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2017年8月24日(木)

『進撃の巨人2』では巨人との戦闘に駆け引きを加える! 鯉沼さんはキャンプやオンラインの変更点を説明

文:電撃オンライン

 ドイツ・ケルンで開催されているGamescom(ゲームズコム)2017にあわせて発表されたコーエーテクモゲームスのアクションゲーム『進撃の巨人2』について、開発者インタビューを掲載する。

『進撃の巨人2』

 本作は、“巨人”に立ち向かう主人公・エレンたちの死闘や原作のストーリーを追体験できる『進撃の巨人』シリーズの最新作。物語に加えて、対巨人用装備“立体機動装置”によるアクションを楽しめる。

 Gamescom2017が行われているケルンメッセの会場で、鯉沼久史プロデューサー、鈴木英生ディレクターを見かけたため、発表されたばかりの『進撃の巨人2』の内容や特徴について短い時間ではあったが突撃取材を行ったので掲載する。

『進撃の巨人2』
▲鯉沼プロデューサー(写真右)と鈴木ディレクター(写真左)。

 なお、インタビュー中は敬称略。

――ちょうどイベント前にタイトルが発表されましたが、反響はいかがでしょう?

鯉沼:ありがたいことに国内外から多くの声をいただいています。ただ、今回は2作目ということで予想していなかった驚きを感じたのではなく、「やはり出るのか」という声が多いように思われます。

――前作を遊んだ際に、立体機動装置の再現がすばらしく、遊んでいて気持ちいいと感じました。その反面、アクション面でやや単調に感じるシーンがあったのですが、そちらについては調整されるのでしょうか?

鯉沼:前作は立体機動装置をどうやってゲームで再現するのか、どれくらいのバランスにするのかというところで格闘していました。最終的に車でいうマニュアルからオートマに変えて、キモチよさを追求していくものに仕上げました。そこについては遊ばれた方から、評価していただきました。

 一方でおっしゃられたように「アクションに対して深みが欲しい」という意見は国内、海外から寄せられました。我々もそこについては認識はあったのですが、前作でもアクションに敷居を感じる人がいるのではないかということを、懸念していました。

 実際にアニメが好きな人、キャラとのコミュニケーションを楽しみたい人からは、そういった意見が出てきたんですね。そのため本作では、前作で遊びを諦めてしまった人をフォローしつつ、簡単だと感じた人もケアする必要があると感じています。

 よって立体機動装置については前作で評価いただいた部分をマイナーチェンジしつつ、本作では他に3つのことに注力しています。

――その3つとはなんでしょうか?

鯉沼:まずは巨人です。巨人に動きや反応にバリエーションを付けたいと考えています。コミックやアニメでは怖い印象がある巨人を再現できるように、バトルの際には駆け引きが出るようにしようとしています。

 もう1つはキャンプです。この『進撃の巨人』はキャラそれぞれに人気があるコンテンツ。前作のキャンプではキャラとの会話ができたのですが、「物足りない」という評価でしたので、そこに要素を加えています。

 また、海外ではオンラインモードが非常に好評でした。そこについてもよりしっかり遊べるものを提供しようと注力しています。

――最初にあげられた巨人についてですが、具体的にどのような手が加えられているのでしょうか?

鯉沼:私が開発にオーダーしているのは「アニメで見たような動きは欲しい」ということです。例えば、振りむいた瞬間にせまってくるとか、四つんばいで迫ってくるとか……前作の立体機動装置の動き・システムでは難しいのであれば、それを再現するために、どうしたらいいのかを開発に問いかけています。

『進撃の巨人2』
▲ゲームズコム会場の様子。

――それを受けて、メンバーはどのような意識で開発されているのですか?

鈴木:巨人の動きについては、前作から変えたい項目を鯉沼からもらっているので、作っては出して、直しては出してと、納得してもらえるものに近づけている状況です。

鯉沼:チームにはどんどん人が入っていますね。

――前作と比べて開発チームは増えているのですか?

鈴木:かなり増えています。

鯉沼:前作はどこまで本数が出るか、ちょっと見えなかったので、さぐりさぐりで人をいれていました。おかげさまで、日本国内でもリピートが入っていますし、いまだに売れています。

鈴木:そのような状況も後押しして、開発を増やして臨んでいます!

――気になる物語はどこまで描かれるのでしょうか?

『進撃の巨人2』

鯉沼:お借りしているのがアニメの版権なので、TVアニメSeason 2までのストーリーは表現できます。こちらについては、どういう入りになるのかを含めて「これぞ、『2』だよね」というものがしっかりできてから、発表したいと思っています。

 終わる場所は決まっているのですが、ゲームとしては終わりきれない場所になりそうなので、原作元である講談社さまと諫山創先生に「このような終わり方にしていいでしょうか?」と相談して、すっきりできるような終わり方にしたいと。

 また、前作でもあったのですが、特定の時期に描かれていないキャラの物語をサイドストーリーに入れる予定です。

――物語が広がるということは、ステージのバリエーションも増えるのでしょうか?

鈴木:もちろんです。アニメSeason 2で描かれた場所は想像通り、入っています。

――前作ではお掃除コスのようなお遊び衣装はあったのですが、そういう要素もあるのでしょうか?

鈴木:先ほどもあったキャンプにその遊びを入れています。

鯉沼:本作ではキャンプというか、街を作っている感じなんですよね。

鈴木:そうですね。前作のキャンプは戦闘の準備をする場所で、キャンプだけの遊び要素は薄いため、ずっといたい場所ではありませんでした。そこを変えています。詳細については続報にご期待ください。

鯉沼:原作でもつねに戦闘しているわけではなく、いろいろなドラマが描かれるからキャラに人気があるのだと思います。もともとそういうこともあり、キャラの会話を楽しむためにキャンプを用意していたのですが、ちょっと足りなかったので、今回はそこに手を加えています。

――お聞きしていると、前作でユーザーから出た要望と、開発がやり残したと感じている要素がつめこまれたタイトルに仕上がりそうですね。

鈴木:そうですね。要望というか、意見にこたえるものになると思います。そのうえで、ゲームだからできる迫力を出したいと思い、トライアル・アンド・エラーしながらまとめています。

――もっとも力を入れているポイントを含めて、楽しみにしている読者へアピールしていただけますか?

『進撃の巨人2』

鯉沼:原作コミックやアニメを見るのはもちろん楽しいですし、グッズを集めるのも楽しいと思います。そのうえで、我々としては「ゲームならではの遊びは何か」というところをしっかり注力したいと思っています。立体機動装置の遊びを含め、アクション部分は楽しいと感じられるように作っています。

 また、前作でアクションの操作性を難しいと感じた人にも遊んでいただけるように、操作性をしっかりまとめようと考えています。さらに、巨人がいろいろな動きをしてくるので、彼らを駆逐する楽しみをぜひゲームで味わっていただきたいです。

鈴木:繰り返しになってしまうのですが、前作では立体機動装置の再現部分は評価していただきました。そのうえで戦闘部分の課題点については、徹底的に見直してもう一度チャレンジしています。ぜひ皆様にはそこを楽しみにしていただきたいです。

原作/諫山創「進撃の巨人」(講談社刊)
(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
(C)コーエーテクモゲームス

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