新作『アナザーエデン』はスマホで遊べるソーシャル要素なしの本格派RPG！

文：宮居春馬

　グリーのゲーム開発スタジオWright Flyer Studiosがおくる新作iOS/Android用アプリ『アナザーエデン 時空を超える猫（アナデン）』のクローズドβテストが、3月8日から3月13日にかけて行われました。実際にCBTをプレイして感じた本作の魅力と、序盤のストーリーを紹介します。

脱ソーシャルを果たすスマホ向け本格RPG

　『アナデン』は、Wright Flyer Studiosが開発を手掛けたスマホ向けRPGです。スマホでRPGというと、昨今はフレンドによる助っ人やスタミナの送り合いなどといったソーシャル系の要素があるものが多いですよね。

　本作はそれらのソーシャル要素を排除し、時間などの制約に縛られることなく、純粋にストーリーを楽しみながら進行できるシングルプレイ限定のRPGとなっています。

　シナリオ・演出を担当するのは『クロノ・トリガー』、『クロノ・クロス』、『ゼノギアス』といった超名作RPGを手掛けた加藤正人さん。かつてこれらのタイトルに没頭した世代の人なら、あらゆる部分でそのエッセンスを感じられるはず。オープニングテーマは光田康典さんが作曲しているのもうれしいポイントです。

定番のスタートに古参ゲーマーは思わずニヤリ

　ゲームをスタートすると、“魔獣”とそのものずばりな名前の人間には見えない男が、人間たちから逃げる道中で赤ん坊を見つけるところから始まります。途中で魔獣は立ち去り、赤ん坊とともにいた少年はとある村の村長である老人に引き取られ平和な村で成長します。

▲謎の魔獣は赤ん坊から不思議な力を感じ取ります。追手の気配に気づいた魔獣は特に何もせずにその場を立ち去ります。

▲この兄妹が物語のキーマンであり、少年“アルド”は物語の主人公として壮大な冒険をしていくこととなります。

　過去の回想のあと、自室で目覚めるアルド。寝坊した主人公を起こしに来る妹“フィーネ”。カーテンをあければ朝日が差し込み、寝ぼけ眼のまま早く用事を済ませてこいと急かされる。この最初の展開からして、往年のRPGの雰囲気たっぷりです。

▲キャラクターは表情も変わったり身振り手振りを交えたりとよく動きます。このあたりは最新のスマホRPGらしいクオリティの高さが感じられます。

▲タンスを調べたらアルドのへそくりらしきお金が出てきました。これも昔のRPGあるあるな感じですよね。

　マップ上の操作は基本的に横移動。ベルトスクロールのような形になっており、室内外への移動や、上下に道がつながっているところでだけ上下移動を使い、ラインを移動していくイメージです。

　しっかりと奥行きを感じられるので、見た目以上にマップは広く感じます。ストーリーを進める前に、まずは村にあるお宅を回りながらタンスをゴソゴソしたくなるのは、RPGファンの性（さが）でしょう。

▲井戸の中にも入れたりします。某シリーズものRPGで、井戸に入れるようになっただけでもワクワクしたことを思い出しました。

▲村にいる人々からさまざまなことをお願いされるミニイベント的なものもありました。こういった要素が隠されているのもおもしろいですね。

　マップ上にはいくつかキラキラと光るポイントがあり、ここを調べると素材アイテムが手に入ります。使えるようになるまではもう少し進めないといけないのですが、歩き回るついでに集められるので、手間はそこまでかかりません。

　探索ポイントは時間経過によって復活するようなので、こまめにチェックしてみるとよさそうです。

▲素材アイテムは武器や防具の購入の際に必要になります。大切に持っておきましょう。

　しばらくストーリーを進めていくと、お世話になっている村長にプレゼントする杖の材料集めに行くことに。いよいよ村を出て冒険のスタートです！

▲平原や洞窟に入っていくことになるのですが、背景まで非常に凝っていて思わず見とれてしまう場所もありました。

シンプルなコマンド戦闘＆強化システム

　一部のエリアは移動中に敵とエンカウントして戦闘が発生します。コマンド選択式のターン制バトルとなっているので技術に左右される要素はなく、誰でも遊びやすい仕様です。

　キャラのアイコンをタップしてスキルなどの行動を選択し、攻撃ボタンを押せば自動で戦闘をこなしてくれるという流れになります。

　マップ上に表示されている“フィアー”と呼ばれる敵もいるのですが、その巨大な見た目からしてもわかる通り、スタート直後で勝てるような相手ではありません。こちらを見つけるとゆっくりとですが追いかけてくるので、適わないと思ったら逃げる必要もあります。

▲ちなみに軽い気持ちで挑戦したものの、戦闘に入ってからの“逃げる”に失敗し、ご覧のありさま。ストーリーには関係しないので、純粋なやり込み要素として用意されているようです。

　“剣攻撃”、“杖攻撃”といったように、キャラクターが装備できる武器種がそのまま属性となっていて、敵の弱点を突けば大ダメージを与えられます。火や水といった属性もあり、敵に合わせたキャラクター、スキルを使用することで戦闘が楽になるといったあたりは、お決まりのシステムと言えます。

　戦闘に勝利すれば経験値が加算され、一定まで貯まればレベルアップします。レベルアップ時にはAPが加算がされ、APを消費してアビリティボードを解放していくことで、スキルを習得したり、ステータスが加算されていきます。

▲アビリティボードの形がシンプルなのもわかりやすくていいですね。複雑な分岐もなく、難しく考える必要はないので、着実に成長していくのが感じられます。

▲スキルは属性攻撃や回復効果があるものなどキャラクターごとに覚えるものが決まっています。回復が使えるキャラがいると心強いです。

ストーリーは急展開！　時を超える旅へ

　杖の材料を集め終わり、次は猫探しをすることになったアルド。猫を見つけたと思ったら、偶然にも時空の裂け目を発見し、“星の夢見館”へたどり着きます。この夢見館では、時を超えて協力してくれる仲間と出会えると語る謎の老人も登場。

▲このとんでもない状況にも、わりと落ち着いて対応しているアルド。プレイヤーのほうがむしろあたふたしてしまいそう。

　ここからは、課金アイテムを使用して仲間を増やしていけます。物語のタイミングに関係なく、メニューから“夢見”を選択すれば、いつでも仲間と出会えます。

▲村の鍛冶屋にいた女の子や、見るからに獣人っぽい強そうなキャラまで、かなり仲間の幅は広そう。

▲お試しの夢見ではシュゼットが仲間になりました。新たな仲間が増えた時には出会いのシナリオもあり、しっかりとそれぞれの個性を見せてくれます。

　星の夢見館から戻ると雨が降り始めており、村の雰囲気が一変しています。少し見回ってみると、魔獣王を名乗る獣人が村を襲撃し妹・フィーネを誘拐してしまいます。

　追いかけていくアルドですが、魔獣王の強さの前になす術もなく敗北。絶対絶命と思われたところで、アルドがずっと腰に下げていた抜けない剣“オーガベイン”が覚醒！

▲主人公のピンチと伝説の武器の覚醒と王道の展開ですが、いくつになってもこういう展開にはワクワクするものです。

　ド派手な必殺技の打ち合いに発展し、それでもアルドを圧倒しながら魔獣王は一時撤退します。アルドはフィーネを連れ去った魔獣王の部下“ヴァレス”を追っていき、ボス戦に突入！

▲スキルを使いまくって全力を出したのですが、かなりギリギリの勝利。夢見で仲間になったシュゼットがいなければ負けていたかも。

　勝てないことはないけど簡単に勝てるわけでもない、絶妙な難易度でボス戦はなかなかの手ごたえでした。道中のザコバトルで意外とHPが減っていたのもよくありませんでした。難しそうであれば一度退くこともちゃんと考えておきましょう。

　辛くも勝利するものの、キマイラの登場で再びピンチに陥ったアルドは、突然現れた時空の裂け目に飲み込まれ、見たこともない世界へとたどり着きます。

▲緑あふれるファンタジー世界から一転。急に空に浮かぶメカメカしい何かの上に到着し、これにはさすがのアルドもびっくり！

　ここは、アルドのいた時代から800年後の世界で、人々は地上での生活を捨てて空に移住していたのです。時を超える旅というだけあって、世界観のふり幅が非常に大きいです。人造人間やらアンドロイドまで出てきて、いかにも未来といった様子。

▲どうやらこの時代の人々は、人造人間と対立しているようです。時代ごとにさまざまなストーリーが楽しめるのもタイムトラベルものならではのおもしろさですね。

　ここからはストーリーを進めていく中で仲間が増えていきます。夢見（ガチャ）をしなくてもある程度仲間が増えていくので、今後夢見ができなくて詰むといったこともひとまず心配はなさそうです。

　さらに、このあたりからはメインのストーリーだけでなく、キャラクターにまつわるエピソードを掘り下げるクエストや、メインシナリオとは関係のないサブクエストも発生するようになりました。すべてのシナリオを楽しもうとすると、結構なボリュームになりそうですね。

　スマホ向けRPGながら、本当にコンシューマRPGをプレイしているのとなんら変わりがなく、ストーリーが気になってやめ時がわからないくなってしまいそうです。スタミナもないので、アプリゲームにありがちな「もったいなから遊ばなきゃ」といった感覚もなく、好きなタイミングで時間がある時に腰を据えて遊べるのもうれしいところ。

　最新のスマホRPGらしいクオリティの遊びやすさを備えながら、随所で往年のRPGを彷彿とさせてくれる真の本格スマホRPGとでもいうべき『アナザーエデン 時空を超える猫』。CBTを一通りプレイしてみて、正式リリースが非常に待ち遠しくなってしまいました！

　『アナデン』のリリース時期は2017年4月予定となっています。RPG好きな方はぜひ、今後の動向をチェックしてみてくださいね。

※画面は開発中のものです。
(C) Wright Flyer Studios

• 『アナザーエデン 時空を超える猫』公式サイトはこちら
• 『アナザーエデン 時空を超える猫』公式Twitterはこちら

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関連サイト

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