2017年4月15日(土)
ガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用アプリ『ディバインゲート』のストーリーを振り返る特別企画をお届けします。
本記事でクローズアップするのは、主人公の1人であるギンジ。彼が第一章“黄昏の審判”でたどった物語を紹介していきます。
▼INDEX |
[1]無による衝動で破壊を続ける少年・ギンジ |
[2]地底郷<アガルタ>での無の試練 |
[3]ガレスの力試し |
[4]ギンジの初恋と、その終わり |
[5]極東庭園での花獣たちとの戦い |
[6]北欧神・ヘルヴォルの妨害 |
[7]扉の君との最終決戦 |
【キャラクターチェック】無英斧士ギンジ編 |
【キャラクターチェック】無精王ゼロ編 |
【キャラクターチェック】秘書猫トキワ編 |
やりたいこともない、夢なんてない、将来なんてどうでもいい。いつも何事にも無関心なギンジは、そんな“無”を好んでいた。
斧型ドライバのヤシャヒメを振り回し、力こそが正義だと、力だけを信じたギンジ。彼は、自分さえよければ他はどうでもいいと、残酷なまでに、自分以外のすべてをこなごなに粉砕する生き方をしていた。
力を増した斧士ギンジは、進化したドライバ“ヤシャヒメ:弐式”を手に暴れ倒す。
「このまま全て、無くなってしまえばいい」。手にした“無”の力に酔いしれるがまま、ギンジは破壊を繰り返していた。
●“斧士ギンジ”のプロフィール
力を増した【ヤシャヒメ:弐式】を手に暴れ倒す。全てを、交わった世界を無に帰す為に。このまま全て、無くなってしまえばいい。手にした「無」の力に酔いしれるがまま破壊を繰り返すギンジ。それが、その力が生まれた理由であるかの様に。無を求めるが故の、無による衝動は、全てを無に帰すまで終わらない。
そんな彼だが、アカネたちとの出会いをきかっけに少し意識が変わり始める。「友達ってヤツも、悪いもんじゃないな」と。
●“黄昏の審判:無の軌跡”より
少年には何もなかった。周りが羨ましかった。だが、少年は旅を続け、自分の存在の理由に気がついた。そして、そんな少年と友達になってくれた五人がいた。友達ってヤツも、悪いもんじゃないな。だから少年は、一人、別の道を進んで行くのだった。
ディバインゲートの存在を知り、天界へ向かったギンジは、無を司る大精霊のゼロに出会う。彼女もまた、ギンジと同じように「自分は何の為に産まれたのだろうか、産まれたことに意味はあるのだろうか」と、自分の存在理由に頭を悩ませていた。
「我は想ふ、無とはこの世の理なり。我は問う、果たしてそれが真実か」。無の起源<オリジン>でありながら、自分の出生すら知らない無を司る精霊のゼロに諭されるように、無斧士ギンジも無の持つ意味に疑問を感じ始めていた。
ヤシャヒメ:参式へと進化したドライバを手にしたギンジは、すべてを無に帰すという黄昏の審判の真意を見極めに、ゼロとともに常界<テラスティア>へと向かった。
●“無斧士ギンジ”のプロフィール
我は想ふ、無とはこの世の理なり。我は問う、果たしてそれが真実か。無の起源<オリジン>でありながら、自分の出生すら知らない無を司る精霊に諭されるが如く、無の持つ意味に疑問を感じるギンジ。全てを無に帰すという黄昏の審判の真意を見極めに、【ヤシャヒメ:参式】と共に常界<テラスティア>へと。
ギンジぼんのプロフィールでは、彼は乱暴そうに見えても、意外と友だち思いだということが語られている。
ちなみに、ここに記載された“残念な恋”とはトキワへの恋心のことで、黄昏の審判の際、ギンジが極東国を訪れた時に詳しく語られる。
●“ギンジぼん”のプロフィール
ギンジぼんはよくわからないぼん。無ってなんだぼん。そんな概念の話をされても困るぼん。乱暴そうにみえて、意外と友達思いらしいぼん。あと、残念な恋をしたことがあるらしいぼん。残念な奴だぼん。だけど、それでもギンジぼんはめげないぼん。そういうところが、きっとギンジぼんの良いところなんだぼーん。
また、ギンジ:幼少期のプロフィールでは、彼が普通の両親と普通の兄と弟ともに、何不自由なく暮らしていたことが示されている。
●“ギンジ:幼少期”のプロフィール
お題は夢、希望、未来です。だが、少年が提出した作文は空白だった。なにも記されていなかった。普通の両親の元に生まれ、普通の兄と弟に挟まれ、何不自由なく暮していた少年には、特別な未来などなかった。何者でもなく、何かを持っていたわけでもないギンジ。だが、それこそが幼き少年を動かした衝動だった。
▲無英斧士ギンジ。 |
●高野メモ
みんな大好きなギンジです。無属性の主人公だったので、わりと発注時のイメージはまとまりやすかったです。無気力でありながらも、力を秘めている、というような。
乱暴なイメージのキャラクターでしたが、仲間想いのキャラに成長してくれました。そういえば、キンイチとドウゾウはいまなにをしているのでしょうか。きっと、どこかでギンジを見守っていると思います。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
『ディバゲ』で一番はじめに描いた男キャラになります。自分はとても気に入ってるのですが、人気投票では主人公の中で唯一ランクインしないという闇を抱えていましたが、それすらもギンジらしいと言えるようなキャラに成り上がってくれたのがよかったです(笑)。
そんなギンジだからこそ人一倍かっこよく描いてあげたくなる、そんなキャラです。
ギンジとゼロが向かった常界の地底郷<アガルタ>。そこには、何もなかった。
無の試練を受けたギンジは、他の5つとは異なる力、自分に与えられた力のみが持つ真実を知る。生まれ変わったヤシャヒメ:ミヤビを携えた絶無斧士ギンジは、交わった統合世界<ユナイティリア>の“交わってしまった”という事象を“無”に帰すためにアカネたちと同じ道を歩もうと決めた。
●“絶無斧士ギンジ”のプロフィール
無の生まれた真実を求め、地底郷<アガルタ>へ。他の5つとは異なる力、自分に与えられた力のみが持つ真実を。全てを知ったギンジは生まれ変わった【ヤシャヒメ:ミヤビ】を携え、皆と同じ道を歩み出す。それは、交わったこの統合世界<ユナイティリア>の、交わってしまった、という事象を「無」に帰す為に。
そんなギンジとリンクしたゼロは、「自分の産まれたことに意味はなかった」ことに気付く。そして、無と無の共鳴<リンク>は繰り返される空白であり、その空白こそ“選べる未来”だと気付いた時、彼女は無精王ゼロへと生まれ変わった。
何者でもないゼロは、何者にでもなれる少年ギンジとともに旅を続けるのだった。
▲無精王ゼロ。 |
●高野メモ
ちょっとサイバー系なイメージで発注しました。ゴーグルだったり、ビニール素材のジャケットだったり。なかなか参考になる画像がなくて、伝えるのを苦労したのを覚えています。とてもクールでビューティーに仕上がったなぁと思います。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
シリーズでゼロ以外のキャライメージはすぐにかたまったのですが、ゼロだけ仕様も少なく、イメージを固めるのが難しかった記憶があります。
主人公のコンビの中では、この2人の組み合わせがとても好きです。バイクがとても似合いそうなコンビで、バイクとサイドカーに乗った2人のイラストなんか描いてみたいなぁと思っていました。
無の試練を終えたギンジは、アーサーの部下である円卓の騎士の1人である聖銃士ガレスと出会い、交戦する。
ガレスの目的はアーサーから頼まれたギンジの力試しだったが、若さゆえの過ちを犯そうとするギンジを正したいという気持ちも強かった。
ガレスはギンジに力の使い方を間違っていることを諭して、去って行った。
●“聖銃士ガレス”のプロフィール
聖王の真意に反対しながらも、若き世代への橋渡しをすべく聖銃士へと。若さ故の過ちを犯そうとする絶無の斧士を正す為、可変させた【ボーマン:リボルブ】で応戦を。傷ついた体と心が癒えるよう、戦いの後に機関の仲間達へ振る舞うスープは薄口、だけどそれが、戦うことしか知らない皆の、一番の安らぎだった。
自分の役割と力の使い方を意識し始めたギンジは、花獣に力を借りるため、故郷である極東国<ジャポネシア>を目指す。花獣にはすべてを塗りつぶす力を持つ者がおり、それによって統合されそうな世界の悲しみを無に帰す、すなわち、塗りつぶそうと考えたからだった。
●“極東庭園マツ”より
常界<テラスティア>の極東国に位置する無の庭園には穏やかな時間が流れていた。水のせせらぎに小鳥のさえずり、心を無心にすることが出来る静かな空間。そんな庭園の主は、全てを塗りつぶすことが出来るという不思議な筆を持っているという。
極東国に到着したギンジは、枯れることを知らない桜の前で、無才メビウスが開発した第五世代自律兵器型ドライバであるアワユキの襲撃を受ける。
アワユキの諸行無常の響きの後に続いたのは、鞘から刀を引き抜く音。その場に居合わせた死刑執行学園の剣学部に所属する無刑者ムミョウガタナは、ギンジに力を貸す。
●“アワユキ:ミヤビ”のプロフィール
圧倒的な破壊力を前に、止むを得ず力を共にした無の斧と刀。生憎と罪人以外を斬る趣味はないのでな。最期のひと振りを少年に預け、無刑者は一足先に刀を収めた。綺麗に咲き誇る桜の下、再起動<リブート>を終えた【アワユキ:ミヤビ】が自らの存在理由を口にした頃、無刑者の背中は既に夕日の先へと溶けていた。
「生憎と罪人以外を斬る趣味はないのでな」。最期のひと振りをギンジに預け、ムミョウガタナは刀を収めた。こうして、再起動<リブート>を終えたアワユキ:ミヤビはギンジの仲間に加わった。
アワユキを開発した無才メビウスは、そもそも予言者としてもてはやされていた。だが、世界を混乱に陥れた聖なる扉の出現を予言したことで、尊敬は畏怖に変わる。
彼女は本当の名前を捨てて“メビウス”と名乗るようになり、義耳型ドライバ“ループ”で耳を閉ざした。
●“メビウス”のプロフィール
天才の出現に、世界が沸いた。予言により免れた事故や天災。彼女が聞いたのは、未来の声。そして、次に予言された聖なる扉。だけど、扉が開かれたその時、彼女は悪魔の子と呼ばれ、痛烈な批判を浴び、世界に裏切られた。後にメビウスの名で人前に現れた時、彼女は義耳型ドライバ【ループ】で耳を閉ざしていた。
世界評議会に招かれ、聖暦の天才の1人となった無才メビウスは、自立型ドライバのノントロンを開発。世界各地で目撃された所属不明のドライバであるノントロンは、統合世界の監視役としてメビウスに映像を送っていたのだった。
そのデータはロキを通じて聖暦の天才にわたされ、アカネのデータからはシラヌイ、アオトのデータからはサミダレなど、6体の機械娘が開発されることになる。
●“ノントロン:ドライ”のプロフィール
未来の声が聞こえなくなってしまった無才は、それでも開発を続けていた。阻まれた正当進化に気付かないフリをしながら、少しでも世界の情報を集める為に【ノントロン:ドライ】を作り続けた。自分は利用されている、そんなことは百も承知だった。いずれは暴走してしまう自立型ドライバに、僅かな希望を託した。
無才メビウスがオリジンの設計図とギンジのデータをもとに開発した機械娘はアワユキだが、彼女だけはもう1体の機械娘であるレプリカを開発していた。
このレプリカは原初の機械であるオリジンに限りなく近い形を求めて開発したもので、あえてアカネやギンジなどのデータは使わず、設計図を忠実に再現した偽物として作られたのだった。
●“レプリカ”のプロフィール
【レプリカ】の名が与えられた第五世代自律兵器型ドライバは、光届かない破要塞<カタストロフ>に閉じ込められていた。止まったままのエレメンツハート。あぁ、ボクを呼ぶ声がする。ボクを求める声がする。迎えに来たよ、さぁ、聖なる入口<ディバインゲート>へ向かおうか。悪戯王はリミッターに手をかけた。
ロキは、聖なる扉へ向かった聖王アーサーを止めるために、レプリカをディバインゲートに差し向けるが、聖王アーサーに破壊されてしまった。
さらに、壊れたレプリカの前に現れたオリジン:マキナは、「あなたに、羽ばたく翼は与えられなかったのね」とレプリカの4本の腕を壊したのだった。
黄昏の審判の終了後も、メビウスは世界評議会に残り、破要塞<カタストロフ>でレプリカの修復を行うことになる。のちに、そんな彼女の元にグリモア教団の六波羅の1人である無波獣スクェアが現れ、レプリカの破壊をもくろむことに。
そのエピソードの顛末は、第三章“大いなる「希望=絶望」”で語られることになる。
とある定食屋で風拘獣トキワと出会ったギンジは、恋に落ちる。トキワが悪戯に投げる視線で、さらに赤くなるギンジ。
だが、残念ながらギンジは、トキワの拘束着が、男を示す黒色であったことを知らなかった。のちにトキワの性別を知り、ギンジの初恋は終わりを告げた。
●“風拘獣トキワ”のプロフィール
ありがとにゃん。風拘獣トキワは少女にお礼を告げ、小銭を片手に焼き魚を求め、定食屋の敷居を跨いだ。ふと向かいのテーブルに目をやると、まるで恋する思春期の様な赤ら顔の少年と無表情の自律兵器の二人が。悪戯に投げる視線、更に赤くなる少年。ただ少年は彼の拘束着が、男を示す黒色であったことを知らない。
ギンジの仲間になったのはトキワだけでなく、なぜか霊乙女ゴーストも旅の同行者に加わっていた。
トキワの性別を知り、失恋をして肩を落としたギンジの前に、突如、夢幻の駅が出現する。駅の汽車から降りたったのは、竜王であるノアの部下であるラショウだった。
「漢が何を落ち込んでおる」と問いかけるラショウに対して、「俺の気持ちがわかるのかよ」と、恋に破れた少年は斧を振り上げた。
●“ラショウ”のプロフィール
無に帰すことが叶わなかった白い日の約束事、肩を落とした少年の前、何も無かったはずの空間に、何事も無かったかの様に夢幻の駅が存在していた。汽車から降り立ったのは鎧型ドライバ【イバラキドウジ】を纏ったラショウ。漢が何を落ち込んでおる。俺の気持ちがわかるのかよ。恋に破れた少年は、斧を振り上げた。
ギンジの力を認めた無番人ラショウは、黄昏の審判を止めるために、ギンジを夜汽車に乗せて聖なる扉に導こうとしたが、ギンジはこれを拒否。
「おかげで目が覚めたよ、俺にしか出来ないことをするんだった」。少年は汽車に乗らず、自らのその足で極東庭園を目指して歩き出すのだった。
ギンジの恋は終わったが、その後もトキワとは良好な関係が続いている。例えばギンジの誕生日には、トキワからケーキを贈ってもらっている描写がある。
●“ギンジ:BD2016”のプロフィール
トレーニングを終え、自室へと戻ってきたギンジの目の前にはケーキが置かれていた。そういや、忘れてたわ。そう、今日は四年に一度のギンジにとって大切な日。だが、少年はすぐに違和感に気がついた。このケーキ、生臭ぇな。そして、ソファの後ろに隠れた人影に気づかないフリをして、そっと呟いた。ありがとな。
ちなみにホワイトデーの際には、ギンジは大切な人(トキワ)のためにコドラシェルチョコをわたそうとしていた。
●“コドラシェルチョコ”のプロフィール
ホワイトデーはお返しの日だと誰が決めたのだろうか。そんなルールを無に帰すかの様に一人の少年はショッピングモールへ。そう、大切な人へと渡すプレゼントを買う為に。ただ、そんな想いとは裏腹の重い足取り。それでも必死に、一歩一歩前へ。遂に辿り着いた洋菓子店、コドラシェルチョコは飾られていた。
だが、もじもじしてしまったギンジは20分以上もチョコを渡せず、コドラシェルチョコはドラシェルチョコとなって暴れ出してしまった。
「僕に嫌がらせだなんて、いい度胸してるにゃん」と怒るトキワ。ギンジのホワイトデーは、こうして終わりを告げた。
●“ドラシェルチョコ”のプロフィール
二人顔を合わせてから、既に20分が経過していた。渡すことの出来ない思春期の少年は、ただ頬を赤く染め立ち尽くしていた。神様、俺に勇気を。背中に隠したプレゼントを出そうとした時、訪れた時間切れ、暴れだすドラシェルチョコ。僕に嫌がらせだなんて、いい度胸してるにゃん。少年のホワイトデーは終わった。
▲秘書猫トキワ。 |
●高野メモ
最初トキワは女の子で発注していましたが、ラフのチェックかなにかのときに「男の娘にしていい?」とイチノセさんに相談したのを覚えていて、二つ返事で「いいですよ!」と返ってきたのを思い出しました。
ただ、ラフのときから黒い拘束着を着ていたので、もしかしてイチノセさん本人は、最初からそのつもりで描いていたのかもしれません(笑)。
●デザイナーコメント(イチノセ セノイチさん)
あ……ありのまま あの時 起こった事を話すぜ! おれはかわいいケモッ娘を描いていたと思ったら いつのまにか雄っていた。
な……何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何をされたのかわからなかった。ただ……テンションは上がったんだ。
ギンジは花獣に出会うため、6つの極東庭園を回ることに。無の庭園で無花獣マツ、炎の庭園で炎花獣キリ、光の庭園で光花獣ススキ、水の庭園で水花獣フジ、闇の庭園で闇花獣ヤナギと出会い、力試しを受けるギンジ。
●“無花獣マツ”のプロフィール
神の手のひらの上で綴られ続ける悲劇、それは決して覆すことの出来ない約束された未来。だけど、唯一の対抗手段として、その全てを塗りつぶし、そして無に帰す。それこそが絶無の少年にしか出来ない役目だった。その覚悟、受け止めよう。無花獣マツは残り五つの庭園の地図を手渡し、そして力になると約束をした。
ヤシロの眷属である花獣たちは、さまざまなことを知っていた。ススキからはヒカリの出生の秘密、フジからはアオトとウンディーネの危機、ヤナギからはユカリが常界を裏切って魔界の女王になろうとしていることと聞かされるギンジ。
「きっと、アイツなりに考えがあってのことさ」。仲間を信じる気持ちが揺らぐことを感じつつ、ギンジは最後の庭園である風の庭園へと急ぐ。
●“闇花獣ヤナギ”のプロフィール
彼女は聖なる扉を目指してないよ。それは少年の友達であり、幼き日を失くした一人の少女の話。後ね、彼女は君を、この常界を裏切ろうとしているのさ。赤い月の夜、確かに少女は魔女王の座に。きっと、アイツなりに考えがあってのことさ。繰り返し続く悲劇、発した言葉とは裏腹、信じる気持ちは揺らぎ始めていた。
「やっと、無に帰れるんだ」。旅の終着点が近付いたギンジは、もうすぐ自分の役目が終わると思いつつ、友の存在を思い浮かべ、少し寂しくも感じるのだった。
●“黄昏の審判:無の軌跡”より
仲間達と旅する極東国。出会い、別れ、目指すべき終着点。この旅が終われば、自分の役目は終わる、少年はそう思っていた。やっと、無に帰れるんだ。だが、少年は少し寂しかった。何も持たなかったはずの少年に、大切な友達が出来てしまったから。
風の庭園を目指す途中、ギンジの前に道化竜オズによって召喚された北欧神のヘルヴォルが立ちはだかる。
ティルファング:プロトが姿を変えた神刃型ドライバ“ティルファング”を持つ無神ヘルヴォルは、霊乙女ゴーストとアワユキ:ミヤビを消滅させる。
ちなみに風拘獣トキワは、「こんなの聞いてないにゃん」と一目散に逃げ出してしまった。
「何でだ、何でなんだよ」。がっかりするギンジだが、悲劇は続く。ついには無精王ゼロまで、「無を恐れるな、少年よ」という言葉を残して、ヘルヴォルに倒されてしまった。
●“無神ヘルヴォル”のプロフィール
ちょっとだけ間に合わなかったね。最後の庭園に辿り着こうとしていた無の少年の前に現われた無神ヘルヴォル。ふわふわ、消えた霊乙女。緊急事態発生、消えた自律兵器。こんなの聞いてないにゃん、逃げ出す拘束獣。何でだ、何でなんだよ、失意の少年。無を恐れるな、少年よ。無精王は少年を残し、無へと帰した。
仲間たちを失っても、ギンジは涙を流さなかった。そんなギンジに、消えたはずのゼロの声が聞こえる。「安心しろ、我は姿無くとも傍にいる」と。
●“黄昏の審判:無の軌跡”より
悲劇を塗り潰す力に辿り着こうとした矢先の突然の襲来により消えゆく仲間達。無くした心、流れない涙。残ったのは無神と少年の二人。そして、消えたはずのもう一人の存在。安心しろ、我は姿無くとも傍にいる。それは、存在しえない証明だった。
一方その頃、自らが召喚した北欧神の風神ヘズが、自分の愛する家族である道化嬢ドロシーの命を奪ってしまったことに絶望した道化竜オズは、自分の魔力を犠牲にして北欧神の力を改変。アカネやギンジたちに未来を託す。
こうしてゼロと同化した無英斧士ギンジは、改変されて弱体化した無神ヘルヴォルを撃退したのだった。
ギンジとヘルヴォルが戦っていた頃、最後の庭園である風の庭園の風花獣ウメはギンジの到着を待ちわびていた。だが、彼はいつまでたってもやって来ない。
少年の身に、何かがあったのだろうか? そんな不安を忘れようと、ウメが敷き布団に横になって眠ろうとした時に、息を切らせた猫がやってきた。
「僕が、アイツの代わりに、戦うにゃん」。それは、逃げ出したはずの風拘獣トキワだった。
トキワはギンジと北欧神の戦いの話を伝え、その話はヤシロへと届く。そしてヤシロは、六羽の鳥(無花獣マツ、炎花獣キリ、光花獣ススキ、水花獣フジ、闇花獣ヤナギ、風花獣ウメ)と、一匹の猫(風拘獣トキワ)とともに、悪戯神ロキとの決着をつけるために神に抗う塔へと向かったのだった
●“風花獣ウメ”のプロフィール
いつまでも訪れない少年の代わりに、葉音一つ聞こえない静寂が訪れていた。少年の身に、何かが。敷き布団に横になったのは、嫌な予感を眠らせる為。目を閉じた矢先、微かに聞こえた足跡。一気に近づく足音。慌て飛び起き外に出ると、そこには、息を切らした一匹の猫が。僕が、アイツの代わりに、戦うにゃん。
ヘルヴォルを倒したギンジは、聖なる扉を目指して神に抗う塔へと向かう。そこでアカネ、アオト、ミドリと合流したギンジは、ロキの再創<リメイク>を阻止するために扉の君:完全体と戦い、勝利する。
●“黄昏の審判:無の軌跡”より
少年の旅は終わり、無事に辿り着くことの出来た聖なる入口。だが、揃ったのは四人だけだった。きっとアイツらも、自分の戦いをしているんだ。その場の敵に、開かれた扉の神へと意識を集中する少年。例え、全てを、無に帰すことが出来なくても。
クロノスは扉の君を刻の狭間に封印し、これによって“黄昏の審判”は終結を迎えたのだった。だが、アカネ、アオト、ミドリは、ロキの策略によって、扉を開いた咎人として指名手配されてしまった。
逆にギンジは、新生世界評議会の最高幹部に就任させられ、自由を奪われてしまうのだった。
●“黄昏の審判:無の軌跡”より
新生世界評議会最高幹部の席に就いた少年は全てを知っていた。あの時あの場所で、何が起きたのか。だが、少年は何も語らなかった。今のうちに、どうかあの二人を。それは現れなかった二人。あの三人なら、きっと。それは咎人の三人のことだった。
黄昏の審判ののち、風拘獣トキワはギンジに任命されて、彼の秘書として世界評議会で働くことに。
秘書猫トキワはギンジのために新生世界評議会の裏側を探り、隠されていた陰謀にたどりつくことになる。
●“秘書猫トキワ”のプロフィール
与えられた衣食住、そこに不満はなかった。だが、いつまでも満たされない心。なんでだにゃん。秘書猫トキワの瞳に映るのは、慌ただしい毎日と、煮え切らない誰かの横顔。そっか、わかったにゃん。だから、彼は少年に寄り添った。そして、探り始める世界評議会に隠された真実。別に、誰かのためじゃないにゃん。
【第二章“完全なる落日/黄金の夜明け”は4月22日(土)夕方ごろに公開予定です】
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