2016年9月17日(土)
コーエーテクモゲームスから、2017年2月9日に発売予定の和風ダークアクションRPG『仁王』。東京ゲームショウ2016(TGS2016)の会場で、そのディレクターを務める早矢仕洋介氏に本作の開発コンセプトや、ベータ体験版からの調整方針などを聞いてきました。
――今回のTGS2016で遊べる試遊版は、かなり難易度が高めに感じました。これは、意識的に高くしたのでしょうか?
そうですね。“戦国死にゲー”としての魅力を感じてもらうために、あえて難しくはしてあります。
とはいえ、ベータ体験版をやりこんだ人であればクリアできるであろうバランスにはなってると思いますね。
――試遊版のクリア率はどのくらいですか?
15~16日のビジネスデイでは、2~3割の方はクリアしている感じですね。
――今回の試遊版は後日、通常配信される予定はありますか?
今のところ予定はないです。今回の試遊版は、あくまで短時間で本作の魅力を知ってもらうためのものなので。
ただ、試遊版と同じものは、今後SIEさんが主催するPlayStation祭でも遊ぶことはできますので、TGSに来れないという方は、ぜひそちらで触れていただけたらと思います。
▲TGS試遊版では、一反木綿や雪女などの新たな強敵との戦いが楽しめます。 |
――製品版までに、別の体験版の配信予定はありますか?
それも現段階では予定なしです。まずは製品版の調整に集中しなければいけませんし(笑)。とりあえず、製品版を楽しみにお待ちください。
――開発に10年かかっている本作ですが、開発初期からゲームデザインはどのように変化しましたか?
戦国時代に金髪碧眼の男が流れ着いて、日本の武士道にじょじょに感化されていくというおおまかなストーリーライン開発当初から変わっていません。そこから、“戦国死にゲー”というコンセプトがうまく合致したことで、今のようなかたちになりました。
ゲームのジャンル自体は変わっていませんが、ゲームデザインはかなりその時点で変化しましたね。
――特に大きな変化はなんでしょう?
妖怪という要素の追加が大きいですね。“戦国死にゲー”として、ハードな敵として妖怪を出したらハマるんじゃないかと決まってからは、開発もスムーズに進みました。それまでは、もう少し史実寄りのゲームデザインでしたね。
――今のゲームデザインになったのは、いつごろからでしょう?
コンセプトが決まったのは3年前くらいですね。開発として手応えを感じられるようになったのが2年前で、コレでいける! となって発表できたのが、1年前のソニーカンファレンスです。
――体験版に寄せられた要望としてはどのようなものが多かったですか?
数の暴力で難易度を上げてしまっている点に関しては、厳しい意見も多かったです。その反省から、製品版では敵の感知範囲を変えて、集団戦の要素を少なくしています。
死にゲーとしてチャレンジングな部分は残しつつ、そういった理不尽に感じてしまう部分は、製品版で直していきたいです。
ちなみに、そういった要望や感想などは公式サイトで公開していますので、そちらもご参照ください。
――霊薬に関しては、何か調整は入りますか? ベータ体験版では、落命するたびに集めなくてはならないのが少しつらかったです……。
そういったご意見もいただいていますので、霊薬に関しても、現在検討中です。
――ベータ体験版において、アルファ体験版からの大きな変更点はなんでしたか?
操作性についてはかなり気を使って調整しましたね。死に覚えゲーなので、操作でストレスを感じないようにしないといけないなと。
そうしないと、落命しても自分のせいだと感じてもらえなくなるので、理不尽な部分は極力排除すべきだと考えました。そのおかげで、だいぶ好評をいただけるようになりましたね。
――体験版から、武器の性能調整などは? また、武器の種類に関しては、現在公開されているものですべてでしょうか?
まだ検討中ではありますが、サムライスキルの追加など、それぞれの武器を使いこなす楽しさを突き詰めていく方向で調整を進めています。
武器の種類に関しては、まだ公開されていないものもありますが、まだ秘密ということで(笑)。
――武器種に関しては、どういった方針でチョイスされたのでしょう?
侍として、使っていて違和感を感じず、かつ使っていて楽しいものを選んでいます。槍ならリーチが長いけど閉所では壁に弾かれやすいなど、長所と短所を意識して武器の性能は調整していますね。
――武器には洋風の物も登場しますか? また、ユニーク武器みたいなものも登場するのでしょうか?
武器や鎧のバリエーションは多く、洋風の物も登場します。装備の収集要素が楽しい作品なので、レアで名前が特殊なものなども、入手できるようになっていますよ。
▲手数で圧倒する双剣や一撃の威力に優れる斧など、さまざまな種類の武器を扱えます。 |
――シノビスキルや陰陽スキルは、侍としてはやや異質にも感じますが、これらはどういったコンセプトで追加されたものでしょうか?
やはり、アクションRPGとして、育成方針に幅が出たほうがおもしろいと思いまして、武器だけではない要素も追加しようとなりました。
ちなみに、シノビスキルに関しては、ベータ体験版ではやや性能的に目立たない部分もあったので、大幅にテコ入れがされています。
――守護霊や妖怪のモチーフは、伝承などにあるものでしょうか?
そうですね。実際に伝承で語られるものをいろいろ調べたうえで、我々なりのアレンジも加えて登場させています。有名どころも多いですが、地域伝承のみで伝えられているような、マイナーなものも登場しますよ。
――守護霊の種類は、製品版ではどのくらいになりますか?
詳細な数は言えませんが、かなり多くはなっています。
――ボスなどには、戦国武将なども登場しますか?
戦国時代の魅力の一つは戦国武将だと思いますので、敵味方を問わずに登場します。年代的には西暦1600年以降のイメージですね。
その当時生きていた武将はそのまま登場しますし、死んでいる武将も、妖怪として登場する場合もあります。
▲黒田長政や徳川家康といった有名武将も、味方として登場。 |
――かなり難易度が高い本作ですが、アクションゲーム初心者でも楽しめますか?
本作はアクションゲームというよりはアクションRPGとして作っていますので、レベルをコツコツ上げさえすれば、確実な恩恵が感じられるようになっています。
他にも、オンラインでの共闘などの救済要素もありますので、そちらも利用していただければ、かなり戦いがラクになると思いますよ。
――オンラインでの共闘では、敵も強くなるのでしょうか?
強くはなりますが、協力して楽しい難易度にはしてあります。
――ゲーム全体のボリュームはどのくらいですか?
具体的にはまだなんとも言えない部分もありますが、数十時間はしっかり遊んでいただけるかなと思います。
――武器などのDLCは配信されますか? コラボ装備なども気になります。
武器のドロップも楽しみの1つなので、単純に武器のみをDLCとして配信する予定はないです。ただ、今のところ、武器がドロップするクエストの配信などが予定されていますね。
コラボに関しては、今のところ予定はないです。まずは『仁王』に関して、しっかりユーザーの皆さんに知っていただくことが大事かなと考えています。
――周回要素はありますか?
明言はできませんが、やり込み要素については、ご期待いただいても大丈夫だと思います。
――ちなみに、最近発表された『無双 スターズ』への参戦予定は?
そのへんも、まだ秘密ということでお願いします(笑)。
――最後に、会場を訪れる『仁王』ファンへのメッセージをお願いします。
TGS会場では、手応えのある『仁王』の試遊版を用意しております。プレイした方には缶バッジ、クリアした方には木霊ストラップをプレゼントしていますので、ぜひ触ってみてください。
■“東京ゲームショウ2016”開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……2016年9月15日・16日10:00~17:00
一般公開日……2016年9月17日・18日10:00~17:00
※一般公開日は、状況により9:30に開場する場合があります。
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料
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