2016年12月25日(日)
シチュエーションCD『勿忘草』シリーズ最新作が発売。山南敬助を演じる緑川光さんインタビュー
『新撰組暁風録 勿忘草』に登場し、男女問わず厳しく接する山南敬助を演じる緑川光さん。本作に関することやデビュー時の思い出などについて語っていただきました。
――以前演じられた際と、登場人物やお話に違いはありましたか?
続編が発表されたときに続き物なのかなと思ったのですが、予想をはるかに越えて歴史がさかのぼっていました。『比翼録』の山南は怪我をしていたので、ほとんど剣を振るいませんでした。今回は僕自身切望していたこともあり、戦えてうれしかったです。
――剣術にはげむ若者がクローズアップされる本シリーズですが、夢中になっていることを教えてください。
健康です。健康ブームとかではなく、普通に歳なので気をつけなきゃなといった感じです(笑)。青汁みたいなものを飲んだり、体にいいと言われている酸っぱいドライフルーツ的な物を摂ったり、できる範囲でいろいろやっています。効果については、プラシーボ効果ではないですけど信じるようにしています(笑)。
――『暁風録』は「過去」をテーマにした物語ですが、ご自身のデビュー時の思い出をお願いします!
僕は栃木県出身なのですが、話すときのアクセントが治りきっていない状態でプロダクションに入ったんです。一生懸命勉強して矯正してはいましたが、現場に行くとわからないアクセントがあったりして、聞いては記号をつけてしのぐ……という日々でした。
決して長くないセリフでも、ひとことふたことわからないイントネーションがひそんでいたりするんですよね。だから当時は、ナレーションのように長く話さなければいけない仕事がものすごく嫌でした。一体どれだけのわからない単語がひそんでいるんだろう……と恐怖でしたね。
いまだったらアプリなんかで早く調べられますけど、当時はアクセント辞典を引いて、台本に記号をつけてひと通り終わってから読む練習をしてブレスの位置を記入して……とやっていたので、本番を迎えるまでにすごく時間がかかりました。
当時10ページあるかないかのナレーションの仕事が急に入ったことがあったのですが、現場に行ったものの読めずにそのまま帰されたことがあったぐらいです(笑)。あまりにもひどすぎて「ほかの人をよこしてくれ」なんて展開になりました。でもマジメにやっていたからか、こうして2枚組のCDを1人でしゃべらせていただけるようになりました。本当によかったなと思います(笑)。
――ご自身では気づかないような、標準語とは違うアクセントがあったりするものなんですね。
そうですね。大阪とか関東からすごく離れた地域に住んでいる人のほうが、間違いを指摘するとすぐわかるんですよ。逆に栃木、群馬、茨城あたりの出身者の方がなまっていると治しにくいです。本人もなまっているとは思っていなかったりするので、僕も大変でした。
――標準語で話すことが多い職業なので大変ですね。
いやもう本当に(笑)。大阪の人たちは関西弁の仕事があったりするのでズルイなって思います。栃木弁の仕事なんてないですからね。
――関西弁ではなく、栃木などの言葉ばかりのお仕事があったらやってみたいですか?
いや、いいです(笑)。栃木弁って、感情によってアクセントの位置が変わったりするので面倒くさいんですよね。アクセント辞典にも「アクセント崩壊地帯」って書かれるぐらいなんです。崩壊しちゃっているので、もうどうにもなりません(笑)。
でも最近はどんどん世代が変わって、なまり自体が薄れているかなと思っています。お笑い芸人のU字工事さんっているじゃないですか。じつは出身の高校が一緒なので、友だちが話しているような感覚がします(笑)。だから多分、僕もそういった話し方をしていたんでしょうね。
――究極の質問です。もしご自身が新撰組に入隊したら、どのような役割を希望しますか?
入りたくないです。昨年ぐらいに真剣を振るうお仕事をしたのですが後悔しました(笑)。何かやりたいことがあるかと言われていくつか案を出した結果、真剣体験が通ってしまったんです。ロケの現場に行ったときに「なんでやりたいって言ってしまったんだろう。帰りたい……」となるぐらい恐ろしい思いをしました。
――どんな体験をされたんですか?
よくテレビとかで見るようなワラを斬ったり、刀を打ったりする体験をしました。ただ実演した場所が狭かったので、すぐ近くにいるカメラクルーに万が一何かあったら……と嫌な考えばかりが浮かんでしまって。すべては信頼関係だよなとは思いますが恐ろしかったです。
一応剣道の経験はあったのであまり抵抗なく真剣をにぎれましたが、やっぱりリアルな刀は怖いです。その時代に生まれなくてよかったと思ったので、新撰組には入りたくありません(笑)。
――読者のみなさまへメッセージをお願いします。
CD用のフリートークでも言ったのですが、実際にいた人物をクローズアップしているので、歴史的なロマンを感じる内容でした。すでにお亡くなりになっている人ではありますが、『勿忘草』に登場するのは重要なポジションの人たちばかりです。そういった人たちと恋愛できるお話をたん能できるなんておつな話なのかなと思います。ぜひぜひいろいろと聴いてみてください。そして簡単にでもいいので、感想を教えていただけるとうれしいです。
『新撰組暁風録 勿忘草』過去の記事はこちら
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