2017年6月8日(木)
スクウェア・エニックスとTokyo RPG Factoryが贈る2017年秋発売予定のPS4/Nintendo Switch用ソフト『LOST SPHEAR(ロストスフィア)』に関するインタビューをお届けします。
本作は『いけにえと雪のセツナ』に続く、“Project SETSUNA”第2弾タイトル。純国産RPGが隆盛を極めた1990年代の作品から継承する伝統的なスタイルをベースに、現代のプレイ感が融合されています。
インタビューのお相手は、『いけにえと雪のセツナ』に引き続き、本作でもディレクターを務める橋本厚志さんです。タイトル名に関することからゲームシステムまで、いろいろな質問に答えてもらいました。
▲橋本厚志さん。 |
――本作は“プロジェクトセツナ”第2弾ということですが、あらためてそのコンセプトを教えてください。
橋本厚志さん:第1弾だった『いけにえと雪のセツナ』と同じく、90年代に感じた当時のRPGのおもしろさやスタイルを現代にあわせて再現するというコンセプトで制作しています。
――前作から間がないように思いますが、どのタイミングから取り掛かっていたのでしょうか?
前作の発売直前から、話し合いが始まった感じですね。その後並行してswitch版が進んでいましたが、とくに期間が被っているということはなかったです。
――“SPHEAR”というタイトルのつづりが一般的なものと少し違っていますが?
じつは、一般的に使われる球体という意味の“SPHERE”の、古風な言い回しなんです。
制作が進むうちに、だんだんと“SPHEAR”という言葉に意味ができてきて、最終的にこうなりました。どういう意味があるのかは、ぜひプレイしてたしかめてみてください。
――『いけにえと雪のセツナ』とは、世界観的なつながりはあるのですか?
今回は完全新作なので、関連性はいっさい気にしないで作っています。ですが、ユーザーさんの想像を否定するつもりもありません。
想像する余地は残していますので、いろいろな考察をしていただければと思います。もちろん、前作を知らなくてもまったく問題ない内容になっています。
――前作はカジュアルな手応えでしたが、今作のボリュームはどうなりますか?
同じくらいにするつもりだったんですが、いざ作ってみるとボリュームは大きくなりましたね。
前作は20時間前後でクリアできるくらいと言っていたのですが、今作は約30時間、やり込めば40~50時間とかかるはずです。ただ手に取りやすく、クリアできるボリュームの作品にしたいというコンセプトは変わっていません。
――本作の制作にあたり、何か前作とは違う苦労などはありましたか?
完全新作ではありますが、前作『いけにえと雪のセツナ』をプレイした方の期待を裏切らないように、どこまでやるのかというバランスについては、かなり話し合いました。これは前作の制作時にはなかった苦労でしたね。
――ちなみに『いけにえと雪のセツナ』は、海外版では『I am Setsuna』ですが、なぜこのようなタイトルになったのでしょうか?
『いけにえと雪のセツナ』というタイトルは、すごく日本語的な表現なので英語で伝えるのがすごく難しかったんです。
また“セツナ”という言葉のニュアンスが伝わりにくいので、これが人の名前であることを伝えるために、このようなタイトルになりました。
▲画像は『いけにえと雪のセツナ』のもの。 |
――前作では雪景色がイメージとして強かったのですが、今回のメインのイメージはどのようなものになりますか?
メインビジュアルにも登場していますが、月のイメージを強く押しだしています。ストーリーでも重要な部分を担っています。
月を見るシーンや、月の出る夜にちなんだギミックなどもありますよ。またロケーションとしては、機械的な街などもあります。
――“世界の記憶を創り変えるRPG”とはどういう意味でしょうか? また、主人公の持つという記憶で世界を創り変える力について、具体的に教えてください。
今作の世界は、世界が持つ情報である“星の記憶”と“粒子”が結合することで、モノや人がカタチ作られている世界なんです。
“ロスト現象”とは“星の記憶”が抜け落ち、人やモノなどがカタチを保てなくなった状態のこと。主人公であるカナタは、その“星の記憶”を書き換えたり、修復できる力を持っています。
――物語的には、主人公が“ロスト現象”を解決していくという感じでしょうか?
そうですね。ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、突然人やモノが真っ白になる謎の現象に襲われた世界だと思っていただければと。主人公は唯一その現象を修復できる存在なんです。
――公開されている4人のキャラクターについて、それぞれの役割を教えてください。
主人公は“記憶で世界を創り変える力”を持つ、この物語の中心人物です。自分から主張するわけでもないけど、優柔不断でもないというニュートラルなキャラクターになっています。
彼の幼なじみが、ツッコミ役のルミナと、ムードメーカーのロック。物語は、3人が住んでいる街に異変が起きるところから始まります。
ヴァンは、街に異変が起きたときに現れたミステリアスな青年で、物語上でもかなり重要な役割になります。
――ヴァンの武器はめずらしいですね。
ひょうひょうと敵を倒していくイメージだったので、精神力で操る機械のようなものが武器になりました。“ビット”という名前からくるイメージそのままの武器になります。
▲ヴァン。ビットという武器で戦う。 |
――前作同様、『クロノ・トリガー』のATB(アクティブタイムバトル)をベースにしているとのことですが、今回もATBを採用した理由はありますか?
前作の『いけにえと雪のセツナ』をベースに改善した結果ですね。ただ、前作を制作した際に見えてきたものもあったので、ほぼすべてに見直しが入っています。
たとえば、逃げるシステムとか。好評だった刹那システムも引き継いでいますが、これも少し変わっていて、まだ詳しくは言えませんが、今作ではカスタマイズに連動するようになっています。
――そのなかでもとくに大きいのは、やはりバトル中に移動が可能になったことでしょうか?
そうですね。バトル中に移動ができるようになったのはかなり大きいところです。
攻撃範囲に多くの敵を巻き込んだり、敵の攻撃の射程外に逃げたりすることができます。
ただ、そうしないと勝てないというわけではなく、あくまで補助的な要素です。ライトユーザーさんにも楽しんでいただけるようになっていると思います。
――他に何か新システムはありますか?
一部の写真をよく見てもらえれば、謎のゲージを確認できると思います。
ちょっとした仕掛けを用意してますので、今後の発表を楽しみにしていてください。写真をよく見ると、感がいい人なら気が付くかも!?
――ちなみに戦闘は最大で何人まで参加できるのでしょうか?
最大4人パーティで戦闘ができます。前作よりも1枠増やしたことで、よりパーティのバリエーションが増やせるのではないかなと思います。
3人だと、多くの人が主人公とヒロインを入れるので、残りが1枠しかなくなってしまいます。例えば回復特化みたいな極端なキャラクターって、3人枠だとまず選ばれにくい。そういうこともあり、4人に増やしました。
――前作ではキルの方法でドロップが変わりましたが、本作でもそのような仕掛けはありますか?
前作では好評だったのですが、プレイヤーによって差が生まれてしまっていたのかなと思うので、今回はキル方法でドロップが変わることはありません。
ただ、そういうやり込み要素の部分はしっかりと残してあります。
――本作の育成システムはどのようなものになりますか?
基本的にセツナをベースに改善している感じです。法石に関しても同様ですね。
――前作では、ピアノで演奏されたBGMが印象的でしたが、本作ではどのようなBGMになりますか?
前作で好評だったので、今作もピアノ演奏を残し、それに何か1つ楽器を組み合わせています。
組み合わせる楽器はさまざまですが、作品を通じてピアノを主体にした、統一感のあるBGMを楽しんでいただけると思います。
――発売日はいつごろになりますか?
2017年の秋頃を予定しています。そこへ向けて、さまざまな情報を解禁していくので、今後に注目してください。
――楽しみに待っているユーザーたちに向けてメッセージをお願いします。
Tokyo RPG Factory第2作目ということで、90年代の名作RPGを土台に、さらに進化させたRPGを一生懸命制作中です。
今作のジャンルである、 ネオ・トラディショナルRPG”という言葉には、伝統的なRPGを継承しつつも新しいRPGをユーザーさんに提供したいという想いが込められています。魂を込めて作っていますので、ぜひ楽しみにしていてください!
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