2017年7月6日(木)
『あの花』脚本家・岡田麿里さんの初監督アニメ『さよならの朝に約束の花をかざろう』が劇場公開決定
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などの脚本を担当した岡田麿里さん初監督アニメ『さよならの朝に約束の花をかざろう』の劇場公開が決定しました。公開日は2018年2月24日です。
また、ティザービジュアルや特報映像、前売情報が公開されています。
▲ティザービジュアル。 |
ティザービジュアルは、草原の中を走る二人の向こうに大きな空が広がる、壮大な世界を感じさせるものになっています。
特報映像
公開された映像では、山間に豊かな水を湛え、広がる石橋を髪の長い1人の少女が走り、どこか愁いを帯びた瞳で、何かを見つめている……。そして、旗を織る手、歴史を感じさせる石畳の街並み、大きな手が小さな手を取りあうシーンなど、数々のイメージがテンポよくつながり、岡田麿里さんが描く新たな感動への期待が膨らむ映像です。
岡田麿里監督について
岡田麿里さんは、今までは脚本という形で少年少女たちのもどかしい青春を細やかな心理描写で描き活躍していました。本アニメでは、監督・脚本を務めます。
主な作品
・スケッチブック ~full color’s~(2007年)
・true tears(2008年)
・とらドラ!(2008年)
・黒執事/黒執事 II(2008年、2010年)
・花咲くいろは(2011)
・劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME(2013年)
・劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2013年)
・心が叫びたがってるんだ。(2015年)
コメント(原文のママ掲載)
今から五年前。P.A.WORKS で脚本を担当した作品のイベントがあり、その楽屋で堀川社長に「岡田さんの 100%をさらけだした作品を、いつか見てみたい」と言われました。
私はその言葉を完全に真に受け、悶々と考えました。「作品で自分をさらけだすって、どういうことだろう?」アニメーション制作という多くの人がかかわる共同作業の世界で、堀川社長の言葉を実現しようとするなら、すべてのセクションに最初から最後までかかわるしかない。私は堀川社長に、監督をやらせてほしいとお願いしました。
緊張しすぎて、口の中がからからになったのを覚えています。この『さよならの朝に約束の花をかざろう』は、脚本家の視点としてずっと書いてみたかった物語です。
監督として、その先にある映像や音などにも触れさせてもらえることになり、大きな喜びと同時にプレッシャーもあります。それらを乗り越えられるのは、作品に参加してくれるスタッフのおかげです。
あこがれていた素晴らしいクリエイターの先輩方、尊敬し信頼できる同世代の仲間たち、新しい刺激をくれる力ある若者たち。慣れない仕事に迷惑をかけてばかりの私を、真摯な仕事と熱意で支えてくれる皆と、長い時間を共に過ごし話し合いを重ねて。あがってくる素材をチェックするたび、子どものころの夏休み、アニメ映画を見て「すごい!」と前のめりになった気持ちが蘇ってきます。
画面をこえてどこまでも、見知らぬ世界が続いていくようなあのときめき。まだ制作過程ではありますが、素晴らしいスタッフの力で、ちっぽけな私の100%などゆうに飛び越えた作品になると確信しています。
人と人とのふれあいが織りなす、出会いと別れの物語。誰もがいつかの自分を重ね合わせられるような、じんわりとした温かさのある作品を目指しています。どうぞよろしくお願いいたします。
P.A.WORKS代表取締役:堀川憲司さんについて
1965年5月5日生まれで、愛知県江南市出身のアニメプロデューサー。アニメ制作会社・P.A.WORKS代表取締役でもあります。主な作品として『劇場版花咲くいろはHOMESWEETHOME』(2013年)などがあります。
コメント(原文のママ掲載)
1人の作家が抱える世界観が、作品のすみずみまで浸透している作品をアニメーションで作ってみたい。そんな話を脚本家の岡田麿里さんにしたことを記憶しています。
包み隠すところのない岡田麿里100%の物語の中に、共同作業のセオリーでは届かないであろう、深く不可解な人の内面を描いて欲しかったのです。岡田さんはそれをエンターテインメントとして書ける人です。
しばらくして岡田さんから「作りたい作品があります。監督をやらせてくれませんか」と相談を受けました。監督という提案には驚きましたが、言葉を絞り出す岡田さんからは覚悟が伺えました。劇場作品であることを条件にOKしました。
『さよならの朝に約束の花をかざろう』のキャストが決まったころ、脚本の読みあわせをしました。大きな手応えを感じるものでした。その日の僕の備忘録には、「この作品を与えてくれてありがとう。監督に感謝の気持ちが湧いてきた」と書かれています。
この作品のテーマについて、岡田監督とは話さないようにしています。ストーリーの底に流れる、岡田監督自身も意識していないであろう“らしさ”を、何度も観て感じたいと思います。
これは全編を通して愛する者と愛される者の物語であり、岡田さんの血を分けた複数のキャラクターが、互いに愛を問う物語だと思います。脚本家の岡田さんが、言葉だけではなく、言葉と映像と音を併せた映画を監督することで可能になった表現です。
初監督をサポートするのは「この作品は素晴らしい作品になるに違いない。最高のものにしたい」と考える力のあるスタッフばかりです。その意気込みが強すぎて、完成予定日を考えるとプロデューサーとしては日々頭を抱えてのた打ち回らずにはいられません。
ちゃんと完成したら岡田監督には、ラインプロデューサー堀川の灰になった骨を拾ってもらおうと思います。
前売り情報
前売特典は、特製クリアファイルです。解禁されたティザービジュアルを使用したものとなります。
発売日:7月8日~
特典:特製クリアファイル
料金:一般1,500円(税込)
※販売劇場の詳細は映画公式サイトで公開されます。
※特典はなくなり次第終了となります。
※販売開始時間に関する詳細は、販売予定の劇場にお問い合わせください。
■スタッフ(敬称略)
監督・脚本:岡田麿里
チーフディレクター:篠原俊哉
キャラクター原案:吉田明彦
キャラクターデザイン・総作画監督:石井百合子
美術監督:東地和生
美術設定・コンセプトデザイン:岡田有章
音楽:川井憲次
音響監督:若林和弘
アニメーション制作:P.A.WORKS
(C)PROJECT MAQUIA