2016年11月22日(火)
頂点を目指した『MHF-Z』の今後の展開は!? 開発のキーマンである宮下&今村両名に直撃インタビュー
カプコンがサービス中のオンラインハンティングアクション『モンスターハンター フロンティアZ』についての開発者へのインタビューを掲載する。
先日実施された大型アップデートにより、ハンターのアクションが大幅にリニューアルされた他、モンスターのバリエーションが追加され、狩猟の環境が大きく変化。さらに本日からPS4版のサービスが開始されるなど、9周年を向けた現在でも根強い人気を誇るタイトルだ。
アップデートへの意気込みや今後の展開など、プレイヤーが気になるポイントについて、宮下輝樹プロデューサーと今村謙介運営ディレクターに伺った。
▲左が今村運営ディレクターで、右が宮下プロデューサー。 |
『MHF-Z』に込めた思いとは?
――タイトルを『MHF-Z』に変更した経緯について教えてください。
宮下:タイトルはずっと変えたいと思っていました。以前はシーズンやフォワードと続けてきて『MHF-G』に変わりました。それがG10まで続いたので、もう一度変えるタイミングかなと。
今村:名称の理由は動画などでも語ってきましたが、頂点という意味の“Zenth”の頭文字です。『MHF』として一番上を目指そうという意気込みからこの名称になりました。
宮下:タイトルを変えるにあたってゲームのボリュームはもちろん、これまでの『MHF-G』との違いを打ち出す必要があります。今村などと一緒にゲームそのものの新しい遊びを考えました。
――タイトルのロゴも一新され、より豪華になりましたね。
宮下:『MHF-Z』で最初に完成したのがこのロゴです。“Z”の文字を大きくしたり背景にあった剣のロゴを取ったりと、変更点や派手さを意識したデザインになっています。
今村:まずはロゴを決めて、そこからロゴに負けないように、ゲームのボリュームを持たせようと開発したという流れです。
宮下:開発スタッフに『MHF-Z』を説明する前にロゴが完成していました。スタッフにもそれぐらいの意気込みで取り組んでもらおうとしました。
――『MHF-Z』を発表した時の反響はどうでしたか。
宮下:公式の生放送で発表したのですが、いい反響が多かったです。『MHF-G』発表時も事前の反響が高かったのですが、ふたを開けると反省点が多かった。そうならないようにしないとプレッシャーもありました。
その時のことを覚えているユーザーさんもいらっしゃると思うので、そうではないことを伝えつつ、ゲームの変わった雰囲気を説明しました。当然、不安の声もありましたが、大半は好感触を持ってもらえたようです。
今村:思っていた以上にいい反響をいただけて、開発スタッフのテンションが上がりました。
――アップデート後の反響はどうですか?
今村:極ノ型には良し悪しの意見をもらっています。開発側として、どの意見を取り入れるか、こちらの伝わっていない意図をどう伝えていくかという点を検討しています。クエストは辿異クエストに人気が集まっていて、歯ごたえのあるモンスター、という声が多いです。装備やアイテムなどを用意して手ごわいモンスターを討伐する、というのが『モンハン』のだいご味だと考えているので、辿異種はそこを意識しています。
宮下:直前の1週間は課金コースを解放していたので、アクティブのユーザー数が増えていたのですが、アップデート後にどうなるか心配なところがありました。
復帰ユーザーが多くなると思っていたのですが、思っていた以上に新規ユーザーが増えましたね。直前に発表した情報がよかったのか、たくさんの新規ユーザーが引き続きプレイしてもらえたのはうれしい誤算です。
今村:以前に行ったG10アップデートでハンターランクの方式をシンプルにしたのですが、これはPS4からの新規ユーザーに向けた変更点でした。今はハンターランク上げ派と辿異クエスト派とすみ分けができており、前回のアップデートがうまく生きた形です。
――ハンターナビも増えて、序盤は進めやすくなっています。
宮下:開発チームの新人にプレイしてもらったところ、ナビが多すぎてナビのナビがほしいという本末転倒な現象もありました(笑)。ただ、これまでにいろいろやってきた施策がようやく実を結んだかなと。コンテンツも多いので、ちゃんと駆けあがってもらえる環境ができました。
▲ゲームの進行をナビゲートするハンターナビ。達成するごとに報酬として装備やアイテムが手に入る。 |
今村:キークエストは『フロンティア』オリジナルのモンスターが対象になっているので、新鮮な気持ちでプレイしていただけていると思います。
――ガイド娘の服や髪型がリファインされたのは、誰の趣味でしょうか?
宮下:開発側のディレクターと今村です。衣装を変えたいという気持ちはあったみたいで、「どうする?」と聞いたところ、これが提出されました。
今村:歌姫の衣装をチェンジすることになり、その流れもありましたね。
▲アイドル風のコスチュームに着替えたガイド娘。 |
――歌姫の変更には今村さんの指示があったのでしょうか?
今村:歌姫狩衛戦の猟団迎撃戦で歌姫がフィールドに出てくるので、もう少し動きやすいアクティブ衣装にしてほしいと注文しました。
宮下:歌姫の衣装を変えた時には、ガイド娘のデザインも変わっていましたね。
ハンターの前に立ちはだかる新たなモンスター・辿異種
――辿異種はどういった遊びを想定したモンスターになっているのでしょうか?
今村:極ノ型の追加により、プレイヤーがこれまでより強化されています。ただ強くなっても相手がいないと意味がないので、モンスターも強化するべく歯ごたえを押し出したのが辿異種です。辿異種の特徴は発達部位で、同時に危険な部位でもあります。そこをどう破壊するかを探っていく新しい遊びを用意しました。
――辿異種というネーミングにはどのような経緯があるのでしょうか。
今村:今までと違う進化、という要素を字面から“辿”にしました。『MHF』が進化していく中でモンスターも進化していますし、ナンバリングのモンスターとは一味違った進化を遂げたことを表現しています。
――モンスターの外見もかなり変わっていますね。
今村:発達部位を狙うなら、そこを分かりやすくさせないといけません。発達部位を意識させつつ、そこからくり出されるアクションが強力であることに説得力を持たせたデザインになっています。
宮下:辿異種は既存モンスターのバリエーションだと思っていたので、ここまで変えるなら新モンスターを作るのでもいいとも思いましたね(笑)。
――ダイミョウザザミなどはもう別モンスターですよね。
宮下:カニらしいということ以外は、動きを含めて別モンスターですね。
▲辿異種のダイミョウザザミ。爪が発達部位となっており、爪を使った攻撃の威力が高くなっている。 |
――名称になじみがあるので、モンスターの雰囲気をイメージしやすいというメリットもあると思います。
今村:そこにギャップがあるみたいで、クエスト達成率だとエスピナスとヒプノックはそこそこ高いのですが、フルフルとダイミョウザザミはやや少ない数字が出ています。
宮下:狩猟そのものが変わっているのでそこを理解すること、それに対する準備が必要なので、そのあたりにギャップがあるようです。
――多くのハンターにとって、ダイミョウザザミは討伐しやすいモンスターというイメージがあります。
宮下:フルフルもそうかもしれません。どちらも初見殺し的なアクションがあるので、それの餌食になったようです。
▲辿異種のフルフル。フルフルから放たれる電撃に当たると特殊なやられ状態となり、一定時間経過すると力尽きてしまう。 |
今村:難易度自体は調整をしていくかどうか、検討しているところです。
宮下:そこは開発でも賛否出ています。歯ごたえがあるモンスターを出したのにカンタンにしてしまっては意味がないという意見と、討伐できずにユーザーのやる気をそいでしまってもしょうがないという意見が出ています。
今村:ぼくは調整派なんですけど……。
宮下:どちらにしても、調整することでおもしろくしなければいけません。辿異クエストは4段階あるので下2つを簡単にすることはできますが、そうすると上のクエストに挑むメリットが薄れてしまいます。
――発達部位は辿異武器だと破壊しやすいということですが、ダメージ自体が増えるのですか?
今村:部位破壊に必要な蓄積値をより多く与えられるという効果です。ダメージそのものを上げると破壊前にモンスターを討伐してしまうので。
――発達部位を破壊するとアクションが変わりますが、基本は弱くなるのでしょうか?
今村:現状の4体だと立ち回りやすくなります。
――今後は違うタイプのモンスターが登場することもあるのですか?
今村:強弱というよりも遊びが変わることを意識しています。威力は下がるがスピードが上がるみたいな。そのあたりは今後の辿異種にご期待ください。
――辿異種には新しい状態異常が追加されていますね。
今村:モンスターに挑戦する際の準備の重要性を強調するための要素です。定番の装備が揃えればどのクエストにも挑めるのではなく、モンスター専用の装備があるとラクになるというイメージ。装備を作っておいてよかった、という環境を作りたかったんです。
ただ、準備しなければ絶対討伐できないというものではないので、エスピナスだと落とし物で毒状態を回復できるなど、なにかしら対応策を入れていく予定です。
▲強力な毒を持つ辿異種のエスピナス。毒を防ぐにはエスピナス自体が落とす抗体が必要。 |
――辿異武具の有無で討伐難度が変化すると。
今村:例えばヒプノックの場合、既存のスキル“睡眠耐性”を辿異スキルで強化すると睡眠効果が軽減されるので討伐しやすくなります。
宮下:難しいのがヒプノック対策にヒプノックの辿異防具が必要になっているところ。なので、最初は低いランクのクエストに挑戦して装備を揃えるのがオススメです。
▲辿異種のヒプノックはクチバシが発達部位。睡眠効果が強まっており、従来より長時間眠ってしまう。 |
――ランク分けされているのには、そういった理由があったのですね。
今村:最初から全ランクを実装するか悩みましたが、思い切って出しました。
宮下:サービスが9年も続いているため、達成すべきハードルの数がとても多くなっています。設定的に見ると、辿異種というハードルはゲーム後半にあるハードル。とはいえ多くのユーザーに挑戦してもらいたいので、ランクの幅を広げるという形に落ち着きました。
――ユーザーの遊び方も幅広いので挑戦しやすいというのはありがたいと思います。
宮下:ランクによってモンスターのアクションなども変化しているので、そこも注目です。
――辿異武具はG級武具の上位ととらえていいのでしょうか?
今村:生産強化のハードルもかなり高いので、それに見合う性能になっています。辿異スキルについてはユーザーさんもいろいろ模索しているようで、意外なスキルが人気を集めているようです。
――具体的にどのスキルの人気が高いのですか?
今村:開発側は“スキル枠拡張”に人気が集まると思っていましたが、強化系のスキルの使用者が多い印象です。
▲辿異種エスピナスの素材で生産できる辿異防具。辿異防具にはパーツごとに“辿異スキル”が発動。“スキル枠追加”や“耳栓強化”など、これまでにない効果が得られる。 |
――ユーザーとしてはスキル強化の度合いを知りたいというのがあるのと思います。
宮下:確かにそれはありますね。こちらとしてはいろいろ模索をしてもらいたかったので、いい流れだと思います。
――今後、G級進化武器より強くなる予定は?
今村:今のところは進化武器のほうが強いです。
宮下:いつ越えるの?
今村:さすがにあれの作成難度を考えると、まだ上の性能にするのは難しいかと。
――辿異スキルの優位性としてこれまで防げなかった“超震動”といった効果を無効化できるというメリットがありますね。
今村:今はグァンゾルムなど、一部のモンスターが使ってくるだけですが、今後は増えてくるかもしれません。そういったときに辿異スキルが重要になってくるかもしれません。
今後追加されるモンスターに迫る
――今後追加されるモンスターについて教えてください。
今村:辿異種はドドブランゴ、リオレウス、ティガレックス、アクラ・ヴァシムが追加されます。
――リオレウス、ティガレックスなど人気のあるモンスターが多いですね。
宮下:よりカッコいい見た目になっています。
――アクラ・ヴァシムは部位破壊が大変そうですが……。
今村:アハハハハ。アクラ・ヴァシムらしさのある仕様になっているので、楽しみにしてください。
宮下:辿異種自体が“モンスターらしさ”を強調したモンスターなので、ぜひパーティーで協力してもらえればと思います。
――辿異種の実装の順番には意図があるのでしょうか?
宮下:我々としてもカッコいいモンスターを出したいのですが、数も必要なので初回は数で勝負しました。
今村:リオレウスやティガレックスなら単体でも見栄えすると思います。
――ゼナセリスはどういったモンスターなのでしょうか?
宮下:PS4版のサービス開始に合わせたモンスターとして開発しました。新フィールドを用意したので、『MHF-Z』と同時に配信しようかとも思いましたが、ゼナセリス用のフィールドなのでタイミングをあわせることにしました。
今村:どのモンスターがベースなのかは一目瞭然ですが、コウモリをイメージしたカッコイイ系のモンスターに仕上がっています。あと、これまで破壊できなかった“あの部位”を破壊できるのもポイントです。
――切断できるわけですね!
今村:「ジャマ臭いな」と思われるところを斬り落とせます。
宮下:フィールドも新しいので、これまでとは異なった雰囲気での狩猟を体験してください。
――ゴア・マガラが遷悠種として登場しますが、こちらはどのようになっているのでしょうか?
今村:新アクションがないと『MHF』らしくないので、そこは期待してもらって大丈夫かと。
宮下:またいやらしい攻撃してくると思います。もともとが強力なモンスターなので、そこがどう変化しているかが楽しみですね。
――見た目がラスボスらしく、いいクリスマスプレゼントになりそうです。
宮下:遷悠種は『MHF』らしい変更点を評価していただいているので、その期待に応えられるものになっていると思います。
今村:いろいろな体形を持つモンスターを用意したいと思っているので、バリエーションを増やしていきたいと考えています。
――ゴア・マガラの次はシャガルマガラでしょうか?
今村:え? どうなんでしょうねえ(苦笑)。
宮下:ゴア・マガラが『モンスターハンター』の遊びに幅を持たせたモンスターなので、そのあたりも期待してもらえればと思います。
――辿異種以外のモンスターも今後追加されていくのでしょうか?
宮下:そうですね。順次いろいろなカテゴリーのモンスターを追加していく予定です。
新感覚のアクションを体験できる“極ノ型”
――極ノ型でここまでアクションが変化した理由をお話ください。
今村:これまではプレイヤーが使用する武器種にかたよりがあると感じていました。『モンスターハンター』のおもしろさは、どの武器種を使ってもそれぞれの楽しみがあることだと思っています。
そのため、もう少し武器種選び自体を楽しんでもらいたいと、思い切った調整をさせてもらいました。それを実現させるためにすべての武器種に抜刀ダッシュを入れたり、火力を上げたりと、基本的にはすべての武器種でアッパー調整しています。ただ、穿龍棍は今のままでも頭1つ抜けているので、抑えめの調整になっています。
宮下:下方修正をしたいわけではないのですが、この武器種一択という状況にしないためには仕方がないと考えています。ただ、今のところ穿龍棍が弱いという声はほとんどなく「この武器のこのアクションをこうしてほしい」という具体的な提案が多いですね。
今村:極ノ型もまだ完成ではないので、今後もアップデートで調整をしていきます。
▲天ノ型の機動力と嵐ノ型の爆発力をあわせ持つスラッシュアックスFの極ノ型。 |
▲ビームのような照射攻撃を行うヘビィボウガンの新アクション。 |
――アクションの開発は何か1つの武器種を完成させてから、その後に他の武器種に手を付けていくのですか?
今村:最初に全武器種のプロットを作って組み立ててから、バランスを見てアクションや数値を調整していきます。
宮下:作るのにすごい時間かかります。新モンスターは1体でいいのですが、型は全部を作ることになる。分厚い企画書を13種類用意して、アクションとコンボルートを作ってあてはめて、実際にプレイして、数値を調整して、武器種間のバランスをとって……。完成版を見て「もっと派手にしてよ」って言ったんですけど。
――派手というのは“ガンランスを”ですか?
宮下:“ガンランスも”です。他の武器種を含め、派手にしてほしいとお願いしました。
今村:見た目もバリエーションを重視して作っています。
――今のところ、どの武器種が人気でしょうか?
宮下:まだデータを集めきれていないのですが、偏りはあまりないようです。
今村:今のところはいろいろな武器で遊んでもらっている状況でしょうか。これから使いたい武器のGSRを上げようという段階になると思います。
――極ノ型の解放のハードルを下げているのにもそういった理由があるのでしょうか?
今村:そうですね。違うアクションを楽しめるのが魅力なので、なるべくハードルを下げたかったという思いはあります。ただ、いきなり出すと新規ユーザーに違いを分かってもらえないので、ある程度武器に慣れてもらったところで使えるようになります。
宮下:こういった要素はどうしても上へ上へと行きがち。そうすると最後まで強化しないと使えないということになって、プレイヤーに浸透しにくい。今回は極ノ型のハードルを低くしたぶん、辿異クエストのハードルに幅を持たせています。
――穿龍棍の“EX溜め突き”やスラッシュアックスFの“溜め斬り上げ”など、既存の型にあるアクションは、極ノ型で威力が調整されているのでしょうか?
今村:ダメージは同じになっているので、ハイブリットタイプの極ノ型は上位互換と考えてもらっていいと思います。
――地、天、嵐ノ型の強化は予定されていますか?
今村:まずは極ノ型を完成形にすることを優先したいと考えています。
宮下:細かい調整自体はありますが、すべての型に手を加えると13武器種×3タイプですから……。さすがに手が回らないのが現状です。
PS4版からプレイを始めるハンターへ向けて
――PS4版で行われたテストサーバーの反響はどうでしたか?
宮下:想定していたより多くの人にプレイしてもらえたようです。ダウンロード数は15万ぐらいで、サーバーの増強も2、3回行いました。PSフォーマットでは久々の『モンスターハンター』ということで注目度もあったようです。
――画像は相当キレイで、驚きました。
宮下:現状はPC版のみに対応したハイグレードエディションをPS4に最適化しているので、PS3版などと比べると格段にキレイになっています。PC版のような細かい設定はできませんが、PS4で一番キレイに見えるようにUIなども調整しているので、触り心地も快適だと思います。
今村:ただ操作ガイドの文字が小さすぎるので、そこは調整したいところです。
▲左がPS4版の画像で、右がPS3版の画像。ハンターやモンスターのグラフィックが向上している他、影も細かく描写されている。 |
――本作のPS4への移行はいつごろから考えていたのでしょうか?
宮下:1年ほど前ですね。ちょうど『MHF-Z』の開発が始まったころでしょうか。
――『MHF-Z』とPS4版を同じ時期にしたのも最初から構想していたのでしょうか?
宮下:ある程度同じ時期にしたいと思っていました。さすがに同日はいろいろとムリがあるので、ちょっとずらすという形になりましたが。PS4版のサービス開始時にはタイトルを変えてコンテンツを揃えた状態にしておきたかったので、『MHF-Z』を先に実装しました。
今村:そのためこの1年はとても大変でした。ただ、ここからがスタートなんですけど。
――対応するハード数も大変なことになっています。
今村:調べたところ、1タイトルで対応するハード数としては一番多いらしいです。
宮下:ギネス世界記録を狙えるかもしれません(笑)。
――PS4版で追加されるクイックパーティーについて教えてください。
今村:オンラインゲームはかなり普及していますが、本作からオンラインゲームを始める人にとって、マルチプレイは1つのハードルだと考えています。今から始めた人たちにはキークエストという同じ目的があるので、その人たちに向け、マルチプレイへの後押しという位置づけで実装となりました。
宮下:最初からチャットを使って仲よくなるのは難しいのかなと。そのため、キークエストをゆったりと一緒にプレイして、少しずつマルチプレイに慣れてもらえればと思います。
今村:今回はPS4ユーザーに向けた実装ですが、今後はチャットの募集にも対応できるように調整してイベントクエストでもマッチングしやすくしたいと考えています。
――その他に何か施策はありますか?
今村:新規プレイヤーに向けたイベントを実施中です。
宮下:素早くG級へ昇格できるように序盤のクエストに役立つ武具を配布するなど、イベント盛りだくさん。新ハードに対応する際、イベントを多く用意するのですが、今回はその集大成として大規模なものになっています。
今村:もともと本作の知識があれば10時間、知らなくても20時間ほどでG級に上がれます。今回はこれにイベントが組み合わさるので、これまでをエスカレーターだとするとエレベーターのような速度でG級に上がれると思います(笑)。G級に昇格するまでがチュートリアルというイメージかもしれません。
――極ノ型や辿異種モンスターで興味を持った人も、ちょっと頑張ればすぐに体験できそうです。
今村:週末にがんばれば届く距離ですね。
――『ビギナーズパッケージ』があればさらに早くなると。
宮下:その通りです! PS4版から始める人が多いようで、『ビギナーズパッケージ』の予約も上々なようです。ただ『ビギナーズパッケージ』が使えるのはPS4版のみなので、他ハードのユーザーは『プレミアムエディション』をご利用ください。
歌姫狩衛戦や天廊遠征録、そして来年の10周年について語る
――“歌姫狩衛戦・新説”の内容について教えてください。
今村:これまでは“祈祷の章”と“戦歌の章”に分かれていましたが、戦歌の章に“猟団迎撃戦”が追加されます。具体的な内容として、さまざまなクエストを連続で狩猟してメゼポルタを守り、その活躍で評価を得る流れとなります。評価によって次の“歌迎の章”で、特別猟団部屋に行けたり、とかそこでしか手に入らない防具・アイテムなどを入手できたりします。
宮下:開催期間も2週から3週に延長して、猟団でのプレイが追加されます。
今村:猟団迎撃戦で登場するモンスターは事前に告知させていただきます。そのため、祈祷の章でどの効果を選ぶのかも重要になります。
▲迫りくるモンスターを迎撃する猟団迎撃戦。モンスターからエリアを奪い返すことで“迎撃ポイント”を獲得できる。 |
――どのようなモンスターが登場するのですか?
今村:G級ハンター用のコンテンツになりますので、G級相当のモンスターが登場します。
宮下:こちらは既存プレイヤー向けのコンテンツなので、新規プレイヤーは次の開催までにランクを上げておいてほしいですね。
――迎撃戦となっていますが、守れなかった場合のデメリットなどはあるのですか?
宮下:デメリットはとくにありません。企画書の段階ではあったのですけど……。
今村:メゼポルタ広場に爪痕が残って特定の施設が使用不可になるとかおもしろいと思いました。ただ、さすがにいろいろ大変なのでなくなりました。
――天廊遠征録が久々の再開となりました。
今村:お待たせして申し訳ございません。天廊武器を作りたい人がいらっしゃると思いますので、増量イベントなども実施しています。
――来年で10周年を迎えますが、何かイベントなどは予定していますか?
宮下:まずは『MHF-Z』の反響を見てからになりますが、夏ごろに大型アップデートを予定しています。ただ辿異種のように既存コンテンツに上乗せする形の要素だけだと新規ユーザーは楽しめないので、リファインなどを含めて幅広いアップデートにしたいと思っています。もちろん変わったこともやると思うのでご期待いただければと(笑)。
――最後に『MHF-Z』を楽しんでいる方、これからプレイしようと思っている方にメッセージをお願いします。
今村:まだまだ新しい遊びを提供したいと考えています。間口を広げるためPS4にも対応しました。それから、えーと……。
宮下:しんみりしすぎ(笑)。この1年、大変だったから気持ちは分かるけど、ここからがスタートだから!
今村:はい、大丈夫です! これからも多くのユーザーさんに楽しんでもらえるよう、がんばっていくので、ぜひプレイしてください。
宮下:PS4版はこれまでの『モンハン』をプレイした人に触ってもらいたいですね。これまでの作品との違いや、オンラインならではの出会いを楽しんでもらえればうれしいです。HR4まで無料でプレイできるので気軽に遊んでみてください。
既存のユーザーに向けては、タイトルに“Z”が付きましたがこれで終わる気はさらさらありませんので、これからの進化をぜひご期待ください。
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
データ