2017年2月28日(火)
『NieR:Automata』金策やオススメのプラグイン・チップなどゲーム序盤の攻略情報を掲載
ハイスピードで展開するバトルと、狂気に満ちたストーリーで話題を呼んでいる『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』。さまざまな要素が盛り込まれている作品だけに、なかにはプレイに行き詰まってしまってしまったという人も、少なくないかもしれません。
そこで今回は、開発を手掛けたプラチナゲームズのゲームデザイナー2人に直撃インタビューを敢行。カスタマイズ要素である“プラグイン・チップ”の開発エピソードから、中の人が教えるお金稼ぎの手段やオススメのテクニックまでをお聞きしてきましたので、ぜひ熟読してもらえればと思います。
考えれば考えただけプレイが楽になる? プラグイン・チップ開発秘話
――本作にはキャラクターのレベルアップとは別に、“プラグイン・チップ”による能力カスタマイズの要素があります。この設定はどこから生まれたものなんですか?
田浦貴久さん(以下、田浦):そもそも前作に“ワード”っていうシステムがありました。ワードの設定によって、ニーアが使用する武器や魔法の性能が微妙に変化するというシステムです。
本作にもああいう要素は盛り込みたいというのは、最初からプランとしてありました。今回、アンドロイドが主人公ということで、自らをプラグイン・チップによってカスタマイズしていくという見せ方になっています。
▲田浦貴久さん。 |
――なるほど。じゃあこれは田浦さんからのアイデアだったんですかね。
田浦:そうですね。
――チップの種類が思いの他いっぱいあり、正直、容量のやりくりには悩みました(笑)。
田浦:そうですね。種類は豊富に用意していますので、どれを付けるかによってプレイの感覚が変わってくると思います。単純にプレイに飽きたな、と思ったときも付け替えてもらったりするだけでちょっと新しいゲームに感じられるんじゃないかなと。
容量が限られているってあたりは、プランナー座談会でもお話ししたとおり、藤田という女性プランナーが調整したうえでああなっています。ぶっちゃけ、かなりドSな調整ではありますかね(笑)。微妙にかゆいところに手が届かないような。
――まさにそんな感じでした。これとあれが両立できない……的な。
田浦:チップは複数のセットを用意できるので、たとえば“攻撃特化”や“素材収集用”といった役割を割り振り、状況におうじて切り替えながら使い分けていただければ、かなり楽になると思います。
――なるほど、1つのセットにすべての役割を持たせるのではなく、うまく複数のセットを使い分けていくわけですね。ちなみに、チップをセットするためのストレージは増設することでちょっとずつ増えていくと思うんですけど、すべてのストレージを増設したところで、すべてのチップをつけられるわけではないのでしょうか?
田浦:そうですね。ただ、チップについては、合成によって低コストのものを作り出したりできますので、うまく使いこなしていただければ。
――ちなみにあのチップって落とす敵ってランダムじゃないんですか? コイツはこのチップを落とす……的に確定しているわけではないように感じました。
田浦:地域やゲームの進行度合いによって入手しやすいチップは変わっていきます。この敵が必ず落とすっていう仕様にはなっていませんので、根気強く探してもらいたいです。
――究極の話、チップをある程度入手したら、メニューから“おまかせ”を選ぶだけで、ある程度使い勝手のいいチップセットを組んでもらえますよね。実際、それに頼ってプレイしています。開発スタッフさんには申し訳ないのですが……。
田浦:とんでもない! それができるのも1つのウリだと思っていますので。普通にストーリーを進めていくのなら、チップに細心の注意を払ってカスタマイズしなければ……といったバランスにはしていないのでご安心ください。
根岸功さん(以下、根岸):まぁ、使いこなせれば便利ですけどね。
▲根岸功さん。 |
――ちなみに、田浦さんや根岸さんは普段どんなプラグイン・チップをつけているんですか。
田浦:以前、生放送でも紹介したんですが、アイテムを自動で拾ってくれるチップだけは鉄板でつけていますね。
あとは、初めから持っているわけではないんですが、斬撃によって衝撃波を繰り出せるようになるチップは便利だと思っています。全体的には、攻撃系のチップを用いることが多いですね。
――攻撃一辺倒みたいな? それってだいぶ人間性が出ますよね。
田浦:出ますね。僕はとにかく“力でたたき潰す”ってタイプなので。パラメータを上昇させるチップも、まずは攻撃力アップ系からつけたりしますので。
根岸:長所を伸ばすのか、弱点を補うのか。プレイヤーさんの個性が出てくる部分だと思います。
――ここでお話がちょっとズレるんですけど、本作において、お金は近づくだけで勝手に拾ってくれるじゃないですか。対して、落ちているチップや素材アイテムって、近づいて〇ボタンを押し、能動的に拾わなければいけないじゃないですか。その差はいったいなんなのでしょう?
田浦:そこはヨコオさんのこだわりですね。
ヨコオタロウさん(以下、ヨコオ):拾ったことがわからなくてもいいものと、わからせないといいものを分けて考えています。ちゃんと「あ、こんなのを拾ったんだ」とわかった方がいいものに関しては、戦闘をしていて流れてしまわないように、自分で取るっていう感覚です。
田浦:敵を倒して勝手にポンポン手に入ると、何を入手したのかなかなか頭に入ってこないと思いますからね。慣れてきた方は、チップで勝手に吸着するようにしてもらえればいいのかなと。
――磁石で吸い寄せているみたいな、そういうイメージなんですかね。
田浦:不思議な力でしょうね。謎の力が働いて……すみません、そこまでは考えていませんでした(苦笑)。
▲近接武器で衝撃波を出せるようになると、戦略も大きく変わってくる。 |
――では、根岸さん的にはどうですか。どんなチップをつけていますか。
根岸:僕は逆に放っておいても勝手に回復するようなチップを重視していますね。敵を倒したらHPが一定量回復するとか、わりと保守系のチップです。あとは、ふざけたチップもいくつか用意していますので、それをつけてくだらないプレイをしたりもしています。
――もしよろしければそこら辺をくわしく聞かせていただいてもよろしいですか?
田浦:アクションにかかわったり、パラメーターにかかわったりする真面目な部分を僕が作ったのですが、あとそういうふざけたチップがいっぱいあるんですけど、そういうのは根岸が担当しました。
根岸:僕がけっこう好きなチップは“挑発強化”ですね。
――え、敵を挑発できるんですか?
田浦:はい。A2だけが可能な仕様なんですけど。挑発した敵は攻撃力が大きく上昇するんですが、代償に防御力もグッと下がるので、ハイリスクハイリターンな戦いが楽しめます。
根岸:僕はこれをつけて、空中に敵を打ち上げたあとに挑発しまくって、敵も強くなるし自分も強くなるっていう遊びをしていました。ちなみに、挑発自体はA2しかできないのですが、それだとちょっと味気ないとも思いまして、ポッドを利用して敵を挑発することもできるようにしています。
――ポッドですか? ちっとも気づきませんでした。
根岸:ポッドって、スティックの押し込みでライトをつけることができるじゃないですか。それを敵に向けてパッシングすると、敵が怒って挑発と同じ効果が得られます。
――それはおもしろい!
根岸:最初にライトの機能が実装された時は、この仕様はなかったんですけど。僕が1人でパッシングをして遊んでいて、「これで怒ったらおもしろいよね」ってお話ししたところから、こういうくだらないオマケ機能が実装されるという……。
▲敵を空中に打ち上げて、ライトを当てて挑発……。慣れるまではなかなか難しい? |
――プラチナゲームズはすごいなぁ(笑)。
田浦:だいたいこういう変なやつは根岸が考えたものが多いです(笑)。
――失礼は話ですけど、ものすごくくだらないですけど、大好きです。こういう遊び心。
根岸:ちなみに、同じチップでも重ねてつければ効果は重複します。序盤など、チップの種類がそろっていないうちは、同じチップでもいいのでぜひセットしておいてください
田浦:先ほど話した衝撃波を放てるようになるヤツも、いくつか重ねて付ければそれなりの威力になりますので侮れないんですよ。
――チップ関連では、何より最初にメモリを増やすことが一番ではないかと思っています。
田浦:ストレージの増設ですね。それは間違いなくオススメです。レジスタンスキャンプでメモリを増やすことができるので、お金を貯めたらまずはストレージを増設すると楽になります。
――ゲームに慣れている人はわかると思うんですけどね。わかっていない人は武器とか買っちゃうんじゃないですかね。
根岸:武器買うのは楽しいですからね。ただ、素材がないと強化もできませんし、優先順位としてはそれほど高くないかもしれません。もちろん、人それぞれではありますけどね。
金策にオススメのポッドプログラムなど、プレイのコツを聞く
ヨコオ:じつはこのゲーム、普通にプレイしているとお金が足りなくなりがちなんですよね。しかも、ビギナーの方であるほどその状況に陥りやすいんです。
――なるほど。回復薬を買って使っていくうちに、金欠になって武器が買えなくなり、結果、攻撃力不足で被ダメージが増えていく……的な詰まり方はあるかもしれませんね。
ヨコオ:それを回避するためにも、根岸さんが言っていたような自動回復系のチップは重要なんですけど。そもそも、お金をしっかり稼ぐ財テクは知っておいてほしいなと思うんですよ。
――具体的には、どんな形でお金を稼ぐのが効率的なんでしょうか?
田浦:本作には換金専用のアイテムがかなり実装されているので、どんどん売り払ってもらいたいと思います。プレイヤーの性分としては、そういったアイテムも残しておきたい気分になると思うんですけど、ガンガン売ってお金にしてもらって大丈夫です。その他の使い道はありませんので。
根岸:さまざまな要素が実装され、いざプランナーチームでテストプレイをした時に、お金がちょっと足りないよねって話になりまして。いろいろな金策の情報がチーム内で飛び交いました。「魚釣りがアツい」とか「白いイノシシを倒してレバーを売るのがいい」とか、みんなが自分の体験談を共有するようになりまして(笑)。
実際、魚や動物の肉といったアイテムはいいお金になるんですよ。ゲームの中ではそういう誘導は全然していませんが、ぜひお試しいただければと思います。
▲電撃の攻略班でも、魚釣りやイノシシ狩りが流行しています。 |
ヨコオ:田浦さんもおっしゃっていましたが、説明文に“ショップで換金できる”って書いてあるものは、換金以外のなにものでもないアイテムです。この文字があったら迷わず売ってもらえれば。
根岸:あと、遊園地で手に入るアイテムは、けっこう高値で取り引きされていたりするんですよ。
ヨコオ:機械生命体のコアとかもかなり高値で売れますよね。
――でも、コアってボス敵以外はランダム入手ですよね?
根岸:そうですね。ボスが確定で落としますので、それを売ってもらえれば。
【金策オススメアイテム】
・魚(釣り)
・動物の肉(イノシシなどを倒す)
・機械生命体のコア(ランダムドロップ、ボスから確定ドロップ)
・廃虚の遊園地で手に入るアイテム
・説明文に“ショップで換金できる”と記載されているもの
――それでお金を稼いで、ストレージを増設して、チップでキャラを強化していくっていう感じなんですかね。ちなみに話は変わりますが、自爆ってなんの効果があるんでしょうか?
ヨコオ:自爆は近くにいる敵にとんでもないダメージを与えるっていう最終手段です。代わりに自分は残りHPが1になり、一定時間動けなくなるという、まさに自爆技ですね。ここぞというときに使っていただければと。
――あれは物語の設定的に、使い続けるとよくないんだろうと思って、あまり使わなかったんですけど。リスクはないんですか?
ヨコオ:じつは大丈夫です。自爆だけでクリアしてもらってもかまわないくらいです。
田浦:それはさすがに難しいと思うんですけどね(苦笑)。
ヨコオ:まぁでも、普通は使わないですよね、自爆。
――そこら辺も含めて、田浦さん根岸さんの遊び心が発揮されているってことですかね。
田浦:そうですね。いろいろな人の遊び心がちょっとずつ入って、それをうまいことヨコオさんがまとめてくれたなと。
ヨコオ:いや、まとめてないですけど。
根岸:いやいや、前作のファンだっていうスタッフが多かったこともあってか、各自が異様なほどのこだわりを盛り込んできたので。うまくヨコオさんにまとめてもらえたと思っています。
ヨコオ:いやいやいや。まとめてないです。
田浦・根岸:いやいやいやいや(苦笑)。
――あと、ポッドプログラムってどれがオススメなんですかね? 僕はレーザーで押し切っちゃったんですけど。
田浦:ゲームバランス的に、これは必ず使わないと倒せない……みたいなものは用意していないので、どれを使ってもらっても大丈夫です。
――では、オススメのプログラムってありますか?
田浦:回避が苦手でダメージを受けるな……って人は、シールドをつけてもらうといいと思います。あと、キャラクターが飛び上がってポッドをつかみ、敵に投げつけるというプログラムもあって、これもバランスがいいのでオススメです。
根岸:たしかに。広い範囲に攻撃判定がありますし、プレイヤーが一時的に上に逃げるので回避としても使うことができますからね。かなり使い勝手がいいと思います。
田浦:もし悩んだ時は、ポッドそのものを強化するのもアリですね。それによってバルカンやレーザーの性能がちょっと上がっていくんですよ。たとえば、レベル2になると初弾だけ威力が高くなるので、押しっぱなしではなく連打した方が効率がよくなったりもします。
――なるほど、そんな仕様が。
田浦:レベル3になると、長押ししているとチャージされて、そのまま離すとちょっと特殊な攻撃を繰り出したりもできるようになりますので。お金はかかりますけど、遠距離攻撃主体で戦うという方は、ポッドの強化はかなり楽になるので覚えておいていただければと思います。
――本日はありがとうございました!
3月31日に攻略設定資料集が発売。キャラ&ストーリー解説やヨコオタロウ氏による短編小説なども収録!
本作の攻略情報と設定資料を収録した『NieR:Automata Strategy Guide ニーア オートマタ 攻略設定資料集 ≪第243次降下作戦指令書≫』を3月31日に発売します。価格は2,500円+税。仕様はB5判・304ページとなっています。
やり込みに役立つ攻略データに加え、ネタバレ注意のキャラクター&ストーリー解説も収録!
ディレクター・ヨコオタロウさんによる短篇小説、小説家・映島巡さんによる書き下ろし小説2篇も読める『NieR:Automata』ファン必携の1冊です。
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