に運用することに注力していきたいと考えております」と述べました。

 加えて「ネクソンが持つPCオンラインゲームのノウハウとグローバルな事業基盤の強みを生かして、日本だけなく欧米をはじめとした世界中のユーザーへとお届けします」とコメントしました。

 次に語られたのは『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』の内容と魅力について。オーウェン氏は「『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』は、戦略的なチーム戦を特徴とするPCオンラインのFPSゲームです。当社が誇るRPG『アラド戦記』を手掛けたNeopleが担当しております。

 人気アニメーション作品『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の世界をそのまま表現した近未来の世界観のなかで、プレイヤーは公安9課の一員としてサイバーテロリストと戦います。

 特に、原作の個性豊かなキャラクターの特徴を生かしたスキルを使用できる“スキルシステム”と、そのスキルを戦闘中に味方に共有できる“スキルシンクシステム”が本作の魅力になっています」と、本作をアピールしました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲オーウェン氏。自身も『攻殻機動隊』の大ファンだそうで「『攻殻機動隊』という著名なIPの発祥地である日本で、このようなすばらしい作品を皆さまにお届けできることを誇りに思います」と述べられました。

 続いて、本作の運用プロジェクトマネージャーである村下優氏がゲームの概要について説明。村下氏は「本作は、アニメに登場するキャラクターや光学迷彩などのスキルといったアニメの世界観を生かした要素を盛り込んでおり、既存のFPSゲームとは一味違った戦闘と協力プレイが体験できます」とコメント。

 また、キャラクターボイスもアニメと同じ声優を起用しているので、アニメのファンもそうでない人も、どちらも楽しめるFPSゲームとなっている、と語りました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲村下優氏。

 次に、本作のゲームモードが紹介されました。ゲームモードは“チームデスマッチ”、“デモリッション”、“コンクエスト”の3種類が用意されています。

 チームデスマッチは8対8の16名で対戦し、先に特定のスコアに到達したチームが勝利となります。シンプルなゲーム性でFPSゲームを基本とする撃ち合いが楽しめます。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 デモリッションは他のFPSゲームでも人気の高い爆破系のモード。敵の拠点に爆弾を設置して破壊、または自チームの拠点を守るモードで、攻撃チームは敵拠点の爆破を狙い、防衛チームは拠点を守り切ることができれば勝利となります。

 また、攻撃・防衛にかかわらず、すべての敵を殲滅(せんめつ)しても勝利となります。1度ラウンドで死んでしまうと、そのラウンドでは復活できないため、緊張感のある戦いが楽しめるとのことです。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 コンクエストではマップ上に展開する拠点をより多く占領したチームが勝利。占領することによって、タチコマを戦闘中に呼び出すことができます。

 タチコマは、ミサイルやグレネードランチャーなどで味方の支援を行うとのこと。拠点を占領するには長時間その場に居続けないといけないため、攻める時のタイミングや味方との連係が重要になってきます。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 村下氏は「この他にも開発を進めているゲームモードがありますので、今後のアップデートにご期待いただければと思います」と述べていました。

 次に行われたのはマップの紹介です。村下氏は「マップはそれぞれのモードの特性に合う構造になっており、公安9課などのアニメに登場する場所や地域をモチーフとしたデザインをゲーム内に実装しています。アニメの世界観をいかしたマップを今後も増やしていく予定です」と語りました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲原作に登場する地域や戦場が複数用意されているとのことです。

現在判明している7人のプレイアブルキャラと、注目のスキルシステム・スキルシンクシステムをDustelBoxsさんが解説

 続いて、実機プレイを行いながらのゲーム紹介に。ここからは村下氏に加え、プロゲーミングチーム“DetonatioN”のDustelBox(ダステルボックス)さんが登場。ゲームプレイを交えながらの説明が始まりました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲DustelBoxさん自身も『攻殻機動隊』シリーズの大ファンだそうで「大好きなFPSゲームと世界観がミックスされた、すばらしいゲームになっています」と述べていました。

 ここからは、本作に登場する7人のキャラクターを紹介。プレイヤーは選択したキャラクターによって、原作でもおなじみの特別なスキルを使用することができます。

 草薙素子は肉体全身を義体化したサイボーグで、公安9課ナンバーワンの実力を誇り、実質的なリーダー的存在。

 使用可能なスキルは“光学迷彩”で、自身の体を一定時間透明にすることができます。DustelBoxさんいわく「完全に透明になるわけではなく、敵が使用していた場合はうっすらと見ることができます。動いている敵であればよりわかりやすいので、常に注意して周囲に気を配れば対処も可能です」とのこと。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 バトーは両目の義眼が特徴的な大柄な男性。かつてレンジャー部隊に所属していて、幅広く武器の扱いに長けています。使用可能なスキルは“アームランチャー”で、義体のランチャーから強力なミサイルを発射します。

 DustelBoxさんは「ミサイルが命中すると1撃で敵を倒せます。もし敵にアームランチャーを構えているバトーがいたら、基本的には一目散に逃げることが大切です。弾速が遅いので、見てから逃げることも可能だと思います」と話し「コンクエストモードでは装甲の高いタチコマをほぼ一撃で倒せるので、味方に1人でもいると助かる存在です」とコメントしました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 リボルバーを好むトグサは刑事出身で、電脳以外はほぼ生身。また唯一の所帯持ちと、公安9課のなかでは異色なキャラクターです。使用可能なスキル“シーカードローン”は、目標物を自動的に探知し、追跡して爆発するAIロボットを召喚します。

 DustelBoxさんは「シーカードローンは攻撃以外にも陽動として使えるので、敵がドローンに対処している間にプレイヤー自身で襲撃するという使い方もできます」と述べ、対策として「シーカードローンに近づかれたら危険なので、見つけたら即座に破壊して落ち着いて対処するのがよいですね」と教えてくれました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 サイト―は、義体化しているのは左目と左腕だけ。鷹の眼と呼ばれる特殊な義眼を装備しており、高い狙撃能力を持っています。使用可能なスキルは“ヒートセンサー”で、熱を探知する衛星スキャンと、敵のノイズを感知するスキャンで壁越しの敵の位置を確認することができます。

 一定時間ごとに赤いマーカーで敵のシルエットが表示されますが、常に見えるというスキルではありません。

 DustelBoxさんは「FPSでは壁の向こうにいる敵は音ぐらいでしか確認することができないので、非常に強力なスキルになっています。しかし、弱点としてスキルの更新頻度が遅いため、そのスキを狙われないようにしないといけません」とスキルのメリットとデメリットについて話してくれました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 イシカワは主に情報収集や電脳戦を得意としており、バックアップに従事することが多いキャラクター。使用可能なスキルは“セントリーガン”で、索敵範囲内の敵を自動的に攻撃するセントリーガンを設置することができます。

 設置した後も、破壊されていなければ回収して別の位置に設置することが可能です。DustelBoxさんは「コンクエストのルールでは、拠点の近くに置いておくとそれだけで威圧できるので強力です。占領しきった後に防衛の必要がないなら、別の場所に設置して使い回せるのも便利ですね」とコメント。

 「対処法としては、バトーのアームランチャーやグレネードで死角から攻撃を行う。または、回り込んで裏から攻撃して破壊を狙うのがいいでしょう」と説明しました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 ボーマは身長2メートルを超える大男で、外見とは対照的にイシカワと同じく電脳戦が得意。使用可能なスキルは体内活性細胞を増幅させる“ナノゲルアーマー”で、一時的に体力を回復させ続け、さらに最大体力を増加させます。

 DustelBoxさんは「体が光っているキャラクターはナノゲルアーマーの効果を受けている状態であり、攻撃を受けてもすぐに回復します。ナノゲルアーマーが付与された敵と撃ち合いをするのは危険です」とコメント。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 パズは潜入捜査やナイフを使った戦闘が得意。使用可能なスキルは“加速疾走”で、自身の身体機能を強化して一定時間、移動速度を大幅に加速させます。ジャンプ力も上がるため、障害物の上から奇襲することも可能です。

 DustelBoxさんは「スピードの速さを生かした近接攻撃がしやすくなるのが特徴ですね」と語り、一方で「敵が使用してきたらあまりの速さで逃げることもできないので、自分のエイム力を信じて当てていくしかない」と少し苦笑いした様子で語られました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』

 続いてスキルシンクについての説明が。スキルシンクはスキルゲージを最大まで溜めると使用可能となり、スキルを発動すると自身だけでなく、周囲の味方プレイヤーにも発動したスキルを共有することができる機能です。

 スキルシンクが使用可能なのは“光学迷彩”、“ヒートセンサー”、“ナノゲルアーマー”、“加速疾走”の4種類。また、スキルシンクは同時に複数の効果を組み合わせることが可能です。

 これについてDustelBoxさんは「例えば、ヒートセンサーと加速疾走を組み合わせて上手く立ち回り、相手の背後を素早く取って近接攻撃を行うこともできます」とさまざまな戦術が展開できる点を紹介していました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲スキルゲージは個人で効果を発揮する“TIER1”と、スキルシンクが使用できる“TIER2”が存在。TIER2の状態にするにはスキルゲージを最大まで溜めないといけないため、使用するには多くの敵を倒さなければなりません。

キャラクターの個性を引き立てる充実のカスタマイズ

 本作では“チップセット”と呼ばれるキャラクターの性能そのものを引き上げるカスタマイズと、銃器のカスタマイズができる“アタッチメント”の2種類が存在します。

 チップセットは各キャラクターにはソケットと呼ばれる装備枠があり、ソケットに各種チップセットを装着することで、キャラクターの性能をカスタマイズすることができます。

 各チップセットにはメリットとデメリットがあり、戦闘スタイルに合わせたキャラクターカスタマイズを楽しむことができるとのことです。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲DustelBoxさんが紹介してくれたチップセットは、加速疾走の速度が30%上昇し、加速疾走の維持時間が20%減少するというもの。他にもさまざまなチップセットが存在するようです。

 アタッチメントでは各種武器にアタッチメントを装着して、武器の性能をカスタマイズすることができます。アタッチメントの入手方法はゲーム内マネーの他、武器を使い込むことによってアタッチメントがアンロックされるものも存在します。こちらもチップセットと同様に、キャラクターの性能にそったカスタマイズが可能です。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲DustelBoxさんは「ヘッドショットを狙うプレイが好きなので、反動を小さく正確性や安定性を向上させていきたいです」と語りました。他にも、ドラムマガジンのような移動速度を犠牲にし、装填数を大幅に上げるものなどが存在するようです。

 プレスカンファレンスの最後には、本作における今後のサービススケジュールについて発表がありました。オープンβテストが11月2日、正式サービスが11月末に開催されます。なお、クローズドβテストなどの実施予定はないようです。

 次に、9月15日から18日まで開催される東京ゲームショウ2016のe-sportsステージにて、タッチ&トライの試遊ブースが展開されます。17日の一般公開日には、DustelBoxさんも参加するプロゲームチームによる対戦がステージ上で行われるようです。

 いち早く『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』を触れられるチャンスなので、ぜひe-sprotsブースに足を運んで見てください。最後に村下氏が「今後も『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』の続報にご期待ください」と述べ、カンファレンスが閉幕しました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲左から渡辺順子さん、DustelBoxさん、オーウェン・マホニー氏、村下優氏、清瀬まちさん。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』試遊レポート

 プレスカンファレンス終了後には、『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』をプレイできる体験会に参加。今回体験できたゲームモードはコンクエストで、より多くの拠点を占領したチームの勝利というものです。

 操作には従来のFPSゲームと同じようにマウスとキーボードを使用。FPSをプレイする人はもちろんのこと、ラジオチャットで原作キャラクターの声で会話ができる機能もあり、FPS好きも『攻殻機動隊』ファンも1度はプレイしていただきたい内容になっていました。

 対戦してみての感想ですが、やはりスキルを使用するタイミングが勝敗を分けるカギになってきそうです。コンクエストモードならば、スキルシンクを使用して一気に敵の殲滅と拠点の占領を狙い、タチコマを召喚して押し切るなど、スキルを使用した戦術を考えなければなりません。

 ただし、スキルシンクを使用するには敵を多く倒さないといけないため、温存しすぎると逆に相手のTIRE1でスキルを連発されて押し切られてしまうかも……。そういったスキルを使用した戦術を考えるのが、本作の魅力の1つだと感じました。

『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲加速疾走のスキルシンクを味方にかけるシーン。移動速度を上げて、近くにある拠点の占領を一気に狙います。
『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』
▲タチコマを召喚して最後の拠点を占領しに向かう場面。タチコマは装甲が非常に固いうえ、武装も強力なものを多く持つ頼もしいパートナーです。

 キャラクターの個性がゲームプレイに色濃く反映されているので、原作ファンなら好きなキャラになりきってプレイするのも楽しそうです。カスタマイズも豊富なので、サービス開始を心待ちにしたいと思います!

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