9月26日～10月2日の期間中、シアターサンモール（東京）にて開催された、劇団ヘロヘロQカムパニー第33回公演『もっけの幸いの「もっけ」ってモノノケの事なんだって。知ってる？』。日替わりゲストに代永翼さんが登場した、9月28日の模様をお届けします。

　関さんが脚本・主演を務めたり、原作のある作品を舞台化したり、これまでさまざまな公演を行ってきたヘロQ。そんな公演には、じつは毎回豪華なゲストが出演していることはご存知でしょうか！　過去には小野賢章さんや石田彰さん、釘宮理恵さんといった豪華声優陣の方々が出演していました。

　そして今回の公演では、野島健児さん、小林ゆうさん、代永翼さん、小西克幸さん、戸松遥さん、能登麻美子さん、石川界人さん、木村昴さん、石田彰さんらが毎公演ごと日替わりゲストとして出演しています。

　さらに劇団員のなかには、長沢美樹さん、小西克幸さん、置鮎龍太郎さんも所属しており、豪華声優陣による生の演技をみることができちゃうのです！

　今回観劇した第33回公演『もっけの幸いの「もっけ」ってモノノケの事なんだって。知ってる？』は、コメディかと思いきや、最後はうるりと涙を誘う感動作品でした。

　主演の関さんが演じるのは、人間交じりのモノノケ・根津三男。人間でもないモノノケでもない根津が人間の娘と、その家族と出会ったことでモノノケと人間との絆を描くお話になっています。

　生きるため、根津はモノノケと結託し、人間をだましてお金を受け取る生活を送っていました。仲間のモノノケに襲われている人間を助け、お礼にお金をいただくという手口です。

　そんなある日、根津はおっとりした天然少女・唯（進藤初香さん）と出会います。

　いつもと同じ手口でお金を巻き上げようとしますが、彼女はお金を持っていません。そこで根津は唯の家族からお金を払ってもらうため、彼女の家族が経営するレストランを訪れることに……。

　しかし根津が訪れた“キッチン麻宮”を営む唯の父親の慎二と（置鮎龍太郎さん）母親の由貴（長沢美樹さん）も超マイペース！

　唯の両親は、根津を歓迎してオムライスをご馳走してくれます。しかし、ただひとり唯の姉・陽子（松本和子さん）だけは根津を警戒していました。

　お金だけもらって帰るはずだった根津ですが、慎二の作ったオムライスのあまりのおいしさに感動。

　夢中でほおばっていると、いきなり陽子にビンタされてしまいます。どうやら陽子はストーカーに狙われているらしく、根津が犯人なのではと疑っていたのです。

　陽子の誤解を解くため、唯は根津にストーカーを捕まえようと提案。最初は乗り気ではなかった根津ですが、犯人を見つけたら一生オムライスを無料で提供する、という慎二の言葉にのり、犯人を捜すことに。

　そんなこんなでストーカー探しをはじめる根津と唯。ここまでは、ちょっとした事件の前兆ですよね。私はてっきり、コメディ全開で、ストーカー探しがメインになるのだと思っていました。しかし、違いました！　小さな事件の裏で、人間とモノノケの存在自体を脅かす、大きな陰謀が着々と進行していたのです。

　根津たちが麻宮家と交流をはぐくむいっぽうで、新時代のモノノケたちが、世界の闇を支配するモノノケたちの始祖“黄泉御前”をよみがえらせようとしていました。

　新時代のモノノケとは、猫娘や垢舐めのような古き良きモノノケと違い、現代の人間の負の感情から生まれたいわば現代っ子のモノノケのこと。また、彼らを止めるため、代々モノノケ退治をいとなむ一族の末裔・闇ガラス（那珂村たかこさん）も登場します。

　物語の後半では、彼らが根津や麻宮家と深くかかわることに……。前半に散りばめられた伏線が後半で徐々に明らかになっていきます。まさか!?　な展開続きで、最後は絶対にハンカチなしでは見られませんよ！　気になる方は、ぜひDVDでお確かめください！

　この日ゲストで登場した代永翼さん。どうやらゲストは毎回、火を使うモノノケ“天火（てんか）”として出ていたようです。本編のなかでゲストをたっぷりいじってくれるので、ほぼアドリブといっていいでしょう。ちゃっかり代永さん自身が所属する声優ユニットのCDを宣伝する場面も（笑）。

　コミカルだけでなく、クライマックスでは大事な局面に登場するので、ファンにとってはおいしい!!　好きな役者さんの意外な一面が見られちゃうかもしれませんね。

　笑いの要素もたくさんあるのですが、シリアスなところはしっかりしめています。実際、完全に私の目は涙でいっぱい。しかし、レディのたしなみともいえるハンカチーフを持っていなかったために、目を見開いてこぼすのをくい止めました。

　次回公演作品もすでに決まっており、金田一シリーズの『犬神家の一族』なんだそうです。とんでもない豪華ゲストが出演すると関さん自身もおっしゃっていたので、今後の情報を楽しみに待ちましょう。

○演出：関 智一
○企画：松本和子

○出演（敬称略）
　関 智一：根津三男 役
　進藤初香：唯 役
　松本和子：陽子 役
　長沢美樹：由貴 役
　置鮎龍太郎：慎二 役
　那珂村たかこ：闇ガラス 役
　大場達也：先生 役
　大谷秀一郎（アトミックモンキー／演劇制作体V-NET）：山田 役
　小林慎之介：名無し／金山 役
　湯浅 涼：レラ 役
　正野大輔：カンナ 役
　島田朋尚（ワイスプロダクション）：鈴木治夫 役
　山口真弥（B.O.S-Entertainment）：かわうそ／部下 役
　霜田 元（B.O.S-Entertainment）：河童／部下 役
　菊地貴裕（B.O.S-Entertainment）：加牟波理入道／部下 役
　湯田陽花：小学生 役
　近藤浩徳：垢舐め 役
　飯田誠規：おどろ 役
　岩崎諒太：枕返し 役
　加藤杏奈：猫娘 役
　久保梨瑛：ニロ女 役
　大石達也：山崎 役
　相原美沙：後追い小僧 役
　氏家穂那美：山地乳 役
　大村 彩：髪切 役
　他

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