2017年6月15日(木)

『Life Is Strange:Before the Storm』インタビュー。クロエの新たな物語が展開【E3 2017】

文:電撃オンライン

 米国・ロサンゼルスにて、現地時間6月13日~15日に開催されている“E3 2017”で発表された、PS4/Xbox One/PC『Life Is Strange:Before the Storm』。Deck Nine GamesのリードシナリオライターZak Garrissさんに、本作についていろいろとお話を伺いました。

『Life Is Strange:Before the Storm』
『Life Is Strange:Before the Storm』
▲『Life Is Strange:Before the Storm』リードシナリオライターのZak Garrissさん。

 『Life Is Strange:Before the Storm』は、『Life is Strange(ライフ イズ ストレンジ)』の3年前を舞台としたタイトルです。『Life is Strange』はDONTNOD Entertainmentが手掛けていますが、『Before the Storm』はDeck Nine Gamesが開発を担当しています。

 『Life is Strange』の主人公・マックスの親友として登場したクロエが主人公となり、前作では失踪してしまっていたレイチェルとの友情が描かれます。

●『Life Is Strange:Before the Storm』アナウンストレーラー

 3つのエピソード形式となり、海外では2017年8月31日にエピソード1が配信予定。日本地域での発売は現時点では未定となっています。

――今回のタイトルを作ろうと思われたきっかけを教えてください。

 Deck Nine Gamesの開発スタッフは、ストーリードリブンのアドベンチャーゲームをずっと作りたがっていたんです。そういった中で、スクウェア・エニックスとパートナーを結んでゲームを作るというオファーがあり、とても感激しました。

――『Life Is Strange』の前日譚が描かれると思うのですが、ファンアイテム的なものと考えていいのでしょうか?

 そういった意味では、スピンオフということでは決してありません。もちろん前作のファンに向けたアイテムといったものはいろいろ散りばめられていますが、今作はあくまでも前作で語られなかった新しいストーリーを描いています。

 また、前日譚であるのは事実なんですが、続編という言い方はしにくいですね。

『Life Is Strange:Before the Storm』

──もともと前作よりも前の物語を描きたいと思っていたのでしょうか?

 スクウェア・エニックスから提案された時点で、アルカディア・ベイへの帰還、そして前日譚であると提案されていました。Deck Nine Gamesはみんな『Life Is Strange』のファンでもあるので、それをやらせてもらえるなら全力でやりたいと答えました。

――ゲームのプレイ時間はどの程度なのでしょうか?

 3つのエピソードを通してプレイしたおおよその長さで、6時間~9時間になります。1つのエピソードは大体2~3時間です。

――『Life Is Strange』といえば、主人公のマックスが時間を巻き戻すことが大きなポイントですが、今作では能力を持たないクロエが主人公になることで、どのような進行になっていくのでしょうか?

 前作のマックスは、タイムトラベルの能力を通して自ら決めた選択肢には必ず責任が伴うことを知り、そして自身が成長するという要素がありました。

 それに反してクロエは無鉄砲な部分があり、彼女自身が決めた選択肢は時間が戻せないので、取り消すことはできません。でも、クロエの性格上、あまり取り消したいとは思わないだろうと、今作ではその能力は必要ないと考えました。

『Life Is Strange:Before the Storm』

――選択肢によるギミックが大きく変わっているところはありますか?

 選択とそれに応じて異なってくる結果というのは、フランチャイズを通してのコアな要素であるので、そこを変えていることはないです。

 前作同様、いろいろと細かい選択肢が物語の中に用意されていて、その多くの選択が未来に影響をおよぼします。

――選択によってストーリーが変化するとのことですが、前日譚となると結末は1つに収束しているので、苦労した点は多いのではないでしょうか?

 前作でレイチェルは行方不明となっていますが、今作ではレイチェルがどのような経緯で消息を絶ったのかを描いているわけではありません。

 3年前の出来事を描いているので同じ結末に誘導されると思うかもしれませんが、まったく新しいストーリーを体験できます。

 クロエがレイチェルに対して特別な想いがあることは前作からわかりますが、曖昧な表現だったと思います。そのことを明確に描いたのが『Before the Storm』で、プレイすれば2人の関係性を深く知ることができるでしょう。

『Life Is Strange:Before the Storm』

――アナウンストレーラーではカラスがたびたび出ていましたが、何か重要なカギを握っているのでしょうか? それとも終わりを示唆するものなのでしょうか?

 作中では超自然的な出来事がいくつか起こります。カラスに限らず、さまざまな動物がそういったものの予兆として登場します。

――光の表現がとてもリアルな印象を受けました。グラフィック面で前作以上に気を付けたことはありますか?

 技術的な側面から言いますと、前作はアンリアルエンジンだったのですが、今作はUnityを使っています。エンジンが違うので、光の加減や映り方などの表現が前作から変わっています。

 前作が持っていた油絵のような質感というのは、もちろん受け継ぎたいと思っているのですが、物語的にも前作と比べると暗いイメージがつきまとうかもしれません。

『Life Is Strange:Before the Storm』

──DONTNOD Entertainmentが手掛ける『Life Is Strange』新作が発表されたタイミングで『Before the Storm』も発表されましたが、発表のタイミングには意図があったのでしょうか。

 同時にフランチャイズを複数走らせているというのをアナウンスするのがおもしろそうだなと思ったのが、まず1つの理由ですね。

 また、やはり前作のファンからは『Life Is Strange』が発売された時から、続編はいつなのかと多くの期待をいただいていたので、それに対するアンサーとして新作も開発している旨も発表しました。

──ちなみに、『Life Is Strange』は壁の落書きまでもローカライズされていて、ローカライズが秀逸だったと感じているのですが、今作でも壁のポスターや落書きはたくさんあるのでしょうか。

 もちろん、たくさんありますよ! ぜひ、プレイして探してみてほしいです。

『Life Is Strange:Before the Storm』

──最後に、日本の『Life Is Strange』ファンに向けて、見てほしい部分や『Before the Storm』のポイントを教えてください。

 前作で愛されたアルカディア・ベイに戻ってこれたことで、親近感を感じられると思います。ですが、『Before the Storm』ではマックスではなくクロエが主人公となり、新しい要素もたくさんあるので、そこを楽しみしてもらえたら最高です。

●『Life Is Strange:Before the Storm』ゲームプレイ動画

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