2017年6月19日(月)

『Detroit Become Human』主人公2人でプレイの印象が異なる理由を制作陣が語る【E3 2017】

文:電撃オンライン

 米国・ロサンゼルスで開催された“Electronic Entertainment Expo 2017(E3 2017)”。そのSIEブースでは、PS4用ソフト『Detroit Become Human(デトロイト ビカム ヒューマン)』のメディア向けプレゼンテーションや試遊が行われました。

『Detroit Become Human』

 本作を知らない人にまずは説明していきましょう。『Detroit』は、『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』、『BEYOND: Two Souls』などを制作した、フランスを拠点とするQuantic Dream(クアンティック・ドリーム)の最新作です。人の手によって生み出された“アンドロイド”の在り方をテーマにした作品で、感情を持たないはずのアンドロイドに感情が芽生えたらどうなるのか? といったことが描かれていきます。

 2015年10月には3人いる主人公のうちの1人・カーラの映像が公開されました。

『Detroit Become Human』Trailer(カーラ篇/ 日本語吹替版)

 人間に使われる道具であるはずのカーラが恐怖や好奇心を覚える様子が語られただけでなく、アンドロイドの作られ方や使われ方など、世界観が紹介された映像でした。そして昨年のE3では、2人めの主人公・コナーを紹介する映像が公開されました。

『Detroit Become Human』Trailer(コナー篇/ 日本語吹替版)

 動画からもわかる通り、コナーはサイバーライフから送り込まれたアンドロイドで、アンドロイド向けの交渉を行うという役割を担っています。E3 2017では、メディア向けの試遊台でコナー篇のプレイを行うことができました。

『Detroit Become Human』

 試遊できたコナー篇の大筋の流れはPVと同じもの。暴走し、所有者の娘を人質に取ったアンドロイドを説得することになります。事件の舞台となっている高層マンションの一室には、少女を救うためのヒント――事件を知るための、そして交渉の材料にするための情報が多数あります。

 それらを調べていくことで犯行が起きた経緯や人物関係を推察。暴走アンドロイドの名前がダニエルであることや、すでに警官と銃撃戦を行った後であることなどが判明していきます。

『Detroit Become Human』
▲暴走したアンドロイド・ダニエルと人質の少女。

 調査をして準備を整えてから交渉して、少女を救うことを目指していく……というものでした。より詳しいゲームプレイについては、E3 2017タイミングで公開されたゲームプレイデモ動画をご覧ください。

『Detroit Become Human』PS4 Live Gameplay Demo | E3 2017

 そして、E3 2017では3人目の主人公・マーカスが紹介されました。

『Detroit Become Human』

 今回行われたプレゼンテーションには、Quantic DreamのGUILLAUME DE FONDAUMIERE氏が登壇。マーカスに焦点を当てた形で行われました。

『Detroit Become Human』
▲GUILLAUME DE FONDAUMIERE氏。

 マーカスは、自我が芽生えて所有者のもとから逃げ出したアンドロイドたちのグループに属しています。デモプレイでは、同じくグループに属するノースというアンドロイドの少女とともに、ショップに並ぶアンドロイドたちを解放し、暴動じみた行為を起こします。これらは世間に自分たちの存在を訴えるとともに、アンドロイドの社会的地位を認めさせようという運動の一環のようです。

 デモプレイの内容は、こちらの映像とほぼ同じ感じでした。

『Detroit Become Human』New Gameplay with David Cage | E3 2017

 マーカスがショップに展示されているアンドロイドたちに触れると、彼らは起動していきます。GUILLAUME氏によると、これはただ単にスイッチが入ったということだけではなく、他のアンドロイドに“自由意志を芽生えさせる”というマーカスの特殊な力によるものとのことです。

 取材陣からの「洗脳とは違うのでしょうか?」という質問にGUILLAUME氏は、洗脳とは違うものであると口にしていました。

 さて、現在公開されている映像などで比べてみてもわかる通り、マーカス篇とコナー篇とではプレイの印象がだいぶ異なります。その違いについての質問も飛び出し、マーカスとコナーの“能力の違い”が関係しているとのことがわかりました。マーカス篇では画面に時折、平和的に行動するか暴力的に行動するかを選択肢によって決めるシーンがありました。こうした選択の積み重ねによって、ストーリーが変化していくとのことです。また、あまりに暴力的な選択ばかりしていると、平和的なルートには進めなくなっていくことも説明されました。

 またGUILLAUME氏は、本作の主人公が3人いることについて「3人はまったく違う視点を持ってゲームに登場します。社会的な立ち位置、経験が違う彼らを通して、より多角的に物語を描くことができるでしょう」と語っていました。

 E3 2017で公開された映像では、マーカスたちの行いをコナーとカーラが見るシーンもありました。はたして2人はどう感じたのでしょうか? また3人の物語が交錯することはあるのでしょうか? 気になった人は、続報を楽しみにしていてください。

『Detroit Become Human』PS4 Trailer | E3 2017

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