2017年6月25日(日)
クライマックスを迎えたアニメ『リトルウィッチアカデミア』と、開発が発表されたPS4用ソフト『リトルウィッチアカデミア 時の魔法と七不思議』。この2作品に出演する声優陣に、アニメやゲームについてお話を伺いました。
インタビューに答えてくれたのは、アツコ・カガリ役の潘めぐみさん、ロッテ・ヤンソン役の折笠富美子さん、スーシィ・マンババラン役の村瀬迪与(むらせ みちよ)さんの3名。そして、ゲームについての部分では、制作を手掛けるバンダイナムコエンターテインメントの二見鷹介プロデューサーにもお話を伺っています。
放送中のTVアニメ『リトルウィッチアカデミア』が間もなく最終回を迎えるタイミングで、3人がどんなことを話してくれたのか? 気になる人はぜひチェックしてみてくださいね!
▲左から折笠富美子さん、潘めぐみさん、村瀬迪与さん。 |
――それぞれ演じられたキャラクターの印象を教えてください。
潘さん:アッコは、天真爛漫で思いたったらそのまま突っ走ってしまう女の子です。うれしいはうれしいで120%、悲しいは悲しいで120%と、何に対しても純粋で全力ですね。TVアニメシリーズでは、そんなアッコの明るいだけでない、影の部分も描かれていて、より人間らしくなったかなと思います。
折笠さん:ロッテは、アッコと並ぶとふつうの女の子です。劇中でも“空気”って呼ばれちゃうくらいで(笑)。どこにでもいる、隣の女の子という印象です。
村瀬さん:スーシィは、公式サイトなどでは“マイペースで毒舌家”みたいに書かれているんですけど、たぶん、それは相手がアッコだからだと思います(笑)。自分は自分、他人は他人というキャラクターですけど、アッコやロッテと3人でいる時は、また特別なのかなと。それとキノコが大好きです(笑)。
――印象に残っているエピソードは?
潘さん:好きなエピソードが、日によって変わるんですよね。元気がない時はこの話、人の優しさに触れて感動している時はこの話みたいな感じで(笑)。最近だと、第18話のコンスタンツェ回の印象が強すぎます(笑)。全部が1番で、どれもがいい話なので、選ぶのが難しいですね。
――収録の時は、まだ完全な絵は入っていないんですよね?
潘さん:そうですね、まだ仮のものしか入っていないです。収録日もかなり前だったりするので、放送日には、新鮮な気持ちで見ることができますね。忘れているわけではないし、あとの話も知っているのに、なぜかとてもおもしろいです。
折笠さん:台本を最初に読んで心に響いてきたセリフとOA(オンエア)を観た後では、また印象が違ったりもしますね。
――実際の収録時と完成時で、印象が大きく違ったシーンや、印象に残っているシーン、セリフはありますか?
潘さん:印象に残っているセリフでは、配信アニメ版から変わらない“信じる心があなたの魔法”というのは欠かせないです。『リトルウィッチアカデミア』という世界を始めさせてくれた、最初の一言のような気がしています。
折笠さん:毎回、話のテイストが違うのが印象的です。魔法学校のアニメだったハズが、いつの間にかロボットアニメになっていたり(笑)。いろいろな作品のパロディも多いですよね。
潘さん:コンスタンツェ回なんかは、『天元突破グレンラガン』ですし、パロディがわかると楽しいです。話の順番も独特で、ギャグ回が続いたと思ったら急に泣かせる回が来たり。スーシィ回(第8話)のあとの校長先生回(第9話)とか、いいですね。
村瀬さん:アッコならではの強引さで、校長先生の人生に少しだけでも触れられた気がして、第9話はよかったですね。ロッテとスーシィだけでは、あそこまで踏み込めなかったと思います。
潘さん:TVアニメシリーズでは、ロッテとスーシィにもスポットの当たる回があるので、私的にはうれしかったです(笑)。
村瀬さん:スーシィ回の時、アッコが「ムカつくこともあるけど」って言うのも印象的でした。ああ、やっぱりムカついてはいたんだなと(笑)。
潘さん:初対面からムカついていたしね(笑)。アッコとスーシィは、ケンカになっても絶交まではならない、そんな関係性になっていると思います。
折笠さん:そんな2人を受けとめて、ロッテはいつも「やめなよ2人とも」って言っている気がします(笑)。
――劇場版アニメからTVアニメシリーズになって、キャラクターの印象が変わった部分はありますか?
潘さん:アッコは、より人間らしくなりましたね。劇場版アニメでも影の部分みたいのはあったんですが、TVアニメシリーズでは落ち込むような場面もより多くて。ホウキに引きずられても大丈夫だったり、超人的な部分もあるんですが、時には悩むこともあって、そこが人間らしいなと。それと、“ありがとう”と“ごめんね”を、ちゃんと言える子なんだな、っていうのも印象が変わったところですね。アッコも日本人らしいなって思いました(笑)。
折笠さん:私自身は演じている時にそんなつもりはなかったんですが、ロッテ回では、オタクの代弁者って言われているらしいですね(笑)。TVアニメシリーズでは、アッコと一緒に過ごす時間が多く描かれるようになったおかげで、アッコに触発される場面も増えて、あきらめず、自分の意見を言えるように強く成長した印象もありますね。
村瀬さん:以前は完全無欠な魔女っぽかったスーシィですが、意外と少女っぽくて、アッコに影響されるようなことも多くなりましたね。アッコのことを、なんだかんだ認めているんだなって思える場面も多かったです。
――演じるうえで苦労しているポイントや工夫しているポイントなどを教えていただけますか?
潘さん:考えないことです(笑)。第1話の時は、考えすぎて悩んでしまったんですが、考えるほどアッコから遠のいているんだなと気づけてから、何も考えなくなりました。考えるよりも、感じて動くのがアッコなので。それと、ロッテやスーシィ、アマンダみたいな周りの人とのやり取りも、より楽しむようになりました。
折笠さん:前は“ふつう”というものを演じていようとしていたんですが、演じようとするほど“ふつう”っぽくなくなるんですよね。だから、技術で盛らないというか、さりげなくアッコの横に沿えるようなポジションにいられるように意識をしました。人知れず役作りに悩むこともありましたが、話数を重ねるごとに、だんだんつかんできたかなと思います。
村瀬さん:盛らずに、自然な感じで演じるようにはしました。それと、元気な感じにならないように、息を大きく吸い込まずに声を出すようにしていましたね。
――演技では、アドリブをはさむこともありますか?
潘さん:ほとんどは台本にちゃんと書いてありますが、後ろで騒いでいるような場面では好きにセリフをいうこともありましたね。
――ご自身が演じているキャラクター以外で、注目しているキャラクターはいますか?
村瀬さん:ダイアナの取り巻きのハンナとバーバラです。かわいいので(笑)。あとはヤスミンカもかわいい!
潘さん:ヤスミンカの当番回がないのが残念でした。家族とか、たぶんソックリなんだろうなって(笑)。あれだけ健やかな子に育つのは、家庭環境のおかげもありそう!
村瀬さん:ヤスミンカのお母さん、たぶん料理上手だよね。
折笠さん:第18話では、編み物をしているのも印象的でした。今まで食べてばっかりだったのに(笑)。
潘さん:写真だけ登場したコンスタンツェの家族なんかも、もっと見てみたいですよね。
――ここからは、ゲームについてもお話を伺いたいと思います。ゲーム化の話を聞いた時のご感想はいかがでしたか?
潘さん:またいつでもアッコたちに会えると聞いてうれしかったです。話を聞いた時は、どんな話になるのかなとか、誰でプレイできるのかとかも気になりましたね。
折笠さん:早くルーナノヴァの中を歩いてみたいですね。とにかく、いろんなことが気になってしょうがないです!
村瀬さん:この話があったから、最終話のアフレコの時はさみしかったけど、泣きませんでした(笑)。
――ゲーム化の話は、いつごろ聞いたのですか?
潘さん:Anime Japan 2017ですね。会場で二見さんから直接聞いて、びっくりしました。
――ゲームではどんなキャラクターが活躍するのですか?
二見P:まだ詳細は言えませんが、アニメであまりスポットが当たらなかったキャラクターにも出番があるのでご期待ください。○○○○○の話も、ゲームでしっかり描かれますよ。
▲二見鷹介プロデューサー。 |
――ゲームではどんなシナリオが展開するのでしょうか?
二見P:TVアニメシリーズの第7話から派生するシナリオで、1日をループする話になります。アニメ前半の日常感を大事にして作っている感じですね。 シナリオを作り始めた時は、TVアニメシリーズの話がどうなるかわからない状態だったので、手探りでスーシィの毒攻撃みたいなアクが強い要素を加えていったのですが、今はけっこうバトル要素も入っています。アドベンチャー要素も楽しめるようになっていますので、ご期待ください。
潘さん:第7話までということは、アンドリューやクロワ先生は登場しないんですか?
二見P:その2人は登場しないですが、第7話までに登場した キャラクターは基本的に全員登場します。アニメでは名前のないモブの生徒にも名前を付けていて、中には重要な役割を持つキャラクターもいますよ。ゲームをしてからアニメを見たら、モブキャラクターを見る目が変わるかなと思います。
――キャラクターのアクションの特徴はどうなっていますか?
二見P:アニメの特徴を反映したものになっています。例えばアッコは、魔力は少なめですけれど、体力はかなり多くてやられにくかったりします。ロッテは能力は平均値だけど精霊を使役できます。 変身魔法についても、どこまで再現するか検討中です。またアクション以外でも、アニメを反映した要素が盛りだくさんですよ。
潘さん:ロッテの『ナイトフォール』なんかも登場するんですか?
二見P:当初はルーナノヴァの中で『ナイトフォール』を集めるみたいな要素もありました。実際に実装するかどうかは、検討中です(笑)。それと、制作チームの中では、「グランシャリオンを実装したい!」という声も上がっていますね(笑)。
潘さん:ぜひ実装してほしいですね(笑)。そうしたら、『○○大戦』にも登場するかも?
二見P:開発部署が隣同士 なので、言うだけ言ってみようかな(笑)。言うだけならタダですしね(笑)。
――ゲームに対してキャストのみなさんから要望はありますか?
潘さん:グランシャリオンもそうですけど、ビットキャラでミニゲームみたいな要素があったらいいですよね。
二見P:ちなみに現状では、シャリオカードで対戦できる要素を検討中です。
折笠さん:でしたら、ぜひスーシィの夢の中でアルパカのツバを避けるミニゲームを作ってほしいです(笑)。
二見P:それはおもしろそうですね(笑)。ちょっとしたミニゲームならいけそうな気もするので、検討してみます(笑)。ちなみに、グラフィックとして、こんな表情を作ってほしいというアイデアはありますか?
潘さん:歯ぐきをむき出しした、悪そうな表情がほしいです(笑)。
二見P:それは難易度が高そうですね(笑)。ちなみに表情では、ロッテの『ナイトフォール』の時のキラキラ顔や、スーシィの企んでいる顔なんかは作っています。それと、第1話のホウキに乗れなかった時のアッコの落ち込み顔が好きなので、開発に言って入れてくれ! と懇願しています。
折笠さん:ロッテは、街に行けないとわかった時の眼鏡が割れる表情がほしいです(笑)。
村瀬さん:スーシィは、もうすでにいろいろな顔が入れてくれてそうです。
――ゲームの収録に対する意気込みを聞かせてください。
潘さん:体力を温存しておきます(笑)。セリフ数も多くて、叫ぶ機会もありそうなので、己を磨く期間に入りたいと思います。
折笠さん:ゲームのシナリオを読むのが今から楽しみです。また『リトルウィッチアカデミア』の世界に入れるなんて、“どっきどっきーのわっくわくー”しかないです(笑)。
村瀬さん:ゲームの収録は基本的に1人ですることになるので、2人のお芝居を思い出しながら、収録に臨みたいと思います。
――ちなみに、みなさんは普段ゲームをプレイされますか?
潘さん:全盛期はスーパーファミコンの時代ですね。最近のゲームのカメラワークと移動を同時に行う操作に、少しなじめなくて、お婆ちゃん気分です(笑)。『リトルウィッチアカデミア』は横スクロールでカメラ移動が少ないらしいので、自分でも楽しめそうですね。
――自分の演じたキャラクター以外では、どんなキャラクターをプレイしてみたいですか?
折笠さん:私はスーシィでプレイしてみたいです。
村瀬さん:じゃあ私はアッコで(笑)。
潘さん:私はロッテの動きが気になります。やっぱり歌で精霊を動かすんですかね?
二見P:今のところは入っていないですが、その仕様も検討しておきます(笑)。
――アニメの最終話やゲームの発売を心待ちにしている読者に向けて、メッセージをお願いします。
潘さん:最終話の台本を見るまでは、終わってほしくない一心だったのですが、最終話を迎えてみると、納得のいく25話だった気がします。さびしいよりは、次につながりそうな気持ちになれました。そのひとつがゲームだとも思いますので、まだまだ終わらない『リトルウィッチアカデミア』の世界を、楽しんでほしいです。ゲームの発売を楽しみにしていただきつつ、これからもよろしくお願いします。
折笠さん:クライマックス直前の段階では、自分がアッコなら受け止められないような展開も多くありました。それでも、アッコの成長を含めて、ほんとにステキで感動できるお話になっているので、見逃さないでいただきたいですね。ゲームのほうも楽しいものになりそうなので、私も期待しています。ゲームからアニメに入る人も増えてくるでしょうし、これからも魔法の世界が広がっていくのが楽しみです。
村瀬さん:アニメミライから5年間、いろいろな人の才能が爆発しているTVアニメシリーズは、納得のいく25話だったと思います。アニメがいったん終わっても、ゲームで『リトルウィッチアカデミア』の世界に入れるので、引き続き楽しんでほしいなと思います。
▲いろいろな要望を二見Pに出してくれた潘さんたち。どんな形でゲームに生かされるのか、楽しみなところです。 |
TVアニメはいよいよ今夜最終回! 第24話はアッコの笑顔のバックに不穏な警告音が流れて……と、とても気になる感じで終わっていましたが、どのようなエピソードになっているのでしょうか? これまで見てきたファンは、最後までお見逃しないように!
(C)2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
※記事中の画像は開発中のものです。
■TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』
【放送情報】
TOKYO MX……毎週日曜日24:00
BS11……毎週日曜日24:30
関西テレビ放送……毎週日曜日25:55
Netflix……毎週月曜最新話配信
【スタッフ】(※敬称略)
原作:TRIGGER/吉成曜
監督・キャラクター原案:吉成曜
シリーズ構成:島田満
メインキャラクター:半田修平
美術監督:野村正信
色彩設計:垣田由紀子
撮影監督:奥村大輔、萬直樹
メインアニメーター:堀剛史
デザインワークス:芳垣祐介
編集:坪根健太郎
音楽:大島ミチル
音響監督:渡辺淳
音響効果:川田清貴
制作:TRIGGER
【キャスト】(※敬称略)
アツコ・カガリ:潘めぐみ
ロッテ・ヤンソン:折笠富美子
スーシィ・マンババラン:村瀬迪与
ダイアナ・キャベンディッシュ:日笠陽子
アマンダ・オニール:志田有彩
コンスタンツェ・アマーリエ・フォン・ブラウンシュバンク=アルブレヒツベルガー:村川梨衣
ヤスミンカ・アントネンコ:上田麗奈
シャリオ・デュノール:日髙のり子
クロワ・メリディエス:竹内順子