2017年6月5日(月)
『劇場版 魔法科高校の劣等生』を楽しむためにTVシリーズをおさらい&アニメ化されていない“来訪者編”をチェック!
6月17日より全国ロードショーとなる『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』。本作をより楽しむために、『魔法科高校の劣等生』のTVシリーズのおさらいや、アニメ化されていない“来訪者編”の紹介をしていきたいと思います。
▲達也の上に描かれている金髪碧眼の少女・リーナ。“来訪者編”で初登場する彼女がどんなキャラクターなのか知っておくと、『劇場版』をより楽しめるでしょう。 |
そもそも『魔法科高校の劣等生』とは?
『魔法科高校の劣等生』は、佐島勤先生が執筆(イラストは石田可奈先生)する、累計発行部数770万部突破の人気小説『魔法科高校の劣等生』のアニメ化作品です。“電撃文庫 秋の祭典2013”のステージイベント“電撃文庫創刊20周年 大感謝プロジェクト”でアニメ化プロジェクトが発表され、2014年にTVアニメが放送されました。
▲電撃文庫『魔法科高校の劣等生』第1巻の表紙画像です。 |
では続いて、作品の舞台や世界観、登場キャラクター、そして“来訪者編”の内容についてなどを項目別に見ていきましょう。
なお「TVアニメについての知識は完ぺき!」という人は、“来訪者編”とは? の項目から読んでいただければと思います。
『魔法科高校の劣等生』基礎知識
作品の舞台や世界観は?
本作の舞台となるのは、魔法が伝説や御伽噺の産物ではなく、現実の技術となってからおよそ1世紀が経つ世界。
国立魔法大学付属第一高校――通称“魔法科高校”は、成績が優秀な“一科生”と、その一科生の補欠“二科生”で構成され、彼らはそれぞれ“花冠(ブルーム)”、“雑草(ウィード)”と呼ばれていました。そんな魔法科学校に、一組の血の繋がった兄妹が入学します。
兄の達也は、ある欠陥を抱える劣等生(ウィード)。妹の深雪は、すべてが完全無欠な優等生(ブルーム)。どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを寄せる優等生の妹。彼らが“魔法科高校”の門をくぐったところから、『魔法科高校の劣等生』の物語が幕を開けるのです。
と、ここまでが『魔法科高校の劣等生』のプロローグになります。本作には数々の用語が登場します。詳しくは公式サイトの用語解説コーナーに記載されています。軽く目を通しておくだけでもより深く作品を理解する助けになると思いますので、ぜひチェックしておいてください。
主要キャラクターは?
上でも触れたように、ある欠陥を抱える劣等生(ウィード)の兄と、すべてが完全無欠な優等生(ブルーム)の妹――司波兄妹をはじめ、ひとクセもふたクセもあるキャラクターたちが登場する本作。
そんなキャラクターたちの中から、ここでは『劇場版』でも登場が確認されているキャラクターたちを紹介していきます。(※以下、声優名は敬称略)
司波達也(声優:中村悠一)
第一高校1年E組に所属。“ある欠陥”のため、二科生として入学しました。魔法実技の実力は最低クラスですが、魔法理論については最高クラス。CAD(魔法の発動に必要な演算を補助するデバイス)の設計・整備を得意としています。
高難度魔法《分解》と《再成》、さらには戦略級魔法に分類される《質量爆散(マテリアル・バースト)》の使い手でもあります。
司波深雪(声優:早見沙織)
達也の妹で、一科生の中でもひときわ優秀な才女。常日頃から達也への想いを隠すことなく表に出しているため、周囲には“重度のブラコン”として認識されています。さまざまな魔法を使いこなしますが、特に冷却系魔法を得意としています。
千葉エリカ(声優:内山夕実)
達也のクラスメイト。周囲の目を引く陽性の美少女ですが、明るく物おじしない性格から、周囲を巻き込んでは騒動を起こすタイプです。実家は剣術の大家で、彼女自身も卓越した剣碗を持っています。
西城レオンハルト(声優:寺島拓篤)
達也のクラスメイトで、通称“レオ”。優れた運動神経と高い耐久力の持ち主で、硬化魔法でアームプロテクターを兼ねるCADを硬化し、なぐりつける近接戦闘を得意としています。エリカとは憎まれ口をたたき合いながらも親しくしています。
柴田美月(声優:佐藤聡美)
1年E組に所属。少々天然ですが、まじめな性格。この時代には珍しく眼鏡をかけていますが、これは視力が悪いわけではなく、意図せずに霊子放射光が見えてしまう《霊子放射光過敏症》を抑えるためです。
吉田幹比古(声優:田丸篤志)
1年E組に所属。《古式魔法》の名門の出身で、魔法技術については一科生に引けを取らないほどでしたが、あるアクシデントから魔法を上手く行使できなくなっていましたが、達也のアドバイスでスランプを克服しました。
光井ほのか(声優:雨宮 天)
1年A組所属の一科生で、トップクラスの優等生です。大人しく優しい性格ですが、やや思い込みが激しく、時に思い切った行動に出ることも。光波振動系魔法を得意としますが、どちらかと言うと実技より理論のほうでいい成績を修めています。
北山 雫(声優:巽 悠衣子)
1年A組所属。口数が少なく、感情をあまり表に出さないタイプです。振動系と加速系魔法を使いこなし、実技の成績は深雪に次いで学年2位の実力者です。クラスメイトのほのかは小学校時代からの親友であり、よきライバルでもあります。
七草真由美(声優:花澤香菜)
この春に第一高校を卒業したばかりの前・生徒会長で、魔法大学への進学を予定しています。《十師族》に名を連ねる七草(さえぐさ)家の長女であり、小悪魔的な性格の持ち主です。
渡辺摩利(声優:井上麻里奈)
この春に第一高校を卒業したばかりの前・風紀委員会委員長です。真由美とは親友関係にあります。千葉家で学んだ剣術を生かした対人戦闘を得意としています。
十文字克人(声優:諏訪部順一)
真由美、摩利と同じくこの春卒業したばかりの前・部活連会頭です。《十師族》に名を連ねる十文字家の次期当主で、鍛え上げた堂々とした体躯と、攻防一体の魔法《ファランクス》を使って戦います。
TVアニメで展開した物語を振り返る
TVアニメシリーズでは、達也と深雪たちが魔法科高校に入学したばかりの頃を描いた“入学編”、全国の魔法大学付属高校が魔法競技で競い合う九校戦を描いた“九校戦編”、そして、“全国高校生魔法学論文コンペティション”の最中に起きた外国の魔法師との戦いを描いた“横浜騒乱編”の3エピソードが描かれています。
それぞれどんなエピソードなのか、紹介していきましょう。
“入学編”
春、国立魔法大学付属第一高校――通称“魔法科高校”に新入生の兄妹・司波達也と司波深雪が入学します。優等生の妹・深雪はエリートの“一科生”として、魔法実技の成績が及ばなかった兄・達也は一科生の補欠“二科生”として。
新入生同士のいさかいがきっかけとなって、風紀委員に任命された達也は、剣道部・壬生紗耶香と剣術部・桐原武明の衝突を1人で収めるなどの活躍をし、実力者として認められるように。
そんな中、二科生である紗耶香が抱く一科生へのコンプレックスを利用して、反魔法国際政治団体“ブランシュ”の手が学内に伸びていきます。そしてブランシュが魔法科高校から機密データを盗み出そうと武力に訴えたことから、深雪の日常を守るべく、達也はブランシュ壊滅に乗り出します。
実は紗耶香の剣の腕を認めていた桐原や、十文字たちとともにブランシュの本部になぐり込んだ達也は、組織を壊滅。深雪とともに日常へ戻ってゆくのでした。
“九校戦編”
▲“九校戦編”のキービジュアル。達也の横に立つのは、第三高校の一条将輝です。 |
全国の魔法大学付属高校が、年に1度スポーツ系の魔法を競い合う“九校戦”。エンジニアの人材不足に頭を悩ませていた真由美は、CADの知識に長け、調整もできる達也に注目します。
周囲に実力を示した達也はエンジニアとして代表メンバーに迎え入れられます。達也の高い技術力によるサポートなどもあって、一高の生徒たちは好成績を記録していきますが……数々の不慮の事故が第一高校の生徒たちを襲います。
そしてついに、モノリス・コードに出場予定だった一高の選手が出場不能に。そこで達也は幹比古、レオとともに選手として出場。最大のライバルである“クリムゾンプリンス”こと一条将輝が率いる第三高校に勝利し、第一高校の総合優勝に貢献するのでした。
その裏で達也は、“九校戦”の裏で違法賭博を行い、第一高校に起きた不慮の事故の原因となっていた犯罪組織“無頭竜(ノーヘッドドラゴン)”の東日本総支部を襲撃。達也の逆鱗に触れた彼らは、一夜にして壊滅させられるのでした。
“横浜騒乱編”
▲“横浜騒乱編”のキービジュアル。達也の背後には、横浜を強襲した大亜連合特殊工作部隊の機械兵器の姿も。 |
“九校戦”で大活躍した達也は、今度は“全国高校生魔法学論文コンペティション”のメンバーに選出されます。
準備を進める最中で、参加者である達也のパソコンがハッキングを受けたり、“論文コンペ”の発表会場となる横浜近辺で密入国騒ぎがあったりと、達也たちの身辺で不穏な動きが……。その陰では、第一高校の生徒を手駒にして、論文コンペの資料強奪や、達也が持つレリック“瓊勾玉(やさかにのまがたま)”の強奪をもくろむ大亜連合の暗躍があったのです。
ついに開催を迎えた“論文コンペ”で、水面下で動いていた事態が一気に動き出します。横浜の各地に次々と大亜連合特殊工作部隊が姿を現し、制圧を開始。論文コンペ会場も標的となってしまいます。
しかし各魔法科高校の生徒たちは生き伸びるために戦うことを決意。大亜連合特殊工作部隊の撃退に成功します。
海から脱出を図る大亜連合の残存兵力。達也は、国家機密として隠していた禁断の魔法“質量爆散(マテリアル・バースト)”を発動。地形を変えてしまうほどの威力を持つその魔法によって、敵艦を消滅させ、横浜での騒乱に終止符を打つのでした。
この一撃は、機械兵器やABC兵器に対して魔法の優越性を示す、軍事史の転換点として、“灼熱のハロウィン”と呼ばれることになり……。物語は“来訪者編”へと続いていきます。
TVシリーズでは、“入学編”から“横浜騒乱編”までの3エピソードが描かれました。ちなみに今年5月24日には、全26話を収録したBD BOXが発売されています。まとめて見直したいという人は、こちらを購入してみてはいかがでしょうか?
“来訪者編”とは?
そしてここからは、この記事のキモと言うべき“来訪者編”の紹介をしていきましょう。なぜTVアニメ化されていない“来訪者編”を紹介するのか? それは、『劇場版』にも登場する重要なキャラクターが登場するからです。
▲“来訪者編”が始まる電撃文庫第9巻の表紙画像です。小説では“横浜騒乱編”と“来訪者編”の間に、過去を回想する“追憶編”が存在しています。 |
まずは、どんなストーリーなのかを簡単に紹介していきましょう。
“横浜騒乱”から2カ月後、第一高校に1人の留学生がやってきます。彼女の名は、アンジェリーナ=クドウ=シールズ(リーナ)。達也たちと同学年で、深雪と並び称されるほどの美少女ですが、彼女にはある秘密――USNA(北アメリカ大陸合衆国)魔法部隊“スターズ”の総隊長“アンジー・シリウス”としての顔を持つ――があったのです。
“マテリアル・バースト”と同じく戦略級魔法に分類される“ヘビィ・メタル・バースト”の使い手であるリーナが日本にやってきた理由は、“灼熱のハロウィン”のきっかけとなった魔法の使い手と思われる達也と深雪の調査、そして、魔法師の血を抜きとる“吸血鬼事件”の犯人を追跡すること。
リーナの来日から始まる“来訪者編”では、ともに戦略級魔法師であるリーナと達也の戦いが描かれる他、達也ですら単独では勝てなかった存在“パラサイト”との戦いも展開していきます。
吸血鬼事件の元凶だったパラサイト――“パラノーマル・パラサイト”は、取り付いた人間を器とし、変質させてしまう恐ろしい存在です。さらに“来訪者編”以降の『魔法科高校の劣等生』の物語にも深くかかわってきますので、気になった人は読んでみてはいかがでしょうか? この記事では省きますが、リーナのカッコいい面だけでなく、ちょっとドジでかわいらしいところなども楽しめますよ。
『劇場版』を楽しむために押さえておきたいポイント
文庫本3冊からなるエピソード“来訪者編”は、時間軸で言うと『劇場版』の前にあたる物語です。『劇場版』では特に、アンジェリーナ=クドウ=シールズがキーパーソンとして大きな役割を果たすことになりそうです。
アンジェリーナ=クドウ=シールズ(声優:日笠陽子)
“USNA最強の魔術師”にして、世界に公認されている13人の戦略級魔法師の1人で、愛称はリーナ。戦略級魔法《ヘビィ・メタル・バースト》の使い手です。達也たちと同い年という若さで世界最強の魔法部隊と呼ばれる《スターズ》の総隊長“アンジー・シリウス”としての顔を持つ彼女ですが、その反面世間知らずなところもあったりします。
▲『劇場版』のPVに登場したリーナのカットです。 |
『劇場版』のサブタイトルである『星を呼ぶ少女』の《星》は、スターズにかかっているそうですが、どんな活躍を見せてくれるのでしょうか? 公式サイトでは、スターズの隊員3名も紹介されているので、そちらも確認してみてくださいね。
▲こちらは『劇場版』のキービジュアルのひとつ。“アンジー・シリウス”の姿をしたリーナが達也と対峙していますが……? |
そしてもう1人、『劇場版』の注目キャラクターを紹介しましょう。
綿摘未 九亜(声優:小原好美)
国防海軍の基地から脱走したところを、深雪たちに保護された少女・九亜(ここあ)です。見た目は非常に幼く見えますが、その正体は謎に包まれています。
▲公開されたカットでは、エリカのそばにいることが多い気がする九亜。第3弾特報PVで、深雪が「九亜ちゃんたちの力になってあげたいと思います」と言っていたのも気になるところですが……? |
『劇場版』は、春休みを利用して小笠原諸島へやってきた達也たちが、九亜と出会うところから幕を開けます。九亜は達也にある願いを告げるとのことですが……ここから先は、6月17日公開の『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』本編でお楽しみください!
『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』本予告
■『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』作品情報
【公開日】2017年6月17日
【スタッフ】(※敬称略)
原作:佐島勤
監督:吉田りさこ
原作イラスト・キャラクターデザイン・総作画監督:石田可奈
脚本:佐島勤/中本宗応(ライトワークス)
音楽:岩崎琢
美術:小倉宏昌
美術デザイン:谷内優穂/藤井一志
メカニックデザイン:出雲重機
CAD・サブキャラクターデザイン:ジミー・ストーン
3D監督:田中康隆(MAD BOX)
撮影監督:川下裕樹(MAD BOX)
編集:木村佳史子(MAD BOX)
色彩設計:野口幸恵
音響監督:本山哲
音響効果:古谷友二
音響制作:STUDIO MAUSU
アニメーション制作:エイトビット
製作:劇場版魔法科高校製作委員会
配給:アニプレックス
【出演声優】(※敬称略)
司波達也:中村悠一
司波深雪:早見沙織
千葉エリカ:内山夕実
西城レオンハルト:寺島拓篤
柴田美月:佐藤聡美
吉田幹比古:田丸篤志
光井ほのか:雨宮天
北山雫:巽悠衣子
七草真由美:花澤香菜
渡辺摩利:井上麻里奈
十文字克人:諏訪部順一
アンジェリーナ=クドウ=シールズ:日笠陽子
綿摘未九亜:小原好美
(C)2016 佐島 勤/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/劇場版魔法科高校製作委員会