2017年6月20日(火)
『Destiny 2』上級プロデューサーが語る、レイド、PvP、運営サイクルの展望【E3 2017】
E3 2017でも注目の的だった『Destiny 2』。前作『Destiny』が大ヒットしたことで、非常に多くのファンがアクティビジョンブース、SIEAブースに来場し、プレイするために並んでいた。
ただし、5月に行われた“Destiny 2 World Premiere”では、多くの情報が発表されたが、まだまだ詳細はわからないことだらけ。そこで今回、『Destiny 2』のエグゼクティブプロデューサーであるDavid Allen氏にお話を聞く機会を得られたので、ゲームの全体像についてうかがってみた。
▲アクティビジョンブースではPvPの新ルールである“COUNTDOWN”が、SIEAブースではストーリーの序盤である“ホームカミング”のパートを遊ぶことができた。 |
▲E3 2017のアクティビジョンブースは『Destiny 2』と『Call of Duty:World War II』の2本立て。プレイ後にTシャツをもらえるのもあってブースは大盛況だった。 |
運営サイクルは1週間。アイアンバナーやオシリスも実装!
▲『Destiny 2』エグゼクティブプロデューサーのDavid Allen氏。 |
――『Destiny 2』を開発するにあたって、どんなコンセプトが考えられたのですか?
デビッド:『Destiny 2』は、前作同様にコアアクションシューターとして作っています。今回の大きな特徴としては、ストーリーに関して没入感が得られるようにしているところです。
ストーリーの大きなテーマとしては、“損失と再生”です。いまお伝えできるところでは、敵となるレッド・リージョンのリーダーであるドミナス・ガウルが、どうして地球を襲ってきたのか、人類を危機に追いやったのか、なぜ光を求めているのか、こういったところが語られていきます。
ゲーム的なところでは、新しいサブクラスの追加や、“ガイデッドゲームス”などのコミュニティ部分の補強を行っています。
――『Destiny』に対してのファンからの意見も採り入れられているのですか?
デビッド:『Destiny』ではたくさんの語りたかったストーリーのパートがあり、それは拡張パックで補填をしていきました。ファンからのフィードバックは拡張パックでも導入していきましたし、『2』に反映しているものもたくさんあります。
『2』で一番補強している部分は、“ガイデッドゲームス”のところです。ファンからは、レイドでマッチメイクがしづらいという意見を多くいただいていたのですが、『Destiny』ではそのことに着手することができませんでした。
これをどのように解決し、一番ビリーバブル(信じられる)な形で導入できるのかを検討して実装したのが“ガイデッドゲームス”なのです。これがベストな形かどうかは発売されてからわかることですが、“ガイデッドゲームス”を導入することでファンからの声に応えたいと思っています。
――今回の敵はカバルですが、これはいつ決まったものですか? 『Destiny』でカバルがフィーチャーされた拡張パックはなかったので、計画されたものだったのかと思っています。
デビッド:カバルを『2』の敵にすることは、開発の早い段階で決めました。どうしてカバルなのかというと、『Destiny』の世界で一番人類をひざまづかせるのに値する種族はなんなのかと考えたときに、パワフルで武装されており、ミリタリーフォースであるカバルが最適だと思ったんです。そこに総督であるドミナス・ガウルをアサインし、彼が率いるレッド・リージョンが人類を襲うという設定にしました。
――カバルが人類の言葉を話すのに驚きましたが、ドミナス・ガウルは新しいカバルの種族なのでしょうか?
デビッド:特別に新しい種族ではないのですが、彼が人類の言葉を話せるのには意味があります。敵役もプレイヤーが親しみを感じられる形で登場させたいと考えていました。
ドミナス・ガウルは、トラベラーが誤って人類に光の力を与えたと考えていて、本当なら自分たちカバルが英雄であると思っています。そういった思いを伝えるのに、彼は人類の言葉を話せる必要があったのです。
――新しく舞台となる場所は今までのものにプラスされるのでしょうか?
デビッド:『2』では地球、イオ、ネッスス、タイタンの4つの場所が舞台になります。『Destiny』に登場した場所は『2』では行くことができません。
▲『Destiny 2』の全体マップ画面で4つのフィールドが確認できる。 |
――『2』は新しいモードはありますか?
デビッド:まず先ほどお話しした“ガイデッドゲームス”は、レイド、トライアルズオブオシリス、ナイトフォールでサポートします。新しく出てくるものとしては、“アドベンチャー”というものがあります。これはマップを探索していると突如として見つけることができるもので、この世界を解説することが目的となるミッションになります。
もう1つは、“ロストセクター”です。こちらも隠されたミッションですが、進めていくと大きなボスが現れ、倒せればトレジャーが手に入ります。アドベンチャーとロストセクターは、『Destiny』のときのパトロールと同じで、マップを探索していると見つけられるものになっています。
――運営について聞かせてください。『2』でも1週間で1サイクルなのは変わりませんか?
デビッド:『2』でも同じようなイベントでのサイクルを予定しています。
――アイアンバナーはありますか?
デビッド:もちろんありますが、詳細については今後の情報をお待ちください。
――タイタン、ハンター、ウォーロックの新しいサブクラスについて教えてください。
デビッド:タイタンは、センチネルというサブクラスで近接戦闘で敵を殴りに行くタイプです。ハンターのアークストライダーは、戦場を素早く出たり入ったりしてかき乱す役割、ウォーロックのドーンブレードは飛行することができて、高空制圧を行うことができます。
今回特徴的なのは、トランザビリティという、サブクラスのなかでスキルをスイッチングできることです。クラスが同じであれば、どのサブクラスでもスイッチングできます。
――PvPで強くなりそうなのは、どのサブクラスですか?
デビッド:ゴールはどのクラスもバランスよく戦えることですが、個人的には自分がハンターで遊んでいるので、ハンターになって欲しいなと思っています(笑)。
――『2』はPS3では発売されませんが、PS3がなくなったことでできるようになったことはありますか?
デビッド:『Destiny』の世界観をもっと楽しんでもらうことにリソースを割いています。例えば、同じフィールドでのアクティブな敵のAIや、敵の数を増やすこともできました。あとはパブリックイベントにもっと遭遇できるようにするとか、そういったところを強化することができました。
――『Destiny』からプレイしているプレイヤーが、『2』をプレイして最も変わったと感じるところはどこでしょうか?
デビッド:まずはストーリーについてだと思います。『Destiny』よりも多くのことが語られていて、ホームカミング(シティが襲われた直後にプレイするキャンペーンのシナリオ)をプレイするとわかると思います。
また、バンガード(シティの上級将校のいる組織)と一緒に戦って冒険するところも斬新だと思いますし、ストーリーを語る映像も多く入っています。
今回登場する4つの新しいマップに関しても、それぞれが異なる特色を持っています。またソーシャルグループに関しても、個々がそれぞれに属することを意識できるように設計していますので、新鮮に感じていただけると思います。
PvPに関しても新しいところは多くあります。『Destiny』では6対6の戦いでしたが、『2』では4対4の戦いとなり、大きく方向チェンジをしています。たくさんの方が楽しめるように工夫しており、例えば倒されたときに相手がどんな武器を使っていたのか、不意打ちをされたのであればどういうふうに不意打ちされたのかがわかるようにしています。
画面UIを見ていただくと、自分と同じチームの味方のスーパーチャージの状態がわかるようにもなっています。ほかの人がチャージされているのかがわかることで、自分がいつ使うのが最適なのかなど、戦略的に判断できるようにしました。
――新しい武器について聞かせてください。カテゴリーと数はどのぐらい増えていますか? また何か新しくなったことはありますか?
デビッド:まずカテゴリーが変わっていて、“パワー”、“キネティック”、“エナジー”の3つになりました。パワーには一撃の威力が高い分類の武器がカテゴライズされていて、ロケットランチャー、グレネード、フュージョンライフルやスナイパーライフルがここに入っています。
キネティックとエナジーは、汎用性が高い武器がカテゴライズされています。例えばハンドキャノンであれば、キネティックとエナジーのハンドキャノンがそれぞれあり、エナジーは相手がシールドを張っているときはシールドをはがすのに効果的で、キネティックはノンシールドに対して強い武器となっています。
▲各クラス用の新しいエキゾチック防具も存在。 |
▲ブースでの実機プレイにて新しいエキゾチックウェポンを確認。 |
――PvPにおいても、敵のシールドをエナジーではがしてから、キネティックでダメージを与えるという戦い方になりますか?
デビッド:これはPvPのデザイナーがアドバイスしてくれたことなんですが、相手のスーパーチャージが溜まっているときにエナジーの武器を使うと効果が高いそうです。
――レイドについても聞かせてください。レイドはゲーム発売の当初から遊べますか?
デビッド:レイドがどのタイミングで遊べるようになるかはまだ言えないのですが、ある程度ゲームに慣れて、キャラクターも成長してから遊んでほしいと思っています。今回のレイドでもたくさんのサプライズを用意しています。そしてそれが発見されていく過程を私たちもとても楽しみにしています。
――日本にも『Destiny』のファンはたくさんいますが、こんなところを楽しんでほしいといったメッセージをお願いします。
デビッド:まずこれまで『Destiny』を遊んでいただいたことに感謝いたします。遊んでいただき、楽しんでもらっているということが開発としても最も満たされることなんです。
今回、9月6日に発売が早まったことに興奮していますし、夏に予定しているβテストも楽しんでもらえるものになっていると思います。“ガイデッドゲームス”だったり、これから発表されていく新しい要素だったりを存分に楽しんでいただければと思います。
――ありがとうございました。
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