ダリウスの頼みを断り切れずに、モデル役を引き受けることになった主人公。
お茶を楽しんだ後に、絵の続きに戻ることになって……。

ダリウス「さて、食べ終わった？　そろそろ続きを始めようか」

梓「…あ、うん」

ダリウス
　「木陰のほうへ目線を向けて…
　　そう、さっきまでの世間話の延長で…
　　肩の力を抜いていていいから」

梓（…って言われてもな。やっぱり見られてると思うと
　　肩に力が入っちゃうよ）

～中略～

梓（ダリウスはどんな感じで描いてるんだろう。
　　頭を動かさず横目でちらっと……）

ダリウス「………………」

梓（わ、すごく真剣……。金糸の髪がさらさら輝いてて…
　　自然と絵になるというか）

思わず見惚れてしまう梓だが――

ルードと一緒に蠱惑の森で天体観測をすることになった梓。
望遠鏡の扱いをルードに教わることに。

ルード「どうぞ、のぞいてみてください」

梓「うん」

望遠鏡をのぞきこむと、たくさんの星が目に飛び込んでくる。

梓「……わあ……！　すごくよく見える。綺麗……」

ルード「…以前、あなたがこちらの世界に来てすぐの頃、みんなでこうして星を
　　　　見たのを覚えていますか？」

梓「うん、もちろん。あの時は夏で……流星群、とても綺麗だったね」

ルード「あの時に思ったんです。望遠鏡があれば、もっと星がよく見えるのに、と。
　　　　それで、星に興味を持って――いろいろと調べました。
　　　　とても興味深いことがたくさんわかりましたよ」

梓「へえ、たとえば？」

ルード「そうですね。西洋から伝わってきた、『星座』というものをご存知ですか？」

そう話し始めたルードは、珍しく饒舌で瞳に星が宿っているようにさえ見えた。