2017年2月22日(水)
2月18日~19日に、ドイツ・フランクフルトで開催された“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2017 in Frankfurt”。
2016年10月にアメリカ・ラスベガス、12月に日本・東京と開催されてきた“FINAL FANTASY XIV FESTIVAL”もついに最後ということで、新ジョブ、新エリアを含め、多くの情報が明らかになりました。
ここでは、会場“Festhalle - Messe Frankfurt”や、訪れた欧州の光の戦士たち(日本からの参加者さんも複数いた模様!)の様子をレポートしていきます。
■1日目ステージスケジュール
10:30(日本時間18:30) 基調講演
13:30(日本時間21:30) 開発パネル ~The Art of Eorzea~
16:00(日本時間24:00) コスプレコンテスト
17:00(日本時間25:00) アートスクール ~みんなでチョコボを描いてみよう!~
19:00(日本時間27:00) ピアノコンサート
1日目のステージプログラムはこちら。基調講演はもちろんのこと、リードキャラクターコンセプトアーティストの茂木雄介氏が出演した開発パネルや、コスプレコンテストなどでも多くの人がステージ前へ押し寄せ、1階席は常に満員となっていました。
1階席は……とあえて言ったのは、今回の会場が中央吹き抜けのドーム型となっていて、2階、3階にも多数のお客さんが自由に入場可能となっているから。
こちらは午前9時前に開場となった直後の写真。このあと続々と人が入り、基調講演前には3階まで人が詰め寄せる状態になっていました。
ちなみに、基調講演直前にお客さんの1人が“某イイ騎士”のフォトパネルを掲げてステージの前面にお供えし、大きな歓声を得る一幕も。下の写真はそのフォトパネルを撮影しようと集まった1階席の方々です(基調講演後、フォトパネルはユーザーの休憩所となるMOGHOME RELAXATION AREAのメッセージボード前に安置されました)。
その後、時間が来て会場は暗転し……みなさんご存じのとおり『紅蓮のリベレーター』フルバージョンのPVが公開されました。
とくに印象的だったのは、やはり侍が登場した瞬間。会場中が歓声で埋めつくされ、居合い斬りモーションで敵を斬り捨てたときは興奮の叫び声が其処此処からあがるなど、会場のボルテージが一気に最大に。その後は、吉田P/Dが侍コスチュームで登場し、一連の新情報がお披露目となりました。
途中からは『FF』シリーズの音楽の生みの親である植松伸夫氏も登場。『紅蓮のリベレーター』のテーマ曲である“Revolution”の一部もここでお披露目に!
縁日のお祭りを思わせる各種アクティビティを楽しめるのも『FFXIV』ファンフェスティバルの魅力。アトラクションの傾向も国ごとに異なり、どんなものを用いてどんな風にお客さんを楽しませているのか、を眺めるだけでも楽しめます。
さて、今回のドイツファンフェスでは、これまで見たことのない類の大がかりなアトラクションがいくつも作られていました。
こちらは“クリスタルタワーストライク”。どデカいハンマーで思い切りボードを叩き……いや、ほぼ説明不要ですね。ゴールドソーサーにあるアレです。力自慢が次々に挑んでいましたが、的にうまく衝撃を伝えるのが存外難しく、最高点の鐘を鳴らせる人はなかなかいなかった様子。
大人気だったのがこの“ベヒーモスロデオ”。最初はみなさん余裕の表情なんですが、だんだん遠心力に振り回され、必死にしがみつくも叫び声をあげながら落下……! と、スタッフもプレイヤーも笑みのこぼれるエリアとなっていました。
そのものズバリ“チョコボレース”。台に空いた穴の中にボールを投げ込み、穴の得点に応じてチョコボが進んでいきます。狙った穴に入れるのは難しく、レースはかなり白熱!
ラスベガスファンフェスでも見かけた“リアル鼻息フンガー”がここにも登場。“止まれ”のデバフがプレイヤーにかからないのは仕様です。
アトモスの顔が妙にかわいい“WHAT’S INSIDE ATOMOS”。口の中に手を突っ込み、中に入っているものを当てます。おっかなびっくりの表情で挑む方が大多数だった模様。
ミニゲームはほかに、輪投げの“PUT A RING ON IT”、アシエンの顔が刻まれた缶にボールを投げる“ASCIAN ASSALT”、ミニボーリング的な“REVENGE ON TITAN”、ゲーム内のダンスを真似て踊る“TIME OF MY LIFE”など多数あり、訪れた人は思い思いにゲームを楽しんでいました。
場内マップはこんな感じ。中央の赤いエリアでは“蛮神ルーレット”や“プロトアルテマ討滅戦”が行われていました。
24人バトルとなる“プロトアルテマ討滅戦”は、プレイしたところ東京のファンフェスティバルで戦えたものと同じ仕様であった様子。2日目のPLLで明らかになったとおり、2月28日に配信予定のパッチ3.35aで実装ということで、どういう形で戦うことになるか、今から楽しみですね。報酬はIL270のアクセサリーなので、サブステータスの構成にも期待です。
こちらは“MOGHOME RELAXATION AREA”のモグリン様(&親衛隊)と、巨大メッセージボード。メッセージボードは訪れた方々のコメントでびっしり!
会場の片隅には“火消しの戦士”の顔ハメ撮影パネルも。
メテオやスプリガンなどの絵柄でタトゥーシールを貼れるコーナー。常時行列ができていました。
こちらはアートギャラリー出展作品の一部。日本と比べると総数は少なめ(というより日本のリアルクラフター数が多いのかもしれませんが)でしたが、いずれの作品も愛の詰まったすばらしいものでした。
1日目のステージイベント“開発パネル~The Art of Eorzea”では、リードキャラクターコンセプトアーティストの茂木雄介氏が登場し、吉田P/Dとともにアート制作の裏話を語ってくれました。
ミンフィリアの脚の太さについてや、発注の際のやりとりなどなど興味深い話が飛び出し、会場は大いに沸きましたが、光の戦士たちの心をさらに鷲づかみにしたのは、ステージイベント終了後のライブアートブースでの仕事っぷり。
のちの2日目ライブ直前に、ステージで作業のスタートから完成までがダイジェストで流されましたが、ここではより詳細に制作の様子を紹介できればと思います。
さて、そもそもこのブースは、作業用PCを前にした茂木さんが1日1枚ずつひたすら絵を描くというコーナー。
1日目は完成までほぼずっと見入ってしまったわけですが、その間一度も“Ctrl+Z(直前の作業をやり直す)”を使わず、手直しなど余計な作業も発生させず、複数のアセットを切り替えつつ、完成に向けて最短工程を駆け進んでいました。その作業の淀みのなさとスピード&正確さは本当にスゴいのひとこと。
まずは、ささっと線を引き、10分程度で下絵を完成(写真は2日目の完成発表時のもの)。この時点でもうスゴい。その後、荒いブラシでいったん全体を黒く塗りつぶします。
あらかた塗り込んだあとは、ブラシツールで黒い部分を削り、色の濃淡を出していきます。この工程、最初は「今いったい何をやっているんだろう」といった感覚で見ていたのですが……。
いつの間にかこんなことに。黒の中からエスティニアンの造形が浮かび上がっているのにお気づきでしょうか。ここまでの所要時間、なんと20分足らず。
背後のニーズヘッグも同様に浮き彫りにしていきます。複数のツールアセットを的確に選んで、一瞬も迷わず進めていくのがスゴすぎる。
黒から削り出すだけで細かい光沢も表現。ここまで約45分……といったところで、茂木さんはいったんコスプレコンテストの審査のためステージへ出張。
戻ったのち再開。今度は色をつけていきます。エスティニアンの青はブラシで、ニーズヘッグの顔付近――淡い緑の部分はグラデーションツールで一瞬にして完成。口の赤、背中の錆赤なども色を調整しながら塗っていき……。
完成(写真は2日目の完成発表時のもの)! 所要時間は計90分ちょいでした。早すぎる!
2日目の完成発表会では「茂木」コールが起こるほどの盛り上がりでした。作業中も多くの人が作業風景見たさに現場に押しかけていたようです。
1日目に行われたコスプレコンテストは、吉田P/Dの「過去に例を見ないほど審査が難航した」との言葉どおり、どの出場者も甲乙つけがたいほど素晴らしい衣装を披露してくれました。
とくにデブチョコボコスチュームの方は会場オープン前からその姿で歩き回り、訪れたファンたちを笑顔にしてくれていたようですよ。
着ぐるみではなく、足まわりにスカート状に羽(肉?)をまとい、首から上だけ着脱可能で嘴からの視界も良好で、見た目だけでなく運動性も優れていた――!?
なお、本イベントの審査員は、松田社長、吉田P/D、室内氏、茂木氏の4人。ちなみに、通訳のAimiさんの衣装はなんと自作だったのだとか。
こちらはグランプリに輝いたガルーダ様。羽と髪の作り込みがスゴい!
そして、こちらはアートスクールの様子。
『FFIX』や『チョコボの不思議なダンジョン』のアートワークを手掛けた板鼻利幸氏がビデオレターでチョコボの描き方をコーチし、それを見本に欧州コミュニティチームの方々がイラストを描く流れでした。コーチの甲斐はあったのか……は、ぜひ放送で確かめてみてください。
会場では、過去のファンフェスで最多では? というくらい、多くのコスプレ姿の人を見かけました。みなさんコスプレを楽しんでいるようで、なかには「ここにこだわってるんだ(意訳)」といった形で衣装を見せてくれる方もいましたよ。
1日目ステージのラストを飾るのは数々のピアノコンクールで受賞歴のある超一流ピアニスト、ベンヤミン・ヌス氏と、光の戦士には言わずと知れたスーザン・キャロウェイ氏、そして祖堅正慶氏によるピアノコンサート。
ファンフェス1日目を締めくくるにふさわしい圧巻の演奏力と歌唱力で会場を魅了しました。途中で植松伸夫氏も登壇し、スーザンさんとの出会いや、ともに『FFXIV』の仕事をすることになるまでのなれそめなどを語ってくれました。
植松氏いわく、スーザンさんに出会ったのは『FF』シリーズのオーケストラコンサートツアー“Distant Worlds”のアメリカコンサートなのだとか。そこでスーザンさんの歌声に感嘆した植松さんは、ちょうど『FFXIV』のボーカルを捜していた状況だったこともあって、撮影禁止の客席で急きょ動画を撮影。すぐにその動画を日本の『FFXIV』チームに送り、「すごい人がいる。この人にやらせるべきだ」と推薦したそうです。
■1日目ピアノコンサートセットリスト
不吉なる前兆(ピアノ:ベンヤミン・ヌス)
彩られし山麓 ~高地ドラヴァニア:昼~(ピアノ:ベンヤミン・ヌス)
MC -植松伸夫氏-
Dragonsong(ピアノ:ベンヤミン・ヌス、ボーカル:スーザン・キャロウェイ)
国境なき空(ピアノ:ベンヤミン・ヌス)
英傑 ~ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦~(ピアノ:ベンヤミン・ヌス)
古アムダプール市街(ピアノ、トイピアノ、段ボール:祖堅正慶)
HEAVENSWARD(ピアノ:祖堅正慶)
雲霧街の夜霧 ~イシュガルド下層:夜~(ピアノ:ベンヤミン・ヌス)
Answers(ピアノ:ベンヤミン・ヌス、ボーカル:スーザン・キャロウェイ)
演奏後、ステージではコンサートに登壇した方々のコメントを聞けましたが、その際に今日の感想を聞かれた祖堅さんの言葉はとくに印象的でしたので、あえて抜き出してみました。
祖堅氏:植松さんの“Answers”は、やっぱり特別なんですよね。なんでかっていうと、僕ら『FFXIV』を開発していますけれど、1回、失敗をして……それを乗り越えていくときの曲として胸に刻んでいるので……やはり特別な想いがあります。きっとそれはたぶんみなさんも同じだと思うんですよね。なので……植松さん、ありがとうございます。
プレイヤーにとっての“Answers”は、旧版から新生にあたっての架け橋、道しるべの灯火となった曲であることはもちろん、物語的にも、第七霊災の絶望と、新たな時代に向けて歩み出す……希望をつなぐ意思の力強さを象徴する曲として、やはり特別な印象を抱いている人が多いと思います。
個人的な意見となり、申し訳ないですが、筆者としては、大迷宮バハムート真成編の最後の最後で、ゲーム体験と相乗する形で聞いてさらに感動したことを記憶しています(……3回目のアク・モーンをホルムギャングで1人受けするときに曲の最高潮部分が重なったりとか!)。
『蒼天のイシュガルド』からスタートした方々はもしかしたら“大迷宮バハムート”未プレイの方も多いかと思いますが、第七霊災にまつわる謎に終止符を打つすばらしい物語&バトル体験ができるコンテンツですので、この機会に体験してみるのもいいかも?(現在のILなら人数制限解除で挑めばさほど苦労しないと思われます。ただ、一度下限ILで挑戦してみると……勝ったときの感動はひとしおのはず!)
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