2017年5月17日(水)
ガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用アプリ『ディバインゲート』のストーリーを振り返る特別企画をお届けします。
第四章“聖戦”の裏では、竜界の争いやロキたちによるディバインゲート解放、グリモア教団やクロウリーの暗躍など、さまざまな出来事が展開していました。
“聖戦(裏側1)”では、竜界の争いや新生世界評議会の陰謀などを解説していきます。
聖戦の開幕のきっかけとなった、白の女王シラユキが精参謀長ヴィヴィアンによって棺に入れられて、魔界へと送られた事件。
その事件が起きたころ、古竜王ノアを失った竜界では、次なる王が選出されようとしていた。
竜王族会議で過半数を超える賛成票を得て選ばれたのは、ヒスイ。だが彼は、自分は好きにやらせてもらうと王の座を拒否してしまった。
ヒスイの妹である六聖人の闇聖人シオンは「お兄様は、竜界の平和ではなく、ご友人達を選ぶということなのでしょうか」と言葉を漏らす。
ヒスイは、親友であるヴラドとオベロンが、かつての聖戦で不完全な決着をつけざるを得なかったことを心残りにしており、今回の聖戦で2人の邪魔が入らないように動くことを決意していたのだった。
●“シオン”のプロフィール
どういうおつもりでしょうか、お兄様。問いかけるシオン。それは長時間にわたり行われた竜王族会議のあとの出来事。賛成票は過半数を超えていました。なのに、どうして。埋まらなかった王の席。言ったろ、俺は好きにやらせてもらうって。お兄様は、竜界の平和ではなく、ご友人達を選ぶということなのでしょうか。
▲竜神ヒスイ。 |
▲創竜神ヒスイ。 |
●高野メモ
『ディバゲ』が誇るアニキであり、筋肉です。
オベロン、ヴラド、ヒスイと3キャラをよくセットで扱うのですが、あくまでもオベロン、ヴラドがいて、一歩引いたヒスイ、という関係がお気に入りです。アーサーとサンタがいて、エリザベートがいるのと同じような。
設定画でチラっと出てますが、最初ラフは褐色で書いてくれていましたが、紆余曲折あって、褐色ではなくなりましたが、もし褐色だったら、より筋肉が引き立っていたことでしょう。
聖戦編でも、オベロンとヴラドのために、あちこち動きまわってくれて、そんな三人の友情に乾杯です!
●デザイナーコメント(UCMMさん)
今となってはキャラが固まりまくりで勝手に頭の中で動いてくれるヒスイニキですが、描き始めた頃は髪が長髪でおさげになってたり褐色だったりロングコートを着ていたりと、今の原型がほぼありませんでした(笑)。
顔のイメージや性格も最後まで自分の中でフワッとしていましたが、顔がはまった瞬間にどんなキャラかしっかり降りてきました。
誰が一番とかはないですが、自分の担当したキャラの中でも上位にお気に入りで、喜怒哀楽にとても愛嬌がありそうで、いろいろなシーンを描いてみたくなる。そんなキャラですね。
▲竜神ヒスイの設定画。 |
▲闇聖人シオンの設定画。 |
一方、新生世界評議会の六聖人の間では、一つの大きな決断が下されていた。それは、新生世界評議会は聖戦に関与しないということ。
●“闇聖人シオン”のプロフィール
過ぎ去りし昨日に何を求めるのか。傷跡を癒す思い出だろうか、傷跡を抉る思い出だろうか。もう、あの頃は戻って来ないっていうのに。闇聖人シオンの心は晴れなかった。そう、だっていくらお兄様たちが頑張ったって、世界の決定は覆らないんだから。その日、六聖人の間では、一つの大きな決断が下されていた。
その会議で光聖人ジャンヌは、独断で各所との接触を行っている炎聖人ダンテを牽制しつつ、サンタクローズの父である無聖人ニコラスへの警戒も強めるのだった。
●“ジャンヌ”のプロフィール
アンタたち、もうちょっと真面目に仕事しなさいよ。ジャンヌは六聖人の間で言葉を発した。特にアンタ、なに考えてんのよ。その言葉は炎聖人に向けられていた。なにを企んでるか知らないけど、アタシも口を挟ませてもらうよ。言っとくけど、これは異常事態。泳がせるには度が過ぎてるわ。例え世界の決定でも、ね。
●“光聖人ジャンヌ”のプロフィール
アタシ達はね、旗を振ることしか出来ないの。だから、彼女は光聖人ジャンヌと名乗っていた。その旗すら、まともに振らなくてどうすんのよ。そして、視線を投げかけた先にいた最後の聖人。アンタだって、放っとけないんじゃないの。だが、問いかけられた聖人は微動だにしなかった。ったく、それでも親なのかしら。
光聖人ジャンヌいわく、六聖人は頭でっかち(炎聖人ダンテ)にグルメ変人(水聖人ヨハン)、脳筋女(風聖人イージス)に不思議少女(闇聖人シオン)と、まともに仕事をしてくれない人ばかり。
それでも六聖人の仕事が進んでいるのは、ジャンヌが休日を返上してまで、1人でみんなの分の仕事をしてくれているからだった。
●“とある休日VII”より(光聖人ジャンヌ)
ったくもう、やってらんないわ。ジャンヌはひとり、たまりにたまった書類を片付けていた。頭でっかちにグルメ変人、脳筋女に不思議少女、どうしたらあいつらで聖人が務まるのよ。それはジャンヌが、みんなの分の仕事までしてくれるからだった。
ちなみに、聖人たちの休日の過ごし方はそれぞれだが、シオンはアニメに夢中。「ピースをあなたへ、ぶいっ」と決めゼリフやポーズを決めながら、楽しくアニメを鑑賞していた。
●“とある休日III”より(炎聖人ダンテ)
明日は月に一度の六聖人が集う会議の日。どうせ奴らは時間通りに来やしない。いつも時間通りにやってくるのは議長を除き、三人だけ。会議ごっこにはうんざりだ。おや、君はごっこ遊びは嫌いなのかい。招かれざる来客が、彼の休日を賑やかにした。
●“とある休日IV”より(風聖人イージス)
鍛練を怠らないのは、守りたいものがあるから。では、鍛練をしない人は、守りたいものがないのだろうか。決して、そんなことはなかった。ただ、自分の体を犠牲にすることでしか、愛情を表現することの出来ない不器用な存在がイージスだったのだ。
●“とある休日V”より(水聖人ヨハン)
お米。パン。蕎麦。スパゲッティ。オムライス。カレー。ラーメン。パン。お寿司。バナナ。プリン。ヨーグルト。お米。ジンギスカン。鰻丼。パン。天丼。牛丼。カルツォーネ。お米。ピザ。ゴルゴンゾーラ。お米。アヒージョ。たこ焼き。おでん。
●“とある休日VIII”より(闇聖人シオン)
刹那に生まれしカオスに、想いの果てのシンパシーを。ぼそり呟く独り言。願いは空に、希望は星に。ぼそり続く独り言。私こそがプリティウィッチ。そして独り言は、右手と共に最高潮へ。ピースをあなたへ、ぶいっ。シオンはアニメに夢中だった。
ワトソンと言えば助手と言う勘違いから、水聖人ヨハンはワトソンを助手として迎え入れ、いろいろと改造を施していく。
●“水学徒ワトソン”のプロフィール
そっか、助手じゃなかったんだね。だが、それはどうでも良かった。着々と改造が施される大きな尻尾。これは機械かな、それとも尻尾かな。それもまた、どうでもいいことだった。先生、最近働きすぎですよ。心配の絶えないワトソン。だが、水聖人は楽しそうだった。だってほら、戦争には新兵器が必要になるでしょ。
ここでヨハンが口にした“新兵器”は聖戦のためではなく、より先を見すえてのもの。その正体は、のちの物語で明かされることになる。
そして、ヨハンの動きを予見していた魔界の死刑執行学園の学園長リイナは、薬学部特別顧問スパジローのもとを訪れ、特効薬の製作を依頼している。
●“薬学部特別顧問スパジロー”のプロフィール
ぐふふ、ぐふふふふ。実験室からもれる気持ちの悪い笑い声。悪いが、もう少し普通になってくれないか。実験室に立ち込める瘴気に臆することなく、学園長は薬学部特別顧問スパジローへと歩み寄っていた。いまのうちに特効薬を作っておいて欲しいんだ。そう、きっと俺たちは、アイツと戦うことになるだろうからな。
なお、ヨハンはのちに切裂狂ジャックに実験を施し、仲間に加えている。
●“切裂狂ジャック”のプロフィール
僕が君に、存在理由をあげるよ。だから、ちょっとだけその体を調べさせてもらえるかな。再び捕まったジャックが連行されたのはとある研究室。大丈夫だよ、ここは普通の人は入れないから。そして施された数多の実験。そうだなぁ、これからは僕の為に戦うべきだね。切裂狂ジャックを従えたのは水聖人だった。
西魔王エギュンのプロフィールによって、壊滅したはずのグリモア教団員が集められていることと、メイザースが死んでいなかったことが示唆されていた。そして、第四章“聖戦”の裏では、グリモア教団が暗躍する場面も多く描かれている。
なお、エギュンのプロフィールでは、闇通者テンゲンと無通者タシンが「私達の教祖様は、この方一人だけなのだから」と、真教祖(メイザース)のもとにいることも明かされている。
●“西魔王エギュン”のプロフィール
あの日、二人の西魔王が消えた。でもね、だったら何度でも創ればいいだけの話だから。新たに創られた西魔王エギュン。そこには、壊滅したはずのグリモア教団員が集められていた。だけど、これで良かったのかもしれないね。少しだけ準備を整えよう、そして僕達の手で再創するんだよ、このちっぽけな世界をね。
聖戦の裏では、アカネの物語も大きく動き始めていた。アカネの誕生日のエピソードでは、彼が創醒の聖者に仕える創醒の巫女(聖巫女アルル、聖巫女ナルル、聖巫女ユルル)と出会ったことが示唆されている。
●“アカネの誕生日・2016”より
少年は刹那の夢を見る。大き過ぎた父の背中。誕生日を祝ってもらったことなんてなかった。だが、いつも感じていた温かさ。そして、その炎はもう、ひとりだけではなかった。そして、少年は目を覚ます。もう一度、始めよう。これは俺の物語なんだ。
アカネを巫女のもとへと導いたのは、義理の父に神主狐ヤシロ、実の母に母狐フシミを持つ、神威狐イナリ。
そして、ギンジはこのころからすでに、聖常王クロウリーとの接触を始めていることがマリナのプロフィールから伺える。
●“広報局員マリナ”のプロフィール
はじめまして、ですよね。無英斧士へと語りかけるのは、広報局員へと立場を変えたマリナだった。わたくしは、来るべき日の為に、ここへと参りました。そんな彼女が広報局員として追いかけるのは、戦争に乗じて常界の各地で起きる暴動を人知れず抑制する存在達。だからどうか、力を貸して頂けないでしょうか。
創醒の巫女と出会ったアカネは、そこでさまざまな話を聞かされる。
●“アルル”のプロフィール
あぁ、再び目醒めの刻が訪れてしまったのですね。アルルは天へ祈りを捧げる。どうして、みな争いを繰り返すのでしょうか。それは繰り返された聖戦を意味していた。あのときも、あのお方は争いを止める為に力を貸したに過ぎないというのに。創醒の聖者の血がもたらしたのは、かつての聖戦の終結だった。
●“聖巫女アルル”のプロフィール
ようやく、見つけた。常界の始まりの地、ただ天へと祈りを捧げる聖巫女アルルの元に現れたのは炎咎甲士だった。よく、この場所がわかりましたね。友達が力を貸してくれた。そして、彼女がここに連れてきてくれたんだ。彼のとなりに寄り添っていたのは神威狐。だから俺は、俺のすべきことをするんだ。
ナルルから明かされたのは、“血の繋がり”。 堕精王オベロンは創醒の聖者の血を引き、そのオベロンから血を受け継いだのが聖神アーサーだった。
●“ナルル”のプロフィール
神に逆らうなど、愚かな行為だ。ナルルはただ悲劇を傍観していた。どうして、父であり、母であるあのお方を悲しませるようなことを。彼女の役割もまた、創醒の聖者の為にあった。再び訪れようとしている目醒めの刻。その刻が訪れてしまえば、すべてのものごとは、意味をなさなくなってしまうというのに。
●“聖巫女ナルル”のプロフィール
常界の始まりの地、聖巫女ナルルもその場所にいた。そして炎咎甲士が聞いたのは、すべての血の繋がり。創醒の聖者の血を引く堕精王。だから彼は、あの方の子なの。その堕精王からその血を受け継いだ聖神。その血の繋がりがもたらす悲劇に、炎咎甲士は怒りを隠せずにいた。親子って、そういうもんじゃないだろ。
ユルルから聞かされたのは、聖なる扉について。「聖なる扉はひとつとは限らない。そうです、あなたが壊したのは欠片のひとつに過ぎないのですから」「それが扉の形をしているのか、それとも人の形をしているのか、そもそも形をなしているのか、そのすべてをあなたは知らないでしょう。もし、すべてを知ってしまったら、あなたは帰ることが出来ないかもしれない」。
●“ユルル”のプロフィール
もう、刻の流れは止められない。繰り返し争う統合世界の歴史。ユルルはただ、その事実を悲観していた。だからこそ、聖なる扉は正しく使う必要があったのです。そのために、聖なる扉は生まれたのですから。そして、聖なる扉はひとつとは限らない。そうです、あなたが壊したのは欠片のひとつに過ぎないのですから。
●“聖巫女ユルル”のプロフィール
そして、聖巫女ユルルは続けた。それが扉の形をしているのか、それとも人の形をしているのか、そもそも形をなしているのか、そのすべてをあなたは知らないでしょう。もし、すべてを知ってしまったら、あなたは帰ることが出来ないかもしれない。それでも、聖なる扉のすべてを知りたいというのでしょうか。
第四章の時点では、アカネが巫女たちから聞いた秘密の一部しか明かされていない。その詳細は、のちの物語で明かされることになる。
●“創醒の聖者”のプロフィール
それがいつ生まれたのか、どう生まれたのか、どこで生まれたのか。そのすべてが明らかにならなくとも、いまそこにそれが存在しているという事実は、そのすべての肯定だった。そして、その絶対の存在の血がもたらした数多の悲劇。その血がなぜ禁忌とされたのか。聖なる扉にまつわる物語は、ひとつに集約される。
イナリはかつて、家出をして世界を旅していたが、炎の共鳴<リンク>を行い巫女狐イナリへと進化。極東国の千本鳥居に戻り、両親であるヤシロとフシミと和解した。
●“巫女狐イナリ”のプロフィール
やっと自分を見つけてくれた、その喜びに笑顔をみせたイナリ。もたらされた炎と炎の共鳴<リンク>は狐の少女を巫女へと導いた。次は自分が導く番だと、9つの尻尾が先陣をきって歩く。まだ、降り続ける悲しみは止まない。だけど、少しの悲しみでも受け止めたいと、小さ過ぎる傘を閉じようともしなかった。
グリモア教団本部での戦いの後、ミドリは再び竜界に身を寄せていた。そこでミドリはキャリバンから、アカネたちによる聖王奪還の失敗(第三章“大いなる「希望=絶望」”)や、魔界から天界への進軍が始まり、聖戦が始まったことを伝えられる。そして、その戦いによって各世界の往来手段が封鎖されていることを知る。
●“キャリバン”のプロフィール
しばらくウチに泊まりな。竜神と共に訪れた竜界、風咎棍士はキャリバンの道場に身を寄せていた。伝えられたのは聖王奪還の失敗、魔界から天界への進軍、各世界の往来手段の封鎖。だけど、私がここにいたら。想いを馳せたのは離れ離れの友達。だが、その想いを遮った一言。いまのキミに、なにが出来るのかな。
ミドリはキャリバンから「だけど、ウチの王様は不在なんだ。だから探してきてよ、出来損ないのアイツの本当の姿(道化竜オズ)を」と、オズが生存しているかもしれない希望の言葉を告げられた。
それに加えてミドリは、懐かしい笑顔(道化嬢ドロシー)との再会を果たす。死んだと思われていたドロシーは、竜界に保護されていたのだった。
●“暴風竜キャリバン”のプロフィール
世界と世界の争いに、民は口を挟めない。風咎棍士が気づかされた己の無力さ。キミはどちらかを選べるのかな。詰まる言葉。だけど、ウチの王様は不在なんだ。だから探してきてよ、出来損ないのアイツの本当の姿を。告げられた希望。それに、彼女ももう一度会いたいみたいだしさ。そこには、懐かしい笑顔があった。
竜道閣には竜界の脅威と恐れられた綴られし存在が封じられていた。だが、竜王であるノアは、「だが、綴られし存在に罪があるのだろうか」と、優しさをもって“綴られし存在(道化竜オズ)”に接していた。
そして、オズのことを思って、竜道閣に封じられた“竜界の脅威”については、限られた者にしか知らせていなかった。
また、この竜道閣にノアが隠していた本が、のちのオズ復活へと繋がる。
●“竜道閣テンペスト”より
竜道閣はかつて、竜界の脅威と恐れられた綴られし存在が封じられし場所だった。だが、綴られし存在に罪があるのだろうか。それは後任の竜王が説いた優しさ。そしてまた、その裏の真意は、竜王家でもごく僅かな者にしか伝えられていなかった。
三芸神(芸唱神アオイデ、芸憶神ムネーメ、芸演神メレテ)のプロフィールでは、聖神アーサーの思惑や堕精王オベロンの記憶など、物語の重要なカギになる情報が示唆されている。
アオイデが興味を抱いていた“下位なる世界の生まれでありながらも、神界へと招き入れられた一人の男”とは聖神アーサーのことで、彼女はアーサーが人間として生きていたころのことを調べるうちに、アーサーが聖神になってやりとげようとしている“神界にもたらされる災厄”を知り、震え、救いの歌を歌い始めている。
詳細は明かされていないが、アーサーが神界に対して不穏な考えを持っていることが推測できる。
●“アオイデ”のプロフィール
いくつかの区画に整備された神界の一区画では、とある情報が駆け巡っていた。下位なる世界で続く争い、そして、そんな下位なる世界の生まれでありながらも、神界へと招き入れられた一人の男がいる、と。アオイデも、そんな男へと興味を抱いていた。彼の体に流れる血を辿れば、必ず創醒の聖者にたどり着く、と。
●“芸唱神アオイデ”のプロフィール
芸唱神アオイデがたどり着いた創醒の聖者。そして、その血を受け継ぐ男。だから彼は、この世界に招き入れられた。それと同時に、その男が人間として生きていた頃のことを調べ始めた。どうして、彼みたいな存在が。存在していた相反する思想。そして、彼女は神界にもたらされる災厄に震え、救いの詩を歌い始めた。
ムネーメが興味を持ったのは、“自分という存在の肯定のために、自分だけの王を欲した神(悪戯神ロキ)”について。
聖神アーサーがロキを置いてディバインゲートに姿を消したことを知ったムネーメは、ロキに「追い求めた男に、こんな形でフラれるって、どんな気持ちっすか」と問いかけている。
●“ムネーメ”のプロフィール
自分が自分であるために、そして、自分という存在の肯定のために、自分だけの王を欲した神がいた。そんな神が神界に連れてきたのは王ではなく神だった。自分にすがる王がいない神は、神でいられるのだろうか。ムネーメの興味はそこに向いていた。ってことは、つまり。これから始まるドラマに期待を隠せずにいた。
●“芸憶神ムネーメ”のプロフィール
張り込みを開始した芸憶神ムネーメ。これは素敵なドラマになるっす。だが、あっさりつまみ出された。彼女が考える次の一手。だが、実行に移すまでもなく、彼女の前に現れた神。ボクを追い掛け回しているのはキミかい。そして、すぐに彼女は問う。追い求めた男に、こんな形でフラれるって、どんな気持ちっすか。
なお、その時のロキの気持ちの一部は、第六章“世界の決定”で明かされることになる。
“●#5 世界の決定:悪戯神・回想I”より
聖者という完璧な存在の血を引きながら、人間という不完全な女の血を引いた存在。そう、まさにキミを知った時、体中の血が躍ったよ。こんなにも面白い生き物がいるんだ、って。だからボクはずっとキミを見ていた。それはボクの役割だったのさ。
“●#2 世界の決定:悪戯神・回想II”より
ボクはもっとキミを見ていたかった。それはボクという存在の肯定よりも、強い想いになったんだ。だからもう、キミに縋られなくてもいい。あぁ、いつからか、ボクがキミに縋っていたみたいだ。そして、アーサーは聖神として生きる道を選択した。
そして、メレテが気になっていたのは、“ひとつの世界を滅ぼしてしまいかねないほどの力を手に入れた男(堕精王オベロン)”。かつては天界の王であったオベロンが今は魔界の王として、新たな聖戦が始まろうとしていることが語られている。
そして、芸演神メレテがかつて見た悲しみの記録=過去の聖戦は、“聖戦:回想”という形で、ゲーム中で明かされることになった。
●“メレテ”のプロフィール
メレテが気になる情報は、姉二人と異なっていた。かつて、ひとつの世界を滅ぼしてしまいかねないほどの力を手に入れた男。そんな男が、役目を終えた自分を裏切った世界への、戦争の指揮をとっているという情報。だが、その男はどうして、そのような力を手に入れたのか。事情を知るものはみな、口を閉ざしていた。
●“芸演神メレテ”のプロフィール
芸演神メレテがかつて見た悲しみの記録。それこそが、自分の世界に裏切られた男の記録だった。あの時、彼は自分の世界を守りたかっただけなのに。そして、その深い悲しみは長い時を経て、深い憎しみに変わっていた。彼らの争いに、なんの意味もない。だが、その争いは止まる気配を見せようとはしていなかった。
カノッサはロキに対して、過去の聖戦で戦う力を求めて神の血に近づいた男(オベロン)と、守る力を求めて竜の血に近づいた男(ヴラド)の戦いの結末を例にして、戦いが終わった後に2人の居場所がなかったことを語り、「今回の犠牲者は、いったい誰になるのかしら」と問いかける。
そして、かつての魔界の王(ヴラド)が神への叛逆を考えていたことから、「今回も、魔界が勝利したら危ないんじゃないのかしら」と述べるが、ロキは、今回は魔界の王はオベロンでその目的は世界への復讐だから、その心配はないと答えるのだった。
●“悠久神カノッサ”のプロフィール
もし魔界が勝利していたら、私達は危なかったかもしれない。それは魔界の王が、聖戦の先で成し遂げようとしていた理想。今回も、魔界が勝利したら危ないんじゃないのかしら。いいや、今回は指導者が違うよ。彼が成し遂げたいのは、世界への復讐だ。仮面越しに微笑む男。悠久神カノッサは、その笑顔が嫌いだった。
古竜王ノアが行方不明となり、ヒスイが辞退したことで竜界の王は不在となっていた。そこに戻って来たのが、かつて神竜戦争で暴君と忌み嫌われ、竜王家から離反した紅煉帝ヴェルンと、彼に仕える裏古竜衆(光竜将ファブラ、闇竜将ニズル、無竜将ウロアス)だった。
魔参謀長ファティマの命で竜界を調査していたナルキスは、裏古竜衆の1人である光竜将ファブラと、古竜衆の1人でヒスイの弟分である流水竜リヴィアと遭遇する。
●“水仙卿ナルキス”のプロフィール
なぜ、私がこのような場所に。竜界へと潜り込んでいた水仙卿ナルキス。そして、追いかける情報。かつて、神竜戦争で暴君と忌み嫌われた竜王家の紅蓮を纏いし竜と、王家を追い出された彼に付き従う三匹の古竜。なんで余所者の君が、裏切り者の彼らを追いかけるのかな。彼女の前に立ち塞がったのは流水竜だった。
リヴィアが所属する古竜衆は、古の時代より竜王家に仕える部隊である。だが、かつての神と竜との戦争を機に古竜衆の半数は竜王家から離反し、離反した者は裏古竜衆と呼ばれるようになっていた。
そのため、リヴィアは裏古竜衆を“裏切り者”として嫌っている。
●“ファブラ”のプロフィール
裏切り者だなんて、ずいぶんと酷い言い方じゃないか。水仙卿と流水竜が対峙する最中、間を割るように現れたのは裏古竜衆のファブラだった。君が会いたがってるから、来てあげたんだよ。それは水仙卿への言葉。だけど君は、会いたくなかったみたいだけどね。そして、それは憎悪で顔を歪めた流水竜への言葉だった。
●“光竜将ファブラ”のプロフィール
竜王家には、古の時代より仕える古竜衆と呼ばれる部隊が存在していた。だが、かつての戦争を機に、古竜衆の半数は竜王家から離反し、そして離反した者たちは、いつからか裏古竜衆と呼ばれるようになった。光竜将ファブラもそのひとりであり、そして彼が将でいたのはまた、仕えるべき者が存在していたからだった。
一方、諜報活動を得意とする闇竜将ニズルは、ウェルシュアの古城の一角にて、世界を見渡すことができる鏡でリヴィアとファブラの様子を見ていた。
また、鏡に映された白衣の女(聖光才カルネアデス)を見て、「きっと、これから訪れる災厄を予期してのことでしょう。アレ(ディバインゲート)の解放は、彼女たちに任せましょうか」と述べている。
聖戦の裏で行われていたディバインゲートの解放を阻止するためのカルネアデスたちの戦いは、のちに詳しく語られることになる。
そして、「俺たちは、俺たちらしくやろうぜ」と返された言葉は、もう一人の来訪者(ヒスイ)により、意味を変えることになるのだった。
●“ニズル”のプロフィール
忘れ去られた地、ウェルシュアの古城の一角で世界を見渡すことの出来る鏡を眺めていたニズルは対峙した3人を眺めていた。もう少しだけ、放っておきましょうか。その言葉から滲む余裕。俺たちは、俺たちらしくやろうぜ。返された言葉。だが、その言葉はもう一人の来訪者により、意味を変えることになるのだった。
●“闇竜将ニズル”のプロフィール
裏古竜衆のひとり、闇竜将ニズルの主な役割は諜報活動だった。いま統合世界で起きているすべての出来事の裏側を把握していたのだった。こんなときだっていうのに、彼女が動き出しました。鏡に映された白衣の女。きっと、これから訪れる災厄を予期してのことでしょう。アレの解放は、彼女たちに任せましょうか。
そして、かつてヴェルンに命を救われた無竜将ウロアスは、ヴェルンの誘いで“遊び”につき合わされる。遊びという名の力のぶつかり合いは、抑制された空間でなければ小国が吹き飛ぶほどの熱だった
●“ウロアス”のプロフィール
古城の玉座、その一番すぐ近くでウロアスは片膝をついていた。そんなに固くなってんなよ、もっと楽にいこうぜ。紅煉帝に救われた命は、紅煉帝のものですから。だったら、ちょっと遊びに付き合ってくれ。始まった遊び。遊びという名の力のぶつかり合いは、抑制された空間でなければ小国が吹き飛ぶほどの熱だった。
ヴェルンが宣言をした「さぁ、俺たちの、世界で一番小さくて大きな反乱を始めようか」という相手は、のちに明らかになる。その対象は竜王家ではなく、神界に対するものであった。
●“無竜将ウロアス”のプロフィール
やっぱりオマエは俺に相応しい将だ。息ひとつ乱すことのない無竜将ウロアスへの賛辞。準備運動はこのくらいで十分だろ。そして紅煉帝は裏古竜衆の三人をひきつれ、声高らかに宣言をする。さぁ、俺たちの、世界で一番小さくて大きな反乱を始めようか。竜王家を追放された紅煉帝の反乱対象は、竜王家か、それとも。
リヴィアとファブラの戦いは、ファブラの勝利に終わった。立つだけで精一杯のナルキスと、傷だらけで立つこともできないリヴィア。そんなリヴィアを抱きかかえるヒスイに対して、ヴェルンは「俺たちは俺たちらしくやらせてもらう。だからオマエも、オマエらしくやれよ」と声をかけるのだった。
●“紅煉帝ヴェルン”のプロフィール
本気出さなきゃ失礼だろ。その言葉に笑顔を返す光竜将。オマエは帰って、報告でもしてろよ。立つだけで精一杯の水仙卿。で、オマエはひとりじゃ立てないのか。傷だらけの流水竜。早くガキを連れて帰れ。流水竜を抱きかかえていた竜神。俺たちは俺たちらしくやらせてもらう。だからオマエも、オマエらしくやれよ。
リヴィアが持つ刀型ドライバ“リヴァイアサン”には、刃を竜へと変える力が備わっている。一方、彼が怒りの矛先を向けているロキの仲間である北欧神は、機械竜を刃へと変えて、武器として使っている。
竜を武器として使う北欧神たちと、竜でありながら竜を従えるリヴィア。彼らが戦う日は来るのだろうか?
●“流水竜リヴィア”のプロフィール
古竜衆の一人、流水竜リヴィアは刀に閉じ込められた力を解放しようとしていた。彼らが竜を刃に変えるなら、僕は刃を竜へと変える。竜でありながら、竜を従えた青年は、取り残された上位なる世界を見つめていた。だったら、お前はどっちにつくんだ。どっちでもいいよ、僕は彼を斬れるのなら、それだけでいいから。
▲流水竜リヴィア編の設定画。 |
▲リヴィアの刀の設定画。 |
新生世界評議会の竜界の代表を務めていた世界評議員ナーガは、任務を終えて竜界に帰還していた。
「やっぱり、あいつら下位なる存在よ。だから、潰し合ってもらえばいいじゃない」と、常界などを下に見るナーガ。そんなナーガのもとに、リヴィアがヴェルンたちと交戦して重体となった知らせが届くのだった。
●“竜蛇将ナーガ”のプロフィール
評議会の任務を終え、竜界へと戻ったナーガ。やっぱり、あいつら下位なる存在よ。だから、潰し合ってもらえばいいじゃない。だが、そんな傍観を崩したのは流水竜の重体の知らせ。この機に乗じて、動き出した者達がいるみたいだな。そして、二つに割れた竜王家の意見。で、どうするか、いったい誰が決めるんだい。
▲竜蛇将ナーガの設定画。 |
聖戦が始まったころ、竜界に戻った世界評議員ナーガをはじめ、新生世界評議会からは多くの人物が姿を消していた。
会議室からは最高幹部であるベオウルフが姿を消し、残されたギンジの前に愚者ロプトが姿を見せる。
●“ロプト”のプロフィール
とある会議の場、いつも居たはずの二人が姿を消していた。始まった戦争。だが、最高幹部である男は違和感をぬぐえずにいた。まるで、初めから止めるつもりはなかったようだ。そして、その会議の場に現れたもうひとつの違和感。私は、初めからここにいましたよ。とある会議の場、そこにはロプトが存在していた。
ロプトはロキの差し金であることを隠そうともせず、「私はただ、声なき指令に従うだけ。どうぞお見知りおきを」と返す。それに続いて、「わたくしも、潜り込ませていただきましたよ」と広報局員マリナもギンジに声をかけた。
●“愚者ロプト”のプロフィール
誰の差し金だ。男の口をついた言葉。いや、んな質問は要らねぇな。そう、愚者ロプトの姿から、なにかを隠そうとする気は微塵も感じられなかった。私はただ、声なき指令に従うだけ。どうぞお見知りおきを。評議会に入り乱れる思惑。そして、更なる違和感が場を包む。わたくしも、潜り込ませていただきましたよ。
グリモア教団に所属し、クロウリー派であるマリナは、広報局員として“戦争に乗じて常界の各地で起きる暴動を人知れず抑制する存在達(クロウリーの従者たち)”を追いかけていた。
のちに第五章“偽りの王”で明らかになるが、“来るべき日”とは、クロウリーが王になる日のことを示している。
●“広報局員マリナ”のプロフィール
はじめまして、ですよね。無英斧士へと語りかけるのは、広報局員へと立場を変えたマリナだった。わたくしは、来るべき日の為に、ここへと参りました。そんな彼女が広報局員として追いかけるのは、戦争に乗じて常界の各地で起きる暴動を人知れず抑制する存在達。だからどうか、力を貸して頂けないでしょうか。
一方そのころ、常界代表であるレディ・ナカザワ、魔界代表である彗青眼魔ディアブロ、天界代表である巧咲精ロビンも、それぞれの理由で議会から姿を消していた。
なお、ミレン=トリスタンと話をするレディ・ナカザワが口にした“常界の代表の席が空いた”という言葉は、そこにクロウリーが座るという前フリになっている。
●“レディ・ナカザワ”のプロフィール
その格好、どうしたの。ただ、失脚しただけさ。だが、互いに浮かべる晴れ晴れとした笑顔。やはり、私は代表の器ではない。だから、私は私のやり方で戦う。その方が、お似合いね。不在となった常界代表。不安を募らせる民。名声と引き換えに失う自由、与えられる束縛。空いた席に、いったい誰が座りたがるかしら。
●“彗青眼魔ディアブロ”のプロフィール
お勤めご苦労さま。代表の席を外れた彗青眼魔ディアブロにかけられた言葉。話し合いなど、やはり机上の空論に過ぎない。俺も戦場へ行かせてもらう。だったら、あなたは彼について行ってもらえるかしら。そこには、王の椅子から立ち上がった堕精王がいた。そして、その言葉には二通りの意味が込められていた。
●“巧咲精ロビン”のプロフィール
ごめんなさい、私が上手く出来なかったせいで。天界へ戻ったロビンはうつむいていた。ううん、あなたのせいじゃないよ。笑顔で迎える光妖精王。あぁ、嬢ちゃんはよくやった。ニヤリと笑みを浮かべる堕魔王。だから、これからもオレ達に協力してくれ。そして、そんな優しさに応える為、巧咲精は武器を手にした。
誰もいなくなった会議室に現れた水凛徒シャルラ。そこに、特別監視役(特別監視役スフィア)、特別調停役(特別調停役マダナイ)、悪戯神(悪戯神ロキ)に寄り添うように立つ愚者(愚者ロプト)が集まってくる。
「今日は君達に、改めて紹介したい人がいるんだ」とロキが招き入れたのは、サンタクローズとイヴの父親でもある、無聖人ニコラスだった。
●“シャルラ”のプロフィール
誰もいなくなってしまいましたわ。シャルラは空っぽになった会議室で、誰かに話しかけていた。これも、全部計画通りなのかしら。返ってくることのない返事から察した肯定の意。もぉ、たまには話相手になって下さいませ。あれだけ、茶番に付き合ってたあなたじゃありませんか。そして一人、ほくそ笑むのだった。
●“水凛徒シャルラ”のプロフィール
私達を集めていったいどうするつもりかしら。誰もいなくなった会議室に、続々と集まる者達。水凛徒シャルラと特別監視役、特別調停役。そして、悪戯神に寄り添うように立つ愚者。今日は君達に、改めて紹介したい人がいるんだ。ほら、入って来てよ。その声にあわせて姿を現したのは、誰かによく似た無聖人だった。
神才マクスウェルが開発した特別調停役マダナイは、「どうしてみんな、争いたがるのかな」と退屈そうに爪を研ぐ。そんな光景を無言で見つめる特別監視役スフィアに対して、ロキは「君はやっぱり、面白くない男だよ」と冷たい視線を投げる。
スフィアはロキ陣営に所属しておらず、単純にこの時だけは厄介事を止める為にロキたちと手を組んでいただけだった。なお、スフィアは聖人たちともさらに別の陣営に属しており、その所属先はのちに明かされることになる。
●“特別調停役マダナイ”のプロフィール
どうしてみんな、争いたがるのかな。マダナイは退屈そうに爪を研ぐ。あら、あなたが一番争いをお求めに見えますわよ。それは水凛徒の言葉。そんな光景を無言で見つめる特別監視役。君はやっぱり、面白くない男だよ。悪戯神は冷たい視線を投げかける。面白くないのは、貴様もだ。だが、いまだけは手を組もうか。
聖戦を前にした神虚狐ヤシロは、聖戦へ関与しないという聖人たちの世界の決定に納得がいっていなかった。そのこともあり、ここでギンジに協力することを改めて口にしている。
●“神虚狐ヤシロ”のプロフィール
聖戦はいわば、過去の再来。そして、それは過去ではなく未来。そんな絵を描くのであれば、それを塗りつぶすまでです。神虚狐ヤシロは動き始める。そして、この世界が求めているのは神ではない。彼らの好きにさせてはいけない。友の為にと、ひたすら我慢を続けた無英斧士の元に、心強い協力者達が集い始めていた。
常界に発せられた特別警戒体制。天界と魔界の聖戦による二次災害を最小限に食い止めるべく、災害対策室のメンバー(炎救員トンビ、水救員アデリー、風救員アルシア、光救員ハヤブサ、闇救員シェリド、無救員ジョルダーノ)は、各地を鎮圧していた。
その際に彼らは円卓の騎士たちや、クロウリーの従者たちの姿を目撃している。
炎救員トンビが行く先々で知った、自分たちを助けてくれている誰か。その正体は南従者パイモンで、クロウリーの従者である彼女たちが陰で活躍していたことが、のちに第五章“偽りの王”でのクロウリーたちの計画に結びついていく。
●“炎救員トンビ”のプロフィール
炎救員トンビは、たびたび不可解な出来事に遭遇していた。救難信号を察し、向かった先で、すでに事件は終わりを迎えていることがあるのだ。助けられた人々もまた、誰が自分たちを助けてくれたのかを知らないという。まっ、天の救いってやつだな。その能天気な思考は幸か不幸か、とある計画への幇助となっていた。
水救員アデリーが出会った“少し生意気な笑顔をみせた銃鎚の少年”はアスル=ブルーノのこと。そして、そんな2人と遠くから見つめるもう1人の青年は、西従者アリトンのことを示している。
●“水救員アデリー”のプロフィール
元気になったみたいでよかったよ。安堵の笑顔を見せた水救員アデリー。俺はまだ、終わるわけにはいかない。少し生意気な笑顔をみせた銃鎚の少年。だけどもう、君たちは評議会の所属じゃないのに。俺たちは今までも、これからも、あの人だけの部下だ。そして、そんな二人を遠くから見つめるもう一人の青年がいた。
「颯爽と登場ですっ」と、犬のような笑顔で傷ついた人々をいやす風救員アルシアに「そのキャラ、好きじゃないんだけど。」と毒づいた女性は、円卓の騎士のヒルダ=ケイ。そして、スープを作る初老の男はブラウン=ガレスだった。
●“風救員アルシア”のプロフィール
ほれ、二人とも仲良くしなさい。初老の声の方には、いい匂いが漂っていた。いいわね、じーさんは趣味が活かせて。かき混ぜられる大きな釜。冷えた体には、スープが一番だぞ。小さな温もりが、辺りを照らす太陽になることを願い、三人は三人に出来る戦いを続ける。そう、小さくても、それは戦いに違いなかった。
光救員ハヤブサが報告書に残さなかった存在は、東従者オリエンス。ハヤブサはオリエンスに記録に残らない存在となることは“あんたらの受けるべき罪”としつつ、その存在が被災者たちの記憶に残ることは“あんたらの受けるべき賛辞”と述べている。
●“光救員ハヤブサ”のプロフィール
光救員ハヤブサは仮の宿へと戻ると、疲れきった体を休める間もなく、報告書の作成を開始した。あんたらのことは、書いたりしねぇよ。そこには記録に残らない存在が。これが、あんたらの受けるべき罪だ。だが、確かに、そんな存在は、被災者達の記憶には残っていた。そして、これがあんたらの受けるべき賛辞さ。
無救員ジョルダーノが行動をともにしたのは、葉巻を吸う男(ローガン=パロミデス)とツインテールの少女(フェリス=ガウェイン)。
そんな時に崩れ始めた瓦礫の山を無数の銃声とともに粉砕して人々を救ったのは、北従者アマイモンだった。
●“ジョルダーノ”のプロフィール
おっさん同士、仲良くしようぜ。ジョルダーノは飲みかけのウィスキーを差し出した。子供に不真面目なところを見せるわけにはいかないからな。男は代わりに葉巻に火を灯した。もぉ、私はいつまでも子供じゃないんだよ。頬を膨らませたのはツインテールの少女。だったら、さっさと仕事を終わらせて酒盛りしようか。
●“無救員ジョルダーノ”のプロフィール
被災地で業務をこなす三人。そういや、聞いたことあるか。無救員ジョルダーノが口にした常界各所の被災地に現れるという謎の人物達の話。報告書には記載出来ない危ない連中らしいんだが。そんなとき、崩れ始める瓦礫の山。だが、そんな瓦礫は、無数の銃声と共に粉砕された。まさか、それがあんたらだってのか。
レプリカを送り出した後、聖無才メビウスは世界評議会によって捕らえられてしまった。
そんなメビウスが聖光才カルネアデスによって助けられたことが、闇救員シェリドのプロフィールによって明かされている。
●“闇救員シェリド”のプロフィール
幾重にも警備の施された世界評議会管轄の監獄。だが、アラート一つ鳴ることなく、警備網が突破されているという事実。その事実こそが、彼女が侵入したという紛れもない事実だった。だって彼女なら、ここを熟知しているもの。闇救員シェリドが手にした確信。そして、その日の午後、聖無才の脱獄が確認された。
従者であるアマイモンたちだけでなく、クロウリーを慕うグリモア教の旧団員たちも聖戦の二次災害をふせぐために動いていた。
クロウリー派である超銀河嬢ベガや超銀河伯アルタイル、そのマネージャーである銀河精デネブも被災地などで、支持を集めようとしていた。
●“超銀河嬢ベガ”のプロフィール
常界の被災地に配られたチラシ。旧グリモア教団の壊滅と共に、芸能界から姿を消した銀河系アイドルのベガが、被災地でゲリラライブを行うという触れ込みだった。そして、被災者達は少しの期待を胸に、瓦礫の山へ。午後7時、ライトアップされた瓦礫はステージへ。みんな、ただいま。合言葉は、ギャラクタシー。
●“超銀河伯アルタイル”のプロフィール
聖暦××××年、××月××日、常界某所。ライトアップされた瓦礫の上に準備された特設ステージ。まるで宇宙に星が煌くようなSEと共に登場したのは、超銀河嬢と超銀河伯アルタイル。1曲目、お馴染みの『スターキャンディ』のイントロが流れ始めると、オーディエンスのボルテージは早くもギャラクタシーへ。
「わたくしが、しっかりと記事にさせて頂きますね」。そういった旧教団員をバックアップしているのは、かつて水通者ロジンの部下としてアオトたちをアリトンのもとへ導いた広報局員マリナだった。
●“銀河精デネブ”のプロフィール
計画は順調に進んでいるか。デネブの耳元で囁かれた言葉。当たり前じゃない、アタシを、この子達を、誰だと思っているのよ。この調子で、全国を回ってくれ。そこで電話は途切れた。被災地を廻るゲリラライブツアー、それはただの序章に過ぎないのである。わたくしが、しっかりと記事にさせて頂きますね。
第三章“大いなる「希望=絶望」”でのアーサー奪還のための戦いが失敗したのち、アサナ≒マーリンたち円卓の騎士が考えたのは、帰ってこないアーサーのために今できることをすること。
そう考えた円卓の騎士たちは、聖戦の二次被害を抑えるために常界の各地に散っていったのだった。
●“アサナ≒マーリン”のプロフィール
失敗に終わった聖王奪還作戦。それでも、僕は彼を信じます。それは、幼き日の聖王を知っているアサナだからこその想い。きっと、彼はいまでも戦っているんです。だから僕たちは、いつか彼が帰ってきた時に、彼が心から安らげる世界を創る為に戦いましょう。そして、円卓の騎士達は各地へと散っていくのだった。
特別監視役スフィアが目を通した書類に書かれていたのは、二次被害を抑えるために元常界代表専属の特務機関である円卓の騎士のメンバーたちが活躍しているということ。
「彼らは、彼らに出来ることをしているのだな」と考えるスフィアだったが、「だが、なぜだ、なにかがおかしい」と違和感も覚えている。その正体は、クロウリー派の元教団員たちの暗躍だった。
●“特別監視役スフィア”のプロフィール
スフィアが目を通した書類には、地方の暴動鎮圧に乗り出していた元世界評議会所属、元常界代表専属の特務機関の面々が記されていた。彼らは、彼らに出来ることをしているのだな。そう考えれば、なんの変哲もない報告書だった。だが、なぜだ、なにかがおかしい。生まれた違和感。その答えは、既に動き始めていた。
【第四章“聖戦(裏側2)”は5月20日(土)夕方ごろに公開予定です】
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