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2016-10-05 21:30

鈴村健一さん×寺島拓篤さんのアドリブ芸が炸裂! 『AD-LIVE2016』初日公演レポート

文:ガルスタオンライン

 おおまかな世界観と、「電話が鳴る」「誰かが来る」といった舞台上で起こるいくつかの出来事以外、役柄もセリフも全てが即興で紡がれていく90分の舞台劇『AD-LIVE(アドリブ)』。

 鈴村健一さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『鈴村健一の超・超人タイツジャイアント』から誕生したオリジナルコンテンツで、2008年に初公演を行い、今回の『AD-LIVE2016』で6回目の公演を迎えます。9月10日オリンパスホール八王子にて行われた初日の昼公演には、鈴村健一さんと寺島拓篤さんが出演しました。

 今年のテーマは「会いたい人」。3階席までいっぱいになるほどたくさんのファンが集まり、2人の「アドリブ」による舞台を見守りました。

『AD-LIVE2016』初日公演レポート

 物語の舞台は、"人の心のなかにはいる"ことが出来る技術が発明された近未来。鈴村さん演じる「サカキ」は、寺島さん演じる、現実の世界で心を閉ざし記憶を失くした「ヤスダ」を目覚めさせるために、ヤスダの心の中に入る“マインドダイブ”を試みます。

 マインドダイブには、「直接的な言葉で記憶を呼び起こそうとするのはNG」という決まりごとがあり、サカキは遠回しなヒントをいくつも与えることで、少しずつヤスダの記憶を戻していくことに。

 やがて、2人は同じ研究所で働く同僚で、ヤスダがとあるウイルスの管理に失敗し、世界に大きな影響を及ぼしてしまったショックで心を閉ざした……ということが判明します。つらい記憶を取り戻したヤスダ、そしてそんなヤスダの心中を察し、慟哭するサカキ――2人のシリアスなやりとりにグッときます。

『AD-LIVE2016』初日公演レポート

 と、話の大筋はとてもシリアスで切ないのですが、『AD-LIVE』はアドリブ劇なので、ストーリーの合間はとんでもない展開になっているのがポイント! お互いの衣装や、“登場人物は研究者”という設定だけ鈴村さんが知っているという状態。

 そんなわけで、何も知らない寺島さんは、まさかのラッパースタイルで登場! ソウルフルな動きを繰りかえす寺島さんに、思わず吹き出す鈴村さん。ここから「ヤスダ=本当はラッパーになりたかった研究者」という設定で話が進んでいくのも、アドリブ劇ならではですよね。

『AD-LIVE2016』初日公演レポート

 ほかにも、2人が「メモリーバス」というバスに乗って、記憶を探すためにさまざまなスポットを巡るシーンでもとんでもないことに! 途中で、サカキとヤスダがかつてお世話になっていた「オオワダ先生」という人物がバスに乗り込んでくるのですが、オオワダ先生はとっても自由なおじさんでやりたい放題! 

 バスの中で転がったり、白衣を着たと思ったら「宴会芸を見せるから!」と脱ぎだしたり……。そのフリーダムぶりに、ファンだけでなく、鈴村さんと寺島さんも役柄を忘れて笑い転げている姿が印象的でした。

『AD-LIVE2016』初日公演レポート

 公演後、舞台に現れた鈴村さんと寺島さん。2人は開口一番「ひやひやしたな!?」「疲れた~!」と叫び、90分に及ぶ即興劇を無事やり遂げたお互いをねぎらっていました。

 この昼公演の設定は鈴村さんが考えたもので、寺島さんはなにも知らされていなかったそう。鈴村さんが舞台上で口にするセリフをヒントに、即興で物語の一員になった寺島さん。「大変だったけど楽しかった!」と語りつつも、「なんて大変な作品を作ってくれたんだよ~!」と鈴村さんに詰め寄るシーンもありました(笑)。

 さらに2人は「オオワダ先生を演じていたのは一体誰か?」という話題へ。その答えはなんと「僕たちも知らないおじさん」でした。バスのなかでどんな人が現れるかも2人には知らされていないアドリブだったのです! しかもオオワダ先生という名前ですらアドリブ……!!

『AD-LIVE2016』初日公演レポート

 ちなみに、オオワダ先生役の役者さん自身にも、ストーリーや設定など知らせていなかったそう。鈴村さんと寺島さんのアドリブ力もすごいですが、そこにサラッとなじめるオオワダ先生もすごい。それもそのはず、その正体は"大堀こういちさん"という、キャリア30年以上の役者さんで、現在放送中の大河ドラマ『真田丸』にも鳥居元忠役で出演されている方なのです!

 ほかにも「昼公演は僕が考えた設定で、寺島くんが何も知らないなかで演じきった舞台だったので、夜公演は寺島くんの考えた設定を僕ががんばってアドリブで演じます」という鈴村さんによる宣言も。

 今回の『AD-LIVE』はこの方式で、昼公演ではA(鈴村さん)が考えた設定をB(寺島さん)がアドリブで演じる、夜公演では逆にBが考えた設定をAがアドリブで演じるというスタイルだそう。

 公演は10月30日まで続き、全公演Blu-ray&DVDでも発売予定。ぜひみなさんも、豪華声優陣の共演&熱演をチェックしてみてくださいね!

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