2017年6月15日(木)
カプコンより9月21日に発売予定のPS4/Xbox One/PC用ソフト『Marvel vs. Capcom: Infinite(マーベル VS. カプコン:インフィニット)』に関するインタビューをお届けします。
質問にお答えいただいたのは、プロデューサーのマイケル・エバンスさんとアシスタントプロデューサーのピーター・ロサスさんのおふたり。
今作のコンセプトから2つのユニバース(世界)が融合した世界観、ゲームシステムやゲームバランスまで、さまざまな要素について熱く語っていただきました。
▲ピーター・ロサスさん(写真左)とマイケル・エバンスさん(写真右)。※インタビュー中は敬称略。 |
――まずは『マーベル VS. カプコン:インフィニット』の全体的なコンセプトをお聞かせください。
マイケル:大きな柱が2つあって、1つは『マーベル VS. カプコン(以下、MVC)』シリーズのDNAを保ちつつ、バトルシステムを進化させることです。その代表的な要素が“インフィニティ・ストーン”の追加、それと2on2への回帰です。後者は難しい判断でしたが、開発チームと協議し、新鮮味や協力感を出すためには2on2が好ましいという結論に至りました。
そしてもう1つが、ストーリーをきちんと描くことです。これまで多く語られることのなかったヒーローたちが戦う理由を、シリーズ初の“シネマティックストーリーモード”を通して描いていきます。
――2on2であることを発表した時の反響はいかがでしたか?
マイケル:昨日までは「これは『MVS』なのか?」「本当に大丈夫なのか?」というコメントが多く寄せられていましたが、今日の初プレイアブルで遊んだ方には好評です。
ジャスティン・ウォンといった歴戦のプレイヤーも今日初めて体験されたのですが、各所から「奥深いしおもしろい」という声が挙がってきています。
より多くの方に楽しんでもらうためにストーリーを重視するにあたって、3on3では複雑そうなイメージが先行してしまいますし、実際にこの15年ほどはアクションの複雑化が進んでいました。『MVC』として戦略性を下げるわけにはいかないので、そこは意識しつつ、新規プレイヤーへの優しさを大事にしていきたいと思っています。
――戦略性を下げないための具体策はありますか?
“アクティブスイッチ”という、いつでもどこでも交代できるシステムを新たに実装しました。これにより2人のキャラクターを1人のような感覚で操作でき、パートナーのキャラクターとの連携がとても重要になります。
また、“インフィニティ・ストーン(※)”によって、3on3のような幅広いプレイスタイルや戦略性を見いだせる仕組みになっています。
※ゲーム開始時に、自分のプレイスタイルにあわせて“相手を吹き飛ばす”、“飛び道具を通り抜け、一定距離を高速移動する”などの技を選べるシステム。詳しくはこちらの記事を参照。
――ボタン連打でコンボがつながるのも、初心者に向けたものでしょうか?
マイケル:そうですね。『MVC』シリーズの特徴的と言えばエリアルコンボなので、その爽快さを誰でも感じられるように“オートコンボ”を導入しました。もちろん、それだけで勝てるわけではありませんが、ゲームのおもしろさを知っていただくことはできるはずです。
オートコンボを使えばどのキャラもある程度は操作できるので、まずはオートモードを使ってストーリーモードをプレイしてもらいたいですね。その中で使いたいキャラが見つかったら、ミッションモードできちんと操作を覚えるのがいいと思います。
――ストーリーに力を入れているとのことですがやはり融合した世界というのがテーマになるのでしょうか。
キャラクターや世界観は好きだけど格闘ゲームができないという方は絶対にいますし、そういった方に「なぜ戦っているのか?」「どうやって世界が融合されたのか?」を初めて語ることになります。
ストーリーを語ることはマーベルにとっても重要なので、最初は物語のコンセプトを決めるとことから始まりました。世界そのものが融合されているのは、他のマーベルゲームやカプコンゲーム、『MVS』シリーズがこれまでできなかったところでからね。
ちなみにE3 2017で公開したステージの“バルカンダ”は、マーベル作品である『ブラックパンサー』の“ワカンダ国”とカプコンから『モンスターハンター』シリーズの“バルバレ”が融合したステージになっています。
また、同様に“ノームーン”というステージは、『ストライダー飛竜』の“第三の月の都(ザ・サードムーン)”と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の“ノーウェア”という場所も融合しています。今回公開されたPVでグランドマスターネオが登場しているステージが“ノームーン”です。
ステージだけでなく、ダンテとロケット・ラクーンが一緒になったらどうなるか? といったおもしろいシチュエーションもたくさん出てきます。現在配信している無料体験版でも、その一端は感じられると思います。
――近年、マーベル映画が次々と上映されています。その中で、参戦キャラクターはどのように決められているのでしょうか?
マイケル:まず、プランナーやディレクターがキャラクター性や格闘スタイルを踏まえて、ゲームに入れたいキャラや必要なキャラを選んでいます。
それとマーベルのこれからの計画。映画やTVシリーズといった情報をもらって、お互いに5年後のプランに沿って参戦キャラを決める感じですね。開発の要望もありつつ、認知度も考慮されています。
さらに、今回は「融合された世界の中でキャラクターがどのように活躍するか?」という要因もありまして。ダンテとロケット・ラクーンのように、いずれもキャラクター同士を組み合わせる前提で選ばれました。
――今回ウルトロンとΣ(シグマ)が融合していますが、『ロックマンX』は海外でも人気なのでしょうか?
マイケル:大人気なんですよ、特に北米で。『アルティメット マーベル VS. カプコン 3』の時は「カプコン作品で次に出すなら?」というアンケートを採ったのですが、『ロックマンX』が断トツでした。
今回、『ロックマンX』がストーリーに大きくかかわりますし、Σとの関係も深いX(エックス)は大事な役割を担っています。
――ピーターさんが今作でもっとも大事にされた部分を教えてください。
ピーター:自分自身、『MVC』シリーズをずっとプレイしいるのですが、それを通した感じたプレイヤーが求めているものを裏切らないことです。
今回はシンプルにするという方針がある中で、戦略性を失わないことが一番だと思いますし、達成できたと思っています。
――アーサーやロックマンXのような小さいキャラがいると調整が難しかったのでは?
ピーター:どんなキャラでも操作して楽しいことが大切なので、それを前提に調整するのは大変です。背の低いアーサーは飛び道具を強化しようといったようにいろいろ考えましたね。
また、どのキャラでも勝てるようにしたかったので、全キャラに十分なダメージを与えられて、それなりに動ける性能を持たせました。
――日本人からすると、映画化されていないキャプテン・マーベルがなじみ薄いのですが、彼女の技などについて教えていただけますか。
マイケル:キャプテン・マーベルは北米でもこれからのキャラクターですね。映画は2019年の予定ですが、コミックは大人気です。マーベルも強い女性キャラを前に出していく方針ですし、春麗といった強い女性キャラと組むのがおもしろいかな、と。
性能面では、“すべてそろっている”キャラです。飛べて、8方向にダッシュができて、打撃が強く、打撃投げもある。さらに飛び道具も持っている万能キャラに仕上がっています。
マイケル:開発チームにマーベル好きが何人もいまして。コミックをすべて読み、「この動きがあったらおもしろい」と聞きながら仕様が決まっていった感じです。また、キャラ選定の時点である程度の方針はあるので、それに沿った技もありますね。
――日本のユーザーに向けてコメントをお願いします。
マイケル:2on2になったことで不安に思われるかもしれませんが、まずは試しに無料配信体験版を遊んでみてください。よろしくお願いいたします。
ピーター:操作がシンプルになったことでプレイヤーの人数が増えたらうれしいです。日本の強いプレイヤーともっともっと対戦したいですし、プロツアーなどで熱い対戦を見られることを期待しています。
※画面は開発中のものです。
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