2016年9月21日(水)

『Destiny 鉄の章』レビュー。ストーリーに探索、協力や対戦まで、新しい戦いの場が広がる!

文:電撃オンライン

 SIEより発売中のPS4ソフト『Destiny』。9月20日に発売された『Destiny 鉄の章(以下、鉄の章)』は、前回『Destiny 降り立ちし邪神』からひさびさの待望の拡張コンテンツとなる。

 今回の記事は、米ワシントン州・ベルビューにある開発会社Bungieのスタジオでメディア関係者を招いて行われたイベントに加え、実際に配信された『鉄の章』をプレイしたインプレッションをお届け。さらに、イベント時に行った『Destiny』のエグゼクティブ・プロデューサーScott Taylor氏へのインタビューを掲載する。

『Destiny』

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ストーリーはガーディアンになじみの深いサラディン卿の過去に迫る内容

 『鉄の章』のコンテンツのはじまりは、まずストーリーミッションから。今回のストーリーは、プレイヤーの分身であるガーディアンにはおなじみのサラディン卿が中心人物となります。自らが主催する対戦イベント“アイアンバナー”でガーディアンを厳しく鍛え、勝者に強力な装備を報酬として与えてきた彼にはある過去がありました。かつて彼は、ガーディアンの集団“鉄の豪傑”の一員として太陽系最後の都市であるタワーの人々を守るため暗黒の従兵と戦っていたのです。鉄の豪傑たちが命をかけて封印した過去の文明のテクノロジー“ZIVA”を、敵対種族フォールンが手にしたことを知ったサラディン卿は、休眠状態にあった“鉄の神殿”を再建。ガーディアンとともにZIVAの侵食を止めるべく戦いを始めます。

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 『Destiny』のサービス開始から2年、ほぼ毎月のようにタワーにやってくる彼の過去が明かされる物語は、長く遊んでいる人ほど感慨深いものがあると思います。ミッション内容もバリエーション豊かで、新たな敵であるデビルスプライサーの手ごわさと相まってなかなか歯ごたえのあるバトルを楽しめます。ミッション数自体は5つとやや短めですが、ストーリーミッションは『鉄の章』の導入部。ここからストライクやパトロールを含めたさまざまな遊びが広がっていきます。

新ストライクは計3つ追加。週間英雄ストライクも新たなシステムが!

 最大3人でプレイ可能な協力プレイミッション“ストライク”にももちろん新ミッションが追加されています。新たなミッションは完全新規の“哀れな目”と、地球の“デビルズ・レイヤー”、月の“サモニングピット”を『鉄の章』の世界に合わせてそれぞれリニューアルした“完成形セピックス”“変異体の強奪”の3つになります。

 “哀れな目”も(内容はこちらの記事を参考に)さることながら、リニューアル版の2つのミッションも敵の出現パターンやボスのギミックが従来とはまったく異なるものになっていて、もとのミッションを週間英雄ストライクやナイトフォールでクリアした人でも楽しめる内容になったと感じました。

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▲完成形セピックス。
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▲変異体の強奪。

 また、『鉄の章』実装までは初回クリア時に“煌く宝”、3回目のクリアまで“レジェンダリーの紋章”が報酬としてもらえた“英雄ストライクのプレイリスト”も、“ZIVAクライシスの英雄”としてリニューアル。ミッションに戦闘条件が付与されるほか、初回クリア時の報酬が“眩(まばゆ)い宝”になりました。

 “眩い宝”は、開けるとエキゾチック装備の装飾やカラー変更に使用するアイテムのほか、感情表現などが手に入るというもの。さらにミッションクリア時には宝箱が出現。ボスを撃破した際にまれに入手できる“髑髏の鍵”を使って開けると、そのミッションにちなんだ装備品が入手できます。推奨光レベルは350で、だいたい340くらいから挑戦は可能ですが、バーン効果がなくても大ダメージを受けることがあるので最初はかなりスリリングなバトルになると思います。

ミッションや仕掛けが盛りだくさんな“災いの地”のパトロール

 『鉄の章』のストーリーをクリアすると、これまで封印されていた地球の新エリア“災いの地”をパトロールで探索可能になります。このエリアは、旧ロシアのロケット発射施設や座礁したタンカー、工場などの廃墟が連なる場所で、ところどころにフォールンの建造物があったり、ZIVAの影響と思われる赤いチューブが食い込んでいたりとかなり禍々しい場所となっています。

 フィールドはかなり広く、屋外ではスパローが使用可能。岩を足場にジャンプでかなり高いところまでいけるなど、高低差のあるマップが特徴のひとつでもあります。また、フィールド上に投下されたビーコンから受諾できるミッションにも新たに“浄化”タイプが用意されています。これは、ZIVAノードを設置しようとするデビルスプライサーの司祭を排除後、敵の報復を撃退するというもの。上空に待機する上陸艇から砲撃とともに降下してくる敵の集団と戦うのはけっこうハードですが、支援物資として送られる両手斧をうまく使えばなんとかなるでしょう。

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 災いの地のパトロールでは、“アルコンの炉”と呼ばれるエリアで協力プレイアリーナに挑戦することもできます。詳しい内容はこちらの記事でも書きましたが、使用するアイテムによって難易度がいくつかある模様。BungieのイベントでプレイしたものはTier 1で一番簡単なもののようでしたが、それでも3人でがんばってなんとか、という感じでしたのでなるべく仲間を誘って挑戦したほうがいいかもしれません。また、アリーナは公開イベント扱いなので、同じエリアにいるガーディアンも飛び入り参加できるようです。

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新たな光の探求の旅は始まったばかり! 全方位に楽しめる内容はボリューム満点

 このほか、プレイヤーのやり込み度に応じて報酬がもらえる“レコードブック”や対戦モードの新ルール“闘魂”、9月23日に開放予定のレイド“機械の天罰”など、『鉄の章』で追加された要素は1人から多人数、協力に対戦と多種多様。拡張コンテンツながら自分のペースに合わせてガーディアンを強くしていくだいご味が楽しめると思います。『鉄の章』でともに戦ったサラディン卿が次回、アイアンバナーをどのような形で開催するのかも含めて、今後の『Destiny』の展開もさらに楽しみです。

『Destiny』エグゼクティブ・プロデューサーScott Taylor氏インタビュー

●プレイヤーにはじめて『Destiny』を始めた2年前を思い出してほしい

──9月で『Destiny』がサービス開始から2年目となり、これまでさまざまな拡張コンテンツが配信されてきました。今回『鉄の章』を開発するにあたって、数ある敵対種族や登場人物のなかからフォールンとアイアンバナーのサラディン卿を選んだ理由を教えてください。

 フォールンを採用した理由については、地球でプレイするレイドミッションを実装したかったことがまず挙げられます。また、サラディン卿は『Destiny』の発売当初からガーディアンにとっておなじみのキャラクターでしたが、おもに登場するアイアンバナーは対戦コンテンツで、ガーディアンたちを戦わせるための設定以外にストーリーのようなものはありませんでした。このため、彼のキャラクターを掘り下げて伝えるものとして『鉄の章』のストーリーが作られていきました。

──『鉄の章』のストーリーミッションには、冒頭ミッションのルートをたどるようなパートがあったり、新敵のデビルスプライサーがガーディアンが最初に戦うフォールン部族である"ハウス・オブ・デビルズ"の成れの果てであったりと、2年前に発売された『Destiny』本編をほうふつとさせるものを感じました。これらの要素はやはり意図したものなのでしょうか。

 これらの要素は2年前に『Destiny』をプレイした人にノスタルジックを感じてもらう意図で作りました。『鉄の章』の舞台は、『Destiny』本編の旧ロシアと同じエリアがいくつかありますが、どこか破壊されていたり、天候が吹雪になって雪が積もっていたりと時間の経過を感じさせるように作ってあります。先行購入特典に“鉄のギャラルホルン”を用意したのも、エキゾチック装備の頂点を目指していた当時をガーディアンに思い出してもらうという意図もあります。

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●『Destiny』に秘められた物語はまだ残されている

──『鉄の章』でサラディン卿の過去が明らかとなる一方で、本編初期からの登場人物である"謎のエクソ"は、所属する組織も含めて未だ謎のままとなっています。今後の『Destiny』で、彼女のことが明らかにされることはあるのでしょうか。

 『鉄の章』には出てきませんが、彼女については本編でいったん登場させておいて、プレイヤーに彼女のことをいろいろ想像してほしいと思っています。『Destiny』はかなり大きな世界を想定して構築されているので、どこかで彼女に会う機会はあるかもしれませんね。

──最後に日本のガーディアンたちにメッセージをお願いします。

 『鉄の章』では、ガーディアンを驚かせるストーリーが展開されます。新たなエリアも開放されますし、対戦にも新ルールが導入されます。ぜひ日本のみなさんも新しい冒険の世界へ飛び込んでください。

──ありがとうございました。

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