2017年5月3日(水)
ガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用アプリ『ディバインゲート』のストーリーを振り返る特別企画をお届けします。
第三章“大いなる「希望=絶望」(2015年12月~)”では聖王アーサーを奪還するためにアカネや円卓の騎士、サンタクローズが王都ティンタジェルで戦う物語が展開します。
“大いなる「希望=絶望」2”では、王都ティンタジェルで展開するアカネや円卓の騎士、サンタクローズの戦いを解説していきます。
アカネたちに見送られたサンタクローズは、金色の装飾が施された第二世代自立型ドライバであるイザヨイ:ニシキを倒して先を急ぐ。
●“大いなる希望:サンタI”より
アカネ達に見送られたサンタクローズが対峙したのは金色の装飾が施された第二世代自立型ドライバだった。金色の奴をぶっ飛ばしたいと思ってたんだ。サンタクローズが起動させる無数の武器型ドライバ。勝負は一瞬だった。肩慣らしにもなんねぇよ。
そんなサンタクローズの前に現れたのは、再び綴られた三つの戯曲(炎戯魔マクベス、水戯機オセロ、闇戯精ハムレット)。
「だって俺は、みんなに幸せを届けるサンタクローズなんだ」。それは、小説『ディバインゲート アーリーデイズ -あの日の僕ら-』で、サンタクローズが初めてアーサーに出会った時についた“あの日の嘘”。
かつて、その小さな嘘がアーサーの瞳を色づかせたように、その言葉はサンタクローズ自身を勢いづけるのだった。
●“大いなる希望:サンタII”より
一人、聖王が待つ場所へ。だが、サンタクローズを遮ったのは再び綴られた三つの戯曲だった。悲劇なんか、見たかないね。そしてあの日の嘘を口にする。だって俺は、みんなに幸せを届けるサンタクローズなんだ。その言葉は活路へと変わるのだった。
●“大いなる希望:サンタIII”より
活路を遮る次の悲劇。あなたはロメオね。どうしてジュリエットが。運命に背きし二人の自由はかりそめだった。そして、再び綴られた悲劇はサンタクローズへ襲いかかる。運命に背いたのは、私も同じだよ。そしてもう一人、立場を捨てた美女がいた。
一度は運命に背いてロキを裏切った神叛獣ロメオと神叛竜ジュリエットだったが、その自由はかりそめのものだった。
3対1で劣勢になったかと思われたサンタクローズだったが、「運命に背いたのは、私も同じだよ」と、雪の美女エリザベートが加勢に現れる。
エリザベートもまた、浴室の美女の1人として天界から受けた招集に背き、運命に背いて立場を捨てた美女だった。
●“大いなる希望:サンタIV”より
かけつけたのは美女だけではなかった。僕も相手をさせて貰います。杖を構えたマーリン。約束は果たしたわ。銃を構えたナマリ。足ひっぱんなよ。笑みをこぼしたサンタクローズ。もちろん。笑みを浮かべたエリザベート。悲劇は終演を迎えていた。
かけつけたのは美女だけではなかった。「僕も相手をさせて貰います」と杖を構えた魔術師マーリンに、「約束は果たしたわ」と銃を構えた雪導犬ナマリ。
戯曲たちを撃破して王の間に到着したサンタクローズはそこで、“神”となった聖神アーサーと相対することになる。
●“大いなる希望:サンタV”より
俺たちの親友を、永遠の思い出を取り返しに行こう。王へと通じる道を進むサンタクローズ達。やがて現れた大きな扉。辿り着いたのは王の間。そして、目の前にはたった一つの玉座が置かれていた。だが、その玉座に『王』は存在していなかった。
▲聖者サンタクローズ。 |
▲聖叛者サンタクローズ。 |
●高野メモ
進化前はいわゆるサンタクローズで、進化後はバイオレンスなサンタで、と作りました。再醒は“覚醒サンタ”で、もうフルアーマーですね。とにかくいっぱい武器を袋に詰め込んで、と話をしたら、イチノセさんが思っていた以上に詰め込んでくれました(笑)。
パッシブスキルの意味が1年越しに変わったところについては、個人的には狙っていたことができたので嬉しかったです。
●デザイナーコメント(イチノセ セノイチさん)
はじめはイヴのお兄ちゃんという要素がとても大きく、チョイ悪ながらなんとなく妹のイヴに操作されたであろう、かわいい要素を取り入れました。
再醒進化は、表現の方向性がまだ定まっていない部分がありましたが、とにかくストーリーが熱かったということが大きな決め手となり、やはり『ディバゲ』の再醒進化は、ストーリーの影響を大きく受けることで、コンテンツとしても唯一無二のデザインが出来るのではないか、という結論に導いてくれたキャラクターです。
そんな流れから、とにかくサンタの再醒進化は全力で覚醒した主人公感を出しに行きました。
一方そのころ、円卓の騎士たちもアーサー奪還のために王都ティンタジェルへの潜入を果たしていた。
「俺達はザコでも掃除するか」。ロア=ユーウェインとラン=パーシヴァルは背中を預けあい、敵をひきつけ、他の騎士たちを先に進ませる。
●“大いなる希望:円卓A I”より
王都中に蠢く無数の第四世代自律型ドライバ。それは堕闇郷が改造を施した機体。俺達はザコでも掃除するか。ロアが預けた背中。道は綺麗な方が歩きやすいからな。ランが預けた背中。だから、みんなは先に行け。二人は戦場で背中を預けあっていた。
●“大いなる希望:円卓A II”より
勝負しようぜ。それはロアの提案。悪くないんじゃない。それはランの返答。撃墜数を競いあう二人。別々にカウントされる撃墜数。だが、そんな二人は背中を預けあいながら、同じ未来を見つめていた。さぁ、さっさと終わらせて追いかけようぜ。
先を急ぐヒルダ=ケイとブラウン=ガレスの前に姿を現したのは、アーサーと同じくオベロンを父とし、アーサーの異母姉でもある闇愛精モルガンだった。
オベロンの実験(禁忌の血の研究)によって生まれたモルガンは、パパ(オベロン)を嫌っており、彼が帰ってきたら(アーサーがもとに戻ったら)オベロンが喜んでしまうかもしれないと考え、アーサーの奪還を阻止しようとしていた。
モルガンとオベロンの詳しい関係は、第四章“聖戦”で明かされることになる。
●“大いなる希望:円卓A III”より
王の下に集いし民。だが、例外も含まれていた。あなた達の愛はキライよ。ヒルダとブラウンの前に姿を現したのはモルガンだった。彼が帰ってきたら、私は目的が果たせないの。パパから全てを奪う。そう、王都には、また別の思惑も存在していた。
●“大いなる希望:円卓A IV”より
なにその格好、ダッサ。ヒルダのついた悪態。この雨のなか、その格好は冷えるじゃろう。ブラウンが真似た悪態。アンタ達、死にたいのね。モルガンがみせた八重歯。私達はね、どうせあの時一度死んだの。だからこの命、捨てるのは怖くはないのう。
「なにその格好、ダッサ」「この雨のなか、その格好は冷えるじゃろう」。ヒルダとブラウンの悪態に怒ったモルガンだったが、やがて攻撃を止めて姿を消す。
「いいわ、行ってらっしゃい。どうせ時間の問題よ」。モルガンは、どうせもうアーサーは元に戻らないと察して、騎士たちの行く手を阻むことをやめたのだった。
●“大いなる希望:円卓A V”より
そういうの大キライ。攻撃を止めたモルガン。いいわ、行ってらっしゃい。どうせ時間の問題よ。そして開かれた道。四人が辿り着いたのは王の間。そして、目の前にはたった一つの玉座が置かれていた。だが、その玉座に『王』は存在していなかった。
王都には、悲戯者シェイクスピアが綴った無数の偽りの民がおり、侵入者を迎撃しようと円卓の騎士に襲いかかってきた。
フェリス=ガウェインとローガン=パロミデスは偽りの民の相手をし、ミレン=トリスタンは単独で先を急ぐことに。
●“大いなる希望:円卓B I”より
これはなんなんでしょ。フェリスとローガンの前には、今にも消えそうな無数の民が存在していた。王に仕えるには、ちいっとばかし心もとねぇなぁ。シェイクスピアが綴りし偽りの民には、王都への侵入者を攻撃する台本が用意されていたのだった。
●“大いなる希望:円卓B II”より
フェリスは楽しげに斧を振り回していた。随分やる気じゃねぇか。ローガンも負けじと撃ち出す銃弾。パパに褒めてもらいたいの。パパがいなくても、私は強くなれたんだよって。それは聖王のいなかった空白を肯定する為の、力いっぱいの笑顔だった。
「来ると思っていたわ」。ミレンの前に立ち塞がったのは、隊服を脱ぎ捨てたリオ≠モルドレッド。2人が見つめた未来は違えど、互いに1人の王(アーサー)の真意を大切にしたからこそのすれ違いだった。
●“大いなる希望:円卓B III”より
来ると思っていたわ。ミレンの前に立ち塞がったのは隊服を脱ぎ捨てたリオだった。どうして、彼を求めるの。どうして、彼を楽にしてあげないの。リオはただ唇をかみ締める。それがあなたの優しさね。だが、ミレンはかつての仲間へ再び刃を向けた。
●“大いなる希望:円卓B IV”より
彼を殺してあげて。交わる刃。それは出来ない。交わる言葉。隊服を脱ぎ捨てながらも聖王の真意に従った女と、隊服を纏いながらも聖王の真意に背いた女。二人が見つめた未来は違えど、互いに一人の王の真意を大切にしたからこそのすれ違いだった。
戦いを制したミレンは「あなたの新しい隊服なら、用意してあるわよ」とリオに告げる。こうして、ミレンもまた王の間へと到着し、神となったアーサーと対面するのだった。
●“大いなる希望:円卓B V”より
フェリスとローガンが駆けつけた時、すでに勝負は決していた。あなたの新しい隊服なら、用意してあるわよ。そんな四人が辿り着いたのは王の間。そして、目の前にはたった一つの玉座が置かれていた。だが、その玉座に『王』は存在していなかった。
アカネやサンタクローズ、円卓の騎士が王都で戦っているころ、シェイクスピアやヘンペルは、ロキ側の劣勢を見て少し戸惑いを見せていた。
●“大いなる希望:ロキI”より
うーん、どうしたらいいかな。これじゃあどうしても、希望のお話になっちゃいそうだよ。筆を走らせるシェイクスピアは不思議だった。いいんだよ、これで。ロキは楽しそうにその物語を見つめる。だって、彼にとっての希望は、彼らにとっての――。
●“大いなる希望:ロキII”より
あぁ、私は今、世界で一番美しい景色を見ているのですね。ヘンペルは王への道を切り開く民達に心からの賛辞を送っていた。これが、愛。なんと美しいことでしょう。これが、希望。なんと儚いことでしょう。あぁ、私は間違っていたのでしょうか。
神才マクスウェルも量産型ヨトゥンの準備をしつつ、ロキの劣勢を感じていた。
●“大いなる希望:ロキIII”より
トゥーン、トゥーン、ヨットゥーン。マクスウェルは新しい鼻歌を口ずさんでいた。やぁ、準備はどうだい。そんなマクスウェルに声をかけたロキ。うん、結構かなり大分ほどほど良い感じだよ。だけど、そっちは大丈夫かな。随分、劣勢みたいだけど。
●“大いなる希望:ロキIV”より
あぁ、困っているところなんだ。ロキは顔をしかめていた。彼らの成長は、ボクの想像を超えていたよ。このままじゃ、本当に辿りつかれちゃうかもね。そして、顔は笑顔に変わる。本当に、どうなるかわからないからさ。だからボクは、見たいんだよ。
●“大いなる希望:ロキV”より
そして、ロキは玉座の堕王へ語りかける。キミは聞こえるかい、この希望が。キミは見えるかい、この希望が。キミは感じるかい、この希望が。キミはこの希望を、どう受け止めるのかな。さぁ、選択の時だ。見せてもらえるかな、キミが選んだ道を。
だが、すべてはロキの計画通りだった。ロキはアーサーにアカネたちや円卓の騎士の活躍を見せることで、希望と絶望の選択をさせようとしていたのだった。
世界に混乱をもたらしながら、かつアーサーとともに行動できることに楽しさを感じていたロキだったが、アーサーは聖神として生きる道を自ら選ぶこととなった。
だからこそロキはのちに、アーサーが神になったことで、ロキの求めていたシナリオの範疇を超えた(アーサーがロキよりも上の立場になった)ため、自分(ロキ)はもう必要ないと述懐している。
●“世界の決定:悪戯神・回想II”より
キミという絶対的な王様が生まれる。そして、その王様が悪意に包まれることにより混乱が生まれる。そう、ボクは楽しかったよ。だって、混乱に乗じて、キミを手に入れることが出来たんだから。そう、ボクは世界の決定に背いてなんかいなかった。
●“世界の決定:悪戯神・回想II”より
ボクはもっとキミを見ていたかった。それはボクという存在の肯定よりも、強い想いになったんだ。だからもう、キミに縋られなくてもいい。あぁ、いつからか、ボクがキミに縋っていたみたいだ。そして、アーサーは聖神として生きる道を選択した。
一方そのころ、王都からほど近い上空で、オリジンがレプリカを迎え撃っていた。
「君に邪魔されたくないみたいなんだよ」「だからちょっとの間、遊んでもらえるかな」。原初の機体であるオリジンは、神才マクスウェルによって目を覚ました6体の機体(風速機ガル、光明機ルクス、炎熱機ジュール、闇磁機テスラ、水冷機ケルビン、無音機デシベル)とともにレプリカに襲いかかる。
●“レプリカ:ホムラ”のプロフィール
君に邪魔されたくないみたいなんだよ。王都からほど近い上空、近づいていた偽物の機体の前に現れたのは神才。だからちょっとの間、遊んでもらえるかな。神才の背後には目を覚ました六体の機体。だが、臆することのない偽りの機体。燃えるように稼動するエレメンツハート。再起動<リブート>、モード:ホムラ。
だが、レプリカは臆することなく再起動<リブート>を行い、レプリカ:ホムラやレプリカ:マブイへと姿を変える。
偽者であるが故に、何物にでもなれる自律変化の機能。メビウスが集めたデータは、すべてレプリカへと込められていた。シラヌイ:ホムラやサミダレ:マブイなど、かつてアカネたちとともに戦った6体の記録を受け継いだレプリカは、風速機と光明機など、6体の機体を次々と撃墜していく。
●“レプリカ:マブイ”のプロフィール
あなたには、沢山の想いが乗せられているよ。聖無才が収集したデータは、全てレプリカへ込められていた。偽物だけに搭載されていた機能、それは偽者であるが故に、何物にでもなれる自律変化の機能だった。撃墜された風速機と光明機。本当に凄いよ、君は。感動を覚えた神才。再起動<リブート>、モード:マブイ。
●“レプリカ:カグラ”のプロフィール
続け様に撃墜された炎熱機と闇磁機。再起動<リブート>、モード:カグラ。そして、残された水冷機と無音機が撃墜されるまでに5秒も要さなかった。息一つ乱れることのないレプリカ。君は本当に強いんだね。そして神才もまた、不安一つみせることはなかった。だからそろそろ、出番をお願いしちゃっていいかな。
「君は本当に強いんだね」。神才マクスウェルは不安ひとつ見せることなく、オリジンとレプリカを戦わせる。最初は光属性のレプリカ:ナユタとして戦うが、オリジンもまた光。互角のままで攻防戦が続く。
やがてレプリカは、光と互いに弱点関係である闇のレプリカ:オロチへ変化。守りを捨てた覚悟で攻撃に特化した結果、その大鎌はオリジンの羽根を切り裂き、原初の機体は地上へと墜落する。
「ボクには翼がない。だけど、羽ばたけるって教えてくれた。みんなが教えてくれたんだ」。“みんな”、それは北欧神との戦いなどで壊れていったシラヌイたちのことだった。
●“レプリカ:ナユタ”のプロフィール
そして、神才とレプリカの間を割って現れたのは原初の機体。立ち上がらなければ、二度も同じ目に合わなかったのに。再起動<リブート>、モード:ナユタ。それでもあなたは、偽物なの。ぶつかり合う光と光。互いに一歩も引くことのない攻防戦。本当に気に入らないわ。原初の機体は授けられた大きな翼を広げた。
●“レプリカ:オロチ”のプロフィール
放たれる無数の光線。だが、その全てを受け止めたレプリカ。直後の再起動<リブート>、モード:オロチ。それは守りを捨てた覚悟の姿勢。振り下ろされる大鎌、散った翼の羽。そんな、まさか。姿勢を崩した原初の機体は地上へ。ボクには翼がない。だけど、羽ばたけるって教えてくれた。みんなが教えてくれたんだ。
「そろそろ撤退だよ」。劣勢となった神才マクスウェルはオリジンのプログラムを書き換えて再稼働。はるか上空へと退避していく。
同時に、地上を埋め尽くすほどの大量の第六世代の量産型ドライバ・量産型ヨトゥン:ゼロを見たレプリカは、オリジンの追跡をあきらめ、敵の殲滅を優先させることにした。
●“レプリカ:ミヤビ”のプロフィール
危ない、逃げて。神才がその場で書き換えたプログラムは原初の機体を再び稼動させた。そろそろ撤退だよ。神才と共に遥か上空へ退避した原初の機体。そして、レプリカが追いかけなかったのは、地上を多い尽くす無数の第六世代の量産型ドライバを目の当たりにしたからだった。再起動<リブート>、モード:ミヤビ。
そこでレプリカが見せた、7番目の姿となる“モード:――”。だが、すでに撤退をしていたマクスウェルとオリジンは、その7番目の姿を見ることはなかった。その姿は、のちの物語で明かされることになる。
●“量産型ヨトゥン:ゼロ”のプロフィール
殲滅行動を開始した量産型。だが、偽物の機体は臆することなく次々と撃墜を繰り返す。再起動<リブート>、モード:――。立ち昇る白煙、雨に濡れた残骸。そして、偽物の機体一機が全ての量産型を撃墜し終えた時には姿を消していた神才と原初の機体。だからこそ、神才達は知らない。偽物の機体の七番目の姿を。
▲レプリカ:ホムラ。 |
●高野メモ
この6段階の循環進化の構想は大分前からあり、ずっとやりたいと思っていたので、できてよかったです。よくスマートフォンのゲームでは分岐進化があるのですが、分岐進化よりもう少し新しいことをやってみたくて、レプリカならこういうことができると思いチャレンジしてみました。
イラストに関しては、もう細かいことは伝えず、「レプリカ:ホムラだから! レプリカ:マブイだから!」とだけしか伝えていないような気がします。思ってた以上に素敵に仕上げてくれました、感謝!
●デザイナーコメント(UCMMさん)
かなり時間が厳しい中で描いた思い出がありますね……。レプリカでもあり機械娘シリーズの子たちでもあるという表現がとても難しかったです。顔のモデルが一緒の分髪型とか全員違うネクタイとかをしてるなど細かい差にこだわりました。
ユーザーの方たちが6パターンの中で「自分は~ちゃん派!」など楽しんで見ていただけていたのがとても嬉しかったですね! 自分はマブイちゃん派!!
王の間に到着したアカネたちが目撃したのは、王ではなく、神である存在となった聖神アーサーの姿だった。
「これが彼の選択みたいだよ」。悪戯神ロキは喜びに満ちた微笑みを見せる。アーサーは人でも妖精でもなく、神の道を選んだのだった。
●“聖神アーサー”のプロフィール
これが彼の選択みたいだよ。悪戯な神の微笑みは喜びに満ちていた。少し伸びた前髪の隙間から見つめた大いなる希望。王都ティンタジェルの玉座、そこにいたのは人でも妖精でもなく、神の道を選んだ聖神アーサーだった。天高く掲げた剣、轟く雷鳴、崩壊する王都。王でなくなった男に、王都も、民も、必要なかった。
「俺はお前の選択を認めない」と語るサンタクローズだが、その声はアーサーに届かない。そもそもアーサーの選択は、ロキの指示ではなく、アカネたちの活躍を見ることでアーサー自身が選んだ選択の末のものだった。
「大いなる絶望の為には、大いなる希望が必要なのさ」と、そもそもロキは語っていた。そして、円卓の騎士たちの活躍は大きな希望となり、その結果、アーサーは神となる“大いなる絶望”の道を選んだのだった。
●“黄昏の行方VII”より
いつの時代も、手のかかる人達だ。だが、悪戯な神様は喜びの笑みを浮かべていた。でも今はまだ、その時じゃないから。鼻へとかざす人差し指。聞こえるかい、かすかな希望が。見つめる手のひら。大いなる絶望の為には、大いなる希望が必要なのさ。
●“大いなる希望:終章I”より
轟く雷鳴、崩れる王都、玉座の聖神。それは大いなる希望が辿り着いた景色。俺はお前の選択を認めない。サンタクローズが漏らした声。だが、その声が神の道を選んだアーサーの心へ届くことはなかった。だけどね、キミたちの希望は無事に届いたよ。
●“大いなる希望:終章II”より
サンタクローズは再び無数のドライバを起動させた。ここは危ない、隠れていてください。エリザベートへと促すマーリン。ううん、私はもう逃げないから。対峙した二人を見つめるエリザベート。そしてナマリはただ、その行く末だけを見つめていた。
●“大いなる希望:終章III”より
なぁ、なんでだよ。炎を灯したアカネ。私が恋したのは、あなたじゃありません。レオラは剣を振り上げた。越権行為をお許し下さい。コートを脱ぎ捨てたミレン。パパの目を覚ましてあげなきゃ。フェリスは今すぐ飛びつきたい気持ちを抑えていた。
●“大いなる希望:終章IV”より
始末書は自分で書きます。ローガンは葉巻を咥えた。やっぱ、わかんねぇな。ロアが送る視線。それが俺らがここにいる理由だよ。ランが返す視線。一発じゃ済まないわね。ヒルダが引いた弓。ここにいては冷えますよ。それはブラウンの覚悟だった。
「帰って来い」。多くの者たちが、それぞれの想いを込めて行った、アーサーへの一斉攻撃。それを遮った6つの影は、炎神スルトや水神シグルズといった北欧神だった。
●“大いなる希望:終章V”より
帰って来い。聖神となったかつての聖王、アーサーへと向けた一斉攻撃。込められたそれぞれの想い。巻き起こる粉塵、鳴り響く衝撃、零れ落ちる涙、噛み締める唇、色褪せた永遠の思い出。だが、それぞれの想いは、六つの影により遮られたのだった。
「我らが主君の子に手出しはさせない」。北欧神が言う主君とは、創醒の聖者のこと。その血を受け継ぐオベロンの子であるアーサーは、北欧神にとって守るべき存在だったのだ。
●“大いなる希望:終章VI”より
我らが主君の子に手出しはさせない。訪れた静寂が姿を照らし出したのは、神刃型ドライバを手にした六人の神だった。神に抗いたいのなら、どうぞご自由に。悪戯な神は笑いが止まらなかった。皮肉だね、キミ達の行動が、彼にこの選択をさせたんだ。
●“大いなる希望:終章VII”より
聖神アーサーへと、それぞれに跪く北欧の神々。大いなる希望を見つめるアーサーの手をとったロキ。さぁ、行こう、ボク達が帰るべき場所へ。そして、ロキが見上げた空には、聖なる扉<ディバインゲート>が希望を蔑むかのように浮かんでいた。
「皮肉だね、キミ達の行動が、彼にこの選択をさせたんだ」。悪戯神ロキは大きな笑いを見せ、アーサーの手を取って聖なる扉<ディバインゲート>へと消えていった。「さぁ、行こう、ボク達が帰るべき場所へ」という言葉とともに。
この時、アーサーが見つめていたのは“大いなる希望”。それはアカネたちのことを示していた。
●“大いなる希望:終章VIII”より
帰ってくることのなかった聖王アーサー。神々と共に消えた聖神アーサー。目の前の現実を受け入れることの出来なかった王という希望を失った民。そして、そこに残されていたのは大いなる絶望。この日、最後まで雨が雪へと変わることはなかった。
こうして、アーサーは神となって消えてしまい、アーサー奪還作戦は失敗に終わり、アカネたちは“大いなる絶望”を感じることになる。
●“大いなる絶望”のプロフィール
優しき人の血、綴られし妖精の血、禁忌の神の血、男の体に流れていた三つの血。そして男は、王都に訪れた大いなる希望を前に神の血を選択した。捨てられた人の血と妖精の血。それは人として過ごした永遠の思い出を、妖精の血による繋がりを捨てたのと同義だった。大いなる希望が、男にその選択をさせたのだった。
この日、最後まで雨が雪へと変わることはなかった。「きっと、この雨が雪に変わる頃には辿りつけるよね」という雪の美女エリザベートの言葉は、叶うことはなかったのだった。
●“雪の美女エリザベート”のプロフィール
もう、私は逃げたりしない。雪の美女エリザベートは雪導犬に導かれるように、魔術師と共に王都への道を歩んでいた。その道は初めて歩く道にも関わらず、懐かしさに溢れていた。だから、顔を上げよう。そして、降り出した雨。きっと、この雨が雪に変わる頃には辿りつけるよね。なぜだか、そんな気がしていた。
炎聖人ダンテに呼ばれた炎奏徒フォルテは「雲行き怪しくねぇか」と窓越しの雨空を見つめていた。
この雨空は、アカネたちが王都ティンタジェルで戦っていた際の雨のことで、その不穏な空気をダンテもフォルテも感じ取っていた。
●“フォルテ”のプロフィール
雲行き怪しくねぇか。馴れ馴れしく話しかけた男は窓越しの雨空を見つめていた。口の利き方は教えたはずだが。馴れ馴れしく話しかけられた男は苦言を呈していた。いいのか、放っといて。馴れ馴れしく続けた男。手なら打ってある。馴れ馴れしく続けられた男。炎聖人の執務机上、そこには腰をかけたフォルテがいた。
「手なら打ってある」。ダンテはすでに、天神獣グライフにアーサーにつくことを指示していた。
そして、このタイミングでダンテは、炎奏徒フォルテを側に置き、次なる策の準備を進めている。そのエピソードは、第6章“世界の決定”で語られることになる。
●“炎奏徒フォルテ”のプロフィール
なんだ、俺にお願いごとじゃなかったのか。ふてくされたまま話し続ける男。貴様に課す仕事など、一つしかない。その言葉で動いた眉。なぁ、歌の仕事か。違う。一言の否定。貴様の歌に興味などはない。だが、貴様の腕に興味はある。表の顔は常界を揺るがすポップスター、そして裏の顔こそが炎奏徒フォルテだった。
ちなみにフォルテの表の顔は常界で大人気のポップスター。そのホワイトデーコンサートの際には、ダンテが参加してイントロを奏でたこともあった。
●“ダンテ:ホワイトデー”のプロフィール
常界に訪れたホワイトデー。今日は俺から、みんなに愛をお返しだっ。会場に流れ出したのは常界のポップスターのホワイトデーコンサートの始まりを告げる1曲目。そう、なぜかその1曲目のイントロを奏でていたダンテ。まぁ、日頃世話になっているからな。そう、ステージ上でも密かなお返しがされていたのだった。
神主狐ヤシロのもとに身を寄せる神獣者(炎獣神ベニ、水獣神ヘキ、風獣神サナエ、光獣神ソガ、闇獣神キキョウ、無獣神スズ)。
彼らは北欧神とアカネたちとの戦いを知り、それを通じて神の意思や、神としての世界へのかかわり方についての考えを述べている。ヘキやキキョウ、スズのように北欧神を嫌ったり否定したりする者もいれば、ベニやサナエ、ソガのように、北欧神の行動に意味を見出している者もいる。
その言葉の中には、『ディバインゲート』における“神”という存在を表現する重要なヒントが込められているはずだ。
▲エビルアーサー。 |
▲大いなる絶望。 |
●高野メモ
エビルアーサーは、もともとゴシックなスーツで、と発注してはいたのですが、夏嶋パワーでめっちゃフリフリに仕上がりました。女子力高い。きっとロキの趣味の趣味なんでしょうね。
大いなる絶望はユニットとして存在していますが、いわば概念のような存在なので、『ディバインゲート』の世界には存在していません。アーサーから抜け落ちた“人”と“妖精”の血、つまり大切な思い出を全部捨ててしまったことが、アカネたちにとっての“大いなる絶望”という意味で、このようなユニット化をしました。
最初は聖神アーサーと同じ表情でしたが、途中で悲しい顔に変えました。その意味を考えてくれたら嬉しいかぎりです。
●デザイナーコメント(夏嶋紺さん)
エビルアーサーの突っ込みどころはいろいろ多いですが、すべてロキの趣味です。
大いなる絶望はエフェクトの色合いでとの仕様をうけ、紫の色調を調整しながら作成しました。もっと暗めな色を使ってもよかったかと思います。
エビルアーサーの再醒進化を“大いなる絶望”というユニットにしようと決めたとき、第三章の話はするっとまとまりました。
第三章の“大いなる「希望」=「絶望」”はまさにアーサー奪還編です。実際に第三章が始まる前から、ロキが「大いなる希望は、大いなる絶望で~」としゃべったりもしていたので、ユーザーさんの中では“大いなる希望”のエピソードが終わったあとに、“完全なる落日/黄金の夜明け”のように、“大いなる絶望”のエピソードが始まると思っていた方も多いんじゃないでしょうか。
それだけに、“聖神アーサー”と“大いなる絶望”の登場は、印象深いんじゃないかなと思っています。
もちろん、狙ってアーサーの誕生日に仕掛けたのですが、ちょっとやりすぎてしまったかなと反省しています。きっと、ユーザーさんはアーサーが帰ってきて、一緒にお祝いできると思っていたのかな、と……。
ですが、個人的には先にも高野メモで書きましたが、サンタクローズの再醒からの流れは、1年ごしになりましたが、ある意味、キレイにまとまったんじゃないかなと思います。
【第四章“聖戦”は5月6日(土)夕方ごろに公開予定です】
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