2017年6月24日(土)
ガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用アプリ『ディバインゲート』のストーリーを振り返る特別企画をお届けします。
第七章“扉の先へ(2017年4月~)”では、アカネたち(統合世界)とアーサーたち(神界)の戦いを主軸にした最終決戦が展開します。
▼INDEX |
[14]メイザース対クロウリー |
[15]竜界の裏切り者の最期 |
[16]始祖リリンの存在理由 |
[17]復活したオズ対北欧神 |
[18]ロキやラウフェイとの最後の戦い |
[19]アーサーの処刑場で待つライル |
【キャラクターチェック】紅煉帝ヴェルン編 |
【キャラクターチェック】道化焔竜オズ編 |
「この世界に偽りの教祖など要らぬ、偽りの神など要らぬ、偽りの王さえいればいい」常界に降り立ったメイザースとティルソン、4人の新魔王ならぬ新魔神と対峙したのは、クロウリーたちだった。
●“♯01 扉の先へ:教団”より
もう、僕たちの出番さ。常界に降り立ったメイザースとティルソン、与えられた神格にのみ生かされる4人の新魔王ならぬ新魔神。この世界に偽りの教祖など要らぬ、偽りの神など要らぬ、偽りの王さえいればいい。対峙したのはクロウリーたちだった。
神とのセカンドだった新魔王たちは、神格を植え付けられ、セカンドのその先の人工神へとなり果てていた。
ともに炎を操るパイモンとアザエルの戦いは、アザエルの有利に進む。
●“♯02 扉の先へ:教団”より
アザエルと対峙したパイモン。私たちの王に、指一本触れさせやしない。広げた扇と共に、アザエルへと飛び掛かるパイモン。だが、アザエルはほんの僅かな動きで、その攻撃をかわしてみせた。そう、それは植え付けられた神格がなせる動きだった。
●“♯03 扉の先へ:教団”より
パイモンを包み込むアザエルの炎。貴様のこれが、神が与えた力だというのなら、世界を滅ぼす力だというのなら。奪われるパイモンの体力。だが、それでも耐えてみせたパイモン。私の炎は、あの人のために、イマの世界を守るためにある力なんだ。
●“♯04 扉の先へ:教団”より
貴様は主から神の力を与えられたかもしれない。だが、私たちは主からそれ以上のものを与えられた。そう、私がいまここにいられるのは、あの人がいるからなんだ。異なる主を持ち、違う道を選んだふたりの旧魔王。さぁ、雌雄を決するとしようか。
だが、パイモンは「私の炎は、あの人のために、イマの世界を守るためにある力なんだ」とアザエルの炎に耐えきる。そして、最後まで倒れなかったのはパイモンだった。
「私は約束したんです。ずっと一緒にいるって」そんなクロウリーとの約束が、パイモンを生かしたのだった。
●“♯05 扉の先へ:教団”より
燃え上がり、やがては消える炎。そう、アザエルの炎は消えた。そして、ときを同じくしてパイモンの炎も消えた。それでも、パイモンは決して倒れなかった。私は約束したんです。ずっと一緒にいるって。その言葉が、パイモンを生かしたのだった。
触手を操るエギュンと、それを刀で切り裂くアリトン。アリトンは覚悟を決め、自身に残された力をすべて解放し、大きな水竜を身にまとう。
●“♯06 扉の先へ:教団”より
アリトンの刀が斬り裂くのは、エギュンから伸びた無数の触手。だが、いくら触手を斬り捨てようと、その触手は無限に生まれていた。これじゃあ、きりがない。対するエギュンは、ただ不敵な笑みを浮かばせていた。そっか、僕はここまでなんだね。
●“♯07 扉の先へ:教団”より
アリトンが決めた覚悟。そして、アリトンは自身に残された力をすべて解放し、纏ったのは大きな水竜。君ごと、すべてを飲み込もう。そして、ともに帰ろう。母なる海へと。悪くないよ、こんな終わりも。僕は僕なりに、楽しい人生を過ごせたんだ。
「そうだよ、僕は悪魔だ。この世界に、僕は必要ないんだ」狂気をまとったアリトンは、エギュンとともに海へと沈んでいった。
●“♯08 扉の先へ:教団”より
ハハハ、ハハハハハ。狂気を纏ったアリトン。そうだよ、僕は悪魔だ。この世界に、僕は必要ないんだ。そして、水竜を纏いしアリトンは空を泳いだ。次の瞬間、鳴り響く竜の咆哮。エギュンを飲み込みながら、水竜は地上の果てへ、母なる海へと。
●“♯09 扉の先へ:教団”より
そうさ、これでよかったんだ。海へと沈んだアリトン。その瞳に捉えたエギュンの最期。そして、アリトンは海の底へと沈み続ける。そう、アリトンにはもう這い上がる力は残されていなかった。だが、沈みゆくアリトンは、ある言葉を思い出していた。
エギュンを倒し、海に沈みゆくアリトンが思い出したのは、かつて自分の盾となって命を落とした水通者ロジンの言葉。
「違う、これじゃダメだ。そう、最高の現世は終わらない。イマの世界を僕たちは生きなきゃいけない」そんな思いを抱いたアリトンを海から救出したのは、シュレディンガーが起動させたサミダレ:グスクだった。
●“♯10 扉の先へ:教団”より
違う、これじゃダメだ。そう、最高の現世は終わらない。イマの世界を僕たちは生きなきゃいけない。アリトンを生かしたのもまた、心に住まう散った少女の想い。そんなアリトンの体を優しく抱きかかえ、海から救出したのはサミダレ:グスクだった。
「けひひ」「ケヒヒ」オリエンスとサマエルが互いに発する狂気の風。
オリエンスは「ねぇ、あんたらは神の力を得て、それで幸せなの」とサマエルに問うが、その答えは返ってこない。
●“♯11 扉の先へ:教団”より
すでに始まっていたオリエンスとサマエルの死闘。けひひ。ケヒヒ。互いに発する狂気の風。その風が切り裂く身体。ねぇ、あんたらは神の力を得て、それで幸せなの。問うオリエンス。だから私は、そこがあんたらの居場所なのかって聞いてんのよ!
●“♯12 扉の先へ:教団”より
サマエルは問に答えることなく、ただ狂気の風を発し続ける。いくらオリエンスとはいえ、神格を植え付けられたサマエルを相手に、無事ではいられない。奪われた両足の自由。空からの攻撃を受け続けるしかないオリエンス。もし、私に翼があったら。
サマエルに両足の自由を奪われ、空からの攻撃を受け続けるオリエンス。
「もし、私に翼があったら」と願うオリエンスに「それなら、貸してもらえばいいよ」答えたのは、翠妖精ニミュエだった。
オリエンスやラプラスらの先生であった翠妖精ニミュエは、かつてオリエンスたちが追放される際に救えなかったことを後悔していた。
●“♯13 扉の先へ:教団”より
それなら、貸してもらえばいいよ。そんな言葉とともに、オリエンスとサマエルの間に割って入ったニミュエ。先生!?久しぶりの再会。あのとき、私は君たちを救えなかった。だから、イマくらいは先生をさせて。ほら、お友達を助けてきたんだから。
「翼くらいになら、私にだってなれるわよ」ニミュエが連れてきたのは、研究所での戦いで傷ついた堕風才ラプラスだった。
●“♯14 扉の先へ:教団”より
オリエンスが振り返る間もなく、オリエンスの身体は上空へ。翼くらいになら、私にだってなれるわよ。そう、オリエンスの身体を抱え、空を飛んでいたのは先の戦いで傷ついたラプラスだった。さぁ、みせてあげてよ、あなたの狂気を孕んだ風を。
友だちだった2人の少女が、別たれた道を経て、果たした再会。
「いつかさ、また4人(シルフ、ヨウキヒ、オリエンス、ラプラス)で遊ぼう」そんな約束とともに、オリエンスはサマエルとの戦いに勝利したのだった。
●“♯15 扉の先へ:教団”より
友達だったふたりの少女。別たれた道。ふたりが果たした再会。気持ちいいわね。風をかきわけ、空を飛ぶ。いつかさ、また4人で遊ぼう。交した約束。それじゃあ、さっさと殺ってやろうじゃん、けひひ。こうして、新旧東魔王の戦いは幕を閉じた。
マハザエルに立ち向かったアマイモンは、近づく死の恐怖によって、強い興奮を覚えていた。
●“♯16 扉の先へ:教団”より
それがオマエの忠誠だってんなら、俺が正面から受けてやるよ。マハザエルと対峙したアマイモン。響き渡る獣の唸り声と無数の銃声。いつになく振られる尻尾。なんで俺、こんなに興奮しているんだろうな。そう、それはただの興奮ではなかった。
「怖くねぇよ、恐くねぇ!」と、自分を拾ってくれたクロウリーのため、必死に心を奮い立たせるアマイモン。だが、戦いの中でアマイモンの銃は弾切れになってしまう。
●“♯17 扉の先へ:教団”より
そっか、わかったよ。アマイモンは気がついた。その尻尾が興奮だけではなく、近づく死の恐怖からきていることに。怖くねぇよ、恐くねぇ!必死に奮い立たせる心。そうさ、俺の命はあいつが拾ってくれた。だから、あいつに捧げるのが筋ってやつだ。
●“♯18 扉の先へ:教団”より
やがて、鳴り響く音は獣の唸り声だけへ。ここにきて、弾切れなんてな。マハザエルの攻撃を受け続けるしかないアマイモン。いいさ、俺が盾になる。あいつには、一歩も近づかせねぇ。だが、否定される言葉。それが本当に、聖常王の想いなのか。
「いいさ、俺が盾になる。あいつには、一歩も近づかせねぇ」一度はそう覚悟したアマイモンだが、そこに友であるエジィが加勢に現れる。そして、エジィが主人であるジャンヌから受けた言葉を聞き、捨て石になることを思いとどまる。
「そして、ひとつだけ命令されたよ、絶対に死ぬんじゃない、ってさ」エジィから聞いたジャンヌの想いは、クロウリーの想いと共通しているように思えたからだ。
●“♯19 扉の先へ:教団”より
俺の主は、俺を信じて送り出してくれた。そう、アマイモンの言葉を否定したのはエジィ。そして、ひとつだけ命令されたよ、絶対に死ぬんじゃない、ってさ。いつかの路地裏での別れは、戦場での再会へ。だから、共に生きよう。そう、俺が力になる。
弾切れを起こした重火器を捨て、アマイモンはエジィから渡されたナイフでマハザエルに立ち向かう。そしてアマイモンは、勝利を勝ち取るのだった。
●“♯20 扉の先へ:教団”より
重火器も似合うが、こっちのほうも似合ってた。エジィが手渡したナイフ。そんなナイフを手にしたアマイモンは、重火器を捨てた。懐かしいな、あの路地裏の日々が。俺たちは必死にあがいて生きるんだ、イマの世界で幸せを掴む。レッツ、ハッピー。
新旧四大魔王の戦いは、クロウリー派の勝利に終わった。残るは新旧教祖の戦いとなり、クロウリーとメイザースの戦いが始まった。
そんな戦いに挑む前に、クロウリーは自分の体内に埋め込まれていた聖剣の鞘を取り出し、モルガンへと託していた。
●“♯21 扉の先へ:教団”より
これを頼む。クロウリーが手にしていた聖剣の鞘。そして、その鞘を受け取ったモルガン。そう、クロウリーの体内の鞘は取り出されていた。よくも、アタシを信じる気になったわね。えぇ、姉のあなただからこそ、彼の最後の決断を見たいでしょう。
●“♯22 扉の先へ:教団”より
鞘を託したクロウリー。そして対峙したメイザース。ボクの可愛い僕たち、みーんなやられちゃったみたいだけど、君のところも、みーんな瀕死みたいだよ。そう、戦力として残されていたのはクロウリーただひとり。君ひとりで、なにが出来るかな。
「君は邪魔しないで見ていてよ」ティルソンを待機させ、メイザースは自らクロウリーとの直接対決に臨む。
「そうさ、僕は王でも教祖でもない、神なんだ」ソロモン:フェイクキングを操るメイザースと、周囲に無数の瞳を浮かばせるクロウリー。新旧教祖の戦いが始まった。
●“♯23 扉の先へ:教団”より
始まった新旧教祖の戦い。君は邪魔しないで見ていてよ。仰せのままに。すぐ近くで待機を続けるティルソン。それじゃあ、僕からいかせてもらうよ。メイザースの背後に現れたソロモン:フェイクキング。そうさ、僕は王でも教祖でもない、神なんだ。
●“♯24 扉の先へ:教団”より
対するクロウリーの周囲、浮かんだのは無数の瞳。これを使うのも、きっと今日で最後だな。かつて、ふたりが見つめていた完全世界。そして、その先にふたりが見つめたのは、終わる世界とイマの世界。この一撃、すべてをかける。さぁ、共に散ろう。
クロウリーの周囲の瞳が放つ無数の光。その光に対してメイザースは、ティルソンを盾として防いだ。
「な、なぜでしょうか」驚きを口にしながら絶命したティルソン。
「貴様は従者すらも道具だというのか」と怒るクロウリーに対して、メイザースは「従者?なにそれ?知らないね、僕の計画の道具に、そんな名前は与えられてないよ」と笑いを浮かべる。
●“♯25 扉の先へ:教団”より
クロウリーの周囲の瞳が放つ無数の光。そして、その光が止んだとき、メイザースの目の前にいたのは背の高い人影。な、なぜでしょうか。盾になってもらっただけさ。そん…な……。そう、メイザースはティルソンを盾に、すべてを防いだのだった。
●“♯26 扉の先へ:教団”より
貴様は従者すらも道具だというのか。怒りを抑えることの出来ないクロウリー。すでに横たわり、息絶えていたティルソン。従者?なにそれ?知らないね、僕の計画の道具に、そんな名前は与えられてないよ。浮かべた笑い。それじゃ、次は僕の番かな。
「それじゃ、次は僕の番かな」反撃に転じたメイザースは、クロウリーを圧倒し、右腕を折る。
「誰も助けに来ないよ。そうさ、君はあとは死ぬだけだよ。黄金の夜明けなんて、なかったんだから」そう言い放つメイザースに対して、「女を痛めつけるなんて、随分と悪趣味な小悪党じゃねぇか」と言葉を返す者がいた。
クロウリーのもとへと助けに現れたのは、裏古竜衆を引き連れたヴェルンだった。
●“♯27 扉の先へ:教団”より
ねぇ、痛いかな。痛いよね。いたぶられ続けるクロウリーの身体。君のことは、時間をかけて、たっぷり可愛がって殺してあげるからね。折れる右腕。誰も助けに来ないよ。そうさ、君はあとは死ぬだけだよ。黄金の夜明けなんて、なかったんだから。
●“♯28 扉の先へ:教団”より
女を痛めつけるなんて、随分と悪趣味な小悪党じゃねぇか。クロウリーの許、助けに現れたのは裏古竜衆を引き連れたヴェルンだった。どうも、元決定者さん。そう、決定者を裏切ったヴェルンを前に、ひるむことのないメイザース。君はもう、過去さ。
「君はもう、過去さ」世界の決定者の1人だったヴェルンを前にしても、ひるむことのないメイザース。
「いまの僕は、決定者にも等しい力を得た。だから、君たちごときが僕にかなうはずはないんだ。そうさ、遊んであげる」大きな力を得たメイザースは、ファブラやウロアスの攻撃をたやすくいなして見せる。
●“♯29 扉の先へ:教団”より
自信に満ちたメイザースへと、我先に攻撃を仕掛けたファブラ。だが、そのファブラの攻撃をいとも簡単に弾いてみせたメイザース。いまの僕は、決定者にも等しい力を得た。だから、君たちごときが僕にかなうはずはないんだ。そうさ、遊んであげる。
●“♯30 扉の先へ:教団”より
ファブラに続き、攻撃を仕掛けたのはウロアスだった。我らが紅煉帝は決定者を裏切った。だが、それは紅煉帝が竜界の民を想ってのこと。だが、貴様は竜界を裏切り、神へと加担した。我々は、貴様のことを許すことは出来ぬ。さぁ、罰を受けよ。
●“♯01 扉の先へ:創竜衆”より
ニズルの指揮の下、ファブラとウロアスは休まず攻撃をし続ける。それでも傷ひとつつけることの出来ないメイザースの身体。こいつは、予定外だったな。だが、それでもふたりの攻撃を止めなかったのは、ヴェルンがふたりを信じていたからだった。
ファブラとウロアスを信じて、あえて手を出さないヴェルンだったが、状況は悪化していく。
「それじゃあ、そろそろ君たちには死んでもらおうかな」メイザースに拘束されたファブラたちを見て、思わず動こうとしたヴェルンの横を2つの人影が追い越していった。
●“♯02 扉の先へ:創竜衆”より
無傷のメイザースと、傷の増えるファブラとウロアス。それじゃあ、そろそろ君たちには死んでもらおうかな。拘束されたふたりの身体。思わず動き出したヴェルン。そして、そんなヴェルンを追い越したふたつの影。俺は左へ行く、お前は右を頼んだ。
人影の正体は、ヒスイとリヴィア。ヒスイはウロアス、リヴィアはファブラを助け出す。
メイザースを相手に、共に戦う6人の竜。ヴェルンは共通の敵を相手にした古竜衆と裏古竜衆に対して、“創竜衆”という言葉で鼓舞する。
●“♯03 扉の先へ:創竜衆”より
まもなくして解放されたふたり。そして、そんなふたりを助けたのもまた、ふたりの竜だった。まさか、君に助けられるなんてな。ファブラの言葉はリヴィアへ。かたじけない。ウロアスはヒスイへ。そう、窮地を救ったのはリヴィアとヒスイだった。
●“♯04 扉の先へ:創竜衆”より
雑魚が何人増えようと、僕にはかなわないんだから。依然、余裕をみせつづけるメイザース。対するは6人の竜。さぁ、いまは俺たちを使ってくれ。ヒスイはヴェルンへと投げかける。あぁ、じゃあ遠慮はしないぜ。そうさ、俺たちの本気をみせてやる。
●“♯05 扉の先へ:創竜衆”より
そして、ヴェルンは左手を天高く掲げる。裏も表も関係ねぇ。俺たちは古に生まれ、そしてイマを生きる。そうさ、創竜衆だ。そしてヴェルンの左手が地面を叩きつけるのを合図に、一斉に飛び掛る5人の竜。塵ひとつ残すんじゃねぇーぞ、殲滅だ。
「裏も表も関係ねぇ。俺たちは古に生まれ、そしてイマを生きる。そうさ、創竜衆だ」ヴェルンの左手が地面を叩きつけるのを合図に、一斉に飛びかかる5人の竜。
ファブラはメイザースの背後のソロモン:フェイクキングを狙い、リヴィアもメイザースの背後のドライバを狙う。
●“♯06 扉の先へ:創竜衆”より
ファブラが狙ったのは、メイザースではなく、その背後に浮かんでいたソロモン:フェイクキング。わかってんだろうな。問いかけた先はリヴィア。言われなくても、そうするつもりさ。そう、ふたりは言葉で指示されなくとも、戦術を理解していた。
●“♯07 扉の先へ:創竜衆”より
続いてリヴィアが狙ったのも、メイザースの背後のドライバ。ヴェルンが起した大きな揺れ。その揺れに乗ったふたりが奪ったのはメイザースの一瞬の動き。そして、すかさずメイザースに弾かれたふたり。いいんだ、僕たちはこれで。あぁ、上出来だ。
「我が命は、紅煉帝の心と共にあり」ファブラとリヴィアが作った一瞬の隙をつき、ウロアスがメイザースに棍棒を打ち込む。
そして、それに続いたヒスイは、棍を振り回して風を生む。その風は、メイザースの体の自由を奪う。
●“♯08 扉の先へ:創竜衆”より
ふたりが作った一瞬の隙。その隙をつき、すかさず棍棒を打ち込んだウロアス。我が命は、紅煉帝の心と共にあり。そう、その決死の攻撃が稼いだ時間。あとは、任せました。そう、ウロアスたちもまた、ヴェルンのことを心から信じていたのだった。
●“♯09 扉の先へ:創竜衆”より
そして、続いたヒスイが棍を振り回して生んだ風。そんな攻撃、僕に効くとでも思ったのかな。いいや、これは攻撃なんかじゃないさ。そう、ヒスイの風が奪ったのもまた、メイザースの身体の自由。いまだ、早く押さえつけろ。波状攻撃は終わらない。
ニズルが印を結んで繰り出した闇の輪もまた、メイザースの身体を縛り付ける。
「だから、こんなものはすぐに解けるんだって」メイザースはあっさりと拘束を壊すが、そのわずかな時間で、すでに勝敗は決していた。すべてはヴェルンの一撃のためだったのだ。
●“♯10 扉の先へ:創竜衆”より
ヒスイのすぐ後ろ、ニズルは印を結んでいた。そして、ニズルが発した闇の輪が縛り付けたメイザースの身体。だから、こんなものはすぐに解けるんだって。メイザースが壊した拘束。だが、その拘束を壊すまでの時間に、すでに勝敗は決していた。
「これが俺様たちから、裏切り者への制裁だッ!」決定者であり最古の竜であるヴェルンの血が沸き立ち、彼の全身から殺気にも似た湯気があがっていた。
ヴェルンの紅煉をまとった左手がメイザースを貫き、その身体が燃え上がる。
メイザースの死により、はるか昔から続いていた神竜戦争の因縁に幕が下ろされ、同時にグリモア教団は本当の最後を迎えた。
●“♯11 扉の先へ:創竜衆”より
みんな、ありがとな。全身から昇るのは殺気にも似た湯気。沸騰した、決定者であり最古の竜の血。そう、すべてはヴェルンの一撃の為に。そして、左手を振り上げたヴェルンは一直線にメイザースへと。これが俺様たちから、裏切り者への制裁だッ!
●“♯12 扉の先へ:創竜衆”より
そ、そんな、この僕が……。ヴェルンの紅煉を纏いし左手が貫いていたメイザースの身体。引き抜かれた左手。同時に燃え上がるメイザースの身体。幕が下ろされたかつての神竜戦争の因縁。同時に、ひとつの教団は本当の最後を迎えたのだった。
「ありがとう、助かったよ」クロウリーから告げられる感謝の言葉。かつて演無奏竜グロックが目にしたクロウリーとヴェルンの会合で交されていた密約は、今果たされたのだった。
もっともヴェルンは、「俺たちは俺たちのやりたいように、ただ俺たちがすべきことをしただけだ」と返すだけだったが。
●“♯13 扉の先へ:創竜衆”より
あー、疲れた。両手を広げ、そのまま地面へと倒れたヴェルン。そして、地面に倒れていたのはウロアス、ファブラ、リヴィアも同じだった。ヴェルンへと歩み寄るクロウリー。ありがとう、助かったよ。そう、交されていた密約は果たされたのだった。
●“演無奏竜グロック”のプロフィール
演無奏竜グロックが同伴したのは秘密裏に行われた会合。よく来てくれた。それは世界評議会の本部からは遠く離れた小さな小屋だった。俺を持て成すには、随分と寂しい場所じゃないか。だがまぁ、たまには悪くはないな。向かい合った聖常王と紅煉帝。先に言っておく。俺に指図はするな。それが互いの為ってやつだ。
「ってことだ、あとは頼むな」決定者にも等しい力を持つメイザースとの戦いで全力を出し切ったヴェルンは、ヒスイに戦いの続きをまかせる。
メイザースを退けたのも束の間、目の前に新たな光(始祖リリン)が降り立ってきていた。
●“♯14 扉の先へ:創竜衆”より
俺たちは俺たちのやりたいように、ただ俺たちがすべきことをしただけだ。そう返したヴェルン。だが、俺たちはここまでみたいだな。未だ息の整わないヴェルン。決定者にも等しい存在との戦いで、ヴェルンはすべての力を出し切っていたのだった。
●“♯15 扉の先へ:創竜衆”より
ってことだ、あとは頼むな。ヴェルンはヒスイへと声をかけた。そして、ヒスイはその言葉の意味を瞬時に理解した。そう、ヒスイが理解したのは、目の前に新たな光が降り立っていたから。こいつだけは俺がなんとかしなきゃならない。あぁ、そうさ。
●高野メモ
マクスウェル同様、期間限定ユニットより1段階上のユニットです。決定者を裏切ったヴェルンは、後にヴラドにその血を分け与えていたことが判明しましたが、ヴェルンもヴラドも似たコンセプトで発注しており、ヴェルンならヴラドの思いに共感して、力を貸すのも当然だったかな、と思います。
ふたりの会話をちゃんと描けなかったのが心残りですが、きっとヴェルンはヴラドのことを、血の杯を交わしたかわいい弟くらいに思っていることでしょう。
決定者のひとりなので、当然頭もいいわけですが、それでも少し頭の悪そうなヴェルンが好きです。その想いを聖学ヴェルンに込めさせてもらいました。
●デザイナーコメント(UCMMさん)
ヴラドに続いての悪そうな奴ほどいい奴キャラのヴェルン。裏古竜衆との関係もあり、担当の北乃さんといろいろ設定を盛り込んだキャラでした。
まずヴェルンと裏古竜衆に共通して入っているロゴなんですが、あれは彼らのテーマ文字である“悅”という漢字が元になっているのですが、“T.R”とも見えるように書かれていて、Tribal Rebelsが元になってます。
実は聖学ヴェルンのカバンを見ると原型ロゴがかかれてるんですよね(笑)。
あと全員右目が隠れていたりしているのですが、あれはヴェルンに目をささげていて逆にヴェルンの右目には裏古竜衆3人の力が宿っているという裏設定があります。
エフェクトのドラゴンに目が3つ多いのがこの理由です。ここらへんは北乃さんと楽しく考えさせていただきました。
「まさか、あいつら(オベロンとヴラド)が負けたとか言わねぇよな」始祖リリンの登場に動揺するヒスイだったが、そこにオベロンとヴラドも姿を現した。
命をかけてリリンに特攻をかけようとしたヴラドは、ファティマによって制止させられていたのだった。
●“♯51 扉の先へ:始祖”より
降り立った光の正体はリリンだった。次はこの世界に絶望を与えようか。まさか、あいつらが負けたとか言わねぇよな。震えが収まらないヒスイの肩。嘘だよな、嘘だよな、嘘だよな。そして、込み上げた悲しみは怒りへと。だったら、俺が終わらせる。
●“♯52 扉の先へ:始祖”より
力任せに棍を振るうヒスイ。何度リリンに弾かれようと、リリンへ立ち向かい続けるヒスイ。怒り、悲しみ、憎しみ。だが、そんなヒスイを我に返した言葉。オマエはひとりじゃない。いつもありがとう。そう、ヒスイの後ろから聞こえたふたりの声。
●“♯53 扉の先へ:始祖”より
ヒスイの左側、立っていたのはヴラド。部下どもが、オレに生きろ生きろって、うるさくてさ。そう、魔界での死闘、ヴラドの決死の特攻を制止していたのはファティマだった。それに、オレはいつまでも助けられる側じゃイヤなんだ。なぁ、親友。
「君(ヒスイ)がいたから、俺たちはここにいられる。だから、最後は共に並ぼう。俺たちは3人でひとつなんだよ」そんなオベロンの言葉とともに、ヒスイとヴラドは肩を並べてリリンへと立ち向かうのだった。
こうして魔界から常界へと場所を移し、始祖リリンとの戦いが再開された。
●“♯54 扉の先へ:始祖”より
ヒスイの右側、立っていたのはオベロン。君がいたから、俺たちはここにいられる。だから、最後は共に並ぼう。俺たちは3人でひとつなんだよ。かけられた言葉。お前ら、やっぱり最高だよ。そして、始祖との戦いは常界へと場所を移し、再開された。
●“♯55 扉の先へ:始祖”より
リリンに対して、3人横に並んだヴラド、ヒスイ、オベロン。場所は常界であれ、そこには各世界の希望が集まっていた。俺たちが3人揃えば、怖いもんはない。あぁ、そうだな。うん、そうだね。共に選ぼう、決して終わらせやしない、イマの世界を。
天界、魔界の全勢力の戦いにより、リリンは創魔魂、創精魂を失っていた。決着をつけるために最後の戦いを挑むオベロンたちに対して、リリンが見せたのは「そう、私は望んでいたのかもしれないな」という少しの喜びだった。
●“♯56 扉の先へ:始祖”より
そして、天界、魔界の全勢力の戦いは無駄ではなかった。すでに創魔魂、創精魂を失っていたリリン。アイツらは、立派に仕事をしてくれた。そう褒め称えたヴラド。ありがとう、みんな。感謝を口にしたオベロン。だから、今度こそ決着をつけよう。
●“♯57 扉の先へ:始祖”より
ここまでの働きとは、予想外だったよ。少し喜びをみせたリリン。そう、私は望んでいたのかもしれないな。その言葉は誰にも届かない。だがそれは、確かにリリンの口からこぼれた真実。始祖である彼女は、いったいなにを望んでいたのだろうか。
ヴラドは決定者の竜(ヴェルン)の血、オベロンは決定者の神(創醒の聖者)の血を、そしてヒスイも、かつて神界統一戦争の敗者となった世界を統べていた天空神(ウラノス)の血を解放する。
3人が合わせた力は、決定者ひとり分(リリン)の力を超えていた。
●“♯58 扉の先へ:始祖”より
再び決定者の竜の血を解放したヴラド。そして、共に決定者の神の血を解放したオベロン。続いて、ヒスイが解放したのはかつて神界統一戦争の敗者となった世界を統べていた天空神の血。そう、3人が合わせた力は、決定者ひとり分の力を超えていた。
●“♯59 扉の先へ:始祖”より
最初の攻撃を放ったのはオベロンだった。その手に集められた光の力。そして、その予想外の行動に、思わず笑みを浮かべてしまったヴラドとヒスイ。オレたちも、負けてらんねぇな。変色したヴラドの左腕。そして、まるで竜のように踊るヒスイの棍。
オベロンたちの攻撃を受け止めながら、リリンは確信した。この痛みこそが自分の生まれた存在理由だったと。さまざまな試練を与えて、自らの子である妖精や魔物(オベロンやヴラド)を成長させることこそ、リリンの存在理由だったのだ。
決定者として、何度も世界の崩壊と再生を繰り返してきたリリン。だが、神々が未来を創らなくても、世界は廻り続ける。
新たな世界を創るのは自分たち(世界の決定者)ではなく、オベロンたちを含めたイマの世界に生きる人々の選択の結果だと気づいたのだった。
●“♯60 扉の先へ:始祖”より
次々にリリンへと放たれる攻撃。そして、その攻撃をかわすことなく、一撃、一撃と丁寧にその体ひとつで受け止めたリリン。そして、リリンは確信した。この痛みこそが自分の生まれた存在理由だったと。私は嬉しい、嬉しいよ。もっと、全力でこい。
●“♯61 扉の先へ:始祖”より
激化する戦い。交わされない言葉。だが、それでも交わされていた想い。神々が創る未来に、意味はあるのだろうか。たとえ、神々が創らずとも、世界は廻り続ける。その選択をするのは、私たちじゃなかった。そう、選択するのは彼らだったんだ。
「それじゃ、オレから先に行ってくるわ」ヴラドの言葉に含まれた覚悟を感じ取ったヒスイは、彼を止めなかった。「それが、お前の決めた道なんだな」と。
●“♯62 扉の先へ:始祖”より
それじゃ、オレから先に行ってくるわ。ヴラドが決めた二度目の覚悟。だから、コイツのこと頼むな。ヴラドがヒスイへ向けた言葉。ヒスイはヴラドの言葉の意味に気づいていた。そして、ヴラドを止めはしなかった。それが、お前の決めた道なんだな。
“守る力”で戦うヴラドに対し、オベロンは“戦う力”で加勢する。
かつて“変革なき平穏”を求めた王(オベロン)と、“犠牲の先の革命”を求めた王(ヴラド)。今、2人の王はともに同じ道(イマを生きる者たちへ、終わることないイマの世界を)を歩んでいた。
●“♯63 扉の先へ:始祖”より
オレの身に宿る竜の血よ、オレにあの日と同じ「守る」力を与えてくれ。そう、ヴラドが選んだ「守る」べきイマの世界。そして、覚悟を込めた一撃。すかさず、後を追うオベロン。ううん、ひとりじゃ行かせない。共に行こう。共に「戦う」力を俺に。
●“♯64 扉の先へ:始祖”より
昔々、ふたりの王様がいました。ひとりの王様は「変革なき平穏」を求めました。ひとりの王様は「犠牲の先の革命」を求めました。やがて刻は経ち、ふたりの王様が歩んだひとつの道、それは「イマを生きる者たちへ、終わることないイマの世界を」。
イマの世界を守るため、聖魔王ヴラドと聖精王オベロンは命をかけて始祖リリンを倒すことに成功した。
残されたヒスイは、返ってこない答えを待ちながら、ただ立ち尽くすのみだった。
●“♯65 扉の先へ:始祖”より
どうして…。立ち尽くしたヒスイ。どうしてなんだよ!返ってこない答え。自らの子らの成長と引き換えに、始祖リリンは最期を迎えた。そして、イマの世界と引き換えに、聖魔王ヴラド、聖精王オベロンは最期を迎えた。なんでだよ、なんでなんだよ!
ダンテが作った聖神への裏道を抜けたアカネは、そこにアヴァロンが再現されていることに気付き、「やっぱり、寂しかったんじゃないか」と言葉をこぼす。アヴァロンは、かつてのアーサーの本拠地だった。
「いらっしゃいませ」「聖人のみなさまは、ご退場願えますか」そこに現れたロキが指先を鳴らすと、アカネたちに同行していたニコラスとジャンヌが隔離されてしまった。
●“♯01 扉の先へ:再戦”より
聖神への裏道を抜けた先に広がっていた景色、それはかつて聖王の根城とされていたアヴァロンそのものだった。やっぱり、寂しかったんじゃないか。アカネがこぼした言葉。そして、その言葉に応えるかのように現れた仮面の男。いらっしゃいませ。
「それじゃあ、ボクは聖人のみなさまと遊んでくるよ」姿を消したロキの代わりに、6人の北欧神がアカネたちの行く手を阻む。
●“♯02 扉の先へ:再戦”より
そう、現れたのはロキだった。聖人のみなさまは、ご退場願えますか。鳴らされた指先。隔離されたニコラスとジャンヌ。それじゃあ、ボクは聖人のみなさまと遊んでくるよ。姿を消したロキ。そして、ロキの代わりに現れたのは北欧神の6人だった。
●“♯03 扉の先へ:再戦”より
スルトと対峙したアカネ。下等な人間がいくら足掻こうと、世界の決定は覆らない。訪れるのは、約束された未来だけだ。否定するアカネ。いいや、違う。俺たちは不確かなイマを生きる。約束された未来なんかいらない。俺は、みんなと生きていく。
●“♯04 扉の先へ:再戦”より
ふふふ、これで邪魔は入らないわね。アオトを前に、頬を紅潮させたシグルズ。そこをどいて。ただ睨みつけるアオト。僕たちは君たちを相手している場合じゃない。もっと先へ、イマの世界を進んでいかなきゃいけない。僕たちの足で歩いていくんだ。
●“♯05 扉の先へ:再戦”より
私はあなたを憎んでいた。ヘズを見つめたミドリ。だけどね、憎しみはなにも生まないんだよ。私は過去を憎むことよりも、イマを一生懸命生きていきたい。私が出会ったみんなの、大切を守りたい。そう、私はみんなと生きる、イマを守りたいんだ。
●“♯06 扉の先へ:再戦”より
ちょっとぶりだね。ヒカリと対峙し、嬉しそうなオーディン。でも、遊んでいる暇はないかな。構えられた槍。私も遊んでいる暇はないの。対するヒカリ。確かにイマの世界は完璧じゃないよ。でもね、それでも私は、イマの世界を愛してるんだから。
●“♯07 扉の先へ:再戦”より
あら、いったいどうしたの。ヘグニは不思議だった。そう、それは再会を果たしたユカリの表情が以前とは違っていたから。そう、憎しみではなく、希望を宿していたユカリ。私は約束をした。私は過去に生きるんじゃない、私は私のイマを生きるって。
●“♯08 扉の先へ:再戦”より
ねぇ、いま統合世界は大変なことになってるみたいだよ。ギンジへと語りかけるヘルヴォル。だから、どうした。決して動揺することのないギンジ。俺は、みんなに支えられてここまで来た。だから、俺は統合世界のみんなを信じる。それだけの話だ。
北欧神と対峙したアカネたちの前にモルガンが現れ、6つのドライバをわたす。他の空間とつながる裏口から現れたモルガンは、ドライバをわたすと、また裏口へと戻っていた。
その裏口でモルガンがすれ違った1人の男は、アカネたちを飛び越えて北欧神の目の前へ現れる。それは、ドロシーたちによって復活をとげた道化焔竜オズだった。
●“♯09 扉の先へ:再戦”より
北欧神と対峙したアカネたち。そして、開いていた裏口から遅れて現れた妖精。これをアンタたちに、って。現れたのはモルガン。なんで、アタシなんかに託したのよ。モルガンがアカネたちに届けたのは聖剣の鞘ではなく、6つのドライバだった。
●“♯10 扉の先へ:再戦”より
ありがと、お姉ちゃん。それじゃ、アタシは帰るから。そして、モルガンは裏口へ。そんな裏口ですれ違ったひとりの男は、アカネたちを飛び越え、北欧神の目の前へ。さぁ、北欧神の皆様へ魔法をおみせしましょう。種も仕掛けもない、僕の魔法を!
「さぁ、北欧神の皆様へ魔法をおみせしましょう。種も仕掛けもない、僕の魔法を!」亡き友(ノア)のクラウン(シルクハット)は友情の証し。シルクハットをかぶりなおしたオズは、北欧神と戦いを引き受け、アカネたちを先へと進ませる。
●“♯01 扉の先へ:道化竜”より
オズが空高く放り投げたシルクハット。そして、次々に現れる炎のシルエット。僕はひとりじゃなかった、そう、昔もイマも。被りなおしたシルクハット、亡き友のクラウンは友情の証し。次は僕がケジメをつける番です。まとめて相手をしましょう。
●“道化焔竜オズ”のプロフィール
綴られし存在に本物の家族など存在していなかった。血の繋がりなど存在していなかった。だが、確かに本物の家族は存在していた。血の繋がりよりも、遥かに強い想いの繋がり。そして、沢山の想いが繋いだひとつの命。帰ってきたオズ。そう、たった四文字を、どれだけ待ちわびていただろうか。みんな、―ただいま。
●“♯02 扉の先へ:道化竜”より
ありがとう、みんな。そう、ミドリの言葉はオズと共に現れた炎の家族たちへ。君たちは、君たちのすべきことを。そして、僕たちは僕たちのすべきことを。再び走り出したアカネたち。目の前の虚城で待っているであろう聖神。統合世界のイマを―。
アヴァロンを模した虚城で待つ聖神アーサーのもとへと走り出したアカネたち。
双剣を構えたシグルズがアカネたちを止めようとするが、オズが炎で創ったトトでシグルズを足止めする。
さらに、炎で創られたドロシーは、かつてドロシーを刺し貫いたヘズへと襲いかかる。
オズの家族はここにはいないが、オズは家族の想いを連れてきていたのだった。
●“♯03 扉の先へ:道化竜”より
行かせないわよ。一番に動き出したのは双剣を構えたシグルズだった。だが、そんなシグルズへと向かったのは、オズの背後から飛び出した炎で創られたトト。そう、オズの家族はここにはいない。だが、オズは家族の想いを連れてきていたのだった。
●“♯04 扉の先へ:道化竜”より
ねぇ、私のこと覚えているかしら。とでも言いたげなドロシーの炎。そして、その言葉は目の前のヘズへ。かつて、ヘズの槍が貫いたドロシーの体。訪れた再戦。何度でも、貫いてあげる。ヘズは槍を振り回し、そして瞳に捉えた獲物へと刃を向けた。
そんなオズを見て、へグニやオーディンは少し危惧を抱いていた。北欧神たちの力を引き出すドライバは竜から創られているがゆえに、オズは今でも北欧神の力を奪うことができる。
神によって綴られた竜であるオズは、北欧神たちの力へ干渉することができるのだった。
●“♯05 扉の先へ:道化竜”より
いつも不機嫌なヘグニが更に不機嫌な顔を見せたのは、目の前のオズが持つ力を気にしていたからだった。かつて、北欧神たちの力を奪ったオズ。それは北欧神たちの力を引き出すドライバが竜から創られていたから。そして、それはいまも変わらない。
●“♯06 扉の先へ:道化竜”より
ちょっと、やっかいな相手かもしれない。オーディンも状況を理解していた。そう、神により綴られた竜であるオズは、北欧神たちの力へ干渉出来るということを。だけど、せっかく帰ってきたのに、まさかそんな簡単に命を無駄遣いしたりしないよね。
●“♯07 扉の先へ:道化竜”より
そこに価値を感じるか、それは彼次第ってことだね。ヘルヴォルは襲いくる炎のブリキをいなしながら、オーディンの疑問に答えた。そして、いまの僕たちに言えることはただひとつ。そうさ、さっさと目の前の彼を殺してしまえばいいだけなんだ。
●“♯08 扉の先へ:道化竜”より
オズへと切りかかるスルト。そして、オズはステッキにも似た炎の剣で受け止める。僕は沢山の過ちを犯した。僕の犯した罪は僕が背負う。だから、僕は償いながら、イマの世界を生きるんです。そう、オズは真っ向から立ち向かう覚悟を決めていた。
「どうかみんな、僕に力を貸してください」オズの背後を守るように集まった5つの家族の炎。そして、古竜王ノアを彷彿させる火竜の咆哮。
オズによる炎は周囲を炎の海へと変え、北欧神はアカネたちを見失ってしまう。
●“♯09 扉の先へ:道化竜”より
どうかみんな、僕に力を貸してください。オズの背後を守るように集まった5つの家族の炎。そうです、僕はただの道化竜。最後まで、道化を演じさせてもらいます。さぁ、最上級の魔法を。みんながいるから、僕がいるんです。まずはこちらをどうぞ。
●“♯10 扉の先へ:道化竜”より
天高く掲げた左手、そしてその左手から更に天高く昇るのは真っ赤に燃える火竜。鳴り響く咆哮は、かつて完全なる落日の終焉に鳴り響いた竜の咆哮。そう、その昇りし竜は古竜王だった。あなたはずっと、私の中に生き続ける。共に燃やし尽くそう。
「終演のときまで、誰ひとり逃げ出すことは許しません」アカネたちを見失った北欧神たちは次々とオズへ刃を向けるが、オズはそれを退けていく。
●“♯11 扉の先へ:道化竜”より
ノアの炎はあたりをたちまち炎の海へ。そこに言葉はなくとも、伝わる想い。終演のときまで、誰ひとり逃げ出すことは許しません。アカネたちを見失った北欧神たちは次々とオズへ刃を向ける。そして、一番最初に飛び出したのはオーディンだった。
●“♯12 扉の先へ:道化竜”より
その力の正体、確かめさせてもらうよ。オーディンの槍を弾いてみせたオズ。そう、力を持たず生まれたオズが、どうして対等に渡り合えるのか。そして、続く二撃目はヘルヴォルだった。手品っていうのはね、必ず種と仕掛けがあるもんなんだよ。
●“♯13 扉の先へ:道化竜”より
そんなヘルヴォルの刃さえ弾いてみせたオズ。だから言ったでしょう、種も仕掛けもありません、と。そして、右手から放った炎が貫いたヘズの体。左手からの炎はシグルズの足を貫く。これは僕の力じゃない、だけど、これが僕の役目だったんです。
●“♯14 扉の先へ:道化竜”より
無力なオズに綴られた物語の結末。解放されたオズの力。世界の終わりに最後まであがく命、それが僕です。次々とオズにより制される北欧神たち。そして、僕はその綴られし運命に従った。だが、それがなにを意味しているのかわかっているのか。
力を持たず生まれたオズが、どうして自分たち(北欧神)と対等に渡り合えるのか。その理由を不思議に思う北欧神へ、オズは自分が“世界の終わりに最後まであがく命”だと告げる。
「だが、それがなにを意味しているのかわかっているのか」そんなスルトの問いに対して、オズは「僕の運命の最後の頁を彼(ロキ)が閉じるまで、僕はあがき続けます。そして、その運命が絶たれることを信じて」と返す。
前半の「僕の運命の最後の頁を彼が閉じるまで、僕はあがき続けます」は、ロキに干渉されるまであがき続ける(手のひらで踊り続ける=道化でいる)というオズの決意、後半の「その運命が絶たれることを信じて」は、それでも、最後はその手のひらの運命を絶ってみせるという決意を示している。
自分の命をかえりみず、前だけを向いて戦うオズ。その力こそオズの“魔法”であり、その力を北欧神を凌駕するほどのものだった。
●“♯15 扉の先へ:道化竜”より
それはスルトからの問い。僕の運命の最後の頁を彼が閉じるまで、僕はあがき続けます。そして、その運命が絶たれることを信じて。そう、だからオズは前だけを向いていた。そして、その力は北欧神の力を凌駕したのだった。これが、僕らの魔法です。
●高野メモ
ついに帰ってきたオズ。待っていた人はたくさんいたんじゃないでしょうか。
オズの再醒に関しては、とっても悩みながら作りました。本当にこれでいいのか、と何度も考えました。ただ、そんな僕の背中を押してくれたのは、たくさんのユーザーさんからの声でした。
発注したとき、最後まで道化らしく、憎たらしい感じにして欲しい、という話と、オズの家族を散りばめて欲しい、という話だけをしました。
この絵に隠されている要素、もちろん『ディバゲ』ユーザーさんなら見つけてくれてますよね?
●デザイナーコメント(UCMMさん)
お待たせしましたといわんばかりの再醒、どことなくずっと不遇な扱いを受けていたようなイメージがありつつもかなり優遇されてコラボやオズファミリーや追想など出番があった気がします。
でも期待されていた声をとても感じ、自分もずっと再醒を待ちどおしくおもっていたました。
この黒い翼が生えて半身が燃えてるというイメージは数年前から再醒させるならこうしたいという気持ちがずっとありました。この絵から彼の愛情とかっこよさが伝わればいいなと思います。
一方、ロキによって隔離されたニコラスとジャンヌは、ロキだけでなくラウフェイやシャルラも相手にすることに。
●“♯01 扉の先へ:悪戯”より
すこし、悪戯が過ぎるんじゃないか。ロキの背後、現れたのはシャルラを引き連れたラウフェイ。ごめんね、ママ。口先だけで謝るロキ。そんなロキたちに対するは、ジャンヌ、ニコラス。私は貴様らに問う。自分の命より、なぜこの世界を選んだのだ。
ジャンヌはラウフェイに槍をつきつけるが、その間にはシャルラが割って入り、そんなシャルラにニコラスが銃口を向ける。
誰かが一歩でも動けば、誰かの命が失われるという緊張が走る。
●“♯02 扉の先へ:悪戯”より
いまさら、その問になんの意味もないわ。ラウフェイへと槍を手に飛び掛ったジャンヌ。ふたりの間に割って入ったシャルラ。そして、そんなシャルラへ銃口を向けたニコラス。次の瞬間、一歩でも動けば誰かの命が失われる。そんな緊張が訪れていた。
「ねぇ、誰かボクのこともかまってくれないかな」そんな緊張を楽しげに眺めていたロキに対して、ニコラスが球体型ドライバを投げつける。
そのドライバから現れたサンタクローズは、ロキへと釘バットを振り上げるのだった。
●“♯03 扉の先へ:悪戯”より
そして、そんな緊張を楽しげに眺めていたロキ。ねぇ、誰かボクのこともかまってくれないかな。だったら、オマエに俺からとっておきのプレゼントをやろう。ニコラスがロキへと放り投げた球体型ドライバ。そして、そのドライバから人影は現れる。
●“♯04 扉の先へ:悪戯”より
ロキへと飛びかかる人影。真上に振り上げられた釘バット。振り下ろされると同時に起きる爆発。そうだよね、キミのパパは裏切ってたんだ。だとしたら、キミが処分されたという報告も当然偽造されてた、ってことだね。そうだろう、サンタクローズ。
「ロキ、俺はアイツ(アーサー)を返してもらいに来た」「返すもなにも、この選択は彼(アーサー)自身が決めたことだよ」サンタクローズとロキは、言葉を交わしながら戦いを続ける。
そしてロキは、サンタクローズがアーサーにつけたアルトリウスという名前こそ、すべての始まりだったと言い放つ。
「そう、アーサーを王にしたのはキミだ。神にしたのもキミなんだ」と。
●“♯05 扉の先へ:悪戯”より
ロキ、俺はアイツを返してもらいに来た。そう、現れたサンタクローズ。返すもなにも、この選択は彼自身が決めたことだよ。そう返したロキ。だとしたら、力ずくでアイツを連れ帰るだけだ。それは本当に、イマのアーサーが望んでいることなのかな。
●“♯06 扉の先へ:悪戯”より
アイツが望んでいなかったとしたら、俺が道を正してやるだけだ。サンタクローズの周囲に展開される無数のドライバ。そのドライバの群れと共に再びロキへと一直線に飛びかかる。一本、一本、ドライバを壊されながらも、決して攻撃を止めやしない。
●“♯07 扉の先へ:悪戯”より
ロキはすべての攻撃を防ぎながら、それでいて楽しそうな顔を続けていた。ねぇ、キミは気づいているよね。キミがつけたアルトリウスという名前、それがすべての始まりだったんだ。そう、アーサーを王にしたのはキミだ。神にしたのもキミなんだ。
「そうさ、俺がアイツの人生を狂わせた」サンタクローズはロキの言葉を認め、「だから、もっと狂わせてやる。あぁ、そうさ。俺がアイツを、神様から人間に堕としてやるんだよ」と続ける。
●“♯10 扉の先へ:悪戯”より
ロキの言葉を受け、攻撃の手を止めたサンタクローズ。そうさ、俺がアイツの人生を狂わせた。そして、再びサンタクローズはドライバを展開する。だから、もっと狂わせてやる。あぁ、そうさ。俺がアイツを、神様から人間に堕としてやるんだよ。
ロキを狙ったサンタクローズの攻撃は、その間に割って入った堕愚者ロプトによって受け止められる。
仮面が割れて明らかになったロプトの素顔は、ロキと同じもの。ロプトの正体は、悪戯神の神格を植え付けるために用意された器の1つであり、悪戯神になれなかった男の成れの果てだった。
●“♯11 扉の先へ:悪戯”より
だが、サンタクローズとロキの間に割って入った新たな人影。それはロプトだった。サンタクローズの攻撃を受け、壊れたロプトの仮面。露になったのは神になれなかった証。どうもありがとう、もうひとりのボク。そして、ボクになれなかったボクよ。
●“堕愚者ロプト”のプロフィール
植えつけられる神格。だが、それは確かなものではなかった。そう、その神格に耐えうる肉体、そして精神。幾度となく、植えつけられては死にゆく人間。そう、私は選ばれた。だが、私は選ばれなかった。堕愚者ロプト、それは悪戯神になれなかった男の成れの果て。だとしても、私は私の存在意義を見出すだけだ。
自分がなれなかった悪戯神の肉体を守るかのように、我が身を盾にしてサンタクローズの攻撃を受け止めるロプト。ロキへの攻撃が届かずにいらだつサンタクローズだったが、そこにカナンが助勢する。
●“♯12 扉の先へ:悪戯”より
ロキへの攻撃を、すべてその身で受け止めるロプト。予期せぬ横槍に、苛立ちを隠せないサンタクローズ。だが、次の瞬間、ロプトへと襲いかかったのは無色の炎。この戦い、私にも介入させてもらう。無色の炎の正体は、続いて現れたカナンだった。
●“♯13 扉の先へ:悪戯”より
悪いが、そっちを任せてもいいか。ええ、構わないわ。私たちの最終目的は同じなのだから。そしてカナンの両手から生まれた無色の渦。その渦から飛び出してきた無色の竜。すべてを喰らい尽くしなさい。無色の竜は目の前のロプトを捉えていた。
カナンと対峙したロプトは、カナンが放つ無色の炎の竜の危さを察知していた。。その竜に触れただけで、その身が無に帰されると。
だからこそ、カナンへと反撃するチャンスを慎重に狙うロプト。ロプトは一瞬の隙をつき、刃を投げつけてカナンにわずかな傷を負わせる。
その代償としてロプトは無色の竜に喰われてしまったが、、カナンは「あなたが生きた証、この身に刻んでおいてあげる」と、消えたロプトに声をかけるのだった。
●“♯14 扉の先へ:悪戯”より
迫り来る竜の猛攻をかわすことしか出来ないロプト。そう、ロプトは感じていた。この竜に触れただけで、その身が無に帰されると。だからこそ、カナンへ反撃する一瞬のチャンスを狙っていた。そして、カナンはその場を一歩も動こうとはしなかった。
●“♯15 扉の先へ:悪戯”より
訪れた一瞬の隙。カナンへ刃を投げつけたロプト。そして、その攻撃と引き換えに、その身を竜に喰われたロプト。そして、投げられた刃をその身で受けたカナン。かすかに切れた体から流れ出した血。あなたが生きた証、この身に刻んでおいてあげる。
一方、ジャンヌはシャルラと、ニコラスはラウフェイと交戦していた。
「少し、相手が悪かったですわ」議長の使徒とはいえ、聖人であるジャンヌの攻撃を防ぐので精一杯のシャルラ。
ラウフェイは自分を相手に互角に戦うニコラスを「さすがは、元天界の王といったところね」とほめるが、ニコラスは「ただの父親として戦ってるだけさ」と言葉を返す。
●“♯08 扉の先へ:悪戯”より
少し、相手が悪かったですわ。いくら議長の使徒とはいえ、聖人であるジャンヌの攻撃を防ぐので精一杯のシャルラ。そして、攻撃の手を休めることなく、槍を振るい続けるジャンヌ。あなたも人間なら、わかるよね。それはジャンヌの希望でもあった。
●“♯09 扉の先へ:悪戯”より
さすがは、元天界の王といったところね。互いに、一歩も引くことなく互角の争いを繰り広げるラウフェイとニコラス。いや、俺は元天界の王として戦ってるわけでもなけりゃ、聖人として戦っているわけでもない。ただの父親として戦ってるだけさ。
実力差がありながら、ジャンヌがシャルラとの戦いに時間をかけていたのは、シャルラを殺さないように気を付けていたから。
だがラウフェイは、「その甘さが命取りだ」と、氷の刃でシャルラごとジャンヌの体を貫く。
●“♯16 扉の先へ:悪戯”より
なかなか、しぶといじゃない。シャルラを相手に、息を切らしていたジャンヌ。それは、ジャンヌがシャルラを殺さないように戦っていたからだった。その甘さが命取りだ。シャルラの体を貫き、そのままジャンヌを貫いた氷の刃。アンタって、最低ね。
●“♯17 扉の先へ:悪戯”より
そう、シャルラの背後から、シャルラごとジャンヌを貫いたのはラウフェイだった。急いで駆け寄るニコラス。もう、アタシなにしてんだろ。もういい、ゆっくり休んでろ。そして、悲鳴さえ上げることの出来ないシャルラ。人間の血は、絶えるべきね。
「もういい、ゆっくり休んでろ」ジャンヌを休ませ、再びラウフェイと対峙するニコラス。彼が展開した無数のドライバは、サンタクローズが展開したドライバ数を遥かに凌駕していた。
●“♯18 扉の先へ:悪戯”より
そして、再び対峙したラウフェイとニコラス。いい加減にしろよ、オマエら。ニコラスが展開した無数のドライバ。その数は、サンタクローズが展開したドライバ数を遥かに凌駕していた。なぁ、選べよ。自分で死ぬか、俺に殺されるか、どっちがいい。
「なぁ、選べよ。自分で死ぬか、俺に殺されるか、どっちがいい」ニコラスの攻撃はラウフェイの周囲の神魂をひとつ残らず消し去るが、ラウフェイは死を恐れていなかった。
なぜならラウフェイは、ここで死んでも新しい世界で再び生まれることができると信じていたから。滅びと再生を繰り返してきたラウフェイにとって、イマの世界は数ある世界の1つに過ぎなかったのだ。
●“♯19 扉の先へ:悪戯”より
ラウフェイの周囲の神魂をひとつ残らず消し去るニコラスの攻撃。だが、それでも表情を崩すことのないラウフェイ。私はただ決定に従うだけ。だからこそ、ラウフェイは死を恐れはしなかった。新しい世界、私は再び生まれることが出来るのだから。
「これが、オマエへの最後のプレゼントだ」そんなラウフェイに対して、ニコラスがイマの世界を終わらせるつもりはなかった。だからこそニコラスは、あえて“最後”という言葉を使ったのだった。
●“♯20 扉の先へ:悪戯”より
じゃあ、俺に殺されろ。ラウフェイの体に突き刺さる無数のドライバ。これが、オマエへの最後のプレゼントだ。そう、ニコラスの「最後」には希望が込められていた。新しい世界なんか、もう必要ないんだ。決して、イマの世界を終わらせたりしねぇ。
ロキとサンタクローズの戦いは、サンタクローズの勝利で終わった。だが、ロキもまた、イマの世界が終わっても、新たな世界でまた生まれることを信じていた。
何よりロキは聖神アーサーを信じているがゆえに、世界の決定が覆ることがないと信じていたのだった。
●“♯21 扉の先へ:悪戯”より
再び、場面はロキとサンタクローズへ。ボクのこと、そんなに殺したいのなら、殺せばいいさ。そう言いながら、ロキはサンタクローズの攻撃をあえて受けてみせた。まだ、ボクにも赤い血は流れていたんだね。ハハハ、はははは、ハハハハははハハハ。
●“♯22 扉の先へ:悪戯”より
なにがおかしい。そして、サンタクローズは手にした刃をロキの首筋へと添えた。世界の決定は覆らない。だって、ボクは彼をさ、聖神アーサーを信じているから。だから、新しい世界でボクはまた生まれる。そうだよ、ボクは永遠の存在なんだから。
イマの世界での死を前にしたロキは過去を振り返り、楽しかったことと後悔がないという言葉を残す。そして、最後にサンタクローズへと礼を述べるのだった。
「だから、ボクの役目はそろそろお終いだよ。ありがとう、抗ってくれて」と。
●“♯23 扉の先へ:悪戯”より
楽しかったな。色々と楽しかった。ボクはボクのやりたいようにやった。後悔はないよ。ボクはボクで、イマを生きたんだ。だって、キミたちはこんなにもボクたちを追い詰めた。だから、ボクの役目はそろそろお終いだよ。ありがとう、抗ってくれて。
そんなロキに対してサンタクローズは「それが、お前の遺言だな」と告げ、ロキのいう新しい世界は訪れないと断言する。
「俺たちは少しずつ、確実によりよい未来へと歩いて行けるんだから」サンタクローズは、イマの世界で生きていくことを選んでいた。
●“♯24 扉の先へ:悪戯”より
それが、お前の遺言だな。そして、サンタクローズは刃を握り直した。お前の言う新しい世界なんか、訪れやしない。俺たちは誰もそんなこと望んじゃいないんだ。少しずつでいい、俺たちは少しずつ、確実によりよい未来へと歩いて行けるんだから。
こうしてサンタクローズはロキの命を奪おうとしたが、オズがそれを止めた。
「彼に、結末を見届けさせましょう」オズはロキに対して、アカネやアーサーたちが紡ぐ物語の結末を見届けさせようとしたのだった。
●“♯25 扉の先へ:悪戯”より
それじゃあ、これでお別れだ。サンタクローズの刃が動き出した瞬間、辺りに響き渡った声。待ってください。そう、その声の正体はオズによるものだった。少し、待ってください。サンタクローズへと歩み寄るオズ。彼に、結末を見届けさせましょう。
ライル≒ランスロットは、かつてアーサーと出会った天界の聖夜街の外れにいた。彼はそこで、アーサーの処刑を行うつもりだった。
そんなライルを見つけた極楽竜ジョーイは、かつてグリモア教団でつけられなかった決着をつけようと、ライルに襲いかかる。
●“♯01 扉の先へ:処刑場”より
ようやく見つけた。その言葉はずっと行方不明だったジョーイによるものだった。こんなときに、邪魔するんじゃねーよ。その言葉はライルのものだった。そう、ふたりの邂逅が果たされたのは天界の聖夜街の外れ。オレたちはいま、忙しいんだ。
●“♯02 扉の先へ:処刑場”より
だが、そんなライルの言葉が聞こえていないのか、聞こえていないフリをしているのか、ジョーイは本能の赴くままにライルへと刃を向けた。あー、もうイライラさせんじゃねぇよ。そんなジョーイの刃をいとも簡単に弾いたライル。少し遊んでやるよ。
「あー、もうイライラさせんじゃねぇよ」と、ジョーイの刃をいとも簡単に弾いたライル。「やっぱり、殺し合いだよね」と楽しそうに言葉を返すジョーイだったが、その最期は一瞬で訪れた。
ライルのひと突きでジョーイは倒れたが、ジョーイは最期のときまで楽しそうだった。
●“♯03 扉の先へ:処刑場”より
やっぱり、殺し合いだよね。いつになく楽しそうなジョーイ。そして、いつになく不機嫌なライル。ここは、綺麗にしとかなきゃなんねぇんだよ。そう、ライルは聖夜街の外れで準備をしていた。せめて、最期はここがいいだろうと思ってさ。そこは―。
●“♯04 扉の先へ:処刑場”より
―かつての聖王であり、聖神アーサーの処刑場だった。真っ白な雪が降り積もる始まりの景色。それなら、終わりもここが本望だろう。だから、ここを汚すわけにはいかない。わぁ。ひと突きで訪れた終焉。ジョーイは、最期のときまで楽しそうだった。
ここをアーサーの処刑場と決めたライルは、そこを汚したくなくて、ジョーイを素早く仕留めたのだった。
そこに姿を現したのは、ともに“アーサーを殺す”という密約を交わした相手であるリオとモルガン。
モルガンは、クロウリーの体内から取り出した“聖剣の鞘”をライルに託す。
「やっぱり、アイツを殺すのはオレの役目なんだ。だから、早く連れ帰ってこいよ」こうして、アーサーの処刑の準備は着々と進んでいたのだった。
●“♯05 扉の先へ:処刑場”より
終わったのね。そう言いながら現れたリオとモルガン。そして、モルガンが手にしていた聖剣の鞘。やっぱり、アイツを殺すのはオレの役目なんだ。だから、早く連れ帰ってこいよ。そう、すでに統合世界ではアーサーの処刑の準備が進められていた。
【第七章“扉の先へ5”は7月1日(土)夕方ごろに公開予定です】
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