2017年4月25日(火)

『Prey』は家具にすら恐怖するSFアクション。あれもこれもエイリアンに見える!

文:hororo

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『Prey』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 ベセスダ・ソフトワークスから5月18日に発売されるPS4/XBOX One/PC用ソフト『Prey』。開発は『Dishonored(ディスオナード)』シリーズで知られるArkane Studiosが担当しており、同スタジオのお家芸“さまざまなプレイスタイルによる攻略手段”が用意されているとのこと。

 そんな本作を幸運にもいち早く体験できる機会に恵まれたので、今回は私、ライターのhororoがプレイした感想をお届けしていこうと思います!

『Prey』

 まず本作がどのようなゲームなのかを簡単に説明しましょう。わかりやすく言ってしまえば、地球外生命体(エイリアン)が引き起こすパニックを描いた、FPSタイプのSFアクションゲームです。

 “ティフォン”と呼ばれるそのエイリアンは、黒いツタが集合したような独特の体を持っており、種類によってさまざまな特殊能力を使用します。なかには物体に変化するものもいるため、一見何もない部屋でも、もしかしたらエイリアンが擬態しているかも……。そんな世界を1人で探索することになるので、もう終始ドキドキです!

『Prey』
▲写真は一番最初に出会うティフォン“ミミック”。物体に擬態することができるため、一見何もいない空間に見えても油断はできません。
『Prey』
▲“ファントム”と呼ばれる人型のティフォンで、長い四肢から繰り出される攻撃は非常に危険! 距離をとってもエネルギーの弾を撃って攻撃してくるやっかいな相手です。

 驚異的な能力を持つティフォンですが、今の説明でしっくりこない方は下の動画を見ていただければわかるかと!

【動画】『Prey』ティフォン研究報告

 なんとなく本作の概要をつかめたと思うので、ここからは実際に体験した内容と感想をもとに『Prey』のもっと深い部分へご案内します。

 このゲームの時代設定は2032年。主人公のモーガン・ユウは、宇宙空間に浮かぶ宇宙ステーションのタロスIで“とある実験”に参加していたようですが、どうやら記憶の大部分を失ってしまっているようです。

 そして実験の最中に例のティフォンが出現し、ステーション内は阿鼻叫喚の地獄絵図に。目覚めたそこは無数のティフォンの巣と化しており、主人公はそんな絶望の世界で生き抜くことを余儀なくされたわけです!

『Prey』
▲ティフォンとの戦闘の名残か、ステーション内は家具が散乱しています。こうした家具にティフォンが擬態している可能性も!?
『Prey』
▲ティフォンに襲われたと思われる職員の死体もそこかしこに転がっています。

 窮地に陥った主人公でしたが、謎の人物のメッセージに導かれてステーション内を探索することに。この声の主のガイドに従い、本来の自分の記憶を求めて情報を集めていくのが当面の目標となるようです。

 ステーション内は壊滅状態で、場所によっては照明が落ち、暗闇の中を頼りないライトで照らしながら進むという、ホラーゲームのような緊迫感がありました。ただ自分はホラーが苦手なので、体験会から逃げ出したい気分になりましたが(笑)。

 序盤をある程度プレイしたところ、ティフォンとガンガン戦うというより、戦闘を避けながら探索するほうがメインになっている気がしました。もちろん、FPS慣れしている人は戦闘メインで進むという選択もありです。自由度が高く、自分の好きなスタイルで遊べるのはいいですね。

『Prey』
▲落ちているものはほとんど拾えます。バナナの皮など「……ゴミ?」と思われるものも、分解することで別のアイテムの材料になるとのこと。
『Prey』
▲PCから職員のメールを閲覧できることも。今回の惨劇が起こった理由を知る手がかりが!?
『Prey』
▲インベントリ内は、アイテムごとに決まっているアイコンの大きさでやりくりするタイプでした。武器は占有スペースが大きめなので、持ちすぎるのも問題です。

 時には、戦わざるを得ない状況に陥ることがあります。最初に手に入れた武器はレンチ! レンチ(のようなもの)といえば、洋ゲーではお決まりの近接武器です(久しく見ていない気も)。ともあれ、これがあれば百人力!

『Prey』
▲レンチでの攻撃はスタミナを消費して行います。考えなしにブンブンしていると、スタミナ切れで棒立ちになってしまうので注意。

  で、最初に出てきたわけですよ。いかにもレンチで殴ったら即潰れそうな小さい敵が。これを見たら誰もが「余裕」と思うハズ! でもね、このゲームはそんな予想を裏切ってきました。

 そいつの動きはとにかく早くて、攻撃が中々当たりません。それどころか、2、3発殴っても死なないし、複数で襲ってくることもあるし、ティフォンがいかに危険な存在かを分からせられました……。そう、相手は未知の存在。小さいからって気を抜いてはいけないんです。目標をセンターにいれて殴る。これ大事。

 ちなみに、本作には体力の自動回復はあるものの、1発殴られると死んでしまう程度までしか回復しません。頼れる“治療キット”はそうそう手に入るものでもありませんし、食べ物を拾い食いしたところで回復量が少なく、やはり心もとないです。

 ここまでの説明で過酷すぎると思ったかもしれませんが、生き残るすべはあります。主人公が着ているスーツには“スーツコンディション”という数値があり、これが高いほど敵から攻撃を受けるダメージを軽減できます。

 スーツコンディションは“スーツ修復キット”というアイテムで回復することを確認できたので、体力とスーツコンディションの管理が重要になってきそうですね。

『Prey』
▲体力もスーツコンディションも低い場合は、ステルス状態や裏口を駆使して戦闘から避けるのが得策です。

 先に進めることで、ティフォンに対抗できる優秀な武器が手に入ります。なかでも特徴的なのが“グルーキャノン”。着弾すると即座に凝固する特殊な弾を撃ち出せる銃で、ティフォンを固めて動けなくしたり、炎を消化したりできます。

 さらに漏電した床の上に道を作る、壁を登る道を作るなど、探索でも活躍するのがポイント。用途が幅広いせいか、今回のプレイではグルーキャノンの弾薬が結構手に入りやすく思いました。

『Prey』
▲グルーキャノンをティフォンに当てると、みるみるうちにティフォンが固まっていきます。時間が過ぎると解放されてしまうので、即座にスパナで粉砕!
『Prey』
▲パイプから炎が噴出して通れませんが、こんな時こそグルーキャノンの出番です。
『Prey』
▲噴出しているところの傷を固めてしまえば炎が止まり、地面の炎が消えるのを待つことで安全に通れるように!
『Prey』
▲貴重な生き残りの1人(NPC)が、グルーキャノンで壁に道を作り、上の階に上がろうとしています。このように、グルーキャノンで足場を作れば行動範囲も広がります。

 武器だけでなく、近くのティフォンを自動的に攻撃してくれるタレットを使うこともできました。しかもこのタレット、弾切れしないうえに持ち運び可能!

 あまりに便利だったので、思わず「あれ? これ持ち運べば楽勝じゃないですか?」とスタッフに質問したら、敵が多いとすぐに壊されてしまうとのこと。まあ、そんなに甘くはないですね(笑)。

『Prey』
▲非常に心強いタレット先生。ミミックくらいなら数体出ても蹴散らしてくれました。タレット以外にも、ステーション内には対ティフォン用の防衛機器が配置されているようです。

 他にも“ニューロモッド”という薬品のようなアイテムも手に入れました。これは、注射することによって特殊能力を得られるという優れモノ。効果は申し分ないのですが、問題は使い方です。

 注射の針をブスッと目に突き刺すんですよ、目に。初めて見た時は、思わず「ウッ!」と声が出ました。

『Prey』
▲サンプル用ドクロがやっているように、ニューロモッドは片目に当てて使います。なんでこんな方法に?

 ニューロモッドによって習得できる特殊能力は、ツリー式になっていました。前提のスキルを取っていけば、より強力なスキルが使えるようになります。

 スキルの数はとにかく多く、しかも序盤ではほしいものばかり。体力の最大値を上げて戦闘面を強化するか、ハッキング能力を得て探索面を強化するか。プレイスタイルに合わせて能力を選択していくのが、Arkane Studiosらしくてイイ!

『Prey』
▲壊れた機械を修理して使えるようにする“修理”や、倒した敵から取れるアイテムが多くなる“解剖”など、さまざまな効果のスキルがありました。
『Prey』
▲ハッキングはミニゲームのようになっていて、制限時間内にポインターをゴールに導けばOK。壁に当たると跳ね返ったり、妨害システムがあったりして意外に難しかったです。

 今回体験できた部分は、全体から見ればほんの触り程度ですが、それでも本作独特の緊張感やプレイスタイルの多彩さ、物語の奥深さなどを感じることができました。本当に幅広い戦術が用意されていて、攻略法を他の人と比べて楽しんだり、別のプレイスタイルで2周目に挑戦したりできますね。

 ハマる人はどっぷり漬かってしまうようなポテンシャルを持っている本作。状況に応じた解答を自分で考えるのが好きな人、久々に歯ごたえのあるゲームを遊びたい人はぜひプレイしてみてください!

データ

▼『Prey』
■メーカー:ベセスダ・ソフトワークス/ゼニマックス・アジア
■対応機種:PC(Windows)
■ジャンル:ACT
■発売日:2017年5月18日
■価格:7,980円+税

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