2016年9月30日(金)
スクウェア・エニックスは、12月15日に発売するPS Vita用ソフト『SaGa SCARLET GRACE(サガ スカーレット グレイス)』について、世界観や4人の主人公たちと関係が深いキャラクター、ゲームシステムなどの情報を公開した。
本作は『サガ』シリーズの生みの親である河津秋敏氏がゲームデザイン&シナリオを担当し、伊藤賢治氏によって楽曲、小林智美氏によってイラストレーションが手がけられる。
複数の主人公による重層的なシナリオ“フリーシナリオ”による自由度の高さ、ひらめきや陣形などによる戦略性の高いバトル、レベル制を排除した独特の成長システムが特徴。『サガ』ならではの魅力はそのままに、物語とバトルを徹底的に楽しむための開発体制とゲーム設計がとられている。
星神を裏切った罪で追放された神“ファイアブリンガー”。
邪神は彗星となり還ってくる。鎮まっていた冥魔たちも暴れ始め、世界は危機に陥る。
星神は1人の男に力を授ける。彼は人々を率い“ファイアブリンガー”と戦う帝国を打ち立てる。冥魔は地下へと押し戻され、邪神の星は彼方へと去った。
その後も邪神の星は、150年ごとに還ってくる。時代時代の皇帝が“ファイアブリンガー”と冥魔たちを迎え撃った。
準備に怠りなく楽々と邪神を撃ち破る皇帝もあれば、油断の果てに世界を滅亡の淵に追い込んだ皇帝もいた。
七度目の襲来でついに、邪神の星は砕け散った。1000年にわたる戦いに終止符が打たれたのだ。人々は平和の訪れに歓喜した。
“ファイアブリンガー”の破片は地上に降り注ぎ、それは人間と星神の勝利を祝う花火のようであった。
“ファイアブリンガー”が消滅すれば、帝国も不要になる。支配を続ける帝国に対して、各地で反乱が起きる。それは皇帝の息子たちによる内乱へとつながる。
混乱の中、“ファイアブリンガー”を倒した英雄である皇帝が暗殺され、帝国はあっけなく瓦解した。
それから70余年。帝国時代を知る者もほとんどいなくなった。世界の混乱は続いていた。
新たな危機が迫っていることに気が付く者など、存在しなかった。
だが時代は主人公を用意する。新しい時代の新しい主人公を。
人間に知識ではなく知恵を、文明ではなく文化を与えた存在。星座として天空に位置を占めているため、星神の名で呼ばれる。
天空の中央を囲むように十二星神の星座が配されている。星神は文化を支える技術を司る。農業、牧畜、航海術、武術、魔術……人々はその営みにあわせて、それぞれの星神に祈りを捧げてきた。
神の力である星の光は、陽の光を凌ぎ、昼までも明るく輝いている。この地では、太陽や月や遊星よりも、輝く星々こそが世界を司る天体である。
帝国の時代、天体を読む読星台が多く作られ、神意を読み解き、迫る危機に備えていた。読星台は神殿でもあり、帝国が滅んだ今でも、人々の生活に大きな影響を与えている。
星神から力を授けられた英雄はファイアブリンガーを打ち倒すべく、世界の中心にあるアスワカンに都を築き、国を建てた。これが帝国の始まりである。
ファイアブリンガーを撃ち破った英雄は皇帝となり、星神の地上における代理者として世界を支配した。
帝国が崩壊した現在でもアスワカンには多くの住民が生活しており、複数の神殿からなる共同体“神聖アスワカン共和国”が市民の生活を支配。
外部の侵入者に対してはアスワカンの富を狙う者たちと見ているため、現在では閉鎖的な地域になっている。
天空に中心があるように、地上の中心には帝都アスワカンがある。レジス湖上の小島に築かれた都市は、地理的にも政治経済文化的にも中心を占めている。
ファイアブリンガーとの戦いの中で帝国は成長し、組み込まれた領域は州として編成されていく。州は行政組織でもあったが、邪神と戦うための軍事的な組織でもあった。
帝都から遠く離れた地域は辺境州と呼ばれ、独自性が許された反面、邪神との戦いにおいては戦士を供給するなどの強い貢献が求められた。
この大きな負担が叛乱へとつながっていく。
帝国の瓦解後、各地の勢力は独立した。
ある者は王を名乗り、ある者は皇帝を僭称した。州内の対立、州と州との対立があちこちで発生した。
ファイアブリンガーが消滅しても、冥魔の活動は終わっておらず、魔物が目撃されたという噂も増えていく。数十年が経ち、帝国を知らない世代が成長してくると、分裂した世界が定着していった。
立場も思想も違う個性豊かな4人の主人公。世界の混乱が続く中、彼らは自らの目的に向かって歩き出す。主人公たちに関連深いキャラクターもあわせて紹介。
「退路はない。それこそ望むところ。皇帝の剣ユラニウス家が血路を切り開く。」
皇帝四将軍家の筆頭と謳われた、剣将軍ユラニウス家の娘。ユラニウス家はロニクム州のシルミウムに拠点を置き、当主マクシミアスは帝国再興を目指している。
ウルピナは、周囲から“姫”と呼ばれ、真っすぐに育った。誰に対してもオープンで明るい性格。実母を早くに亡くしたため、父や兄アントニウスの前では甘えっ娘。
やや天然な言動もあるが、ユラニウス家の一員として、剣技を磨き、帝国貴族としての義務を果たす覚悟はできている。
兄の許嫁であるグウィネズ家のエリセドにあこがれる女の子でありながら、ユラニウス家を背負って立ちたいという欲求も抑えきれない。
そんな彼女の夢と希望にあふれた生活は、シルミウムを襲った悲劇で一転する……。
「だったら、最初からはっきり言えよな。無駄話させんじゃねえよ。」
帝国中心部から遠く離れた、ヤクサルト辺境州の農民。口より先に手が出るような悪童で、悪ガキ仲間と散々悪さをしてきた。
大人でさえ避けるような危ない男だったが、数年前、突然祖父の農園へ戻り農作業を始めた。
「いい加減大人にならないとな」
最近の彼の口ぐせだ。祖父が死に、今年からは農場を1人でやらねばならない。
農場で行き倒れた女を助けたことが、彼の運命を大きく変える。女はうわ言で「アイ・ハヌムへ」と言い続ける。おとぎの話の伝説の都の名だ。
彼は、祖父の農場を売り払い、女の代わりに伝説の都市“アイ・ハヌム”を探す旅へ出る。そんな真っすぐな彼を仲間たちは放ってはおかないのだ。
「歪んでいるのは私自身なの。それで、焼き物のほうにも歪みがでるのよ。」
陶芸家。激動の人生を過ごしてきた。今はテルミナ海に近い工房で、静かに陶器と向かい合っている。だが、世界に生じた歪が彼女の作品も歪ませる。
歪を受け入れて、作品を作り続けることも可能だろう。それが、世界の中で生きるということだと、彼女は知っている。
しかし、歪と向かい合わずに作品を作ることはできない。歪の原因と正体を知るためにタリアは旅に出る。
疾風怒濤の時代、昔の彼女に戻って。
「下らぬ甘言で、俺を惑わせる気か。無用なことだ。」
ケイ州コハン城の法定処刑人。先代を受け継いで処刑人になった。コハン城の執政シグフレイが恐怖政治を敷き、軍人、政治家、一般市民まで多くの人々が処刑された。その執行を担ったのがバルマンテだ。
シグフレイ自身もまた、政敵の手で捕えられ、バルマンテに処刑されることになる。
シグフレイは「私は七度蘇り、この世界に正義を為してみせる。」こう言い残すと、笑顔のまま首を落とされた。
やがて、シグフレイが現れたという噂が各地から彼の耳に届くようになる。
バルマンテの放浪は、シグフレイを探す旅なのだ。彼の首を七度落とすために。
「帝国の再建は父上の悲願。だが、それを望む者がどれだけいるのだろうか」
ウルピナの兄。家臣からは“若殿”と呼ばれる。細め、とまでは言わないが、父よりも背が高く、すらっとした印象。
二刀流は達人の域に達していて、戦闘能力では父を上回る。性格は冷静で、父の夢見る帝国再興にも、非現実的な夢物語と批判的。
四将軍家のひとつグウィネズ家のエリセドと婚約している。ウルピナからは“兄さま”と呼ばれる。
「何が勝手にしろよ。レオ、あんたに勝手にしていい権利なんてないの。さぁ、行くわよ!」
レオナルドの幼なじみ。悪ガキ仲間では、自由奔放な悪魔キャラ。レオナルドが突然仲間を抜けて真面目に農作業に取り組みだして拍子抜け。
ちょっと反発して、相変わらず悪ガキの延長戦中。裕福な商人の娘で、最近は結婚へのプレッシャーを掛けられている。
これもイライラの原因である。
レオナルドの突然の旅立ちに、またまた大ショック。家を飛び出し、後を追うことに。
はたして、レオナルドに惚れているのからなのか、なんなのか。そのあたりはよくわからない。
後先考えずにムチャをするタイプのようである。
「昨日まではエルワカンの親衛隊だったんだが、辞めたよ。不死鳥を追いかけるほうがおもしろそうだからな。」
東帝国の元親衛隊。親衛隊というよりは、山賊の頭目といった雰囲気の好漢。皇帝、太皇太后どちらからも信任が厚かった。
が、それゆえ両派閥の対立に板挟みになる場合も多く、嫌気が差して親衛隊をやめてしまった。
不死鳥の飛ぶ姿を見かけ、不死鳥を巡る冒険に出てタリアと出会う。腕が立つだけでなく、帝国式の礼法作法にも通じているが、普段はいい加減な立ち居振る舞いで、そんな雰囲気は微塵も見せない。
「バルマンテ君、君の手を大変煩わせて申し訳なかった。だが、それも私で最後だ。」
ケイ州西部コハン城の執政であったが、城主を裏切り処刑。その後も有形無形の罪で、多数の罪人・政治家・一般市民を斬首に処し、ケイ州全体が恐怖に首をすくめる日が続いた。
だが、今、シグフレイ自身が斬首台に上げられていた。帝国方に基づき、彼の首はバルマンテの手によって落とされる。
以前の彼を知る者は言う、処刑人まで礼を尽くすような物腰の柔らかな、笑顔の絶えない男だったと……。
ひとつの決められたストーリーを追うのではなく、プレイヤーの行動によって、まったく異なるストーリーを楽しめる。『サガ』シリーズの代表的なシステム“フリーシナリオシステム”。
本作ではワールドマップと融合し“フリーワールドシステム”へと進化。プレイヤーは4人の主人公から1人を選び、世界を自由に冒険していく。
▲殺す、殺さないもプレイヤー次第。 |
数千以上のイベント、仲間になる可能性があるキャラクターは70人以上。プレイヤーの行動によって物語は世界とともに変化していく。
過去の『サガ』シリーズで好評だったバトルがさらに進化。“タイムラインシステム”が導入され、プレイヤーの行動がバトルの結果に大きく影響を与える奥深いバトルシステムが楽しめる。
5人編成のバトルでは、『サガ』シリーズでおなじみのひらめき、陣形、武器や技が多数登場!
レベル制を廃した独自の成長システムがある『サガ』シリーズでは、バトル終了時にキャラクターが成長。本作では新たにキャラクターへボーナス効果を与えるシステムが導入。キャラクターごとの個性がより強くなっている。
シリーズでおなじみのLPもあるらしい……本作ではバトルにどんな影響を与えるのだろうか?
敵の行動や行動順番がわかった状態でバトルスタート。敵味方含め左から順番に行動していくため、早く行動できる技、遅くなる代わりに強力な威力を放つ術などを使用すれば味方・敵の行動順番をコントロールが可能。
敵の攻撃に対してどの行動をするのかが戦略のカギとなる。また、特定条件で発動する協力な連続攻撃もある。
★はBP(ブレイブポイント)を表し、パーティで共有している。技や術を使うと消費していく(※毎ターン全回復する)。
技を使っていると、新しい技をひらめくことがある“閃き”。ひらめいた技は、次のターンから使うことが可能。どの技からどの技をひらめくかは、装備している武器によって異なる。
▲武器は全9種類。同系統の武器でも覚えられる技が異なり、武器固有技もある。 |
消費BPや効果は技ごとに異なる。シリーズでおなじみの技も多数登場。
敵の懐で破滅の力を解き放つ。まれに即死発生。
槍を極めし三段攻撃。まれにスタン(対象を行動済みにする)発生。
間接攻撃。目標への怒りが大きいほど威力が増す。
武芸を極めし者の美技。技の発動まで自身のガード率が上昇する。
軽々と斧を扱い三角形に分断する高速斬撃。ややガードされにくい。
陣形は決められた位置にキャラクターを配置することで各ステータスが上昇・下降したり、BP初期値や最大値、BPの増え方などさまざまな効果をもたらす。
▲基本陣形、上位陣形など種類はさまざま。 |
※画面はすべて開発中のもの。
(C)2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI
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