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2016年11月28日(月)

【電撃PS】『人喰いの大鷲トリコ』の魅力をSIE・吉田修平氏&北尾泰大氏が語る。世界初の実機プレイ生配信も!

文:電撃PlayStation

 11月27日(日)に行われた“電撃PlayStationプレミアムイベント2016秋”では、MCを務める声優の広橋涼さんの進行のもと、さまざまな最新タイトルのステージイベントが行われた。

『電撃PSプレミアムイベント』

 ここではステージイベントの最後を飾った、12月6日に発売されるファン待望のPS4用ソフト『人喰いの大鷲トリコ』ステージの内容を紹介していく。

『電撃PSプレミアムイベント』

 このステージでは、SIEワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏と、『人喰いの大鷲トリコ』のプロモーション担当の北尾泰大氏が登壇し、電撃PS編集長の西岡美道を交えたトークショーが行われた。

『電撃PSプレミアムイベント』
▲吉田修平氏。
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▲北尾泰大氏。

 北尾氏が冒頭で「まさか『人喰いの大鷲トリコ』の発売直前イベントをやれる日がくるとは」と感想を述べたとおり、『人喰いの大鷲トリコ』は発表から開発完了まで7年を費やしたタイトル。その発売に吉田氏も「ずっと関わり続けているので、それがなくなると思うとさびしくなる。けど、感無量」とコメントしていた。

 その後、会場来場者&生配信視聴者へのプレゼント企画の説明があり、海外のデラックス版に付属する、国内では入手できない“トリコスタチュー”が紹介された。

『電撃PSプレミアムイベント』
▲お休みしているトリコが可愛いスタチュー。

 このステージ内で発表された“キーワード”を添えて、下記の応募フォームからの申し込むとプレゼントに応募できる。興味がある方は、ステージを見て、応募してみてはいかがだろうか?

■動画:『人喰いの大鷲トリコ』ステージ/電撃PSプレミアムイベント2016秋

⇒電撃PSプレミアムイベント2016秋“トリコスタチュー”応募フォームはこちら

『人喰いの大鷲トリコ』ってどんなゲーム? 今までとは異なるトレーラーにあわせて解説!

 まずは11月24日に公開された最新トレーラーを流しつつ、北尾氏が本作について紹介。『人喰いの大鷲トリコ』は、人気を博した『ICO』や『ワンダと巨像』に続く、クリエイター・上田文人氏が制作するアクションアドベンチャーであることを強調し、紹介映像にあわせて、どのような形でゲームが進んでいくのかを解説した。

■動画:『人喰いの大鷲トリコ』紹介映像

 この紹介映像に関して「ノリがちょっと軽めなのはなぜ?」という西岡の問いかけに対し、北尾氏は「そろそろこういうのもいいんじゃないかなと思って」と、今までとはテイストが異なる理由を説明。「世界観や物語が作りこまれた作品であることを踏まえ、よりわかりやすく楽しさを伝える映像も必要だと思った」と語った。

 紹介映像のシーンは、ゲーム冒頭のトリコとの出会いのシーン。この場面は“東京ゲームショウ2016”でも上映されており、非常に好評だったとのこと。

 冒頭エサが入ったタルをトリコに与えるシーンで、少年は誤ってトリコの顔にタルをぶつけてしまう。

 北尾氏によると、仲良くなってくると投げたタルを空中でうまくキャッチして食べてくれることもあるとのこと。トリコとの絆が深まるにつれ「顔にタルをぶつけてしまうと、画面の前で思わず謝ってしまう」とコメントし、笑いを誘っていた。タルは、与えればトリコが元気になるほか、トリコを誘導する役割もあるようだ。

『電撃PSプレミアムイベント』
▲水に跳び込むのをためらうトリコだが、少年がタルを水中に投げ込むと、意を決してダイブする。

 また、タルの中身が何なのかは、ゲームを進めていくと明らかになると思いますと話し、「『ICO』や『ワンダと巨像』と同様、プレイし終わったあとにいろいろ考察して楽しんでくれれば」と語った。

 トリコの愛らしさを間近で見た広橋さんは「触りたい!」とコメント。北尾氏は「トリコはいつでもなでることができるほか、敵との戦いで興奮したトリコを落ち着かせる効果もある」と解説。

 先に進むには、少年の力だけでは突破できないことも多く、トリコの協力が不可欠。吉田氏は「ステージが自然で作られているけど、それがそのままパズルになっている」ことをアピールし、「このゲームをやると、絶対自分で進めたくなる。自分で解いていく楽しみがある」と熱弁していた。

『電撃PSプレミアムイベント』

 映像の最後には、トリコがなぜ“人喰い”と呼ばれているのかについて言及。その真相は“ゲームをプレイして”ということだったが、吉田氏は、本作の海外版タイトル『The Last Guardian』には“人喰い”には触れられておらず、“守る”という意味しか含まれていないという話を披露していた。

本作の魅力は“トリコ”にこそアリ! 吉田氏&北尾氏から見た本作の魅力!

 続いて、特定のテーマについて語るトークイベントへと移行。

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 この最初のテーマに、吉田氏はズバリ大鷲の“トリコ”であると即答。プレイヤーが操作するのは少年であり、トリコは操作できないこと。トリコへの指示は出せても、トリコ自身は自立して動いていることに触れ、それが逆にトリコの存在感が増しており、「生きているとしか思えない」と答えた。ゲーム性についても、パズルを解いているというより「いっしょに旅をしている感覚が味わえる」のも魅力だという。

 同様に北尾氏も、最大の魅力は“トリコ”そのものとのこと。「見上げるような大きな生物といっしょに冒険するのは、それだけでワクワクする」「トリコのしぐさが本当にいる生き物のようなリアリティがある」ことを挙げていた。また、優秀なAIや世界観の緻密さについても「本当にこの世界が存在するかのような感覚を味わえる」ことが、本作の醍醐味だと語った。

ありそうに感じる、本当はない世界――それが上田文人ワールド!

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 北尾氏は「『人喰いの大鷲トリコ』の世界はフォトリアルに作られてはいるのに、なぜ少年はデフォルメされているのか」ということに言及。「少年はプレイヤーキャラクターなので、ある程度人間にはムリな動きをする必要があるから」と、制作の意図を語った。そういった部分までフォトリアルにしてしまうと少し違和感が生まれてしまい、全体的なゲームへの没入感をより高めるために今の形にしたという。

 『ICO』や『ワンダと巨像』、そして『人喰いの大鷲トリコ』と、「上田氏の作品のすべてにおいて、AIキャラクターとの絆やコミュニケーションを描いている」と吉田氏は語る。

 また『ICO』のファンであるという広橋さんは、上田氏の作品を「自分がそこに存在している感覚は残っているけど、起きるとどこかぼやけて感じる」という意味で“夢のような世界”と表現していた。

『人喰いの大鷲トリコ』は海外でも大人気! 開発を支えたのはファンからの熱い声援!

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 吉田氏が語るには、海外にも上田作品のファンは多く、難航した長い開発を乗り切れたのは世界中のファンから「時間かかってもいいから完成させてください!」と励まされたからだという。何も新しい情報がなくても、海外でイベントを行うたびに『人喰いの大鷲トリコ』について聞かれるほど注目度が高かったとのこと。おかげでスタッフもモチベーションを落とさずに作業を続けられていたようだ。

 吉田氏と北尾氏は、去年の“E3 2015”で発表した際の反響がものすごかったが、ステージ上からいざ上田氏を紹介しようと思った際に「指定の場所に上田氏がいなくて焦った」と冗談交じりに当時を振り返っていた。

吉田氏のお菓子コーナー! 今回は“トリコ”にちなんだ西日本からの一品!

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 イベントでオススメのお菓子を紹介することで知られる吉田氏。今回のイベントでは実際に持参しており、その場で実機プレイ(開封)を披露することに。

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 今回はかなり真剣に選んだという吉田氏が取り出したのは、トリコの好物のタルにかけた“樽最中”! 広島県の“さくらや”から今回のために取り寄せたという。

 白あんと粒あんの2種類があり、箱に入れる個数の配分を自分で決められるとのことだったが、吉田氏いわく「“通”は白だけで頼む」とのこと。実際に広橋さんが試食し、その味に舌鼓を打っていた。

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『人喰いの大鷲トリコ』に対する疑問にお答え! 質問コーナー

 “樽最中”のあとは、事前に募集した『人喰いの大鷲トリコ』に関する質問のなかから、電撃PS編集部が選んだ質問を、吉田氏と北尾氏の両名に直撃! 開発の裏側を知れる貴重な質問に、会場の来場者も興味を示していたようだ。

Q1:『人喰いの大鷲トリコ』はPS4 Proには対応するのでしょうか?

吉田氏:PS4 Proに対応してますし、4KとHDRにも対応しています。従来のPS4でも問題ないのですが、多少パフォーマンスがよくなるなどPS4 Proならではのよさもあります。でも『人喰いの大鷲トリコ』は、従来のTVで遊んでいても“HDRっぽい”といいますか“光と影の演出がキレイ”なので、どんな環境で遊んでも楽しめると思います。

Q2:“トリコ”という名前はどこから名づけられたものなのでしょう?

北尾氏:これには複数の意味があって、“鳥の子”“虜”みたいな意味もあったり、『ワンダと巨像』の開発ネームが『ICO』に続くという意味で“ニコ”だったので、“3コめの作品”=“トライ”をかけていたりと、いろいろな意味が込められています。

Q3:制作期間が長い作品となりましたが、初期と変わったもの、逆に変わらなかったものなどあれば教えてください。

吉田氏:変わらなかったもののほうが多いと思いますね。上田さんは『ICO』のときからそうなのですが、まず開発チームのスタッフにコンセプトや世界観などを伝えるために“この作品はこういうものです”といったイメージビデオを作るんです。

 例えば『ICO』であれば“お城の中を少年が女の子の手をとって逃げている”、『ワンダと巨像』なら“巨像に登っていく”みたいな。“何を表現したかったのか”といった根本的なイメージは、その最初のイメージビデオのときから変わっていないですね。

 また、開発ハードがPS3からPS4になったので、AIがより緻密になったり、アニメーションのパターンも増えて、表現したいものの完成度はより高まったと思います。ステージも広く作れるようになったので、そういう意味でパズル的な要素とか、ダイナミックな演出などは変わった可能性はありますね。

 あとは、変わったことといえば“関係者が歳をとったこと”かな(笑)。お父さんになったり、お母さんになったり。もしかしたら、そういったものも、いい意味で作品に生かされているかもしれません。

世界初の実機プレイ生配信! トレーラーにはない動きやハプニングも!?

 質問コーナーのあとは、SIEスタッフによる実機プレイが上映され、今までに公開されたトレーラーにはない動きも見られた。また、トリコはAIで動くため、狙ったとおりに動かない可能性があるとの前置きのもと、高所の塔を飛び移っていくシーンを見ることができた。

『電撃PSプレミアムイベント』

 上田作品に共通している“高所の演出”にドキドキしたり、少年がトリコを呼ぶ際の掛け声が何と言っているのかを話したりと、和やかなムードで進行。最後は、高い場所から飛び降りてトリコにキャッチしてもらおうとするも、肝心のトリコが少年を気にも留めずに少年が地面に激突してしまうハプニングがあり、会場は笑いに包まれた。

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▲少年はそのまま地面に衝突し、痛そうにする一幕も。実際に動いている映像は、本記事の冒頭に掲載している配信のアーカイブで見ることができる。

出演者コメント

北尾泰大氏
 動画やいろいろな情報を公開してきましたが、そういった情報をあまり見ずに、まずは自分だけの力でプレイしてみてほしいですね。“歴史的な作品を初めて自分でプレイするんだ”ということを含めて、ぜひ楽しんで頂ければと思います。

吉田修平氏
 『人喰いの大鷲トリコ』が発売されるというのが、信じられないような、ちょっとさみしいような気持ちではあります。が、長く関わってきたタイトルでもあるので、本当にうれしいですね。

 開発の終盤はかなり大変でしたが、それでも“このゲームを最高の形でみなさんにお届けしたい”“最後まで作りあげたい”という気持ちを開発スタッフみんなで共有していて、本当にうれしい気持ちでいっぱいです。ぜひみなさんプレイしてみてください。

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発売前に誰よりも早く『人喰いの大鷲トリコ』を体験!

 本イベントに抽選で選ばれた方々は、ステージ終了後に世界最速で『人喰いの大鷲トリコ』を試遊することができた。紹介映像にあるトリコとの出会いの場面からスタートし、トリコとの触れ合いや謎解きを楽しんでいた。

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『電撃PSプレミアムイベント』
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 また、展示コーナーでは、上田文人氏の作品である『ICO』『ワンダと巨像』『人喰いの大鷲トリコ』3作品の設定画を掲載。近くに設置された大型モニターには、『ICO』と『ワンダと巨像』のメモリアル実機プレイの様子が映し出され、多くの人が眺めていた。

『電撃PSプレミアムイベント』

 トリコといっしょに記念撮影ができるARコーナーも大人気で、撫でるようにしていっしょに写る人が多く見受けられた。

『電撃PSプレミアムイベント』
▲こちらの画像はイメージ用に合成。このように、実際にトリコがいるように撮影することができた。

 なお、来場者にはトリコスタチューのプレゼント企画として上田文人氏の作品に関する“クイズ”用紙を配布。ファンでもなかなか難しいらしく、頭を悩ませている人もいた。

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▲試遊時間の開始まで、メモリアルプレイを見つつクイズに没頭する人も。

(C)Sony Interactive Entertainment Inc.

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