2016年9月17日(土)

『FF15』TGS2016トレーラーに注目。Xbox One版を待つ人にメッセージも【TGS2016】

文:喜一

 スクウェア・エニックスより、11月29日に発売されるPS4/Xbox One用ソフト『ファイナルファンタジーXV(15)』。先日公開されたばかりのTGS2016トレーラーなどについて、田畑端ディレクター(通称:田畑D)にお話をうかがってきました。

『ファイナルファンタジーXV』
▲田畑D(写真右)と、プロンプト?(画面左)。お面はTGS会場のスクウェア・エニックスブースで配布中です。

――TGS2016トレーラーについてのお話を聞かせてください。戦闘シーンがまったく入っていませんでしたが、これは意図したものなのでしょうか?

田畑端ディレクター:つい先日、約53分のトレーラーを公開しました。戦闘が気になる方には、編集されたシーンで構成される動画でなく、録り下ろされたゲームプレイの映像のほうが伝わるかと思っています。

 そのため、今回のTGS2016トレーラーは物語に特化したものにしました。トレーラーでは冒頭に出てくるアーデンが敵のキーとなる存在ということが伝わっているかと。

『ファイナルファンタジーXV』

 “クリスタル”という言葉も出てきまして、何らかの意味を持ったものであることも察していただけるかと思います。

 また従来の『ファイナルファンタジー』のファン、特に日本の方に向けて、しっかり『FF』だと伝わっているとうれしいです。

――シヴァは、TGS2016トレーラーで初めて登場しましたよね?

 シヴァは、タイタンとかラムウとかと違って巨大な何かではなく、トレーラーのとおり妖精らしい姿なのですが、プレイヤーの意思で召喚する対象ではありません。

 シヴァだけ、いつ召喚できるかが不定なんです。シヴァ側が召喚されたい時だけ召喚できます。

 そのあたりには、シヴァのパーソナリティもありますということですね。その他の召喚獣は、召喚できる条件を満たせば召喚できます。

――電車でノクトとグラディオがもめているシーンも印象的でした。

 あのもめているシーンはすごく好きなシーンです。1人の王子と部下たちという関係だけではなくて、本当に仲間であるところが感じられます。ああいう時にしっかりノクトに何が必要なのかを伝えるのはグラディオなんじゃないかと、仲間うちの役割分担からも見えてくると思います。

――トレーラーを拝見して思ったのですが、全体的に描画能力が上がったというか、以前よりもゲーム内の映像がかなり仕上がっている感じがしました。

 全体のブラッシュアップなどは、もちろん行っていますが、アンチエイリアスのアルゴリズムがだいぶしっかりと実装できてきました。以前よりも輪郭は、はっきりとしていると思います。

 実は以前に公開した開発最新バージョンのゲームプレイ動画も同じ環境なのですが、その時はTGS2016トレーラーに比べて、イベントシーンが全然出ていなかったからではないでしょうか。

 あらてめて、TGS2016トレーラーでイベントシーンを見た時に描画機能やアセットの向上、ライティングの調整といったところが反映されて、そのように見えたのではないかと。

――TGS2016が初めて日本での大きなイベント出展になりますが、何か情報があればください!

 車のステアリングをかなり変更しています。以前はマニュアルドライブでもそこまで自由度が高くなかった運転ですが、反対車線に行けるぐらい操作できるようになりました。

 猛スピードで対向車とぶつかるなんてことはプログラム上、あり得ないのですが、反対車線に進入した時に止まった対向車にゆっくりぶつかることとかはできます(笑)。

――そういえば、TGS会場で配っているノクトたちのお面ですが、かなり大胆な配布物ですよね。こちらについてお話を聞かせてください。

 あのお面は、言うなれば超お手軽なコスプレと言えますね(笑)。

 普通に素顔だと恥ずかしいけど、お面があるとふざけたポーズなんかもとりやすいですし、みんなで写真撮ってアップするのもためらいもなくやっていただけるのではないかなと。

 Twitterでもハッシュタグ“#FF15顔”というのを作って、皆さんで盛り上がっていただけるようにしてみました。

――『FFXV』公式Twitterでは、ライブアートの模様が確認できますよね。

 このライブアートはすごいですよ。みんな自分の絵がいかに目立つかしか考えてないんです(笑)。

 お前らのアートここまで凝ってないだろ(笑)! ってぐらい、みんな気合いをいれて描いてくれています。やはり描いた瞬間からユーザーの前に自分たちの絵が晒されるっていうのは、アーティストとして刺激されるんだと思います。

 お面やライブアートがそうですが、TGSではユーザーさんとの接点というのを大事にしています。そういう意味では、ただの販促としてではなく皆さんと一緒に盛り上がれるので、非常によい取り組みだと思っています。

――過去にはコラ用テンプレートを配布されたりしていましたし、その流れを汲んでいるようで盛り上がりやすいですよね。ちなみに、ライブアートは何故やろうと思ったのでしょうか。

 お面と同じですね。ゲームを作っている人に興味がある方も多いと思いますし、作り手が生み出したものを実際に見られるのは特別な体験だと思っています。

 参加しているアーティストの中には夜遅くまで描き続けている人もいましたね。ユーザーの皆さんの前に作品を出す時は、自分がこれなら後悔しないところまで自らを追い込んでいると思います。

――それでは、最後にメッセージをいただけますでしょうか。

 先日、SIEJAの“2016 PlayStation Press Conference in Japan”で、『PlayStation 4 FINAL FANTASY XV LUNA EDITION』を発表させていただきました。

 これに関して、私たちは非常に感謝していまして、本当によいものがユーザーさんに提供できると思っていますし、単にオリジナルデザインというだけでなく、物語でも意味のあるモチーフを使えてよかったです。

 数に限りはありますが、できるだけ多くの人に『LUNA EDITION』でプレイしていただければと思っています。

『ファイナルファンタジーXV』

 また、現状PS4でしっかりとよいプレイができるように調整していますが、それと同じものをXbox Oneで提供するのは開発側から見て非常に難しいです。

 それでもXboxユーザーの人たちの体験を劣化させないために、アーティストやプログラマーを含め、工夫をして開発を頑張っていますので、Xboxユーザーの人たちにも自信を持って、これが『FFXV』だというものを提供しますので、どうか楽しみに待っていてください。

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