2016年11月14日(月)
ネクソンが運営している、IMC Gamesが制作するMMORPG『Tree of Savior(ツリーオブセイヴァー)』。かわいい2Dキャラクターに絵画調のグラフィックと、ノスタルジックな世界観が特徴の本作。今年の9月28日に正式サービスが始まり、現在もかなりの人気を博しています。
正式サービス直後のユーザーがあふれ返った時の様子や、プレイヤーが気になる今後のアップデート情報などについて、『ToS』の日本サービスでのゲーム運用チームプロジェクトマネージャー・今濱隆一郎さんにお伺いしました。
▲今濱隆一郎さん。BOT対策やギルドについてなど、少し答えにくそうな質問にもご回答いただきました。 |
――それではまず最初に、正式サービスのオープンから1カ月経った『ToS』の、日本での手ごたえはどうだったか教えてください。
一言で言いますと「いっぱい来て大変」です(笑)。多くのユーザーさんにプレイしていただいて本当にうれしいのですが、ちょっと想定より多すぎたために悲鳴があがっておりまして……。
その悲鳴がオープンβテストから1カ月後の正式サービスまで続いた感じです。そのため、ユーザーの皆さまにもご不便をおかけしたところもあります。
――ネクソンさんはPC用MMORPG運営の実績も豊富だと思いますが、それでも予想以上だったということでしょうか。
そうですね、私どものほうでも他国の動向や似たようなゲームの傾向から人数を予測し、さらに『ToS』のネームバリューから多めに見積もって準備していたのですが、軽くその1.5倍以上のユーザーさんに来ていただきました。
――それだけ期待していたユーザーさんが多かったということですね。
海外でのクローズドβテスト、オープンβテスト、正式サービス、そして日本でのクローズドβテストもストレステストを含めてやっていたので、そのあたりの反響から人数を予測していたのですが、日本だけオープンβテストから人数が急激に増えました。
正直、「なんで負荷テスト中に遊びに来てくれなかったんだー!」という気持ちにはなったのですが(笑)、おかげさまで非常に多くの方に興味を持っていただき、そのまま現在でもたくさんの方がプレイを続けていて本当にありがたく思っております。
――ユーザーさんが殺到したときに、一番大変だったことを教えてください。
なんといっても、サーバーあたりの収容人数の部分です。オープンして1週間ぐらいは、いつログインしようとしてもサーバーに入るまで何人のユーザーさんが待っているかを示す接続待機人数が表示されていました。
あの時は数千から1万超という各サーバーの最大収容人数にすでに達しており、本来なら他のサーバーに移すなどの処置をするところなのですが、あまりに多すぎて他のサーバーも満員状態になるだけだったためどうしようもなく、待ってもらうしかない状況でした。
それを打破するために内部で調整した結果、まず特に人数の多かった“ライマ”や“ジェミナ”といった初期サーバーについては、収容できる最大人数を増やすことに決めました。
当然、開発とも連携しつつ1週間の間に増やしていこうとしたのですが、最大人数を増やすという対応はシステム的に想定されていないため、できたことはできたのですがさまざまなところで歪みが生まれてしまいました。
例えばゲームサーバーの処理自体は問題ないのですが、サーバー内のログやチャットの情報を管理する部分で限界を超えてしまい、その都度補強が必要になりました。
また、サーバー自体は弊社でも最新のものを使用しているのですが、プログラム上同時に処理できるスレッド数が、最大人数が増えたゆえに限界を超えるケースもありました。一度、そういったことが発生すると他のところにも影響がでてくるため、ユーザーさんから見るとサーバー代をケチってるように思われるかもしれませんが、全然そういうことはないです(笑)。
▲現在はサウレ、ガビヤ、ヴァカリネ、ジェミナ、ライマの5つのサーバーが稼働。接続過多による障害も改善されている。 |
――ユーザーが殺到してログインできないというのは、オンラインゲーム黎明期のようで、なんだか懐かしい感じでした。
私も昔からオンラインゲームをプレイしてきまして、あのようなことは絶対にやるまいと思ってはいたのですが、結果的に残念なことになってしまいました。
――オープンβテストではどれぐらいの人数のユーザーさんがいらっしゃったのでしょうか?
具体的な数字は出せないのですが、今までのPCオンラインゲームでは記録に残るぐらいの人数はプレイされたと思います。
――正式サービス開始後1カ月経ちましたが、接続人数のほうはいかがでしょうか。
最初のころよりはさすがに減少していますが、減少の度合いは緩やかです。また、『ToS』がオープンしている他の国と比べても、日本のユーザーさんの数は多いままですね。
――今年、4月に国際サーバー、6月には東南アジアサーバーがスタートしておりますが、そちらと日本サーバーを比較し、盛り上がりなどはいかがでしょうか。
日本でのサービスにかかりきりだったので、この1カ月は海外の情報をあまり入手できなかったのですが、先ほど申し上げた通り、日本ではユーザーの減少カーブが海外とは異なります。
あと、掲示板やTwitterなどでの反響を見ますと、日本のユーザーの皆さんは、あまりガツガツと攻略重視でプレイせず、自分のペースで楽しんでいる方が多いようです。
――ユーザーの間では、キャラクターのかわいさから、SNSでのSS紹介やファンアートも多く見受けられます。運営や開発の方から見て、それらをどのように感じてらっしゃいますか?
運営も開発もそれらはチェックしておりまして、どんどんやってほしいと思っています。本当にありがたいことです。
――イラストコンテストといった、ユーザー参加型のイベントなどはお考えでしょうか?
今まではユーザーの方がストレスなく遊んでいただけるように、例えば待機人数解消であったりBOTへの対応であったりとか、そういった部分に注力してきました。
最近になってそれらが若干ですが落ち着いてきましたので、ゲームの中身、イベントなどをようやく行えるようになってきた段階です。これからはゲーム内情勢に見合ったブーストの目的も含め、イベントなども企画していくつもりです。
それと根本的なバランス調整に関するところで、日本の情勢を反映した内容にできないか調整しているところです。
――調整次第では、日本と海外で何かしら違いがでるということでしょうか。
イベントと課金施策については開発からの理解も得られており、日本寄りの対応になっていると思います。
ただゲームの中身、根本的な部分については、やはりグローバルワンビルドのゲームですので、こちらから要望などは提示しますが、最終的な判断は開発側のほうで行います。
――海外と比較して、日本では『ToS』が段違いに盛り上がっておりますが、それを見て開発に対する日本の要望が通りやすくなったりはするのでしょうか。
そのあたりは開発者さん本人の考えだと思いますので難しいところですが、サービス開始前は「おそらく日本ではこうなるからこうしてくれ」という非常に曖昧な提案しか出せなかったんですね。
しかし、サービスが始まってからは具体的な意見が出せるようになり、ユーザーの動向も細部までまとめられるようになったことで、日本側の意見が影響力をもって聞いていただける状況にはなったのではないかと思います。
――特にユーザーから要望が多い点を教えていただけますか?
ユーザーから特に多い要望は3点あります。1つ目は、一本道感が強いという点です。決められた道に沿って決められたクエストを行い、レベルを上げていくゲームになってしまっていると感じられています。
『ToS』はユーザーが自主的に悩んで、いろいろ選択して、その中から道を選ぶということに非常に乏しいゲーム性なのです。
これを解決するために、まず狩場の選択肢は必要だろうということで狩りマップの検討を開発に提出したら、3日ほどでかなり具体的な素案があがってきまして。
▲クエストを受けて、それを解決して進んでいくのが『ToS』の基本的な進め方。わかりやすい反面、単調な感じも否めない。 |
――かなり早い対応ですね。
はい。そこから急速に企画が進んでおり、“侵食ダンジョン”という新しいコンセプトのダンジョンを、日本では12月に導入する予定です。
このゲームの場合、レベル差でかなりの補正がかかります。そのため特定のレベル帯だと、次のレベルまで狩場の選択肢が狭まりがちなので、それの緩和が侵食ダンジョンの第一の目的です。
――侵食ダンジョンはどのような仕様になるのでしょうか。
最初の段階ですとレベル100から250程度まで、狩りの比重が高くなるレベル帯でダンジョンを1個ずつ増やしていく予定です。そうすれば、敵を倒してもあまり経験値が入らなくなったら次のダンジョンにいくという道ができます。まずは、そこを目指す予定です。
さらにダンジョンの中では、クエストオーダーは一切入れないでくださいと、かなり強く依頼しました。また狩り効率のバランスも、入場回数に制限のあるインスタンスダンジョンと、24時間無制限のフィールドのちょうど中間ぐらいにし、入場制限については回数の制限はありませんがレベルでの制限をつける方向でお願いしています。
――インスタンスダンジョンで高効率の狩りをした後は、侵食ダンジョンやフィールドでの狩りと、選択肢が増える形になるのですね。
そうです。それと侵食ダンジョンでは敵を倒すことに楽しさを見いだせるように、アイテムドロップのシステムも一新しています。
1つは未鑑定アイテムがドロップすることです。今までは出来合いのものかその製造書が落ちるという2パターンだったのですが、侵食ダンジョンでは出来合いのアイテムと未鑑定アイテムという区分になります。
この未鑑定アイテムを街に戻って鑑定すると、ポテンシャルとソケット数がランダムで最大2倍ぐらいに上がります。
――アイテム自体の性能が高いものはドロップするのでしょうか?
今のところ、鑑定対象となるアイテムの性能自体は控えめで、いい鑑定結果次第で化ける……という感じです。
それともう1つの要素として、オプションジェムという新しいジェムが増えます。これは、アクセサリーに付くエンチャントオプションの一般装備版のようなものです。これによって自分なりに耐性や防御力などをカスタマイズした装備品を作れるようになります。
――オプションジェムは、例えば軽装では複数のジェムを付けられるなど、軽装と重装で差が出ることはありますか?
まだ細かいバランス調整を行っていないのでこれからになると思いますが、確かに検討したい要素ではあります。
――なるほど。では、2つ目の要望はなんでしょうか?
UI(ユーザーインタフェース)改善ですね。非常にUIが使いづらいという評価を受けておりまして、実はオープンβテストの時にも手直しはしていたのですが、まだまだ足りないという状況です。
こちらについても、正式サービス後に具体的な意見をユーザーの皆さまから非常に多くいただきましたので、それらを元に、12月ごろに一斉に改善する作業が入る予定です。
それとちょっと言いにくいのですが、“アドオン”と呼ばれるユーザーが自作した外部支援ツールがあります。これを実際に使ってみると、確かに使いやすい機能だったりするんですよね。
本家開発がカスタマイズしたものになりますが、アドオンにある便利な機能のような使い勝手を優先しての改善をお願いしています。
現状ではマップを探索するのも仕様上の問題により98%や99%で止まりやすくなっていますが、そのような細かいところで不便な部分をすべて洗い出して、一気に修正していただこうと思っています。
――UIはちょっとしたストレスになっていましたので、それが改善されるのは非常に楽しみです。では3つ目の要望を教えていただけますか。
3つ目はBOT業者への対策ですね。これについては開発というより、我々運営側の責任も大きい部分があります。
まず現在の状況ですが、かなり対処件数は多くなっています。それこそ月当たり数万というレベルで対処はしているのですが、やはり最注目のタイトルかつ儲けられるということで、業者の方も本気でして……。
告知できないような部分でも対策しているのですが、内情的にはユーザーさんが思っている以上に狡猾な手口も使われている状況です。その度に、“裏”の対処法をメンテナンスごとにいれています。
このBOT対策に関しては、ユーザーの方にご理解いただくというのも難しい部分なので、今まで通りただひたすら対応していくしかないと思っています。
例えば、BOTの稼動や業者のシャウトはどうしても事後対応になってしまうので、実際にやられてからじゃないと止めることができないんですよ。ユーザーさんから見ると減ってないように見えるかもしれませんが、対応はつねに行っており、ちょうどギリギリでせめぎ合っている状況です。
ここから目に見えて改善するとなると、もっとシステム的に根本から変えないといけなくなるので、そこはもう少しお時間をいただく形になると思います。
――オンラインゲームのBOTはどこでも湧いてきますが、久々の大型タイトルということでかなりしつこい様子ですよね。
他のタイトルですと、片手間にBOTを走らせて止められたらそれでいいや、というように軽い感じなのですが、『ToS』だと本気なので、だいたい中入りで業者がBOTを監視していて、たとえ接続を止めてもすぐに新しいBOTを投入してくるんですよ。
BOTを見逃してしまうと、狩場で大量に敵を狩るようになって他のユーザーの方に迷惑になってしまいます。そのためサポートチームでももっとも力を入れているところです。24時間、常時監視できる体制で動いています。
――ユーザーからBOTの通報を受けたらどのように対応されているのでしょうか。
このゲームの場合“オート容疑ユーザー通報”というのがあり、この通報を短い周期で監視しています。集計してからの判断になるので、接続を切るなどの対応には若干のタイムラグがでてしまいますが、きちんと送ってくだされば運営のほうでしっかりと確認いたします。
あとSNSなどでも「BOTが多い」と言われるのですが、それだけだとどこにBOTがいるのかわからないんですよ。そのためBOTのことを言う時は、サーバーと場所も一緒に教えていただけると、運営のほうでも対処しやすくなります。
――他に何かユーザーからの要望はありますか?
運営のほうでもっとも大きい柱としていたのは、今まで申し上げた3点です。あとはクラス格差など、ゲームバランスに関する要望が多いですね。それとBOTとはまた異なる放置問題があります。ソーサラーやネクロマンサーが放置で敵を倒して稼げる点について、最近、特に問題視する声が大きくなっています。
――その理由はどんなところにあるのでしょうか。
サービス開始後、まだ間もないゲームですので、ゲーム内通貨の出回っている量がまだ少ないと思うんですよ。本来だったら高レベルの狩場で稼ぐのが正しいインフレだと思うのですが、まだ高レベル狩場に行ける人も少ないため、市場に回る通貨総量もまだ少ないです。そのため通貨を求める人が多すぎて、デフレ状態になっています。
それを踏まえて、わずかな量でも放置で稼げるクラスに批判が集まったのではと感じています。さらに、それらに関しては開発とも協議をしたのですが、そこでは最初に申し上げた海外と日本ユーザーの違いが如実に表れています。
――どのような違いがあったのですか?
海外だと、放置狩りが日本ほど深刻な問題になっていないんですよ。別に放置していても、横殴りすればいいと。日本人だと、放置狩りは不正者じゃなく、横殴りをマナー違反と感じる方もいるので、どうしても遠慮してしまうんですよね。ただ、やはりそこに不公平感が出て、その声が出ているのではないかと思います。
そこで例えばソーサラーだったら、止まっている時の効率を下げて、動いて狩りをするときの効率を上げるように調整してくれませんかと、開発にお願いをしているところです。
――それは実現できそうでしょうか?
今すぐとなると、ちょっと難しいですね。狩場やUIの問題と異なり、海外と日本で温度差があることですので、早急な対応は厳しいと思います。今後8次職が入り、ゲーム内通貨の情勢も変わってくるかもしれませんので、ここは根気よく対応方法を考えていかなければと思っています。
――そういえばギルドの仕様についても、ユーザーさんからいろいろな意見が出ていると伺っていますがいかがでしょうか。
はい。まずはギルドを作る条件の部分ですね。
――他のタイトルと比べて、ギルドを作成するまでの難易度が高い気がします。
ギルドを作成する難易度については、私個人の考えですが、ある意味正しい形だと思っています。そのギルドにペットや植物を育てるなど、しっかり目的があり、それに賛同する人だけを集めるという意味では、高レベルのコンテンツであってしかるべきものだと思います。
ただ、それはさておき、普通にコミュニケーションツールとしての機能がほぼない状況ですので、こちらに関しては私どもからも開発に対処するよう強くお願いしておりますし、開発側も十分認識しています。
▲ギルドを設立できるのは、7次職のテンプラーのみ。さらに設立費用として50万シルバー、さらに維持費として毎週10万シルバーも必要とハードルが高い。 |
――どのような対応をお考えですか?
近々にできる対応としまして、1つはゲーム内に1対1チャットがあり、それをうまく活用するとグループチャットにできるのですが、ちょっと仕組みが複雑なためあまり認知されておりません。
これをUI改善に合わせてわかりやすくしようと思っています。親しい仲間内で気軽に活用できるぐらいには、開発のほうで改良していただけると思います。
もう1つが、Webページのコンテンツとして11月の下旬に準備している『ToS』のコミュニティページです。そちらではゲーム内のサーバー名や名前が連動した形で、チャット掲示板を作ることができます。
こちらは公式サイト以外にスマートフォンなどからでも閲覧できます。また投稿記事ごとにタグやパスワードを設定することができますので、例えばタグにギルド名などを使えば、そのギルドの掲示板代わりに使うこともできます。
これらを利用すれば、現状のギルドに所属していなくてもコミュニケーションをとることができるのではと思っています。
本格的なギルド機能の調整については、おそらく来年以降になると思います。
――現状ですと、友人と一緒に遊ぶのに問題はないのですが、ゲーム内で新たなコミュニティを作るのが難しいという印象です。
そうですね。自動マッチングも今風のいい機能だとは思うのですが、フレンドになれないじゃないですか。そういう、もったいないというところがまだ多いですね。
――先ほど8次職のお話がでましたが、日本ではいつ頃実装予定でしょうか。
この記事が掲載されるころには発表されていると思いますが、11月30日を予定しております。
――8次職実装と同時に、スキルの初期化などを無料配布するのはうれしいユーザーも多いのではないでしょうか。これは最初から決めていたのですか?
はい。8次職のタイミングでいろいろバランスが変わりますし、ビルドの組み方やステータスの配分などにも影響してきますので、ここでリセットする機会があってもいいかなと思いました。この初期化に関しては、開発にも了承を得ておりますので、ほぼ確定です。
――初期化はすべてのキャラクターで可能なのでしょうか?
バラックに送られる形で初期化アイテムが配布されますので、それをどのキャラクターで受け取るかということになります。キャラクター単位の配布だと現行の育成方法にも大きな影響が出てしまうので、そこはどのキャラクターを優先して初期化するかでも悩んでいただければと。
――先日、リサイクルショップで初期化可能なアイテムが販売されるようになりました。最初はスキルやステータスの振り分けに悩んでいた人も多いと思いますが、これからは気軽に育成できるようになりそうです。
そうなんですが、正直に申し上げますと、振り直しはあまりしてほしくないのです。振り直しのアイテムはあくまで保険であるという考え方ですので、そのため直接販売よりは少々割高感があるリサイクルショップでの購入となっています。
▲リサイクルショップではいらないアイテムをリサイクルメダルと交換でき、メダルと引き換えに別のアイテムを購入することができる。スキルとステータス初期化POTは、交換に必要な枚数がかなり多い。 |
――数字ではなく、キャラクター自体に愛着をもってほしいというお考えでしょうか。
そうですね。レベリング自体をコンテンツの1つだと考えておりますので、ステータスやスキルの割り振りで悩むのも、『ToS』のおもしろさだと思っております。
――クラスの多さから特にユーザーさんが悩むのがビルドだと思います。そこで運用チームおすすめのビルドを教えてください。
では、運用メンバーの使用しているビルドの例をご紹介します。クラス名は略語でいいですかね(笑)。まずは、アチャにレン3、ポイ、フレッチャーです。
――ポイフレに進むのはかなり人気のビルドですね。
そうですね。スタッフの中でもゲーマー気質なメンバーが使用している、効率重視のビルドです。ポイズンシューターの単体火力の高さが魅力で、フレッチャーは他プレイヤーのフレッチャーを見てうらやましかったから入れたそうです(笑)。
サクサク狩りができるのですが、育成にお金がかかるのでファーストキャラとしては、あまりおすすめできません。
――『ToS』は1キャラにすべてを注ぐのではなく、複数のキャラクターを育成している方が多い印象です。
複数のキャラを育ててほしいというのは、わりと意図的に推進しています。チーム倉庫の実装を開発側に強く要請していたのもそれが理由です。
やはり同じアーチャー系でも最後のクラスが異なるだけでまったく別の戦い方になりますし、それが『ToS』のおもしろいところだと思っています。
――今濱さんご自身のおすすめビルドはございますか?
私の場合ですと、クレリック、プリ3のチャプレンです。初期投資がほとんどかからずにパフォーマンスが出せるので、ファーストキャラはこのビルドにしようと前から決めていました。
今はアチャ3、クォ3、マスケを育てています。
――アーチャー系が多いですね。ユーザー人気もやはりアーチャーが高いのでしょうか?
人気といいますか、職業比率ですと、ウィザードが圧倒的ですね。次点がソードマン系です。ただ、ソードマン系はわかりやすいので最初に選ぶ方が多いようですけど、5次、6次職ぐらいで他のクラスに目移りして、育成を止める方も多いようです。
クレリックは海外と比べると多いですが、日本でも比率は1/4以下です。それと意外ですが、アーチャーとクレリックがほぼ同数となっています。
――クレリック系のビルドでおすすめはありますか?
おすすめと言いますか、今後を見すえて、防衛戦などでも活躍できるティルトルビーを組み込んだビルドをよく拝見します。
結構特殊なビルドでは、クレ2、クリ3、プリ2という、完全支援系のキャラクターも見たことがあります。ソロはかなり厳しいですが、パーティだと大活躍しますね。
――ウィザード系ビルドのおすすめはどうですか?
ウィザード系ですと、リンカーを2か3取ってクロノマンサーに進む、通称リンクロと呼ばれるビルドが最近の流行りですね。
クロノマンサーが1人でもいると、移動がスムーズになってとても便利です。
――ビルドもテンプレができてきて、そのせいでキャラクター育成が単調になることもありそうですが。
海外や、日本でも某掲示板だとかは強さ重視なので、1人がテンプレビルドを作るとみんなが同じにする傾向にあります。ただ、日本ユーザーの大部分は、わりと思い思いに自分の好きなビルドを作っているようです。
ハンターをあんなに研究しているのは、たぶん日本だけだと思いますし(笑)。強くないと言われているクラスでも、なんとか活路を見いだそうとするのは、本当に日本らしいと思います。
――8次職が実装されることで、職業分布が変わる可能性はありますか?
すぐに変わることはないですが、2カ月3カ月経てば、少しずつ変わってくると思います。今はスキル攻撃力が強さの基準となっているのですが、8次職を実装し、レベルキャップが外れて新装備も登場すると、今度はスキルより装備の強さのほうが重要になってくる要素もちらほらでてきます。
そうなりますと、スキル攻撃力が低くても手数が多いほうが強くなる可能性もありますね。
――課金アイテムではファッションアイテムがかなり人気ですが、これは想定内だったのでしょうか。
アバター系の課金アイテムは、実はスタッフ内だと意見がわかれていました。私は、キャラがかわいいからアバターもいけるんじゃないかな、と思っていましたが、他のスタッフはアバターといっても上半身・下半身でコーディネートができるものでもないので、それほど人気が出るとは思えない、と言っていた人もいます。
そしていざフタを開けてみたら、やはり日本人はファッションが好きなんだなという結果になりました。
――日本限定のアバターなどはお考えでしょうか?
現時点ではまだ、100%実装するとはお答えできませんが、いずれは用意していきたいと思っています。
――なるほど。ちなみに今後オフラインイベントを開催する予定はありますか?
まずはゲームを快適に遊べる環境を整えることが重要ですし、ゲーム内のバランスにも注力する必要があります。オフラインイベントは、それらをある程度解決してからになるかと思います。
ただ、『ToS』を知らない方に認知していただくためにも、来年ぐらいにはなんらかの形で行いたいかなと思っています。
――それでは最後に『ToS』のユーザーの皆さまにメッセージをお願いします。
今年の目標として、まずは一本道感を払拭し、今までの要素に加えて狩りもおもしろいゲームにしたいと考えております。それをプレイヤーが集まりやすく、そして残りやすいゲームにする第一の土台とし、あわせてBOT業者などの環境的な問題の解決も進める予定です。
もし、オープンβテスト直後に『ToS』から離れた方がいらっしゃったら、改善が行われる今年の12月以降に、再度本作を見直していただければうれしく思います。ぜひ楽しみにしていてください!
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