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2016年10月8日(土)

『マフィア III』キーマンにインタビュー! 最新作はこれまでのマフィア像から脱却を図った作品に

文:hororo

 先日行われたPS4/Xbox One/PC用ソフト『Mafia III(マフィア III)』のメディア向けイベントにて、本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるデンビー・グレイス氏にインタビューを行いました。

『Mafia III(マフィア III)』

 約30分という短い時間でしたが、本作の概要や、実際にプレイしてみて気になった点など、本作に注目している人は必見です!

――まずは簡単に『マフィア III』の概要を教えてください

『Mafia III(マフィア III)』
▲デンビー・グレイス氏。

 一言でまとめると“ハードボイルドクライムドラマ”ですかね。舞台となるのは、1968年のニューオリンズをモデルとした架空の町・ニューボルドーです。

 主人公はリンカーン・クレイという男なんですが、イタリアンマフィアに裏切られて、彼を育ててくれた家族を殺されてしまうんです。そこで彼はイタリアンマフィアに復讐を誓って、破滅に追い込んでいく……というストーリーが主な流れとなっています。

『マフィア III』リンカーン クレイ - 闘う者

――本作ならではの魅力や、制作にあたってこだわった部分とはどういったところでしょうか?

 我々がこだわったのは2つあって、まず1つめがストーリーです。または登場するキャラクターと言ってもいいですね。主人公のリンカーン・クレイを中心に、ストーリーや登場人物の描写にはかなりの時間を費やしました。

 もう1つは、オープンワールド要素です。使用するアイテムや行動などをプレイヤー自身が選べる、ということを重視しました。例えばミッションの進め方も、ステルスプレイをするのか、正面突破するのか、はたまた他の手段を探すのかなど、プレイヤーが自由に選べるようにオプションを増やし、自由度が高いプレイを提供できることを念頭において制作しました。

――お祭りや、1960年代の風俗などの表現にこだわりを感じたのですが、やはり意識してリサーチをしているのでしょうか

 『マフィア』シリーズは、一貫して時代と場所をとても大事にしていて、いつどこで起こった出来事なのかをしっかりイメージするんです。これを我々は“ヒストリカルフィクション”と呼んでいるんですが、この作品に関しては1968年という設定を決める前から徹底的にリサーチをしていました。

 ニューオリンズ――作中ではニューボルドーですが――とはどういう場所なのか、すごく綿密に調べ、作りました。音楽、車などゲームに登場するすべてのものが1968年という時代を象徴するものになっているのでプレイしていて信憑性があるというか、ユーザーに「1968年の話なんだ」と信じてもらえる作りになっています。

『マフィア III』ロングトレイラー

『マフィア III』ニューボルドーの世界♯1 街の地区

――ゲーム中に登場する『プレイボーイ』などの雑誌などは、実際に発行されたものをそのまま再現しているんでしょうか?

 はい、『プレイボーイ』は1954年に始まった雑誌で、ゲーム中に登場するものは当時のものを再現しています。1960年代に人気が高まって……確か1964年だったかな、ニューオリンズで初めて『プレイボーイ』のクラブが開かれたので、ある意味その時代の象徴ともいえるんじゃないかなと思います。

 前作ではカバーやピンナップを見ることができる程度だったんですが、今回は実際に記事が読めますよ。例えばベトナムから帰ってきた兵士の記事だとか、ビートルズの記事などがあったりして、本当に1960年代を再現している要素のひとつとして、『プレイボーイ』を入れました。

――実際にプレイしてみて、アクション面でのプレイヤーの自由度の高さは感じたのですが、プレイヤーの選択が物語や仲間になる人物などに影響を及ぼすことはあるのでしょうか

 メインのストーリー自体は一本道ではあるんですが、細かい部分でプレイヤー自身が自分を表現できるようになっています。腹心の部下たちにどういう地区を割り当てるか、それにどれだけ部下が満足しているか、ビジネスをどう広げていくのか。それらは、ゲーム内でどんなツールが使えるのかといったように、システム面にも反映されます。

『マフィア III』ニューボルドーの世界♯2 裏のビジネス

 さらに、ツールが使えるようになってくると、今度はそれがストーリーにも若干影響してくるので、オープンワールドで自分がどういった役割を果たすかが、メインストーリーに影響してくることはあります。

 コアとなるメインストーリーを保ちつつも、オープンワールドとしての自由度を高くする、といったバランスを取るのは非常に難しかったのですが、うまくいったのでは、と思っています。

――敵の情報源を捕まえた際に、その場で殺すか配下に加えるといった選択肢が出ましたが、その場で金を得るか継続的な資金源とするかといった、単純にお金を得る以外の選択もゲームに関係するんでしょうか

 ストーリーに変化があるというよりかは、入ってくる報酬が変わるので、自分のシチュエーションに合わせてプレイヤーが決められる、という点が大きいですね。報酬も金銭だけでなく、例えば敵の拠点の位置を聞き出すことで、盗聴器をしかけて情報を得るのか、占領してしまうのかといった、プレイヤーの選択の幅を広げることができます。ストーリーよりもシステム的に幅を持たせる、といった感じですね。

――先行プレイ時では効果がよくわからなかったんですが、盗聴器をしかけるとどういった効果があるんでしょうか

 ちょっと順番にプレイしないとわかりにくかったかもしれませんね。ドノバンというキャラクターがテクノロジーを提供してくれるんですが、情報戦に長けており、リンカーンを頭脳で補佐するような存在なんですよ。どこにどういったアイテムがあったりとか、どういったビジネスが転がっているかとかをわかりやすくしてくれたりします。

 また、“インテルビュー”というタッチパッドを押すことで敵がハイライトされる効果があるんですが、盗聴器と組み合わせることで、もっと敵が見やすくなったり、ミニマップに表示されたりという要素もあります。やらなくてはいけないことというより、プレイヤーがよりプレイしやすくなるボーナス要素といった感じですね。

――『マフィア2』ではステレオタイプな、我々がマフィアをイメージした際に想像できるビジュアルの主人公でしたが、本作の主人公のリンカーンは黒人で、ベトナム帰還兵で……と印象がかなり違いますよね。なぜ彼を主人公にしたんでしょうか?

 おっしゃるとおり、前作ではステレオタイプのマフィアというか、コミュニティを支配するものとしての、ある種美化されたマフィア像というものがあったんですが、そういうイメージから脱却したかったんです。また、1960年代は、イタリアンマフィアが最強という立ち位置ではなくなってきた時代ということもあります。

 いろんな組織が台頭してきて、組織犯罪のようなものがいたるところにあるという図式に変わってきたので、時代の流れを反映したかったのもありますし、リンカーンもハーフの黒人を出したいというよりかは、今までとは違う主人公でいきたいというのが先にあってできたキャラクターです。

――最後に、『マフィア III』の発売を待っている日本のファンへメッセージをお願いします

 リリースが近づくにつて、私もワクワクしてます。ファンの皆さんにプレイして頂けることを本当に楽しみにしています。ストーリーも我々も本当に楽しみながら作ったので、ぜひプレイしてください。そして気に入ってもらえたらこれほどうれしいことはありません。

『Mafia III(マフィア III)』

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