2017年6月20日(火)
『Horizon Zero Dawn』はしっかり制作したからこそ支持されるIPに【E3 2017】
米国で開催された“PlayStation E3 Media Showcase”でDLCの配信が発表された、PS4用ソフト『Horizon Zero Dawn』。本作の開発を担当するゲリラゲームズのマネージング・ディレクターであるハーマン・ハルストさんにインタビューを行いました。
▲ゲリラゲームズのハーマン・ハルストさん。 |
2017年内に配信予定のDLC『Horizon Zero Dawn:The Frozen Wilds(仮)』の詳細の他、新規IPとして成功した秘訣や、『Horizon Zero Dawn』の今後についてなど、たくさんのお話を伺いましたので、ぜひ最後までご覧ください。
●『Horizon Zero Dawn:The Frozen Wilds(仮)』トレーラー
――発表されたDLCの『Horizon Zero Dawn:The Frozen Wilds(仮)』ですが、これは単純にフィールドが広がるDLCなんでしょうか。それとも、ストーリーが楽しめるものなのでしょうか。
両方の側面があります。マップとしては、追加する新しい地域が登場します。ゲームの本編にあるマップと、シームレスに移動することが可能です。
『The Frozen Wilds(仮)』はかなりのボリュームですので、“ダウンロードコンテンツ”というより“Extension(拡張コンテンツ)”と呼びたいと思っています。追加される武器や防具といったものも、本編に持ち込んで続けてプレイすることができます。
ストーリーとしても、本編ではアーロイの小さいころからの成長がわかったと思いますが、追加のクエストなども含めてさらに物語を拡張しています。
――カンファレンスで見たトレーラーではアーロイの衣装が最終形でしたが、本編クリア後でないとプレイできないのでしょうか?
本編をクリアしなくてもプレイできます。ただ、難易度としてはレベル25程度を対象とした設定になっています。
――『The Frozen Wilds(仮)』のボリュームはどのくらいになるのでしょう。
オープンワールドなので特定のプレイ時間をお伝えするのは難しいですが、さまざまな要素が追加される大きなボリュームであることは確かです。
――『The Frozen Wilds(仮)』によって追加されるものには、どのようなものがありますか?
新しい武器や新しいアーマーなどを用意しています。また、環境も含めて、新しい敵に対応するために必要な道具なども登場します。さらに、新しい村や新キャラクター、クエスト、アーロイが立ち向かわなければいけない謎などが追加されます。
――追加される物語はどのような内容になるのでしょうか。
細かいことはまだ今は話せませんが、先ほどお伝えした通りレベル25程度を想定しているので、そのあたりでアーロイがどのような状況かを考えてもらえれば、ヒントになるかと思います。
――『The Frozen Wilds(仮)』の新しいフィールドは雪景色で北方のような雰囲気でしたが、寒い地域での冒険ができるイメージでしょうか。
そうですね。トレーラーでもご覧になっていただいた通り、雪山や雪のフィールドがメインになっています。マップの位置としても北のほうにある場所が追加されています。
――自然環境も違うでしょうから、今までとは異なる機械獣が登場しそうですね。
新しい環境ということで、新しい機械獣も登場します。寒く厳しい環境の中でも、アーロイは強くたくましいヒロインなので、新たな機械獣を倒してほしいという依頼を受けて、新しい地へ向かっていきます。
――『Horizon Zero Dawn』では、フィールドのグラフィックが素晴らしかったのですが、白一色の雪の世界ということで、どのようなグラフィック表現を行ったのでしょうか?
つねに技術が進化するたびに、グラフィックなども向上しています。新しいエリアでは、雪上の足跡やアーロイが転がっていく痕跡などで進化を感じていただけると思います。
――『The Frozen Wilds(仮)』は『Horizon Zero Dawn』本編を制作していた時から考えていたものなのでしょうか。それとも、ユーザーの声や反響を見て作られたものですか?
両方ですね。本編を制作していたころからも考えていましたし、本編をリリースしてからは本格的に制作を進めていました。
本編のフォトモードのアップデートなども追加しましたが、ユーザーのフィードバックからもゲームをどんどん進化させています。
▲フォトモードでは、アーロイにポーズをつけたり、頭飾りを外す機能などが追加されています。 |
――フォトモード以外にユーザーからの反響で調整した箇所などはありますか?
細かい部分ではいろいろと調整していますが、運がいいことにそれほど大きな修正は必要なかったので、それだけ満足していただいているユーザーが多いと感じています。
――フォトモードのお話が出ましたが、本当におもしろいですよね。ユーザーの写真を見てみると、どんな風に撮影したんだろうと思うほど美しいものがたくさんあります。
そうですね。プロのカメラマンかのようにきれいに撮影している方もいて、とても素晴らしいです。
──フォトモードで撮影した写真を通じて、ユーザーがコミュニケーションをとれるというのも、すごく新鮮に感じました。
フォトモードを活用している方はもちろん、ファンアートを描いてくれる方や、コスプレをしてくれている方もたくさんいます。新しいIPですが、ユーザーの中でのクリエイティブな動きが活発であるというのが、とてもうれしいですね。
アーロイのコスプレをしてくれるほど熱心なファンの方がいてくれることは、とても恵まれていると感じます。コスプレをしてくれる方は特に最近増えてきていると感じるのですが、やはり日本のカルチャーが影響しているのでしょうね。
──昨日、ワールドワイド・スタジオのショーン・レーデンさんにインタビューを行ったのですが、その際もIPの重要性についてお話を伺いました。特に『Horizon Zero Dawn』は新規IPとして成功していると思うのですが、そういった点は意識していたのでしょうか。
どんなタイトルでもIPを大切にして、その存在が広がるというのは望みではありますね。『Horizon Zero Dawn』では、意図的にというよりは、事前にしっかりとストーリーだったり、アーロイという主人公について作っていったので、結果がついてきたのではないかと思っています。
──“PlayStation E3 Media Showcase”でも、アーロイが画面に映った瞬間に大きな盛り上がりを見せていたのが印象的でした。
アーロイのコスプレをしてくれている20代のファンの方に話を聞いたことがあるのですが、もっと早くにアーロイというキャラクターに出会いたかったと言ってもらえたんです。ヒーロー的なキャラクターとして、影響を受けている女性もたくさんいると聞いています。
──『Horizon Zero Dawn』について、今回の『The Frozen Wilds(仮)』以降のさらに先の構想などは教えていただけますでしょうか。
今は『The Frozen Wilds(仮)』を2017年中に届けられるように注力していますので、それ以上のことはまだ何も言えません。
──最後に、日本の『Horizon Zero Dawn』ファンにメッセージをお願いいたします。
日本でも好評な感想をたくさんいただいて、それだけの日本のファンがいてくれることに心が温まります。日本はもちろん、世界中で本作について盛り上がってくれているのは本当にうれしいことです。これからも『Horizon Zero Dawn』を応援してください。
(C)2017 Sony Interactive Entertainment Europe. Published by Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Guerrilla.
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