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2017年4月27日(木)

『バイオハザード:ヴェンデッタ』は実写のテクニックをふんだんに使ったCG映画に。悲哀を含めたドラマが展開

文:kbj

 5月27日より公開されるフルCG長編アニメーション映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』の舞台挨拶が新宿ピカデリーで行われた。

『バイオハザード:ヴェンデッタ』

 本作は、シリーズ累計販売本数7,200万本を超えるサバイバルホラー・アクションゲームの代名詞『バイオハザード』の世界観をベースにした、フルCG長編アニメーション映画最新作。歴代ゲームに登場した人気のキャラクターやオリジナルの新キャラクターたちが、予測不可能なバトルを繰り広げる。

 登壇したのは、清水崇エグゼクティブ・プロデューサー、辻本貴則監督、脚本の深見真さん、音楽の川井憲次さん、原作監修を行ったカプコンの小林裕幸さん。小林さんは、「やっと一般の方に見てもらえる機会なので、楽しみにしている」とコメントした。

『バイオハザード:ヴェンデッタ』

 監督を行った辻本さんは、facebookでオファーが来て、冗談かと思ったことを披露。しばらくは信じられなかったが、プロットに清水さんがものすごい量の赤(修正)を入れていた時に本当であることを認識したようだ。『バイオハザード』はホラータイトルなので、ホラー映画でおなじみの清水さんに監修してもらえるということで、不安はなかったことを明かした。

『バイオハザード:ヴェンデッタ』
▲左から、清水崇エグゼクティブ・プロデューサー、辻本貴則監督。

 清水さんは、カプコンの小林さんからこの映画が原点回帰で怖さを強調させたいというコンセプトを聞く。辻本さんが監督をしているため、アクション寄りになることは明白。そこでキャラの深みを出して、ドラマを描くことに注力したようだ。清水さんと辻本さんの相乗効果は出て、エンターテインメント作品として完成していると考えているようだ。

 深見さんもTwitterのダイレクトメールでオファーが来たことを明かして、会場の笑いを誘った。小林さんを除いたメンバーの中では、ゲーム『バイオハザード』シリーズをもっともプレイしているため、ゲームの世界観を壊さないことに加えて、見終えてアクション映画を1本見たと思える脚本を心がけたという。「ゲームばかりやっていたが、これでゲームは仕事だと言えます!」と宣言した。

『バイオハザード:ヴェンデッタ』
▲左から、脚本の深見真さん、音楽の川井憲次さん、原作監修を行ったカプコンの小林裕幸さん。

 川井さんが意識したことは、アクションとホラーの融合を音楽にどう出すのかということ。エンディングテーマを作るタイミングでは作業が押し迫っているため、4分の曲を作ることは簡単ではない。タイアップ曲ならば負担が減るため、主題歌はないのかと辻本さんに質問したようだ。

『バイオハザード:ヴェンデッタ』

 監修を担当した小林さんは、カプコンのキャラを扱うタレント事務所の社長くらいのイメージで仕事をしたとのこと。清水さんからレオンの幼少期を描きたいと言われた際には、ファンとカプコンを背負っているレオンなので、NGを出したことを明かした。

 ここでD・C役のダンテ・カーヴァーさんが登場。キャラを演じただけでなく、登場するホームレスのモーションキャプチャーもしているそうだ。さらに、チーム“シルバーダガー”のロゴも担当していることを告白。いろいろなことをしたが、作業はどれもとにかく楽しかったと笑顔で語っていた。

『バイオハザード:ヴェンデッタ』
▲ダンテさんは登場するや、花束を監督に手渡した。
『バイオハザード:ヴェンデッタ』
▲BSSAの隊員であるD・C。ダンテさんをモデルに作成されている。
『バイオハザード:ヴェンデッタ』
▲ダンテさんがデザインした“シルバーダガー”のロゴ。

 最後に清水さんと辻本さんからメッセージが贈られた。

『バイオハザード:ヴェンデッタ』

清水:今回の映画をやってみて、CGのクオリティが上がっていることを感じました。実写で芝居をつけるような、細かいところまでこだわっています。悲哀を含めたドラマを見てほしいです。女性やホラーが苦手な人にもぜひ見てください。

辻本:CG映画はカメラを自由に動かせる。でも、CGキャラでカメラを動かしすぎると軽い映像に見えてしまいます。実写でしかできないカメラを普段は意識して、アクションシーンでは縦横無尽に動かすようにしたら、ハマりました。「フルCG映画はなんでもアリでしょ?」と思われるかもしれませんが、実写のような感覚で見られます。それがハリウッドではなく、日本から生まれているのでぜひ確認してください。

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