2016年9月20日(火)

『WoWS』と『ハイスクール・フリート』のコラボについて直撃。パーシアス作戦実現の可能性は!?【TGS2016】

文:田中尚道

 TGS2016で電撃的に発表された『World of Warships』とアニメ『ハイスクール・フリート』のコラボレーション。現時点ではどんなことをやるのか不明なこのコラボについて、『World of Warships』パブリッシングプロデューサーアジア・柳沼恒史氏とプロダクトスペシャリストアジア・畑井翔氏に聞いてみた。

『World of Warships』

多段階に展開を予定しているコラボレーション

『World of Warships』
▲畑井翔氏(左)と柳沼恒史氏(右)。

――TGS2016で電撃的に発表された『WoWS』と『ハイスクール・フリート』のコラボですが、具体的にはどのようなことをされるのでしょう?

柳沼氏:ここは、アニメ大好き畑井からお話しさせていただきます。

畑井氏:そもそもは『ハイスクール・フリート』のファンであったり、『WoWS』のユーザーからのリクエストがあり、前から水面下で進めていたものを、TGSの場で発表いたしました。

 今後、開発を進めていくことになるといった状況で、具体的には何も決まっていないんですが、大体は『蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐』とのコラボで行ったことを含みつつ、よりコラボレーション感を感じるものを実装していきたいと考えています。

――その「より」の部分が気になります。

畑井氏:まだ検討段階ですが、アニメーション内で展開された戦闘をモチーフにしたシナリオを実際にゲーム内でプレイすることを考えています。

 最終戦である武蔵 対 駆逐艦勢のような通常の『WoWS』では行えないシチュエーションを対CPU戦でやれるかな、と。武蔵がないので大和を他のプレイヤーの駆逐艦と連携して倒す……というような形です。

柳沼氏:対CPU戦はコラボレーション関係なく前々から考えていたシステムなんです。これが実装されると、『ハイスクール・フリート』のキャンペーンも実現できるのではないかと考えています。

――現用艦艇や実装されていない艦も多いですし、実はあんまり撃ち合ったりしていないんですよね。晴風って。

畑井氏:そうなんですよね。対潜水艦戦だったり。晴風も陽炎型ですし、アニメを象徴する船なので、なんとか……なんとかしたいですね。

――確約はできない感じですか。

柳沼氏:実装するものに関しては、来月はなかなか難しいんですが、その間にもいくつかイベントを入れたりしてユーザーの皆さんが楽しめるようにしたいと考えています。

畑井氏:第一段階としては、横須賀女子海洋学校の旗を配る予定です。作品内にたくさんのエンブレムや旗がありますので、そういったものを段階的に配布しようと思っています。

『World of Warships』

――『アルペジオ』コラボでは母港が『アルペジオ』の横須賀モードになっていましたが、今回も『ハイスクール・フリート』モードになるのでしょうか?

畑井氏:実装するつもりではあるんですが、横須賀が出てくるのが冒頭15分と最後だけなんですよね。ファンの皆さんが一番印象に残っているのはどこなんだろうと考えると、ほとんど海だったり……。

――横須賀女子のフロート型の校舎が一番印象に残っているかもしれませんね。

未実装艦はどうなるの?

――コラボはおいといて、アドミラル・グラーフ・シュペーなんかは実装の要望も多いのでは?

柳沼氏:艦は実装したいですね。どれかというのは開発と調整ですけど。

畑井氏:武蔵はTier Xになるので、配布は難しいですよね……。今のゲームの中で足りない部分とか、この部分を実装したら楽しいというものを開発チームと詰めているところです。

柳沼氏:今後も『ハイスクール・フリート』でも新しい展開があって、その中の設定が我々のタイトルと合致するものが出てくると思います。まずはコラボしてユーザーの反応を見つつ、我々のコンセプトと合えば新しい艦が実装されることはあり得ると思います。

――シュペーが実装されるとなったら、Tierがどうなるのか気になりますね。そもそも戦艦なのかとか。

柳沼氏:畑井が困っています(笑)。

――どうなるのか期待しています(笑)。『ハイスクール・フリート』の話はおいといて、他のコラボレーションはどのようなものがあるのでしょう?

畑井氏:『アルペジオ』を今年1年間やってきて、その集大成として要望の一番高かったタカオを来月から行われるイベントの達成報酬として配布する予定です。

『World of Warships』

 音声も新しく収録していますし、本来なら愛宕が課金艦なのに配ってしまう大盤振る舞いです。継続的には考えていますが、いったんここでコラボが休憩になります。他のものは、『Blitz』で発表になった、デザイナーさんとのコラボなども考えております。

柳沼氏:水面下ではいろいろ動いているんですが、決まらないと話せないんですよね。ヒントとしては時代や世代を超えたタイトルとのコラボレーションがあるかもしれません。かもしれません(強調)! 前向きに考えているということですね。

――日本だけで決めていいものではないわけですよね。

柳沼氏:アジアについては私たち一任されていますが、アジア全体でやるのか、そしてグローバルになるかはまた別です。

畑井氏:アメリカだと海賊船とかがありました。リージョンごとで、やり方が違っているんです。

――『アルペジオ』は世界中で遊べていましたよね。

畑井氏:『アルペジオ』はそうでしたね。『ハイスクール・フリート』は日本だけでなくアジアでやることまでは確定しています。ただ、全世界はまだ検討中ですね。『アルペジオ』の結果を見て判断すると思います。

――晴風が実装されのかが非常に気になるポイントですが……?

柳沼氏:それはまぁ、あったほうがいいですよね(笑)。

――高圧缶はどうやって再現されるのかとか問題もありますが。

畑井氏:そのあたりはバランスを考えます。

柳沼氏:そのまま出してしまうと、対空ほぼ0ですし……。

――一応途中で両用砲の長10cm砲に換装されますが、どうなるのか期待しています。

柳沼氏:いずれにせよ、ゲームバランスを崩さないようになるべく多くのものを入れ込んでいきたいと考えています。

畑井氏:ユーザーから「忠実にやるならドリフトとかできるようになるんですよね」と言われたりするかもしれませんね(笑)。

柳沼氏:う~ん、そのあたりは我々の努力ではいかんともしがたいですね(笑)。

――米駆のSims(Tier VII)なんかは非常に旋回半径も小さいですし、あんな挙動だと楽しいですね。

柳沼氏:そうですね。

――ちなみにコラボ発表の反応はいかがでしたか?

柳沼氏:大きかったですね。全タイトル含めた発表のなかで一番反響は大きかったです。認知の問題もありますが、一番はやはり皆さんが待ち望んでいたということだと思います。

畑井氏:そうですね。オフラインイベントに行くとユーザーさんから「『ハイフリ』やってください」と言われたりもしました。「考えておきます」と答えながら、水面下で動いていました。

苦難の日本駆逐艦にとって福音が?

柳沼氏:先日、日本の駆逐艦が2ラインになるというリリースを発表させていただきました。ひとつがこれまで通り隠蔽性が高くて、索敵をしつつ、魚雷を放つ戦い方の艦です。

 そしてもうひとつが、ちょっと砲の能力が高いものという分類になっています。砲撃力の高いほうのラインは魚雷の数は少ないですが、レンジが長い点が特徴です。そういった差別化を現状図っています。

『World of Warships』
『World of Warships』

――戦い方に差が出てきますね。

柳沼氏:かなり変わりますね。サービス開始当初、日本の駆逐艦は人気だったんですが、だんだん他の艦艇が実装されていくとバランス的にちょっと使いづらいという声が聞こえてくるようになりまして。その声に応えるようにバランスを見直して、新しい艦を追加しました。

――高Tierになると「どうにもならない」との声をよく聞きますね。

柳沼氏:腕の見せどころ的な戦い方ができたんですが、それだとさすがに使いづらいですからね。

――乗員の練度でなんとかしようとする、日本のドクトリンにまつわる部分ですよね。

柳沼氏:空母が出てくると厳しいですね。

――日本艦は対空が弱いわけですが、なにか救済はあるのでしょうか?

柳沼氏:そのことも含めてバランスを調整中なんですが、さすがに駆逐の対空が強過ぎると、隠れて航空機を落としまくってしまうことになるので。現在テスト中ですので、今後どうなるかは実際に見ていただければ。

――巡洋艦の改装の中に入ってくることもありうるのでしょうか?

柳沼氏:それもあり得ますね。あとイギリスの巡洋艦が10月の中旬から終わりにかけて実装されるのではないかなというところです。

 現在テストをしながらフィードバックをもらっているんですが、なかなかバランスが難しいです。大きな駆逐艦のような感じで作っているんですが、装甲が薄くて……。駆逐艦に見つかっちゃうとどう振る舞えばいいのかが難しいんです。高Tierほどそれが顕著ですね。

『World of Warships』
『World of Warships』

――国も去年に比べると増えましたが、今後増える国はあるのでしょうか?

柳沼氏:増えますね。

――オスマントルコなどは登場するのでしょうか?

柳沼氏:そうですね……、各国持っている艦で望まれているものもあるので、その辺を踏まえつつ追加をしていきたいですね。

■“東京ゲームショウ2016”開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……2016年9月15日・16日10:00~17:00
一般公開日……2016年9月17日・18日10:00~17:00
※一般公開日は、状況により9:30に開場する場合があります。
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

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