DENGEKI ガルスタオンライン

総合 > ガルスタオンライン > 『プリステ』裏話満載! プロデューサー×演出家×キャストの特別座談会完全版・前半

2017-03-23 12:00

『プリステ』裏話満載! プロデューサー×演出家×キャストの特別座談会完全版・前半

文:ガルスタオンライン

 昨年12月に東京・大阪の2都市で上演されていた舞台『プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE』(以下、『プリステ』)エピソード1。舞台DVDの編集作業が進む2月某日、『プリステ』を支え続けたスタッフ陣とキャストが集まり、映像を見ながら稽古の様子や舞台本番を振り返るスペシャル座談会が行われました。

 参加者は、プロデューサーの辻圭介さん、演出家の松崎史也さん、そして八神陸役の伊崎龍次郎さん。今回は電撃Girl’sStyle4月号(3月10日発売)に掲載しきれなかった座談会の完全版の中から、前半部分のトークをお届け! 観劇済み&映像にて視聴済みな方々に贈る、ネタバレ&裏話満載の内容をどうぞお楽しみください!!

『プリステ』特別座談会完全版・前半

オープニング

松崎史也さん(以下、松崎):おお! いい編集だね!

辻圭介さん(以下、辻):千秋楽のライブ・ビューイングの映像をdアニメさんとかで配信させてもらってるけど、あれってやっぱり生でスイッチングしてるから追いきれないところもあるんだよね。

松崎:追いつかないと思いますよ。結構なスピードでみんなずっと走ってますからね。

:このへんのことって覚えてる?

伊崎龍次郎さん(以下、伊崎):へえー……みんなこんな表情してたんだ……。

辻・松崎:(笑)。

:そっか正面から見る機会って役者さんはあんまりないからね。

松崎:2カ月前のことだけどさ、結構懐かしいね。

伊崎:本当に懐かしいですよ! 改めて考えると、2カ月しか経ってないんだ。

松崎:正直さ、『プリステ』に関してはもう今はエピソード2のこと考えてるからね。

【尊が後ろ姿で走るシーン。陸はその姿に兄・巴を重ね合わせる】

松崎:このシーンさ、陣(藤原尊役・蒼木陣さん)が巴の走りをやってるんだけど、走り方を尊とは変えてくれてて。ずーっと鏡の前で練習してたね。

伊崎:すっごい練習してましたね。

――そういった提案はキャストさんの方からくるものも多いですか?

松崎:結構“共有”っていうか……「ですよね?」みたいなものはあります。

:こうした方がいいですよね? っていう共有感覚みたいなものかな。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

【陸、学生服姿で登場】

伊崎:ここは早替えなんですよね。最初ジャージで出てくるので、袖で衣装さんに手伝ってもらって、はあはあ言いながら着替えてます(笑)。

松崎:こんな裏話していいのかわからないですけど、オープニングって最初に方南から出てくるじゃないですか。あれって次の芝居の場面で方南みんな学生服で出てくるからその時間を稼ぐためでもあったり。だからオープニングの最後の方、西星と三橋にいっぱい走ってもらってる。

伊崎:これぞ演出マジック!

『プリステ』特別座談会完全版・前半

方南学園

【陸の初登校シーン。「うわあああ、飛びすぎたあ!」】

伊崎:ここは練習しましたねー。

松崎:明かりが付いたときに地面にいるとすごい恥ずかしいことになるから……。

伊崎:「飛びすぎたあああ……あ!」のタイミングで明かりを付けてください、っていうのを照明さんと話して。

松崎:本番俺が見た限りでは、恥ずかしいことになってるとこはなかったよ。

伊崎:よかったー。これ体感ではあんまりわかりにくいところなんで。

松崎:これ龍次郎の跳躍力がなかったらできない。

【陸・尊・奈々、自己紹介のシーン】

伊崎:ここずーっと尊が見てるんですよね(笑)。

:気になるよねー(笑)。最前列でずっとこっち見てるんだもん。

――ここでは、(陸と尊の目線の間にいる)2列目の人がちゃんと頭を下げてるんですよね。

松崎:あれは最初、ヒース役の岸本くん(岸本卓也さん)が代役をしていたときに、「ここの人は低くなってる方が、陸と尊の演技が見えやすくなるからいいのでは」って言って、居眠りする芝居を提案してくれたんです。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

【莉子登場シーン】

松崎:莉子役の水越(水越朝弓さん)と龍次郎は別の作品でも一緒だったんですけど、現場によって立ち位置って変わってくるものなんだな、と思いましたね。

伊崎:すごいそれは思います。僕デビューしてわりとすぐだったんですよ、その作品が。だから当時は空回りしてて(笑)。

松崎:それが今回座長だもんね……感慨深いものがあります。

【方南スト部、部室でのシーン】

松崎:ここのシーンなんですけど、将棋盤の「王手、飛車、角、金、銀、取り」って、ここにちゃんと打つと全部に効くっていう手をスタッフさんが作ってくれたのに、歩くん(白石康介さん)はたまにそこじゃないところに打ってるんだって。ヒースいわく(笑)。

:スタッフのこだわりを……!(笑)

『プリステ』特別座談会完全版・前半

伊崎:これ康介本人はあんまり言って欲しくないことかもしれませんけど、このシーンってものっすごい練習してたんですよ。ずーっと稽古場で穂積役の熊谷魁人と2人で「この最初のシーンが大事だから」って言って。だからこのシーンがお客さんに笑ってもらえたことが、本当に周りのみんなもほっとしてて。

松崎:初日嬉しかったよねー! 前説でちゃんと受け入れてもらえて。

:拍手もらえてさ。「こんばんはー!」の返事もきてさ。前説も死ぬほど練習してたからね。いつも稽古場の2階から、「こんばんはー!」って練習の声がしてた。

松崎:やっぱり『プリスト』って穂積と歩くんがムードメーカーじゃないですか。コメディリリーフだし。彼らがお客さんに愛されるかどうかで……。

:空気が変わる。

松崎:それにメインキャラを演じるなかでは最年少なんですよ2人。普通そういう役って、年がもう少し上で、演技の技術的にも上手い人が任されたりするポジションなんですね。でも「かわいさもあってほしい」っていう辻さんの強い意向によって選ばれた2人です。

:そうだね。前説も最初は「DJストライドにする?」っていう案もあって。でもやっぱり穂積と歩だろう、ってなって。

松崎:それをまたね、ヒースが稽古場からずーっと見守ってるんですよ。

:ずっと練習付き合ってたよね。学校ごとに一緒にいることが多いからっていうのもあるんだけど、それぞれの学校にちゃんとリーダーがいて、それぞれのチームごとに責任感がある。何か問題が起こると、その学校内で問題を解決しようとする。だから方南メンバーだけで居残り練習をしたりするんだけど、西星に何かあったときにはそこに方南は口出さない。それは無関心とかそういうことじゃなくて、その学校ごとに責任感がある、っていうことだと僕は思ってた。

伊崎:部活感覚のようなものは確かにありましたね。

:カンパニーとしての仲間でもあり、それぞれがちゃんとチームにもなってる。

【部員が足りず試合に出ることを諦めていた方南スト部。「みんな、ストライドが好きで部に入ったんじゃないんですか!?」と奈々が憤りをあらわにするシーン】

――ここの奈々は原作の印象とは少し違って、彼女が本当に“強い女の子”なんだということが表されたシーンでしたね。

松崎:そこって、結構繊細なところっていうか……。2.5次元演劇の、僕はいいところだと思ってるんですけど。やっぱり生の俳優が演じるときに、その俳優自体の感性とか生き方とか、俳優としての思いとか、そういうところって絶対に出ちゃうものなんですよね。桃瀬(桜井奈々役・桃瀬美咲さん)が、“ここは伝えたい”と思うことによって、変化が生まれる。その変化の度合いは、稽古をすることで調整することはできます。でも僕は“伝えたい”という彼女の意思を、尊重したかった。

【恭介の登場シーン】

松崎:こんな再現度ってある!?(笑)

伊崎:久我先輩、圧倒的存在感ですもんね。

:「こんな髪色、似合うやついるのかよ!?」っていう感じですけど、でも鮎川くん(久我恭介役・鮎川太陽さん)は出演が決まる前に『プリスト』のイラストを見て、「俺この役やりたいな」「この作品に出れるならこの役になりそうだな」って思ってたらしいです。だから今回「運命を感じた」って言ってましたね。

松崎:太陽はみんなの芝居をずっと袖で見てるんですよ、本番中。

伊崎:稽古場でもずっと見てました。

:それこそ穂積とか歩に対してもアドバイスしてたし。居残り練習にも付き合ってあげてたし。

伊崎:ずっとムービー回してくれてたんですよ。

松崎:「俺も昔はお前らよりできなかったんだよ」とか言って(笑)。こっちは「いやいやいや!」ってね。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

【陸が奈々から借りたハンカチの汚れが落なくて……と伝えるシーン】

――伊崎さんかなり見入っていらっしゃいますけど、こうやって自分の出たシーンを見ることってあまりないですか?

伊崎:僕あんまり見ないんですよ。だから今めっちゃ見入ってて……。

松崎:自分のさ、芝居見るのって恥ずかしくない?

伊崎:恥ずかしいですよ! だからDVDもらってもあんまり見ないんです。

松崎:わかる、わかる。

伊崎:でも今回の作品はエピソード4まであるので、絶対チェックしていこうって思ってます。エピソード1はこの具合だったんだ、とか、このバランスだったんだっていうのを確かめるためにも。

【新入部員として陸を連れてきた奈々の頭をポンっとするヒースのシーン】

松崎:ここはぜひみなさんにアピールしておきたいところなんですが、これ最初岸本卓也は、「恥ずかしいっすよ!」とか言って抵抗してたの。で、なかなかできないって言うから、「いいから、やれって! 頭ポンポンしろ!!」って言ってやらせました(笑)。僕、原作のゲームで一番最初にヒースルートをやったんですよ。なので、つい奈々とくっつけたくなっちゃう(笑)。

伊崎:なんか支倉先輩の日替わりエンディングだけ、ちょっと恋愛っぽいの入ってなかったですか? なんか支倉ルートっぽいの。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

――この身長差も萌えますよね。

伊崎:ここはやっぱり萌えポイントなんですね(笑)。

松崎:身長は辻さんがめっちゃこだわってて。

:キャラクターの再現度っていうのは、やっぱり大事です。オーディションでも、身長は上下5cm以内の差ぐらいで選んでますしね。でもそれに加えて、「芝居ができる」「動ける」って絞っていくとものすごいハードルが高くなっちゃうんですよ。

松崎:でも「走れる」っていう条件が一番やっかいで、「似てる」とか「芝居ができる」っていうのは探せるんですけど、「走れる」っていうのは短い期間の訓練じゃどうにもならないところがある。

:そうだね。カッコよくて芝居もいいけど、走るフォームがきれいじゃなくて「ごめんなさい」した人もいたからね。

――オーディションでは走ってもらったんですね。

:そうです、稽古場で走ってもらって。あとは椅子と椅子の間にテープを張って、それを跳んだりくぐったりしてもらったりとか。

伊崎:オーディションにジャージで来てくださいって言われたの初めてでしたよ。もう、稽古場の端から端まで全力疾走して。

松崎:やっぱり、蒼木陣と鐘ヶ江洸(鴨田慶役)、維田天役の校條拳太朗、あたりは異次元でしたね。

:田中尚輝(黛遊馬役)もすごかったね。身体能力がとんでもない子が、何人かいるんですよ。

伊崎:椅子に張ったテープを越える審査では「自分が思う跳び方をしてください」って言われて、みんなそれぞれの跳び方をするんですけど、蒼木陣はそれを側宙(側方宙返り)で越えてましたからね。

:普通は走ってってぴょんって飛び越えるだけだと思うんですけど、いきなりそれを見せられてこっちは「えっ!?」ってなりましたよね。

伊崎:それで周りはざわってなるんですけど、2人で一緒に帰るときに「やばい、ひっかかった」とか言ってるんですよ。

:いやいやいや、大丈夫だから(笑)。

伊崎:そのストイックさが、尊に通じるものがあるな、って。

松崎:でも龍次郎がいる前で言うのもあれですけど、オーディションは龍次郎が来た日から陸役は満場一致でした。

伊崎:えっ!?

:オーディションにエントリーシートが届いた時点で、正直伊崎くんと蒼木くんに関しては「この2人は揺るがないな」という確信がありましたね。もちろん会ってみて最終確認はするんですけど、「まあ、決まりだろうな」っていう感じで。

松崎:脚本の英ちゃん(葛木英さん)や、原作の曽我部さん(曽我部修司 [FiFS]さん)たちが来てくださったときにも龍次郎は来てたんですけど……あの日のこと、覚えてる?

伊崎:覚えてます。なんかすごい偉い感じの方たちがいっぱいいるな、って思ってて。

:オーディションってほんっと嫌だよね。演出家・プロデューサー・脚本家・原作者がずらーっと並んでてさ、その人たちの前で芝居するって、ほんと大変だと思うよ。めちゃめちゃ緊張するよね?

伊崎:ふふふ、特に史也さんがいたので(笑)。

松崎:一応、俺あれだよ? 曽我部さんたちが来てくださったのって2回目のオーディションだったでしょ? あの日は俺、龍次郎を陸でいかせるっていうプレゼンのために、陸じゃないセリフとかを読ませたりしてたんだよ。

伊崎:あっ、そうなんですね!

松崎:「こいつこんな芝居もできるんですよ」っていうのを見せるために。

伊崎:うわー……ありがたい。でも俺それですごい空回っちゃって。今までに感じたことがないぐらい、この作品がやりたいっていう気持ちが出ちゃって。史也さんもいるし、原作も見てたし、っていうので。そしたらもう、セリフとかも飛んじゃったりして。陣に帰り際、「ほんとに、落ちた……」って言ったのを覚えてます。

【方南学園校内レースシーン】

――ここで初めて客席に降りていくことになりますが、どうでしたか?

伊崎:緊張とかは1mmもなかったですね。絶対安全だなっていうのはわかっていたので、怖さとかは微塵もなくて。

:お客さんの顔とかは見えないでしょ?

伊崎:もう走り抜けていくんで、あっという間に過ぎ去って行く感じです。実際に街中で走るとこんな感じなんだろうなーっていうのは思ってました。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

【リレーションに失敗し、壇先生にたしなめられるシーン】

松崎:ここの壇先生いいですよね。

:うん、いい。

松崎:壇先生、めちゃめちゃ声似てるんだよなー。

:新井くん(壇悠次郎役・新井裕介さん)はものっすごい優しい役者さんなんですよ。いつもニコニコしてるタイプの子。方南メンバーの芝居もお父さんのように見守ってる。役柄もあるんでしょうけど、父性がすごい。

【校内レース、再スタート】

松崎:レースシーンって本当に、動きと、動いてる人のセリフと、リレーショナーのセリフ・テンポ、全部で成り立ってて、結構なレベルのことをみんなやってくれてるんですね。だから走ってる子は、自分のタイミングでいけるんですけど、リレーショナーの2人は走ってる人の動きを見て、“ここまでにセリフを言ってあげなくちゃいけない”っていうタイミングの難しさはありましたよね。

伊崎:でも走ってる僕らはそんなことを一切気にすることなくできました。本当にリレーショナーの2人のことを信じて、走ることだけに専念できていたので。

松崎:レースシーンの細かいところを言うと、耳に付けてるイヤホンも落ちちゃうんですよね。だからそれを回避するためにも、付けなくていいんじゃないか、っていう案が出たりもして。でもそこは絶対あったほうがいい。じゃあ、どうやったら落ないか……っていうのをスタッフがすごく考えてくれて。

伊崎:耳の穴にイヤホンを入れて、さらにグリップを耳にかけて、ウィッグ部分とピンで止めています。

:走ってる最中にずれたりして一瞬でもそういったことに気をとられると技をミスる、怪我に繋がる、ということをHAYATEさん(パルクール指導)が強くおっしゃってて。「ちょっとでも不安があるならやめてくれ」って。だからスタッフは一生懸命がんばりましたよね。

【姉・ダイアンにスポンサー打診の電話をかけるヒース】

――ここのシーン毎回楽しいですよね。

松崎:岸本くんは本当はもっと笑いも取りたい男なんですよ。でもヒースはふざけしろが少ないから、何回かあるポイントを工夫して、全力でやってる。

:DVDの特典映像を見ていただくと、どんなにおもしろい子なのかがわかります(笑)。

【尊とのリレーションがうまくいかず、1人ダッシュの練習をする陸。そこへ現れる奈々】

松崎:ここは結構こだわって作ったシーンで、実際に“走る”ことで、陸の心の機微を表現しているところです。巴のことを振り切ろうとして走る。“走る”ことによって、奈々に話せることが出てくる。龍次郎と桃瀬には、「ここは、舞台だから役者だからこそ表現できることがある」っていう話をしました。

伊崎:ここは台本を読んだときから大事なシーンだということはわかっていたんですけど、史也さんから“走る”ということが作品にとってとても意味のある行為なんだと、とても重要なことなんだという話を聞いて、大事にいかなきゃな、と。だから走るスピードとかにも気をつけて、できるだけ距離を稼いで全力で走りましたね。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

西星vs三橋

【スカイツリーフェス、レースシーン】

:きた!

伊崎:黄色いおじさんだ! いやーでもほんとに修司さん(DJストライド役・林修司さん)は、こんな感じでキャラ濃い役なんですけど、みんなの芝居の相談にすごい乗ってくれる人で、困ったら修司さんに相談に行くっていうのはありましたね。

:後半は、ね(笑)。彼1人だけ37歳で、僕と松崎さんと同い年なんですよ。で、ずっと一緒にやってきたから、仲もよくて。だから今回若い役者が多いから、その若い子たちを手助けするようなポジションで入って欲しいと思って。でも最初、若い子たちに気後れして、なかなかなじめなかった(笑)。「嘘だろ!? お前いつになったらみんなと仲よくなるんだよ!!」っていう。だから僕「もっとぐいぐいいけ!」って言ったんです。まあ後半は徐々に、そういう先輩らしいところも発揮してくれましたが。

【匡vs長塚、万太郎vs嶋、遊馬vs永福、楓vs針ヶ谷、怜治vs慶】

――陸と尊の声優の木村良平さんと岡本信彦さんが、西星メンバーは骨格と声帯が声優とキャラクターにすごく似ているとおっしゃっていました。

:それは嬉しいですね。

松崎:たぶんなんですけど、その動きをする人物は骨格にしても声にしても似るんだろうと思います。

:それはわかります。そこまで狙って選んだわけじゃないんですけど、そういう顔つきで、そういう体格の子って不思議と声も声優さんに近かったりするんです。だから、声に関してはかけ離れてる子っていないですよね。

撮影スタジオ

【方南メンバー、D’sインターナショナルの撮影シーン】

松崎:うわー……ここは思い出す。

:ああ、“落ちた事件”ね。門脇くん本番中、一番高い台(移動式台の3段目)から落ちたんですよ。レフ板を持ってしゃべっているうちに、バーンって。

伊崎:さんざんみんなで「怪我だけには気をつけような」って言ってたのに、まさかここで落ちるなんて……。

:レースシーンでもなんでもないところでね。

松崎:そのときの桃瀬がすごくて、「門脇先輩はしゃぎすぎですよー」ってフォローを入れたんですよ。

:ナイスフォロー、すばらしい。でもたまたまお尻から落ちて、怪我全然なかった。

伊崎:そう! 無傷!

松崎:そこが康介らしいよね。

:あれで足くじいたりとかしてたら、ほんと笑えなかった(苦笑)。

伊崎:みんなで、その本番の動画何回も見て爆笑しましたけどね。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

【天使の初恋のシーン】

松崎:サービスシーンっていうか、こういう本線じゃないシーンを辻さんはすごく大事にしていて。ともすれば、いらないシーンなんですよ。でもこういったシーンこそ重要だから、衣装もちゃんと用意して、再現度高めて、って言って。

――ヒースのウィッグとかって、変えてるんですか?

:はい、別のかつらにしてます。穂積も、髪下ろしてるバージョンと、上げてるバージョンが別にあって。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

【怜治&静馬。中央通路での芝居】

:ここのシーンのお客さんを見るのがおもしろい。「はわあわわわっ!?」みたいになってる子がいっぱいいて(笑)。ここもすげー早替えなんだよね、この2人。ばったばたしながら着替えてるもんね、いつも。

松崎:だから、カメラマンのところを長く伸ばして。

:そうだそうだ。この2人の着替えが間に合わないから、あの撮影のシーンを引き伸ばそうってなったんだ。それで、陸と尊を笑わせるっていうシーンが追加になった。でもあそこのシーンで笑いが入ることによって客席が和むのでよかったですね。

【西星メンバー撮影スタジオに集合】

松崎:もうね、西星メンバーがね怜治さん大好きなんですよ。なんか平牧くん(諏訪怜治役・平牧仁さん)は本当に、太陽みたいな人で。

:そうだね。ほんとに怜治っぽいというか、いっつもすっごいニコニコしてる。

伊崎:生まれ持った性質なんだろうなって思いますけど、本当にみんなの中心に立つような人。みんな大好きですよね。

松崎:「やろうぜ!」みたいなことは全然言わないんだけど、「やるの? いいよ!」みたいな(笑)。ちなみに平牧くんって別の現場にいて稽古の合流が遅かったんですけど、それまではずっと妹尾匡(仲田博喜さん)が西星を引っ張ってたんだよね。「怜治さんが来るまでに仕上げとこう」みたいな。

:匡役の仲田くんは西星の中では年齢が平牧くんの次なので、平牧くんがいない時はリーダーでみんなを仕切ってて。彼は意見をはっきり言える子なんです。ダメなところはダメって言うし、もっとやらなきゃっていうところはみんなにも厳しく言う。なので、場を引き締めてくれるのは仲田くんかな。その横で平牧くんがニコニコしてるので、そこでちょっと中和される(笑)。そのバランスがすごくいいんですよね、西星は。

『プリステ』特別座談会完全版・前半

 座談会の残り部分は、後半記事で!

◆プロデューサー:辻圭介 [トライフルエンターテインメント]

 トライフルエンターテインメント代表取締役。舞台『BROTHERS CONFLICT』シリーズ、『2.5 Escape Stage 甲鉄城のカバネリ』などの公演プロデュースを多数行う。

◆演出:松崎史也

 演出家・脚本家・俳優として活動。演劇企画「SP/ACE=project」主宰。演出家としては『炎の蜃気楼昭和編 瑠璃燕ブルース』、『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE ~さよなら絶望学園~』などを担当。

◆八神陸役:伊崎龍次郎

 STRAIGHT entertainment所属。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン(神尾アキラ役)、『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE ~さよなら絶望学園~』(九頭龍冬彦役)、浪漫活劇『艶漢』(瓜生夏月役)などで活躍。

関連サイト