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2016年12月26日(月)

『セブンス・リバース』開発者インタビュー(物語&キャラ編)。河童で歴史が変わる!?

文:滑川けいと

 ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)から好評配信中の、スマートフォン用アプリ『セブンス・リバース』の開発者インタビュー連載企画をお届けします!

『セブンス・リバース』

 『セブンス・リバース』は、時間を超えて他のプレイヤーとつながるオンラインRPG。プレイヤーは、荒廃した村の発展を担う若き村長となり、自分の“村”に続々と集まる冒険者たちとともに世界を救う冒険へと飛び出します。多様なライフスタイルのさまざまな世代のプレイヤーたちと、冒険の感動や興奮を味わうことができます。

 第1回のテーマは、“世界観・ストーリー・キャラクター”について。ディレクターの廣瀬髙志氏、プランナーの細野淳一氏(ともにガンホー)、シナリオを手がける井上信行氏(さよならおやすみ株式会社)の3名にお話を伺いました。制作秘話なども語っていただきましたので、ぜひ最後までご覧ください!(※記事中は敬称略)

『セブンス・リバース』
▲左から細野氏、井上氏、廣瀬氏。

0.5秒のウェイトにまでこだわるストーリー演出

――まず最初に、制作における皆さんの役割を教えてください。

廣瀬:大本の物語のプロットは、プロデューサーの田中(※編注:ガンホー 田中弘道氏)がある程度構想を立てていて、それを井上さんに引き継いでストーリーを膨らませてもらっています。

細野:演出をつける際も、基本的に井上さんと相談しながら一緒に作っています。

井上:シナリオだけだと誤読されてしまう部分が出てきてしまうので、そこはチェックしておきたいですね。「いやだ」という1つのセリフでも、怒って言っているのか、なんとなく言ったのかというのがちゃんと伝わっていなくて映像になっていないことがあるので、そこは直してもらっています。細かな部分では、ウェイトを0.5秒増やしてというところまで言っていますよ。

廣瀬:プロットで一度確認して、その組み込みを細野が行って動画にしたものをプレイヤーの目線で眺めて、話に食い違いがないかをチェックして直していきます。

井上:わりと矛盾が出てしまうので、そこは皆さんの意見をいただいて手を入れています。基本は田中さんが元のものを作って僕が書き、それを廣瀬さんがチェックして細野さんに実装してもらうという流れですね。

廣瀬:部単位でチェックしますもんね。今は第1部ですが、第2部、第3部と出てくるとその3つのまとまった動画を、それなりの時間をかけてチェックします。

井上:第1部を全部観るのに2時間くらいかかりますからね。ここはこうだねとか書き出しながらやっていくので、1日仕事ですね。

細野:2、3日くらいかけてやりましたからね。

廣瀬:この年末の時期、恒例になってきていたんです。年明けに井上さんを交えてミーティングをして、修正かけていただく感じですね。

井上:修正が……わーっとくるわけですね(笑)。

3番目のくだけた選択肢を選ぶプレイヤーが多い!?

――ストーリー部分は作り終えているのでしょうか?

井上:この先どのくらいの続くのかなというのははっきり見えているわけではないですが、結構先まで書いています。ソラスがどうなるかという物語の中で起こる出来事を第1部、第2部、第3部と分けていて、すべてにオチを用意しています。

『セブンス・リバース』

――本作の“天空に住む神・エロールにより千年ごとに崩壊と再生を繰り返す世界”という発想はどこから生まれたのでしょうか?

井上:今の文明に先立った別の文明があって、人類はその文明の手のひらの上でいいように転がされているという設定が最初にありました。どうして千年ごとかというのは、マヤ文明のカレンダーのような何年かおきに周期があるというところからきています。

――千年期では人類の99%が滅びるとありましたが、その理由は?

井上:最初は、間引かれているというイメージでした。増えすぎると悪い方向にいってしまうので、ある程度増えたらエロールが選定して間引き、コントロールできるくらいの数にして文明を発展させていくという。

 ただ、これは最初のイメージなんです。これから物語が展開していくことにおいて、そういう単純な話でもないよなという流れにはなりますね。

――今作の“7度目”というのは、何か秘密があるのでしょうか。

井上:そうですね。音階や人のチャクラの数がそうであるように、7というのは神聖な数字じゃないですか。僕としては7つで次に進むというイメージが大きいんですね。それを繰り返しながら、人類は先に進んでいく。なので、森下さん(※編注:ガンホー代表取締役社長CEO 森下一喜氏)が以前おっしゃっていた、「タイトルにセブンを付けたかったから」だけではないんです(笑)。

『セブンス・リバース』

――“人類に問われる最後の選択”とありますが、ゆくゆくはゲーム内で本当に選択を迫られることになるのでしょうか?

井上:主人公個人が選ぶというよりは、物語でいろいろな人に接していく中で、人々の考えというのは変わっていくと思うんです。物語を通して形成されていった意識みたいなもので、総和として人類が選ぶというかたちになると思います。なので、ゲーム中に選択肢のようなものが出るというわけではありません。……ただ、今すごく出したくなっています(笑)。滅びるか滅びないかでいうと……それは内緒です。

――本作の舞台はソラスですが、世界規模の出来事となると他の国も同じように動いていると考えてよろしいのでしょうか?

井上:ソラスは地球全体を指します。今主人公がいるエリア以外にも、いくつかの国がありますよ。ゆくゆくは外のエリアに出て、他の国が登場するかもしれませんね。ソラスに住んでいるのは人だけではないですよ。河童もいますから。

――本作では、“異界の裂け目”と“フレア・シェル”が重要なワードになっていますが、双方ともどのようにしてこの世界に生まれたのでしょうか?

井上:これからのストーリー展開にかかわってくるので、はっきりとしたことは言えません。ただ、フレア・シェルがどこからきたのか、異界の裂け目がなぜ発生しているのかというのは物語の軸の1つとして語られていきます。

 少しだけお話ししておくと、異界の裂け目やフレア・シェルは過去6回の再生と崩壊に関係しています。滅びるときには異界の裂け目が現れて滅びたというかたちになっていて、ソラスにはその文献が残っているんです。なので、今回も異界の裂け目ができているから滅びのときが近いのだろうなということがわかったんです。

『セブンス・リバース』

――本筋はシリアスでも、選択肢やモンスターの二つ名など、至るところにユニークな要素を取り入れていますよね。その意図はなんでしょうか?

井上:まじめな話をすると、つらい物語だからです。プレイしているとイベントの間って空くじゃないですか。その間につらい思いをプレイヤーさんに引きずってほしくないんです。

 僕はわりと舞台を観に行くのですが、舞台ってシリアスなものでも観客を飽きさせないように笑いを挟んでくるんです。そこでつかまえておいて泣かせをぶち込んでくるみたいな感じで舞台は演出しているので、その感覚に慣らされているのだと思います。

 実際これは森下さんが会議で、「選択肢のどれかひとつは必ずギャグにしたらどう?」とちらっと言ったことがあるんですね。その時は、「よし、言質をとった!」と思いました(笑)。

 1番目と2番目の選択肢を選んでいたら物語がわかるのですが、プレイヤーさんの中には「物語は別に気にしていないよ」という人もいて、3番目の選択肢をどんどん選ぶんですよね。

細野:3番目を選ぶプレイヤーさんは多いですね。

井上:最初の頃はプレイヤーさんからストーリーがわからないと言われていて、その人に限って3番目の選択肢をずっと選んでいたりするんですよ。上2つの選択肢では説明しているんですけどね。

――その3番目の選択肢はどなたが考えているのですか?

井上:だいたい僕が入れちゃっていますね。「これは通るかな……?」と思いながら出しています。アバラボーンズが踊っているのも案として出しました。

細野:ほぼ通りますね。河童も通りましたからね。

井上:ボスモンスターの二つ名も最初の頃は、まじめにつけていたんです。その中でえ、いくつかくだけた二つ名を入れていたんですよ。“馬とかまるごと食べる”とか“鳥にあるまじき爆裂上腕二頭筋”とか。でも、そのくだけた二つ名のほうが先に出ちゃいまして。いろいろなノリの二つ名がありますので、次はどんなノリがくるかなと楽しんでもらえたら幸いです。

『セブンス・リバース』

――一番苦労したイベントシーンの見せ方は?

細野:井上さんもゲームの開発は長いので、何ができるできないはわかってらっしゃると思うのですが、これはできないだろというのがたまに入っているんです。これをどう実装しようかなというのが、一番の苦労ですかね。

 細かい話になるのですが、お正月で「いつもより多めに回しております」と言ってキャラクターが全員回り始めるとか。実はもう作ったのですが、どうやって作ろうかすごく悩みました。

井上:ある程度できるできないはわかっているのですが、でもやりたいよなという気持ちがあるんですよね。

細野:無理とわかっていても、いつもおもしろい話をあげてくださるので、何とか作りたいなと。

廣瀬:モーションも気づいたら増えているような気がするんですけど。

細野:そうですね。バトルで使っているモーションをドラマのほうで使わせていただくという裏技を使っています。デザイナーも応援してくれていて、このモーションを作りましょうかと言ってくれたり。河童のしゃべるモーションは本当はなかったのですが、「それはおかしいでしょ」とグラフィックのスタッフが作ってくれたんです。

井上:バトル時のゴブリンの動きで見得を切るっぽい動きを見たので、それをちょっと使いたいかなと思っています。

――このシーンはぜひ見てほしいという渾身の演出はありますか?

細野:やっぱり第1部の最後ですかね。まだ完結していないですが、公開されたらぜひ見てほしいです。

『セブンス・リバース』

先代村長が“裸+浮き輪”という奇抜な格好になったワケは?

――主人公を“荒廃した村の若き村長”という設定にした理由を教えてください。

廣瀬:このプロジェクトが立ち上がる最初期の段階で、森下と田中とで構想をもんでいたときに考えたものです。自分は戦いに出ずに冒険者を募って、自分の代わりにダンジョンに行かせていいものを持って帰ってきてもらってもうけるみたいな、少し不真面目な主人公のノリでした。

 普通のRPGっていうと、村長はおじいちゃん、主人公は勇者で冒険に行く。そういうイメージですよね。そこを王道ではなくてひねりを入れて外したかったみたいです。そのひねりの名残である主人公の不真面目な面が、今のドラマシーンににじみ出ていますね。

細野:ぐうたらという話は最初からありましたもんね。王道と言われると、ごめんなさいという気持ちがすごくしますね。

井上:ど真ん中の王道ではないけれども、それなりにちゃんとした世界観は詰めたつもりですので、楽しんでいただけると思います。

『セブンス・リバース』

――主人公のおじいちゃんである先代村長は、なぜ“裸+浮き輪”という奇抜な格好を常にされているのでしょうか?

井上:設定では、おじいちゃんは異世界にちょろちょろ行き来しているんです。浮き輪は、異世界に行ったときに手に入れてきたという裏設定はあります。それを今後ちゃんと書くかどうかというのは未定ですが。

 なぜ浮き輪になったかというと、おじいちゃんを作るときに普通のアバターで作ろうとしたんです。でもいざ作ってみたら、外見が若くなってしまったんですね。そこで、ゴブリンで作ろうかという話になって。でも次は、服は腰布でいいのという話になって、それはダメだろうと。

 ちょうどその頃、とあるゲームをプレイしていまして、プレイすると周りがみんな浮き輪の装備をしているんですよ。僕はその装備をもらえなくて、浮き輪にあこがれていたんです。そこで浮き輪をさせたらどうかと提案したら、本当にそうなってしまったんですよ(笑)。

細野:僕も廣瀬に持って行ったときに、絶対これはNGをくらうかなと思ったのですが、「おもしろいね」とOKをもらえました。

廣瀬:段々マヒしてきたんでしょうね。井上さんはまじめに書いているのか不真面目に書いているのかマヒしてきて、浮き輪を見たときもどこまでふざけているのか悩んだんですよ。悩んだ末、田中に持って行ったらOKが出て。……田中も同じだったんですかね。みんな井上さんに汚染されていったという……。

井上:浮き輪があればこそですよ、この世界観は!

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――主人公の妹・クレアはどういった立ち位置のキャラクターなのでしょうか?

井上:村長さんがちゃらんぽらんな人なので、助役さんとしてしっかりしているクレアがいるからこそ村が回っているというイメージです。クレアが健気に頑張っていることで、冒険者自身も頑張らなくてはいけないんだなという気持ちになってくれるといいかなと。たぶんクレアがいないと、プレイヤーさんも不抜けた気持ちになると思うんですよ。

『セブンス・リバース』

――主人公の母親は他界したという話ですが、父親はどこで何をしているのでしょうか?

井上:そこはまだちょっと……。ストーリー上でちりばめたものはちゃんと回収しますので、安心して読んでいただければと思います。

――なるほど。では、主人公の一族は“失われた太古の民族”とのことですが、繰り返される再生と崩壊から代々受け継がれている一族なのでしょうか?

井上:フレア・シェルというのがありますよね。それを引き継いできたということは、フレア・シェルを使って危機を乗り越えてきたという設定にはなっています。重要なキャラクターの1人には違いありません。

『セブンス・リバース』

――現時点では“アバラボーンズ”と“ハイブリス評議会”の組織間による抗争が行われていますが、それぞれの組織の特徴や目的を教えてください。

井上:アバラボーンズというのは、元騎士団のなれの果てなんです。彼らはもともと名誉のある騎士団だったのですが、ある事件によって名誉を失ってしまったんです。失った名誉を取り返すためにいろいろやっているのですが、あんまりうまくいっていないですね。

 ハイブリス評議会というのは、世界が滅びるということを知っていて、知った上でそれを利用していろいろな国の人に脅しをかけたりしながら私腹をこやしている集団です。ハイブリス評議会の中には、本当に世界は滅びるんだから何とかしようよという人もいますし、どうせウソだから滅びないよと言っている人もいます。

――ハイブリス評議会トップのアンガスは、どちら寄りなのでしょうか……?

井上:あまり言ってしまうとこの先の物語のネタバレにはなってしまうのですが、わりと狡猾な人であるということだけ言っておきます。ハイブリス評議会は世界の崩壊を知っていて、主人公たちがその崩壊を乗り越えてきているというのも知っているんです。主人公たちが崩壊を乗り越える術を持っているというのを知っているわけですね。それで興味を持っているんです。

 アンガスは、ハイブリス評議会の言っていることが本当かどうかはともかくとして、とにかくハイブリス評議会で高い位置につけば世界の崩壊も免れることくらいはできるのではないかという、いろいろな計算の上で動いている人ですね。

『セブンス・リバース』

――ちなみに、ハイブリス評議会に雇われているドレッドは、正義でも悪でもどちら寄りでもないなという印象を受けました。

井上:金だ女だと言っているんですが、彼の真意を書いている部分があるので、本当の姿はそこで確かめていただきたいですね。

 マリウスやドレッドといった中心的な人物は何人かいるのですが、仲間という立ち位置にする役どころは決めていました。いろいろな仲間がいて、どうやって加わっていくかというところを楽しんでもらえればなと思います。

――マリウスはなぜハイブリス評議会を裏切ったのでしょうか?

井上:マリウスはすごくまじめな人なんです。まじめで、ハイブリス評議会に行けば魔法の勉強やいろいろできると思って入ったのですが、中に入っていろいろなことを知るうちに不信感が出てきたんです。ドレッドが鬼神を捕まえてきますよね。その鬼神と話したことが決定打になって、ここは違うかもしれないと思い、外に出ました。

――ドレッドはなぜマリウスをライバル視しているのでしょうか?

井上:2人ともハイブリス評議会にかかわっているじゃないですか。評議会でいろいろな悪事を働いてきていて、その作戦に一緒に関与していたんです。そこからですね。

『セブンス・リバース』

――鬼神は、ヴァラー騎士団の一員だったのでしょうか?

井上:関係はあると言っていいですね。

細野:そのあたりもこれから徐々に明かされていくと思います。

井上:ちなみに、ヴァラー騎士団の指揮官にファデリーという人物がいるのですが、「俺はスカーローズだ」と名乗っているものの、あそこでしか言っていないんですよね(笑)。

 彼がもともと持っていた騎士隊があって、これからいろいろ裏工作をしてのし上がっていこうと考えたときに、元の騎士団の名誉を汚したくもないためにアバラボーンズと名前をつけて活動しています。

――サラは異界の住人ですが、ソラスにはどういった経緯で来たのでしょうか?

井上:彼女のお母さんが、主人公たちと同じようにフレア・シェルを持っていたんです。お母さんはフレア・シェルを使ってソラスにきたのですが、サラは1人で向こうに残されていました。何年も1人で待って、不安になったところにたまたまソラスと異界(ルナリア)がつながっているところを見つけて飛び込んでやってきました。

『セブンス・リバース』

――今後主人公たちは異界に行くことになると思うのですが、異界がどのような場所か気になります。

井上:説明するのは難しいのですが、ちょっと奇妙で幻想的な世界ですね。

廣瀬:文明は違えど人類的なものが生活している痕跡はありますし、植物や風景は少しかたちは違えど存在している場所です。

井上:ルナリアでは、そこの住人たちと会うと言うよりもソラスの住人でまだ登場していない人たちと会う感じになっています。

――タッカー王国と主人公の一族は、昔どのような関係があったのでしょうか?

井上:直接は関係ないと思うんですよね。タッカー王国という、ローマ帝国のような大きな国なので、何かしらどこの国とも交易はあったのではないかと。それ以上に密接な関係はないです。ただ、主人公の村から見たら首都的な大きな国なので、そこにあこがれがあったり、タッカー王国の同盟国に騎士団があって、そこの騎士団に登用されるのが名誉なことだったりとかはあるでしょうね。

――アンガスについて、戦力分析で“生身では”マリウスに勝てないとありましたが、武装もしくは変身するのでしょうか?

井上:におわせていることはだいたい起きるかな? という感じです。鬼神よりも強いクラス8とウワサされる人物についても、もったいつけている限りはいずれ出てくるかなと思います。

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河童の誕生秘話が明らかに! 歴史が変わるくらいの衝撃とは!?

――ストーリーでは“河童”にフィーチャーしたシーンがいくつもありましたが、何か特別な意味があるのでしょうか?

井上:ずっとシナリオを書いていて5章あたりに差し掛かったとき、主人公と敵が対峙するパターンばかりだと気付きまして。これじゃダメだということで、河童を放り投げるところから書いて……というのが最初です。書いたときはそこまで大きな意図はなかったんですが、そのうち「これは使える!」と感じまして、それでいろいろなところに出していたらすごく出世してしまいました(笑)。

細野:なぜ河童だったんですか? 猫でもよかったじゃないですか?

井上:実は特に深い理由はなく、ノリで入れた感じですね(笑)。ストーリーのアクセントとして活躍してくれています。

『セブンス・リバース』

――第2部はルナリア(異界)での物語が中心になると思いますが、どのような展開が待っているのか、お答えできる範囲でお願いします。

井上:第1部がキャラクターが1人ずつ登場して出会っていくという話になっています。第2部は、出会ったキャラクターがどんな人たちなのかというのを掘り下げていきます。キャラクター同士のつながりですとか関係性を描いていくので、2部からどんどん人間関係の深い話になっていきます。河童も出てきますよ。河童の秘密も明らかになりますし。

細野:結構重要ですよ。歴史が変わるくらいの衝撃を受けると思います。

――現在第1部で出ているキャラクターの中で、誕生秘話というのはありますか。

廣瀬:キャラクターの名前はいろいろモデルがいますよね。

細野:たとえばアシュリンが従えているデーニュ、コーニュですね。

井上:あれは「どうにもこうにも」からきているんです。デーニュモ、コーニュモという名前にしようとしたのですが、覚えづらいのでデーニュ、コーニュとなりました。

廣瀬:アシュリンは今でこそ丸い性格になっていますが、もともと教官っぽい感じできつめの性格だったんです。姫騎士はきつい性格のイメージがありましたから。

細野:性格を優しくしてほしいというリクエストがあって、口調を変えたんです。

井上:プレイヤーさんからすると、命令口調で言われるときついのではないかなと感じましたからね。ですます調に変えたときに、やや天然が入ってしまったかな。アシュリンと兄の関係もこれから語られていきます。楽しみにしていただければと思います。

『セブンス・リバース』

――今はソラスに村がありますが、ルナリアに行ったときにどう移動するのかなと気になりました。

廣瀬:シナリオ的にははじめて行くときはワープと言いますか、ゲートをくぐって入っていくような方法で行きます。行った先にもオベリスクが存在していて、ソラスと同様起動するとワープができるようになります。

――オベリスクはゲームシステムとして存在していますが、メインビジュアルにも描かれていますよね。これには何か秘密があるのでしょうか。

井上:実は話の非常に重要な部分を担っています。それ以外はまだ内緒ですね。転送できるただの便利な石ではないです。

『セブンス・リバース』

――今後、ここに注目してほしいというところはありますか?

井上:僕はドレッド推しなので、ドレッドを愛していただけたらなと。

廣瀬:今それぞれの役割で話に絡んできている人たちが、結構深い過去を持っています。第2部や第3部で徐々に語られていきます。

井上:スタッフの方から「アシュリンが好きだ」と言われると、もっといい役を書かなくちゃいけないなと思うんですよね。この部ではアシュリンは出ませんと書いていたのですが、アシュリンは出ないんですかと聞かれて、出ますと答えて出したこともあります(笑)。

細野:いつか人気投票とかもやってみたいですね。

ストーリーやジョブの追加など今後のアップデートに期待大!

――各キャラクターの2Dイラストはあるのでしょうか?

廣瀬:設定イラストは存在しています。ゲーム中では出していないですね。実は今、ギルド掲示板を開発していまして、そこにスタンプという機能を入れるんです。そこにいろいろなキャラクターのデフォルメイラストは入れる予定です。

――『セブンス・リバース』の今後の展開についてお聞かせください。

廣瀬:年内ですと、先ほどお話ししたギルド掲示板とジョブのアクション全体の見直しですね。ジョブのアクションは強化をする方向で進めていきます。強さが変わるものもあれば概念が変わるものもある予定で、こちらは年内アップデートを目指して頑張っています。

 年明けになると、ルナリアが次のエリアの舞台になるので、そこに行けるシナリオアップデートを早い段階で入れたいですね。あとは外伝のルートが追加で開くようになります。さらにその先のアップデートですが、ジョブの追加も予定していて、構想企画のものも含めると7ジョブをプラスしようかなと考えています。1ジョブの追加はアップデートが決まっています。どんなジョブなのかは、まだ言えないですね。

 イベントでいきますと、現在終了したアサルトバトルの次なるボスが登場します。それにクリスマスとお正月、幻獣戦などイベントはあります。幻獣戦は、かなりの高難度になるので、レベルを上げている方はぜひチャレンジしていただければと思います。

 施設も遊園地が増えますし、育成系のダンジョンについてもスタミナの消費量も見直しています。より遊んでいただきやすいような環境にしていこうかなということで、大幅に全体的に変わっていく予定です。

『セブンス・リバース』

――それでは最後に、本作をこれから遊ぶ人やすでに遊んでいる人にメッセージをお願いします。

廣瀬:本作をプレイしていて、重厚な世界観でまじめな選択肢を選んでいかないと世界は滅んでしまうんじゃないかと不安になる方もいると思います。私も慎重派で、外した選択肢を選ぶと取り返しのつかないことになるのではと思いながらプレイすることが多かったのですが、本作はそんなことはありません。自分の思うままに選んでいただいても世界が壊れることはないですし、別の選択肢を見てみたかったなというときは村に劇場という施設を建てればいつでも他の選択肢を見られます。好きなようにお話を選んで、各プレイヤーさんのスタイルで楽しんでいただけたらなと思います。

細野:メインストーリー以外にも、毎月メダルコレクションやトレジャーハンティングなど、イベントにもドラマシーンがついています。そこも結構無理を言って井上さんにおもしろいシナリオを書いていただいているので、ぜひそちらもサブストーリー的な感じで楽しんでください。

井上:イベントで無理を言っているのは僕のほうで、短くしたいんだろうなと思いながらも重いのを渡していたり(笑)。お話のプロットというのがありまして、プレイヤーさんがお話的に迷子になってしまうことがたまにあると思うのですが、迷子になりそうになったプレイヤーさんにも助け船を出しながら書いています。

 サブシナリオの中でも、今までの話を振り返ってみようみたいな小ネタを挟んだりして、極力迷子にならないようにしています。仮に迷子になっても、それなりに、「サラがかわいいからいいや」みたいな感じで遊べるように考えています(笑)。ですので、壮大な物語で理解するのは大変だと身構えなくても遊んでもらえるかなと思っています。みんなウェルカムです!

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