2017年5月23日(火)
ガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用アプリ『ディバインゲート』のストーリーを振り返る特別企画をお届けします。
第五章“偽りの王(2016年11月~)”では、再び現れた北欧神とアカネたちの戦い、そして表舞台に現れたクロウリーの決断などに関する物語が展開します。
天界と魔界の聖戦が終わり、少しずつ平穏を取り戻し始めた統合世界だったが、突如、常界の6箇所を災厄が襲った。各地に散っていた円卓の騎士たちは、その災厄の対処と原因調査に向かうことに。
●“#01 偽りの王:序章”より
聖戦は終わり、少しずつ平穏を取り戻しはじめた統合世界。それは、常界も例外ではなかった。各地の二次災害は鎮火の一途を辿る。だけど、どうしてこんなにすんなりと。そしてまた、その対処と平穏に、不吉な予感を感じずにはいられなかった。
●“#02 偽りの王:序章”より
その不安な予感は的中した。突如、発令された避難勧告。常界を襲う複数の災厄。彼らに、緊急対応指示を。各地に散っていた円卓の騎士たちは、その災厄の対処と原因調査へ。きっと、僕も同じ気持ちだよ。最近の平穏に、嫌な予感が止まらないんだ。
常界を襲った災厄の数は6つ。それは、かつてアカネや円卓の騎士たちと戦ったナンバーズ(アイン、ツヴァイ、ドライ、フィア、フュンフ、ゼクス)の災厄を思い起こさせるものだった。
●“#03 偽りの王:序章”より
常界を襲った災厄の数は六つ。あのときよりも、被害規模が大きいわね。かつて、神才により創られし子たちが引き起こした災厄、常界の被害は三箇所。やっぱり、今回も彼女たちが。だが、その災厄に近づけば近づくほど違和感は大きくなるのだった。
だが、円卓の騎士が向かった先に待ち受けていたのは、神才マクスウェルが生み出したナンバーズではなく、王都ティンタジェルで聖神アーサーとともに姿を消した北欧神たちだった。
そして、そのころ、聖神アーサーは常界から遠く離れた神界の玉座にいた。そして、北欧神に命じて起こさせた災厄やそれに対して奮闘する人々をただ見つめ、世界の痛みと世界の愛をただ感じていたのだった。
なぜアーサーが常界に北欧神を差し向け、災厄を起こさせたのか。その意図は、のちの物語で明かされることになる。
●“#07 偽りの王:序章”より
ひとりの男は、ただ見つめていた。起きた災厄と、奮闘する人々を。その男は、ただ耳を澄ましていた。悲鳴と、歓声へ。その男は、ただ感じていた。世界の痛みと、世界の愛を。その男は、ただそこにいた。常界から遠く離れた神界の玉座に男はいた。
6つの災厄に対して、「大丈夫、きっとこの災厄はどうにか収まるはずです」と自信を見せた広報局員マリナ。
●“#04 偽りの王:序章”より
大丈夫、きっとこの災厄はどうにか収まるはずです。マリナには確固とした自信があった。そして、そのときこそ、わたくしがここにいる意味を果たさなくてはなりません。そう、こうなることを望んでいたんです。いまこそ、わたくしたちの好機です。
クロウリー派である彼女が“好機”という言葉を使ったのは、この災厄にクロウリーの従者たちが介入することで、クロウリーの存在を世にアピールできるから。
そして、聖戦の裏ではすでに、新生世界評議会の幹部となった無英斧士ギンジとマリナの協力体制は築かれていた。
のちにクロウリーが常界の王(聖常王)になるための従者たち、そして協力者であるギンジによる布石は、すでに打たれていたのだった。
●“広報局員マリナ”のプロフィール
はじめまして、ですよね。無英斧士へと語りかけるのは、広報局員へと立場を変えたマリナだった。わたくしは、来るべき日の為に、ここへと参りました。そんな彼女が広報局員として追いかけるのは、戦争に乗じて常界の各地で起きる暴動を人知れず抑制する存在達。だからどうか、力を貸して頂けないでしょうか。
天界と魔界の聖戦、そして竜界での紅煉帝ヴェルンの帰還にともなう騒動を経て、新生世界評議会では六聖人(炎聖人ダンテ、水聖人ヨハン、風聖人イージス、光聖人ジャンヌ、闇聖人シオン、無聖人ニコラス)による聖人会議が行われた。
●“#01 聖人会議”より
集められた六聖人。それじゃあ、今回の件のそれぞれの見解を聞こうか。ダンテが口にしたのは、世界の均衡について。たったふたつの世界が強く結ばれようと、我々はただ、来るべき日を待てばいいだけだ。それが、この席についた俺の仕事だからな。
●“#02 聖人会議”より
ひっくり返った椅子の上、あぐらをかいていたヨハンは、口をあけたまま斜め上を見つめていた。だから、僕は興味ないんだって。争いの果てを見たいだけ。それより、各世界の郷土料理を混ぜ合わせたらさ。そこでヨハンの番は打ち切りとなった。
神族であるダンテは世界の均衡について口にし、ヨハンは各世界の郷土料理を混ぜ合わせるという軽口を叩き、イージスは世界の決定に従い続けてさえいれば災厄は回避できると述べる。
●“#03 聖人会議”より
各世界の代表が不在のいま、意思をひとつにまとめるのは難しいでしょう。ですが、初めからひとつになどなっていなかった私たちからすれば、なにも変わりません。ただ世界の決定に従い続けてさえいれば、災厄は回避出来るんじゃないでしょうか。
その一方でジャンヌが口にしたのは、誰かの裏切りを予期した「もし、世界の決定が覆ったとしたら」という言葉。
そして、竜界の王の座を辞退した創竜神ヒスイの妹であるシオンは、「彼ら(竜界のヴェルン)の真意は計りかねますが、もしあの両世界(神界に攻め入ろうとしている、天界のオベロンと魔界のヴラド)に加担したとしたら、それは世界の決定が覆ることになりかねません」と語る。
●“#04 聖人会議”より
もう、本当に議論になんないわね。ジャンヌは各者の変わらない顔色を伺おうともしなかった。もし、世界の決定が覆ったとしたら。それは誰かの裏切りを予期しての言葉。アタシらの中で、誰も裏切らないなんて保証は、どこにもないんだからさ。
●“#05 聖人会議”より
未だに竜界の正式な王は不在です。だが、古神殿の玉座には紅煉帝が腰を下ろしていた。彼らの真意は計りかねますが、もしあの両世界に加担したとしたら、それは世界の決定が覆ることになりかねません。シオンは妹として、複雑な想いを抱いていた。
そして、聖人会議長ラウフェイが最後に「君が一番危ない存在だって、皆気づいてるんだよ」と語りかけたのは、サンタクローズとイヴの父である無聖人ニコラス。
だがニコラスは、「俺はすべてを捨て、この席にいる。そう、俺には息子も娘もいないんだ。世界の決定は覆らない」と答えるのだった。
●“#06 聖人会議”より
そして、議長が最後に問いかけたのは無聖人。君が一番危ない存在だって、皆気づいてるんだよ。だって、彼は君の。だが、その言葉を否定する無聖人。俺はすべてを捨て、この席にいる。そう、俺には息子も娘もいないんだ。世界の決定は覆らない。
そして、のちにニコラスはその言葉を実行するかのように、息子であるサンタクローズへ銃口を突きつけ、銃声を鳴り響かせたのだった。
●“無聖人ニコラス”のプロフィール
しばらくぶりだが、大きくなったな。背後から呼び止めた無聖人ニコラス。もっと驚いてくれよ。振り向いた顔が証明する血の繋がり。いまさら、父親面してんじゃねぇ。青年の瞳に映るのは自分へと突きつけられた銃口。たまには父親らしくさせてくれよ、だから、オマエにプレゼントだ。鳴り響く銃声。グッドラック。
天界の聖夜街に捨てられた少年アーサーは、少年サンタクローズ(あの日の僕ら)と親友となり、エリザベート(あの日の私)やサンタクローズの妹であるイヴとともに少年時代を過ごした。
雪降る日に、肯定された命。その際の思い出は幸せな物でありながら、アーサーは「そう、だから俺こそが、世界の悲しみを背負うべきなんだ」という考えにもつながっている。
●“アーサー:BD2016”のプロフィール
僕は世界中の誰よりも幸せなんだ。あの雪降る日に、肯定された命。そして、彼へ向けられる笑顔は、歳を重ねるにつれ増えていった。やっぱり俺は幸せものだ。そう、だから俺こそが、世界の悲しみを背負うべきなんだ。そんなアーサーへ捧げられた祝福。誕生日、おめでとう。どうか、みんなの言葉が届きますように。
●“聖鐘女イヴ”のプロフィール
見つめていたのはある日の写真。幼き自分と、兄と、その幼馴染の少女、金髪の少年。そんな四人に優しく寄り添う亡き母は左端に。破りとられた右端。どすん。暖炉から聞こえた賑やかな音。いつも、ごめんな。私は、いつだってお兄ちゃんの味方だよ。聖鐘女イヴは、準備をすました兄を見送ることしか出来なかった。
そんなアーサーとサンタクローズの出会いは、ニコラスに仕える無雪徒ドロッセルによって“ふたりの出会いは運命であり、そして必然”と表現され、無聖人の掌で仕組まれた“雪降る夜に出会わされてしまったふたり”とも表現されている。
なぜニコラスはそのような出会いを仕組んだのか? その真意は、のちに明かされることになる。
●“ドロッセル”のプロフィール
僕は人形。ドロッセルは、ただ、雪降る街で記録をし続けるだけの存在だった。いつから存在していたのか。いつから体が与えられたのか。そう、体などは器に過ぎない。だから、僕は人形なんです。そんな彼に与えられた命令。ちょっと、くるみを割ってきてもらえるかな。それは無聖人の一声。そう、僕はただの人形。
●“無雪徒ドロッセル”のプロフィール
運命を必然と呼ぶのであれば、ふたりの出会いは運命であり、そして必然だった。どうして出会えたのか、どうして出会ってしまったのか、どうして出会わされてしまったのか。無雪徒ドロッセルはただ記録を続ける。雪降る夜に出会えたふたりを。雪降る夜に出会わされてしまったふたりを。すべては、無聖人の掌に。
▲無雪徒ドロッセルの設定画。 |
レオラ=ベディヴィアが向かったのは、かつて炎咎甲士アカネとともに、ナンバーズの1人であるアイン:W09と戦った場所。
そこでレオラが見つけた災厄の正体、それは北欧神である創炎神スルトだった。
「私はこの日を待っていました」。レオラは、自分たちのリーダーだった聖神アーサーを王都から連れ去ったスルトに対して怒りを見せる。
●“#05 偽りの王:序章”より
レオラが向かったのは炎の災厄。ここは私が対処します、住民はすぐに避難して下さい。思い返すのはアカネと再会を果たした日。だけど、今回は違うみたいですね。レオラは辿り着いた災厄の正体に怒りを隠せずにいた。私はこの日を待っていました。
そして、ナンバーズのアイン≠W=00もまた、その場に姿を現した。
“W”の一文字を捨てて生まれ変わったアインは、自分の居場所と存在価値を証明するために、災厄を起こしたスルトに立ち向かう。
こうして、アインとレオラは漆黒の喪服に身を包んだスルトをにらみつけ、戦いを仕掛けるのだった。
●“#01 偽りの王:創炎神”より
燃え盛る炎を、さらに燃え上がらせたのは対する炎。そんな炎が消えたとき、立っていたのはあのときと違う笑みを浮かべたアインだった。そして、笑顔を捨てたアインとレオラ、ふたりが共に睨みつけたのは、漆黒の喪服に身を包んだスルトだった。
「すべて世界の決定だ」。スルトの力はアインとレオラを凌駕していた。アーサーが北欧神に災厄を起こさせたことを信じられないレオラは、想いを刃へと乗せて戦うが、その刃は届かない。
剣を持つ手が震えるレオラに「本当にあいつを好きなら、こんなことで動じてんじゃねぇって」と助勢したのは、円卓の騎士の仲間であるロア=ユーウェインだった。
そして、その隣には、創醒の聖者に仕える創醒の巫女(聖巫女アルル、聖巫女ナルル、聖巫女ユルル)との出会いを経た炎咎甲士アカネの姿もあった。
●“#02 偽りの王:創炎神”より
すべて世界の決定だ。スルトが放つ炎。人間がいくら足掻こうと、決して覆ることはないんだ。だったらそれを覆したら、俺は人間だって証明になるな。足掻くアイン。これがあの人の意思だっていうんですか。レオラは想いを刃へと乗せるのだった。
●“#03 偽りの王:創炎神”より
私は認めない、これがあの人の意思だなんて認めない。これはなにかの間違いです。だが、レオラの刃が届くことはない。この決断が、本当のあの人なんでしょうか。剣を持つ手は震える。本当にあいつを好きなら、こんなことで動じてんじゃねぇって。
●“#04 偽りの王:創炎神”より
隣にはロアがいた。悪い、遅くなっちまった。仲間の応援、剣を握る手に再び力を取り戻したレオラ。俺もきっと、同じなんだろうな。なにを考えているかわからない、そんな俺たちの王サマに恋してたんだ。だからきっと、あいつには理由があるんだ。
常界の始まりの地で聖なる扉の在り方を知ったアカネは「俺は絶対に、お前だけは許すことが出来ない。例え、いまがこの世界の在るべき姿だとしても」とスルトに立ち向かい、「アイツ(アーサー)はいま、どこにいるんだ」と問う。
「俺は壊すんだ、この時計仕掛けの世界を。その為に、聖なる扉を」。スルトはアカネが真実を知ったことを悟り、それでも「いくら足掻こうと世界の決定は覆らない」ことを告げるのだった。
●“#05 偽りの王:創炎神”より
で、理由ならこいつにもあるみたいだぜ。ロアと共にいたのはアカネ。常界の始まりの地で知った、聖なる扉の在り方。俺は絶対に、お前だけは許すことが出来ない。例え、いまがこの世界の在るべき姿だとしても。その胸には沢山の炎が宿っていた。
●“#06 偽りの王:創炎神”より
人間がいくら束になろうと、神に救いを求めることしか出来ないのだ。スルトの刃が切り裂かんとする未来。俺は壊すんだ、この時計仕掛けの世界を。その為に、聖なる扉を。アカネは、あの頃からひと回りも、ふた回りも大きくなった拳を握り締めた。
●“#07 偽りの王:創炎神”より
アイツはいま、どこにいるんだ。アカネはスルトのさらに後ろを見つめていた。そうか、真実を知ったというのだな。ふたりの間にだけ通じた言葉。いくら足掻こうと世界の決定は覆らない。そして、その裏側ではとある準備が進められていたのだった。
「彼(アーサー)はもう、この世界に必要ないのよ」。アカネたちとスルトたちとの戦いに割ってきたのは、クロウリーの従者である南従者パイモンの勢力だった。
スルトの引き起こした炎の災厄により、常界の人々には神への恐怖が植え付けられた。そして人々は、スルトを撃退してその場を救った正体不明の女(南従者パイモン)へと賞賛を向けるのだった。
●“#08 偽りの王:創炎神”より
彼はもう、この世界に必要ないのよ。狙いすましたかのように現れた人影。この数を相手に、いつまでも持つほどの力はないわよね。開かれていたのは大きな扇子。それに、もう役目は果たしたんでしょう。だから、これ以上の戦いに意味はないわ。
●“#09 偽りの王:創炎神”より
常界へ無数の被害をもたらした炎の災厄。そして、その炎の災厄はアカネたちによって食い止められた。だが、常界の人々の心には、神々への恐怖が植え付けられ、それと同時に、その場を救った「正体不明の女」へと、賞賛が向けられたのだった。
かつての戦いでアカネたちやリオに敗れたナンバーズが保護されたのは、聖導院ミルディン。円卓の騎士の“0人目の騎士”でもある魔術師マーリンは彼らに温かい光を与え、神才マクスウェルに作られたナンバーズを“人”にしたのだった。
●“フィア≠E=00”のプロフィール
私たちは捨てられた。使い捨てられました。私たちは人ですらなかった。道具に過ぎなかった。フィアが打ち明けた胸中。だから私たちは、あなたに感謝しています。聖導院に差し込んだ温かい光。これは、私たちなりの恩返しです。あなたが守りたいすべてを、私たちが守ります。私たちを、人にしてくれてありがとう。
●“ドライ≠A=00”のプロフィール
私はずっとひとりだった。そして、ドライはひとりで散った。だけど、目を覚ましたとき、彼らは、彼女らは私の手をとってくれたの。だから、私はいまここにいる。そう、私はひとりの女になったんだから。ナンバーズと呼ばれていた少年少女たちは神才の元を離れ、自らの足で自らの道を歩み始めていたのだった。
●高野メモ
3周年のムービーの最後でチラっと初登場した再醒のスルトですね。発注したときは、再醒の北欧神はみんな逆行で、スーツスタイルで、とお願いしました。
円卓の騎士たちも、スーツスタイルの隊服で、黒服だったのですが、北欧神たちも同じような格好することで、「あぁ、本当にアーサーが使役しているんだ」と思ってもらえたら、とそのように発注させてもらいました。
スルトはなにをしても様になるし、ただただ格好いいので、本当にズルイです。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
特に北欧神の中でリーダーとかそういう訳ではないのですが、元々そういう圧倒的な威厳や強さを表現したかったキャラでした。
再醒ではスーツスタイルという神様のデザインにしてはなかなか奇抜な仕様だったわけですが、それでも強さや神々しい雰囲気を出さなければならなかったので、うまくいくか不安なところがありましたが、さすがスルトさんという感じでまとまったと思います。
一方、円卓の騎士のアスル=ブルーノは、北欧神の創水神シグルズと対峙していた。
そしてこの戦いは、離れ離れになっていた2人の水の運命(水咎刀士アオトと西従者アリトン)を手繰り寄せようとしていた
●“#06 偽りの王:序章”より
オレはアンタのこと、認めないね。アスルがあらわにした怒り。だから、さっさとくたばれ。力任せに振り回した鎚。生まれた因縁は、ひとりの君主の為に。そして、水の災厄は、離れ離れになっていた二人の水の運命を手繰り寄せようとしていた。
シグルズへ鎚を振り上げたアスルだが、水の流れが彼を押し戻す。「んだよ、邪魔すんな」と言うアスルに「感謝して欲しいね、君があのまま飛び込んだら、水の刃で串刺しだったよ」と言葉を返したのは、ナンバーズのツヴァイ≠X=00だった。
彼もまた、“X”の一文字を捨て、災厄を止めるためにこの場に現れたのだった。そんな2人を見たシグルズは、「うふふ、ふたりとも可愛いわね」「複数プレイも大歓迎よ」と、おいしそうに舌なめずりをする。
●“#01 偽りの王:創水神”より
シグルズへ鎚を振り上げたアスル。だが、そんなアスルを押し戻した流れ。んだよ、邪魔すんな。感謝して欲しいね、君があのまま飛び込んだら、水の刃で串刺しだったよ。そこには、かつての水害を引き起こした張本人であるツヴァイがいたのだった。
●“#02 偽りの王:創水神”より
うふふ、ふたりとも可愛いわね。シグルズは美味しそうに舌なめずりをした。そんなシグルズに飛び掛るふたり。複数プレイも大歓迎よ。でもね、アタシが会いたいのはアンタたちなんじゃないわ。だから、あの子が来るまでの時間だけ相手してあげる。
「でもね、アタシが会いたいのはアンタたちなんじゃないわ。だから、あの子(アオト)が来るまでの時間だけ相手してあげる」というシグルズの言葉に、アスルも自分が会いたいのはアーサーだと返す。
そこに「んなの決まってんだろ、殺しに行くんだ」という言葉とともに大剣で割って入ったのは、隊服を脱ぎ捨てた元円卓の騎士であるライル≒ランスロットだった。
●“#03 偽りの王:創水神”より
オレが会いたいのも、アンタなんかじゃない。アスルが見つめ続けているのは、たったひとりの王。いま、アイツはどこにいるんだ。そんなこと聞いて、どうするのかしら。んなの決まってんだろ、殺しに行くんだよ。それはまた、別の男の声だった。
●“#04 偽りの王:創水神”より
交わる二本の剣と大剣。あら、せっかちな子ね。テメェ、いいとこ取りすんなっ。アスルが振るう鎚。ふたりの久しぶりの再会に喜びの声はなく、目的は違えど同じ男を見つめていた。アンタたちと同じで、アタシもアンタたちじゃないのよ。ほら早く。
「もぉ、あの子はまだなのかしら」と、戦いながらもアオトを待ち焦がれていたシグルズ。そこにようやく、二刀を構えたアオトが現れる。
「会いたかったわ、アオトちゃん」。そんなシグルズの言葉に、アオトは「僕も、君にはもう一度会いたかったよ。だけど、いま僕が会いたいのは君なんかじゃない。だから、僕たちの邪魔をしないで」と返すのだった。
●“#05 偽りの王:創水神”より
もぉ、あの子はまだなのかしら。シグルズは待ち焦がれていた。だって、ここにはあの子の会いたい彼がいるじゃないの。人知れずに解決されていた災害。その対処をした正体。ほら、やっぱり彼に会いに来たのね。そこには二刀を構えたアオトがいた。
●“#06 偽りの王:創水神”より
みんな、久しぶり。アオトが一瞬みせた笑顔。だけど、再会を喜んでいる暇はなさそうだね。会いたかったわ、アオトちゃん。僕も、君にはもう一度会いたかったよ。だけど、いま僕が会いたいのは君なんかじゃない。だから、僕たちの邪魔をしないで。
アスル、ツヴァイ、ライル、アオト。この4人の力をもってしても、シグルズは一歩も譲らない。そんな激戦を遠くから見つめていたもう1人の青年(西従者アリトン)は「そろそろ、僕たちの出番だね」とつぶやき、シグルズへと水龍を纏いし大きな一太刀を放つのだった。
●“#07 偽りの王:創水神”より
圧倒的な力を見せ付けるシグルズに対抗する四人。互いに一歩も譲らない攻防戦。そして、そんな戦いを遠くから見つめるもうひとりの青年がいた。そろそろ、僕たちの出番だね。変わり始める均衡、それは偽りの王への道へと通じていくのだった。
●“#08 偽りの王:創水神”より
そこをどいて。アオトたちの背後、放たれたのは水龍を纏いし大きな一太刀。左右へと飛びのくアオトたち。そして、その一太刀はシグルズへと向かう。ふふふ、アンタもいい男になったじゃない。シグルズの頬は、さらなる紅潮をみせるのだった。
このアリトンの介入もまた、クロウリーが“偽りの王”となる道へと通じていたものだった。シグルズに最後の一太刀を浴びせ、水の災厄を食い止めた“正体不明の男(西従者アリトン)”。
クロウリーの従者が聖戦の二次災害を食い止めるべく各地で活躍していたことを、災害対策室のメンバー(炎救員トンビ、水救員アデリー、風救員アルシア、光救員ハヤブサ、闇救員シェリド、無救員ジョルダーノ)が目撃していたように、民衆たちもまた、今回の災厄を食い止めた“正体不明の男”が聖戦の二次災害を食い止めるために動いていたことを知っていた。
従者たちを中心に、クロウリーが民衆たちのために動いていたことが知られていたからこそ、のちにクロウリーは常界の王として、人々から受け入れられたのである。
●“#09 偽りの王:創水神”より
また会える日を、楽しみにしているわ。そう遠くない未来に会いましょう。食い止められた水の災厄。その最後の一太刀は「正体不明の男」によるものだった。だが、人々は知っていた。その正体不明の男が聖戦の二次災害から人々を守っていたことを。
アオトがアリトンと再会することは、アオト:BD2016に示唆されていた。
「今日だけはゆっくり休んでね。目を覚ましたら私達も彼の元へ行こう」という最愛の女性(水精王ウンディーネ)の言葉の中の“彼”は、アオトの双子の弟であるアリトンのことを示している。
●“アオト:BD2016”のプロフィール
双子は同じ夢を見る。それを迷信だという人もいる。だけど、私はきっと、同じ幸せな夢を見ているんだと思うな。アオトが左手で握り締めたネックレス。それは二人を繋ぐ思い出。きっと、もう大丈夫だよね。最愛の女性は、優しい瞳で彼を見守る。今日だけはゆっくり休んでね。目を覚ましたら私達も彼の元へ行こう。
●高野メモ
お姐のシグルズです。スタッフからもシグ姐と呼ばれ、親しまれています。
ネクタイをリボン結びで、と発注しました。そのほかは、もうほとんど自由に描いてもらいましたね。
武器にまたがっていたり、ちょっと頬が赤くなっていたりと、本当に卑猥なお姉さまです(笑)。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
本来オネエの仕様はなかったのですが、自分が提案してオネエにしてもらったシグ姐。
再醒前ではかっこよさの中にセクシーさを意識して描いていましたが、再醒ではセクシーさを前面に出してあげました。
おそらく北欧神の中では一番の長身なのですが、スレンダーの中にある骨が太そうな男っぽさにこだわってます。きっと闘う時も二刀流で美しく闘ってくれるんだろうなぁ。
創風神ヘズに立ち向かったのは4人の男女たち。ナンバーズのドライ≠A=00、円卓の騎士のブラウン=ガレスとヒルダ=ケイ、そして風咎棍士ミドリだった。
●“#01 偽りの王:創風神”より
例外なく発生していた風の災厄。神々の猛威に対抗するのは人々の想い。私たちはあの日、みんなの居場所を奪った。ドライの後悔。だけど、いまは違う。この世界で、私たちは生きていくって決めたんだ。この場所を、あんたたちの好きにはさせない。
●“#02 偽りの王:創風神”より
私は従ってるだけ。ヘズが巻き起こす風が奪う沢山の命。そこに、理由なんてない。だから、あなたたちの言葉を聞く理由もないの。なぜ、世界が生まれたか。そこに理由はない。そして、始まりに理由がなければ、また、終わりにも理由などないのに。
●“#03 偽りの王:創風神”より
いくら老い先が短くても、死ねない理由が出来てしまったのでな。ブラウンが求めたのもまた、新たな道を示してくれたひとりの王の帰還だった。そして、今度こそ彼が帰ってくる場所を、守らなければいけないのだ。そこには、戦士の魂が宿っていた。
●“#04 偽りの王:創風神”より
あのときの借りを、まだ返せてなかったしね。雨降る王都で儚く散った想い。私はべつに、あいつの為なんかじゃない、私の為だから。あいつの口から、あいつの言葉で理由を聞かなきゃ、納得出来ないのよ。ヒルダは無数の矢を宙へと放つのだった。
「あなた(ヘズ)を討つべきは、きっと私(ミドリ)じゃない。だけど、あの人(オズ)がいないいま、あなたを討つのは私でありたい」。かつてヘズは道化嬢ドロシーを倒し、その場面を目撃した道化竜オズは心に傷を負った。
その後、古竜王ノアのために肉体を捨てたオズのため、ミドリとドロシーは竜界でオズを救う方法を探している最中だった。
ヘズが引き裂いた、オズやドロシーたちの“家族の絆(オズファミリー)”。そのことを思い、ミドリはヘズに「どんな理由があろうと、私はあなたを許すことは出来ない」と告げるのだった。
●“#05 偽りの王:創風神”より
あなたを討つべきは、きっと私じゃない。だけど、あの人がいないいま、あなたを討つのは私でありたい。ミドリは棍を構え、宙へと空を蹴る。もう、私はあの頃の私じゃない。沢山の涙を見てきた。だから、もう誰かが悲しむ顔は見たくないんだ。
●“創風神ヘズ”のプロフィール
本当、あなたたちはいつも口だけね。創風神ヘズは退屈そうに槍を放る。こんなんじゃ、目も覚めないわ。そんな彼女の前、立ち塞がった四人は懸命に堪える。どんな理由があろうと、私はあなたを許すことは出来ない。一度引き裂かれた家族の絆。そしていま、あなたがここにいることを、認めることも出来ないの。
●“#06 偽りの王:創風神”より
いいよ、そういうの。ヘズが飼いならした風へと届くことのない想い。あと、もう一歩。ミドリたちが募らせる想い。ここは、私たちだけで、どうにかしなきゃいけないんだから。私たちはまだ終わらないんだ、まだ終わらせたりなんかしないよ。
「神サマなんて完全な存在は、この不完全な世界に必要ないのよ、けひひ」。ヘズと4人の戦いの均衡を破ったのは、クロウリーの従者である東従者オリエンスだった。
●“#07 偽りの王:創風神”より
均衡する風のぶつかり合い。そして、そんな均衡を崩したのもまた一筋の風。邪魔をしないで。感情を顕にしたのはヘズ。どうして、あなたがここに。戦場での再会、かつてミドリへと吹いていた向かい風は時を経て、追い風へと変わっていたのだった。
●“#08 偽りの王:創風神”より
そう、今日の私は追い風なの。予期せぬ加勢と、変わった風向き。そうね、思う存分目立たせてもらえるかな。だって、このときのために、私たちはずっと活動してきたんだから。神サマなんて完全な存在は、この不完全な世界に必要ないのよ、けひひ。
「そうね、思う存分目立たせてもらえるかな。だって、このときのために、私たちはずっと活動してきたんだから」。風の災厄を阻止した“正体不明の女(東従者オリエンス)”もまた、民衆から大きな賞賛を集めた。こうして、クロウリーが聖常王になるための土台が、また1つ固められたのだった。
●“#09 偽りの王:創風神”より
風が止んだとき、そこには災厄の爪あとが残されていた。まぁ、あんたたちもよく頑張ったわよ。そんな言葉を残したのは、風の災厄を阻止する最後の風を放った「正体不明の女」だった。そして、その女へは数え切れないほどの賞賛が集まるのだった。
グリモア教団が崩落した日を最後に姿を消した古竜王ノアと、彼女に力を貸した道化竜オズ。
ドロシーたちはいまも全員が肌身離さず、何気ないある日の家族の思い出の切り取られた1ページを持ち、オズの帰りを待っているのだった。
なお、ドロシーは家族であるオズを救うため、竜界の祠の奥で“最古の竜の血”を探し続け、古詛竜ハムと出会っている。
●“#01 家族の絆”より
ねぇ、君はいまどこにいるの。聞こえた悲痛な叫び。ねぇ、君はいまなにしてるの。続ける聞こえないフリ。ねぇ、みんな待ってるんだよ。もどかしい思い。ねぇ、だから早く帰ってきてよ。思い出すあたたかな日々。ねぇ、君がいなきゃ駄目なんだ。
●“#02 家族の絆(道化犬トト)”より
季節が変わるたびに用意されていた洋服。そして、そんな洋服が用意されなくなってから、いったいどれだけの季節が流れただろうか。常界に近づいてきたのは雪降る季節の足音。トトの寝床には、誰かの匂いの染み付いた洋服が敷き詰められていた。
●“#03 家族の絆(道化魔カカシ)”より
いつも思い出すのは真っ赤に燃え上がった教団崩落の日の炎。あのとき感じた懐かしさ。カカシはただ、新たな居場所を守り続けていた。いつか、誰かが帰ってこられるように。いつか、炎をまとい、帰ってくる魔法使いの為に、守り続けるのだった。
●“#04 家族の絆(道化獣レオン)”より
あの日、自らに架した枷。この翼は、空を飛ぶ為ではなく、皆を運ぶ為に使うと。レオンが皆を運びたい先は、家族が寄り添いあっていた、あたたかな日々。だが、レオンは前を見つめていた。過去にすがるのではなく、もう一度、あの日々を求めて。
●“#05 家族の絆(道化嬢ドロシー)”より
私にとって、彼らは、彼は本当の家族だった。それはいまも変わらない。みんな、待っているんだよ。だから、ドロシーは探し続ける。みんな、信じているんだよ。だから、ドロシーは探し続ける。いつだって、あなたの居場所は、私たちなんだから。
●“#06 家族の絆(道化機ブリキ)”より
少し剥がれた塗装。塗りなおしてあげようか。ボームの提案に対し、首を横に振るブリキ。君に心が生まれるなんて、やっぱり彼の魔法は出来損ないなんかじゃなかったんだ。ううん、少し違うね。君たちにとっては、特別な魔法だった、ってことかな。
●“#07 家族の絆”より
いまも全員が肌身離さず大切に持っていたのは、何気ないある日の家族の思い出の切り取られた1ページ。そして、いまも全員が肌身離さず大切に持っていたのもまた、小さくて、大きな共通したひとつの想いだった。思い出なんかで終わらせない、と。
●高野メモ
ヘズももう、ほとんど自由に描いてもらいました。
北欧神は再醒前から、初登場時からすごい人気のあったキャラなので、きっとUCMMさんもプレッシャーと戦いながら描いてくれたと思います。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
再醒前ではパジャマみたいなラフな格好だっただけに、スーツの仕様でこの子のよさをどう引き継がせるのがいいのか一番悩んだキャラでした。
結果、だいぶルーズに着こなしてもらいました。お堅い服がうまく着れなそうなところもこの子らしくていいんではなないかなーと思います。
そもそもシャツも自分のサイズじゃないと思いますが、そこがよいのです。そしてボタンをしめてあげたくなるのです……。
「おばちゃん、もうあんまり体力ないから長引かせないでね」。そんな自嘲の言葉を口にする創光神オーディンの前に立つのは、4人の女性。
「死にたい子から、前に出ておいで」というオーディンの言葉に対し、ナンバーズのフィア≠E=00、円卓の騎士のミレン=トリスタンとオリナ=ラモラック、そして光妖精王ヒカリは一斉に飛び出した。
●“#01 偽りの王:創光神”より
おばちゃん、もうあんまり体力ないから長引かせないでね。オーディンは自嘲しながらも、楽しげな笑みを浮かべていた。今回のは命令だから、思う存分やらせてもらうよ。だとしたら、私も思う存分やらせてもらいます。フィアの瞳に光が宿る。
●“#02 偽りの王:創光神”より
いいな、みんなキラキラしてて。オーディンが見渡すと、そこには四人の女が立っていた。いいよ、四人相手で。私ってモテるねー。そうだ、一度これ言ってみたかったんだ。死にたい子から、前に出ておいで。そして四人は一斉に飛び出したのだった。
●“#03 偽りの王:創光神”より
やっぱり、私は指揮官の器じゃないみたいね。槍を構えたミレンは楽しそうだった。どうして、そんなに楽しそうなのかな。オーディンの純粋な疑問。どうしてわからないのかしら。だって、あなたを討つことが出来れば、あの人へ近づけるじゃない。
●“#04 偽りの王:創光神”より
アタシが知りたかったのはこんな世界じゃない。オリナが抱き続けてきた想い。なにを言ってるの、これは君たちの王様だった男が選んだ世界だよ。違う、アタシは認めない。もし、これがあの人の本心だとしたら、アタシがお説教してあげるんだから。
オーディンはヒカリに「君までここにいちゃっていいのかな」と問いかけるが、ヒカリは「もう、大丈夫。天界は、素敵な王様たちが守ってくれるから。そして、あなたを討つことが、彼の為でもあるんだから」と返す。
●“#05 偽りの王:創光神”より
君たちの言い分はわかったけどさ、君までここにいちゃっていいのかな。オーディンが槍を向けたのは天界を統べる女王でありながらも、常界へと降り立ったヒカリだった。あなたがいま、ここにいる。それが、私がいまここにいる理由になるんだ。
●“創光神オーディン”のプロフィール
やっぱり若いっていいわね。創光神オーディンの槍を弾いた剣。でも、女王さまがこんなところに出てきちゃっていいのかな。もう、大丈夫。天界は、素敵な王様たちが守ってくれるから。そして、あなたを討つことが、彼の為でもあるんだから。いいよ、そういう若い感情大好きだよ。だから、全力でやりあおうよ。
そんなヒカリに対して、オーディンはヒカリの異母兄であるアーサーを引合いに出し、「少なくとも、私が知ってるあなたの兄(アーサー)は、そんな善人なんかじゃないよ」「そう、いまの彼は世界の敵なんだ」と告げる。
それに対してヒカリは「そっか、やっぱり血って争えないんだね、ちょっと妬いちゃうかな」と、悲しそうに、しかし嬉しそうに笑って「それなら、やっぱり私は負けるわけにはいかないよ」と返すのだった。
アーサーとヒカリ、そしてモルガンの父である聖精王オベロンもまた、一度は世界を敵に回した存在だった。
●“#06 偽りの王:創光神”より
だから、私はここであなたを討つ。ヒカリが振り下ろした大剣。へぇ、立派な覚悟だね。だが、それをオーディンはいなしてみせた。いったい、その覚悟は誰に似たんだろうね。少なくとも、私が知ってるあなたの兄は、そんな善人なんかじゃないよ。
●“#07 偽りの王:創光神”より
そう、いまの彼は世界の敵なんだ。オーディンの口からこぼれた言葉。そっか、やっぱり血って争えないんだね、ちょっと妬いちゃうかな。ヒカリは悲しそうに、だけど嬉しそうに笑ってみせた。それなら、やっぱり私は負けるわけにはいかないよ。
オーディンとの戦いは、天界からの増援である精参謀長ヴィヴィアンと6人の真精将(真晴精将サニィ、真雨精将レイニィ、真風精将ウィンディ、真眩精将シャイニィ、真曇精将クラウディ、真雪精将スノウィ)によって終わりを告げた。
「これはあの日の続きじゃない。新しい始まりなの」というヴィヴィアンの言葉は、神界との戦いが迫っていることを示していた。
●“#08 偽りの王:創光神”より
私も戦わせてもらうね。神を前に、傷だらけのヒカリへと手を差し伸べたヴィヴィアン。これはあの日の続きじゃない。新しい始まりなの。そんなヴィヴィアンの背後に降り立つ六つの光。私たちもいますよ。そこには真精将たちが杖を構えていた。
●高野メモ
オーディンはネクタイを何パターンか書いてもらった記憶がありますが、それ以外はもうほとんど自由に描いてもらいました。
見た目は若いですが、神様なので年齢はかなりいっており、おばちゃんキャラなところがお気に入りです。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
はじめはもっとOLみたいなぴっちりスカートだったオーディン。OL感強すぎになってしまったのと元のキャラのイメージからちょっと離れてしまったため、ヒラヒラにしました。
ネクタイもですがジャケット、スカート、ズボン、靴下や靴など、スーツスタイルと統一した中でも各キャラに個性を出したり、他とかぶらない形状にしていたりするので、そこらへんも見て楽しんでもらいたいポイントですね。
創闇神ヘグニに立ち向かったのは、ナンバーズのフュンフ≠L=00と、円卓の騎士であるラン=パーシヴァル。
●“#01 偽りの王:創闇神”より
ずいぶんと、わかりやすいことをしてくれる神様なんだね。フュンフが立ち向かったのはヘグニ。あなたたちは、この時代に存在しちゃいけない。だから、歴史の闇に消えてくれるかしら。光が失われた闇の中、フュンフの瞳にだけは光が宿っていた。
●“#02 偽りの王:創闇神”より
なにを言っているのかしら。常に、歴史の裏側には神サマが存在していたっていうのに。だから、私の前にひざまずきなさい。振り下ろされた大剣が壊す世界。この災厄の意味は、すべての人間の為なのよ。ま、私にとってはどうでもいい話だけどね。
●“#03 偽りの王:創闇神”より
これが人の為だとしたら、俺はアイツを許すわけにはいかないな。闇に浮かぶ人影。アイツは、いつだって光輝いていた。だから、俺はアイツの闇になれたんだ。ランが構えた銃が撃ち抜こうとしていたのは、遠く離れてしまったあの日の心だった。
そして、ランの影からは円卓の騎士から離脱したリオ≠モルドレッドが姿を現す。
「これが人の為だとしたら、俺はアイツ(アーサー)を許すわけにはいかないな」とアーサーを奪還して話をしたいと思うランの言葉に対して、リオは「彼はもう、王じゃない。そして、あなたたちの道具でもない。彼はひとりの人間なの、だから、すべてを許してあげましょう」と、アーサーを苦しめないために彼を楽にすること、すなわち命を奪うことを口にするのだった。
●“#04 偽りの王:創闇神”より
そして、そんなランから伸びた影より現れたのはリオ。いい加減、彼を楽にしてあげましょう。リオの心は変わらなかった。彼はもう、王じゃない。そして、あなたたちの道具でもない。彼はひとりの人間なの、だから、すべてを許してあげましょう。
フュンフ、ラン、リオを相手にするヘグニが引き起こした闇の災厄は、あたり一面を闇に包む。その闇に乗じてヘグニに忍び寄ったのは、魔界を統べる闇魔女王ユカリだった、
「さぁ、ここは誰にも見えない。だから、世界で一番残酷な争いを始めましょう」。ユカリは、親友の魔女王ヴァルプルギスの命を奪ったヘグニに対して、大鎌を振り上げた。
「やっと、この日が来たの。だけど、やっぱり見ないで欲しいかな」。そこには女王の責務を忘れ、あの日の闇に捕らわれて、復讐のためだけに戦うユカリの姿があった。
●“創闇神ヘグニ”のプロフィール
仕方ないから、仕事してやってんのよ。ヘグニが引き起こした闇の災厄。あたり一面は闇に包まれた。ありがとう、私の味方をしてくれて。その闇に乗じて、忍び寄る人影。さぁ、ここは誰にも見えない。だから、世界で一番残酷な争いを始めましょう。振り上げられた闇魔女王の大鎌。あなただけは、私が葬り去るのよ。
●“#05 偽りの王:創闇神”より
あんたらじゃ暇さえ潰れないわ。だが、そんなヘグニの尖らせた口から次に出た言葉は違っていた。そうよ、私はあんたみたいな子の相手をしたかったのよ。ヘグニの瞳に映りこんだユカリ。そう、あんたみたいな、復讐心に染まった顔が見たかったの。
●“#06 偽りの王:創闇神”より
振り上げられたのは常闇の死神の大鎌。ねぇ、見えるかしら。ユカリが見上げた闇に染まる空。やっと、この日が来たの。だけど、やっぱり見ないで欲しいかな。そこには女王の責務を忘れ、そして、ただあの日の闇に捕らわれたユカリがいたのだった。
ヘグニとの戦いの中で膝をつくユカリ。彼女を助けたのは、魔参謀長ファティマだった。
「彼女があなたの敵なら、それは私たちの敵でもあるの」。ファティマと6人の真魔将(真焔魔将ヒメヅル、真蒼魔将ムラサメ、真嵐魔将ヤスツナ、真閃魔将ライキリ、真妖魔将ムラマサ、真絶魔将ナキリ)の増援により、ヘグニによる闇の災厄は阻止されたのだった。
●“#07 偽りの王:創闇神”より
ユカリがついた膝。格好悪い姿をみせないで頂戴。そんなユカリの手をとったひとりの女。彼女があなたの敵なら、それは私たちの敵でもあるの。ユカリが背中を預けたのはファティマ。そして、そんな彼女たちの背後には六人の真魔将が控えていた。
●高野メモ
ツインドリルのヘグニです。なんていうか、こういう系の闇属性のキャラを書いているときのUCMMさんはイキイキしている気がします。気のせいでしょうか。
特にリテイクを出すこともなく、一発でキマったキャラだったかと思います。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
闇属性はキャラにクセが強いのが多いからですかね。確かに楽しく描かせていただきました。
彼女の服は他のキャラの服よりフリフリであったり、ベーシックなスーツスタイルより少しかわいらしいデザインになってるんですが、そこらへんもあえて傲慢でわがままな彼女の性格を意識しました。
きっとこのくらいかわいげがないと着てくれないのかなーとニヨニヨしながら描いていました。
「まさか、君が来るなんてね」。無の災厄を引き起こした創無神ヘルヴォルと対峙していたのは、長い髪をひとつに束ね、鞭を構えた女(征服神ギルガメッシュ)だった。
ギルガメッシュは「彼(無英斧士ギンジ)は、偽り続ける道を選んだ。そう、偽りの王の為に。だから、代わりに私が相手になる」と口にする。
偽りの英雄に仕立て上げられた少年(ギンジ)は青年になり、そして、クロウリーが“偽りの王”になる道を開こうとしていた。
●“創無神ヘルヴォル”のプロフィール
まさか、君が来るなんてね。無の災厄を引き起こしたヘルヴォルと対峙していたのは、長い髪をひとつに束ね、鞭を構えた女だった。彼は、偽り続ける道を選んだ。そう、偽りの王の為に。だから、代わりに私が相手になる。偽りの英雄に仕立て上げられた少年は青年になり、そして、偽りの王への道を開こうとしていた。
ヘルヴォルが引き起こした無の災厄に立ち向かったのはギルガメッシュだけではなかった。ナンバーズのゼクス≠M=00、円卓の騎士であるローガン=パロミデスとフェリス=ガウェインも北欧神と戦っていた。
●“#01 偽りの王:創無神”より
ヘルヴォルの力により引き起こされた無の災厄。そこにはなにも存在していなかった事実。そう、僕らは過去を否定して、未来を再創するんだ。どんなに辛い過去があっても、人はそれを乗り越えるんだ。ゼクスは自らの過去に立ち向かったのだった。
●“ゼクス≠M=00”のプロフィール
俺はすべてを否定しない。ゼクスが背負ったのは、過去の自分の生き方。だから、きっといまに通じたんだ。どんなに憎くても、辛くても、それはすべてひとつの未来へと繋がっている。だけどな、俺はあんたを否定する。視線の先に浮かぶ創無神。すべてを無に帰すだなんて、馬鹿げている。すべてに、意味があるんだ。
●“#02 偽りの王:創無神”より
みんな、怖がらなくていいんだよ。僕たちが楽にしてあげるから。辛い過去は消せばいい、より良い未来にだけ縋って生きればいいんだよ。一太刀が切り捨てた過去、一太刀が生み出した未来。そう、もうなにも悩まなくていいよ。ただ、縋ればいい。
「辛い過去は消せばいい、より良い未来にだけ縋って生きればいいんだよ」というヘルヴォルの言葉に、ローガンは聖神への道を選んだ聖王アーサーのことを思いだし、「だが、いまならまだ、俺たちが正してやれることも出来るんだからな」と思いをよぎらせる。
そしてフェリスは「私の生きる未来は、隣にパパ(アーサー)がいて欲しいんだ」と言い放つ。だがヘルヴォルは「それじゃあ、とても残酷な話だね。これは君の大好きな彼の命令なんだよ」と、今回の災厄がアーサーの意思に基づくことを明かすのだった。
●“#03 偽りの王:創無神”より
なにもかもが失われ行く空間に立ち上る狼煙。過去を消せるなら、それもまた素敵かもしれないな。ローガンが許せなかった過去、それは聖神への道を選んだ聖王のことだった。だが、いまならまだ、俺たちが正してやれることも出来るんだからな。
●“#04 偽りの王:創無神”より
君にはまだまだ未来が残されている、だからより良い未来へ生きたいでしょ。だが、フェリスはヘルヴォルの言葉を否定した。私の生きる未来は、隣にパパがいて欲しいんだ。それじゃあ、とても残酷な話だね。これは君の大好きな彼の命令なんだよ。
●“#05 偽りの王:創無神”より
いつの時代も、王様ってのはよくわからない生き物だな。ギルガメッシュでさえ、理解に苦しむアーサーの思考。この常界は、彼が愛していた世界なんじゃないのか。そして振るわれた鞭を合図に、無数の刃がヘルヴォルへと飛びかかるのだった。
なぜアーサーは、自分が愛していた常界を苦しめるのか? 「いつの時代も、王様ってのはよくわからない生き物だな」と理解に苦しみつつも、ギルガメッシュが振るった鞭を合図に、無数の刃がヘルヴォルへと飛びかかる。
「さすがに、相手が悪かったかな」と、ヘルヴォルがかろうじてすべての刃を叩き落とした時、北従者アマイモンによる無数の弾丸がヘルヴォルを襲った。
●“#06 偽りの王:創無神”より
さすがに、相手が悪かったかな。ヘルヴォルの顔はゆがみ始めていた。だが、かろうじてすべての刃を叩き落としたとき、再び無数の弾丸がヘルヴォルを襲う。そう、無数の弾丸が。そろそろ、俺たちの出番だ。このときを、ずっと待っていたんだぜ。
「いいか、よく見とけよ」。その銃声は、かつて無救員ジョルダーノを襲った瓦礫を粉砕した銃声と同じ歓声だった。
「さぁ、始めようぜ。これが俺たちの選んだ進むべき道さ、レッツ、ハッピー」。こうして、無の災厄もまた、クロウリーの従者によって阻止されたのだった。
●“#07 偽りの王:創無神”より
ヘルヴォルへと撃ち込まれる無数の弾丸。はじけ飛ぶ薬莢が盛り上げるクライマックス。いいか、よく見とけよ。その銃声は、いつかの瓦礫を粉砕した銃声と同じ歓声だった。さぁ、始めようぜ。これが俺たちの選んだ進むべき道さ、レッツ、ハッピー。
●“無救員ジョルダーノ”のプロフィール
被災地で業務をこなす三人。そういや、聞いたことあるか。無救員ジョルダーノが口にした常界各所の被災地に現れるという謎の人物達の話。報告書には記載出来ない危ない連中らしいんだが。そんなとき、崩れ始める瓦礫の山。だが、そんな瓦礫は、無数の銃声と共に粉砕された。まさか、それがあんたらだってのか。
●“#08 偽りの王:創無神”より
止んだ無の災厄。お前たちだったんだな。ギルガメッシュがついた溜息。二次災害の被災地に現れ、名乗ることなく消え、報告書に記載されなかった「正体不明の男」の存在。だが、そんな男もまた、救われた被災者たちの記憶に刻まれていたのだった。
『ディバインゲート』の世界において、主に人間が暮らす常界<テラスティア>、主に妖精が暮らす天界<セレスティア>、主に魔物が暮らす魔界<ヘリスティア>と比べて、主に竜が暮らす竜界<ドラグティア>と主に神が住む神界<ラグナティア>は上位の存在とされてきた。
第一章でロキたちが起こした黄昏の審判の余波で竜界も、常界・天界・魔界が混ざった統合世界<ユナイティリア>に加わったが、神界や神の存在はまだ多くが謎に包まれている。
各所に現れた北欧神たちが戦いの中で口にした“神”に関する情報によると、つねに世界、そして歴史の裏側には神が存在していたという。
●“創炎神スルト”のプロフィール
神々が暮らすという神界。だが、神とはいったいどのような意味を持つ存在なのだろうか。幾度と繰り返されてきた歴史、その歴史が始まるとき、必ず神々が存在していた。それは聖暦という時代も例外ではなかった。そして、創炎神スルトは新しい時代へと跪く。そう、新しい時代を始めんとする聖神へと跪くのだった。
●“#02 偽りの王:創風神”より
私は従ってるだけ。ヘズが巻き起こす風が奪う沢山の命。そこに、理由なんてない。だから、あなたたちの言葉を聞く理由もないの。なぜ、世界が生まれたか。そこに理由はない。そして、始まりに理由がなければ、また、終わりにも理由などないのに。
●“#01 偽りの王:創闇神”より
ずいぶんと、わかりやすいことをしてくれる神様なんだね。フュンフが立ち向かったのはヘグニ。あなたたちは、この時代に存在しちゃいけない。だから、歴史の闇に消えてくれるかしら。光が失われた闇の中、フュンフの瞳にだけは光が宿っていた。
●“#02 偽りの王:創闇神”より
なにを言っているのかしら。常に、歴史の裏側には神サマが存在していたっていうのに。だから、私の前にひざまずきなさい。振り下ろされた大剣が壊す世界。この災厄の意味は、すべての人間の為なのよ。ま、私にとってはどうでもいい話だけどね。
●“#02 偽りの王:創無神”より
みんな、怖がらなくていいんだよ。僕たちが楽にしてあげるから。辛い過去は消せばいい、より良い未来にだけ縋って生きればいいんだよ。一太刀が切り捨てた過去、一太刀が生み出した未来。そう、もうなにも悩まなくていいよ。ただ、縋ればいい。
そして、のちの章で語られたロキの回想では、神は世界の誕生と共に生まれ、それぞれ役割が与えられた存在だと明かされてる。
●“#02 世界の決定:悪戯神・回想”より
かつて、世界の誕生と共に生まれた神々。それは統合世界でも例外ではなかった。幾重にも連なった世界に存在した、幾千の神々。そんな神々にはそれぞれ役割が与えられていた。太陽を司る神、海を司る神、その他多くの役割。ボクはなんだったかな。
●高野メモ
かわいらしいヘルヴォルが、どう化けるのかな、と楽しみにしていました。
で、実際にできあがったのを見て、北欧神の中で、誰よりも恐怖を感じるというか、ヤバそうな感じに仕上がって、すごいなと思いました。
北欧神は6キャラで1セットなので、どのキャラも強さのバランスは同じなのですが、多分単体で出てきたら、絶対にヤバイキャラだったと思います(笑)。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
いつもさわやかでかわいらしい笑顔だけど、賢く強いみたいなキャラで、もともと描いていたヘルヴォル。
再醒前の北欧神を描いた時、このキャラのおかげで6人のキャラがうまくきれいにまとまった感があります。
負けなさそうなイメージが強いだけに、キレてたり恐怖を感じてたりする彼もまた見てみたいですね。
黄昏の審判の際に世界評議会のロキによって咎人とされていたアカネ、アオト、ミドリは、北欧神による災厄を阻止した功績で咎を許された。そして、円卓の騎士や天界魔界からの応援によって、災厄の被害は収まりつつあった。
●“#01 偽りの王:終章”より
各地で発生した災厄は、咎人であった3人の少年少女たち、そして消えた常界の王の元部下たち、そして名前を得たばかりの少年少女たちの活躍と、天界魔界からの応援により鎮火の一途を辿っていた。だが、そんな彼らの活躍を誰が認めただろうか。
そんな中、世界評議会広報局が発表したのは、聖戦より続く二次災害の対処及び、六つの災厄が名も無き4人の存在により鎮火したということ。その4人とは、クロウリーの従者であるパイモン、アリトン、オリエンス、アマイモンのことであった。
そして、そんな4人を統べる1人の少年が、新たな常界の王として迎えられた。その推薦者は、新生世界評議会の現最高幹部であるギンジだった。
「俺はこいつを信じる。だからどうか、みんなも信じてやってくれ」。突如現れた英雄に、常界の不安に怯える人々は王が再誕したと歓喜する。
●“#02 偽りの王:終章”より
世界評議会広報局の発表はこうだった。聖戦より続く二次災害の対処及び、六つの災厄は名も無き4人の存在により鎮火した、と。そして、そんな4人を統べるひとりの少年。まるで少女のような彼こそが、新たな常界の王に相応しいのではないか、と。
●“#03 偽りの王:終章”より
そして、そんな少年の推薦者として名乗り出たのが、現最高幹部として君臨していたギンジだった。俺はこいつを信じる。だからどうか、みんなも信じてやってくれ。突如現れた英雄に、常界の不安に怯える人々は歓喜した。そう、王が再誕したと。
こうして、本来は女性であるクロウリーは髪を切り、少年として性別を偽り、常界の王である聖常王クロウリーとなったのであった。
五章のタイトルである“偽りの王”は、このようにクロウリーが経歴や性別などを偽って王になったことに加えて、神になったアーサーが世界の敵になったことで彼が本当の王ではなく、偽りの王だったという意味も込められている。
●“聖常王クロウリー”のプロフィール
この不完全な世界は、ありもしない完全を求めることしか出来ない。だから、私が偽り抜いてみせよう。私は偽り続けることしか出来ない偶像なのだから。切り落とした髪は覚悟の証。これが、私達の選んだ償いの道だ。しばらくの間不在だった常界の玉座。そこには、偽りの王、聖常王クロウリーが鎮座していた。
「皮肉なものだな、私は結局、偽ることしか出来ない」。かつてメイザースによって、グリモア教団の偽りの教祖にすえられていたクロウリーは、今また人々の王にすえられたことを皮肉に感じるが、「だが、今度は最後まで偽り抜いてみせようか」と決意を固める。
●“#04 偽りの王:終章”より
これはアイツが私に教えてくれたことだ。人は悲劇を乗り越え、強くなる。そう、だから利用させてもらっただけさ。こうして生まれた「偽りの王」。皮肉なものだな、私は結局、偽ることしか出来ない。だが、今度は最後まで偽り抜いてみせようか。
こうして王となったクロウリーが宣言したのは、神界へと消えたアーサーの奪還。「それこそが、すべての災いから、ディバインゲートから統合世界を救う唯一の術なのだから」とクロウリーは告げるが、アーサーに仕えていた円卓の騎士のレオラ=ベディヴィアは不安を感じていた。
●“#05 偽りの王:終章”より
そして、常界の王の間に集められた数々の人影。咎の汚名がそそがれた3人、天界、魔界からの代表として来た女王ふたり。また、かつての王の部下であった円卓の騎士たち。その他、大勢の実力者たち。そこには、常界の最高勢力が勢ぞろいしていた。
●“#06 偽りの王:終章”より
では、王としてここに宣言させてもらう。口を開いた聖常王。私の目的はたったひとつ、そう、神界へと消えたかつての王、アーサーを常界へ連れ戻すことだ。それこそが、すべての災いから、ディバインゲートから統合世界を救う唯一の術なのだから。
「その言葉の真意を、教えてください」というレオラの言葉により、王の間に緊張が走る。そこに集まっていた天界や魔界の者たちも、みなクロウリーの真意に気付いていた。
そしてクロウリーはもう一度、言葉を放つ。「かつての王、アーサーを常界へ連れ戻せ」、そして「そう、聖神アーサーを処刑する」と。
●“#07 偽りの王:終章”より
聖常王が明言したアーサーの救出。その言葉の真意を、教えてください。レオラが浮かべた不安な表情。なぜなら、聖常王の口角は1ミリも上がりはしなかった。無駄な質問は止せ。この言葉の意味に気づいているから、そんな顔をしているんだろう。
●“#08 偽りの王:終章”より
王の間に走る緊張。その場の誰しもが聖常王の言葉の真意に気づいていた。逸らされる瞳。みな、気づかないフリをしていた。もう一度、言わせてもらう。かつての王、アーサーを常界へ連れ戻せ。そして続く言葉。そう、聖神アーサーを処刑する。
かつての王であり、リーダーであったアーサーの処刑を命じられた円卓の騎士たち。そんな彼らは第六章“世界の決定”で、悩んだ末にある決断をすることになる。
クロウリーの従者である北従者アマイモンと、六聖人の光聖人ジャンヌに仕える光剣徒エジィは、かつて迫害された獣たちのたまり場である路地裏でともに過ごした親友だった。
●“エジィ”のプロフィール
その路地裏は迫害された獣たちのたまり場だった。俺たちはこの箱庭でしか生きることが出来ないんだ。だが、ここだけは俺たちの楽園だ。そう言い残し、姿を消してしまった親友。そして、エジィが再びその姿を目撃したのは、光聖人に敗れ、配下となる道を選んだあとのこと。俺たちは、別々の場所を見つけたんだ。
●“光剣徒エジィ”のプロフィール
光剣徒エジィは光聖人の剣だった。この剣はアイツを守る為だけに振るう。たてた誓い。なら、丁度よかった。あなたのその剣は私の為であり、友の為にもなるってことね。別々の主君を選び、別々の道へと進んだニ匹の獣。そして、二匹の獣の道は再び交わる。そう、英雄っていうのはね、討たれて初めて英雄になるの。
「この剣はアイツ(ジャンヌ)を守る為だけに振るう」というエジィの誓いに対して、ジャンヌは「なら、丁度よかった。あなたのその剣は私の為であり、友の為にもなるってことね」と返す。
そこには、エジィがジャンヌのために振るう剣は、友であるアマイモンのため、ひいては彼が仕えるクロウリーのためにもなること(=ジャンヌが六聖人を裏切ること)が示唆されている。
そして同時にジャンヌは、「そう、英雄っていうのはね、討たれて初めて英雄になるの」と、ある人物の死を想起させる言葉も残している。
▲光剣徒エジィの設定画。 |
●高野メモ
「次は聖王クロウリーになるんだよ」、というのは随分前からスタッフに話していた気がします。ようやく作ることができたし、一番再醒が待たれていたキャラだったと思います。
髪の毛を切って短く、と最初発注したのですが、クロウリーのトレードマークでもあるロングヘアーを活かしたい、というUCMMさんの想いもあり、だったら「絵の中で髪の毛を切らせようか」という、“名も無き少女(教祖)”から“聖常王”へと変わる、まさにその瞬間をキャラクターにすることができた素晴らしいイラストだと思います。
グリモア教団だった、ということが世間にバレてはいけませんが、クロウリーは教団で出会った仲間たちとの絆も大切に感じているので、あえて隠せる場所にタトゥーを残しているのもお気に入りポイントです。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
教祖の頃から人気が高かっただけに、教祖でもなくなって男に見えるように髪も切ってしまったクロウリーをどう人気を落とさないようにしようかと、プレッシャー感じまくりな再醒でした。
髪を切るシーンにしたいと言ったもののうまくまとめるのが難しく、少し強引に立たせたポーズにしました。でも立たせたことで、教祖の頃より人間らしく見え、彼女の強い意志が伝わるいい絵になったと思います。
髪についているコサージュのモチーフが“覚悟”の意味をもつヤブデマリであったり、周りを飛んでいる鳥が4羽という部分も、おまけ程度ですが意味を持たせてあるので楽しんで欲しい部分です。
▲聖常王クロウリーの設定画。 |
クロウリーが聖常王となっていたころ、グリモア教団を率いるメイザースもまた、再び動き始めていた。
無通竜タシンは王(クロウリー)を偶像と呼び、偽りだと語る。
そして、闇通竜テンゲンのプロフィールで語られた“その裏側には分かたれたふたつの道”とは、メイザース派とクロウリー派のこと。メイザースは、「そう、黄金の夜明けを手にするのは我々だ。もうすぐだね、世界に夜が訪れるのは」と、テンゲンに告げた。
●“無通竜タシン”のプロフィール
黄金の夜明けの果てに、焼け落ちた千年書庫。だが、大切な本だけは、タシンの腕の中にあった。やはり、いつの時代も、歴史は繰り返されるの。その呼び名は時代と共に代わりながらも、世界を統べる「王」という存在は、いつの時代も存在していた。そうよ、いつの時代も王は「偶像」でしかない。すべて、偽りなの。
●“闇通竜テンゲン”のプロフィール
どうやら、彼らも動き出したみたいなんだ。闇通竜テンゲンへと伝えられた動向。やはり、やっかいな存在ですね。常界を襲う神々による災厄、その裏側には分かたれたふたつの道。どちらが正しいか、その証明をしなきゃいけないね。そう、黄金の夜明けを手にするのは我々だ。もうすぐだね、世界に夜が訪れるのは。
名も無き教祖として身をひそめていたメイザースのもとには、執拗竜ティルソン、瞑想竜イネスといった竜たちが集まっていた。
●“執拗竜ティルソン”のプロフィール
お時間ですよ。細い足へとはかせた白い靴下。これからが楽しみですね。洗い立ての身体に羽織らせたのは白いシャツ。そして、その白を包み込むように、黒い靴と黒いジャケットを着せた執拗竜ティルソン。やっぱり、あなたって方は悪趣味ですね。私はそんなあなたを愛おしく思います。差し出された右手に口付けを。
●“瞑想竜イネス”のプロフィール
間違いない、私の研究の成果により、教祖様は完全なる復活を遂げる。瞑想竜イネスは夢を見る。長かった、だけど短かった。それはかけた情熱と時間。もう、わたくしに気づかないなんて、本当にお間抜けさんですね。そっと閉じられた入口。でも、これで道を見つけましたよ。その道は、偽りの道へと通ずるのだった。
執拗竜ティルソンにより、白いシャツを包み込むように黒い靴と黒いジャケットを着せられた終教祖メイザースが密約を交わした相手は、悪戯神ロキだった。
そしてメイザースは仮面を外したロキの姿を見て、言い放つ。「とても綺麗な瞳をしているじゃないか、まるで、――(人間)のような」。人間という身体に植え付けられた神格であるロキには、上位なる神の瞳に秘められた神の証がなかった。だからこそ彼は、仮面で顔を隠していたのだった。
●“終教祖メイザース”のプロフィール
彼女が偽りの王への道を進むのであれば、僕は偽りの神への道を進むだけさ。そう、だから彼女は、彼女たちは、僕に、僕たちに縋るしかないんだから。だけど、これは僕たちだけの密約さ。さぁ、だから素顔を見せてごらんよ。外されたのは左半分の仮面。とても綺麗な瞳をしているじゃないか、まるで、――のような。
●“【追想】ロキ”のプロフィール
目覚めなさい。聖暦という時代に、統合世界に生まれたロキ。いや、選ばれたというほうが適切だった。あなたは今日から私の息子よ。人間という身体に植え付けられた神格。あなたは自由に生きていい。その神格がすべてを教えてくれるから。そして創られた神は、存在しない証拠を隠すために仮面をつけたのだった。
終教祖メイザースの目的の一端は、彼が操るソロモン:アルファやソロモン:オメガでも語られている。
●“名も無き教団地下祭壇”より
翻訳っていうのは、人によって意味が変わるんだよ。そして、そのすべてが正解なんだ。だから、僕は新たな解釈をしようと思う。黄金の夜明けが訪れた統合世界の裏側には、完全な夜が訪れている。そう、いつだって世界はそういうものなのだから。
●“ソロモン:アルファ”のプロフィール
そう、僕は奇跡やドラマを必要としていた。それは、その先の未来を見据えて。だけど、いまはもう、そんな陳腐な涙は必要ないんだ。それは、その先の未来を見捨てて。ありがとう、これが世界の決定なんだね。そうさ、もう考える必要はないんだ、明日とか、明後日とか、未来とか、幸せとか、悲しみとか、イラナイ。
●“ソロモン:オメガ”のプロフィール
だけど、ありがとう。僕がこうして、もう一度立ち上げることが出来たのは君のおかげでもあるんだよ。そう、初めからこうしていればよかったんだよ。あのときの争いのように、僕は裏切る存在なんだ。いくつもの刻を遡り、辿りついたのは神竜戦争の終結日。僕は僕で、あの頃の続きを始めさせてもらうとしようか。
観測神クロノスは統合世界に“世界の決定”が下されたことを悟り、今の世界が“終わる”ことを示唆している。
“世界の決定”の意味については、のちの物語で明かされることになる。
●“観測神クロノス”のプロフィール
始まりが存在するから、終わりが存在するのか。終わりが存在するから、始まりが存在するのか。それは表裏一体の存在。私の役目は、イマの世界の終わりを観測すること。胸の奥底へ抑え込む想い。どうか、幸せな道を。統合世界に下された世界の決定。少し早いけど、オヤスミナサイ。さぁ、終わる世界へ。
話的にはとてもコンパクトな五章ですが、ナンバーズの子たちが帰ってきたり、聖戦の裏側では実は旧魔王たちが活躍していたことが判明したり、そしてクロウリーが偽りの王として君臨し、かつて王として君臨していたアーサーは常界を裏切った偽りの王だった、という、とても大切なお話になっています。
そんな偽りの王を締めくくる最後のクエストで「聖神アーサーを処刑する」と宣言するのですが、またしてもアーサーの誕生日でしたね。第三章同様です。
スタッフからは「本当に性格悪いね!」と罵倒されましたが、「だけど、『ディバゲ』っぽくてイイネ!」と褒められたりもしました(笑)。
また、聖戦が終わったことで、天界と魔界は和解し、竜界はなんだかんだヴェルンが王として君臨し、常界もクロウリーが王となることで機能し始め、本格的に神界との戦いを始めるための序章でもありました。
【第六章“世界の決定”は5月25日(木)夕方ごろに公開予定です】
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