2017年9月25日(月)
『CoD:WWII』開発者インタビュー。本作を通して歴史への理解を深めてほしい【TGS2017】
SIEより11月3日発売のPS4ソフト『コール オブ デューティ ワールドウォーII』。開発元のSledgehammer GamesでNarrative Directorを務める、Scott Whitney氏への行ったインタビューを掲載する。
本作は第二次世界大戦の終盤にあたる1944~45年のヨーロッパを舞台に、アメリカ第1歩兵師団のいち兵士を中心とした物語が描かれる。
また、新ルールの“WAR”やコミュニティスペース“司令部”などが搭載された対戦モード“マルチプレイヤー”や、第二次世界大戦末期にドイツの山村で繰り広げられる恐怖の出来事を描く協力プレイ“ゾンビモード”など、さまざまな楽しみ方ができるのが特徴だ。
ゲームをプレイした後で戦争について自分自身の答えを見つけ出してもらえれば
――今回はよろしくお願いします。まず、東京ゲームショウ2017の開催週に新しいストーリートレイラーが公開されました。トレイラーを拝見して、従来の『コール オブ デューティ(以下、CoD)』よりも戦争についてより深く突っ込んだ物語になっているという印象を受けましが、ここまでの描写を行った意図について教えてください。
Scott Whitney氏(以下、敬称略):本作の内容を検討したときに、重要な主題として「戦争そのものをフィルターにかけることなく見ていこう」と考えました。
よく人は「戦争とは人間のなかにある最悪の面と最善の面を導き出すものである」とか、また「戦争によって人が偉大になるわけではないが、よりよい人のなかから最善のものを導き出すことがある」と言われることがあります。
戦争というものは非常に複雑ではありますが、それをあるがままに描写することが私たちの任務であり、また義務でもあると考えた結果が今回の物語につながりました。
――戦争の現実をありのまま描写することで、今度は戦争を知らない今の世代が本作をプレイした際に、ゲーム体験について恐怖を覚えてしまうのではないか? と危惧することはありませんでしたか?
Whitney:過去にあったあの大きな戦いのなかで、多くの人々が人生に影響を受けました。私たちは、その事実に忠実であろうと考えました。たしかに怖い過去ではありましたが、その事実から逃げてはいけないと思ったのです。
――本作のストーリーは、戦争についてのメッセージではなく、史実を伝えるものとして制作している、ということでしょうか?
Whitney:戦いのなかから1つのメッセージを導く出すのは難しいことだと思います。私は、この作品で史実を描写することで、プレイした人があの戦争について自分自身の結論を導き出してくれれば、と考えています。
象徴的な戦いを『CoD』のマルチプレイヤーで再現したWARモード
――今作のマルチプレイヤーで導入されたWARモードは、従来作のマルチプレイヤーとはかなり異なる内容のルールですが、このルールを本作で取り入れた理由について教えてください。
Whitney:私たちは、ゲームの中により進化したものを導入する機会を常に探っています。過去の作品においても毎回新しい要素を加えてきました。
今回導入されるWARモードは、第二次世界大戦の象徴的な戦いをとりあげ、マルチプレイヤーで表現することを目指したものです。お互いに戦う以外に仲間同士で協力する要素などがより強く反映されています。
――8月に実施された本作のベータテストでは、WARモードのマップの1つ“Operation Breakout”をプレイできましたが、これ以外にもWARモードのマップは存在しますか?
Whitney:いくつか予定されているものはあります。適切な時期がきたら情報を公開したいと考えています。ちなみに、マルチプレイヤーの“MOSH PIT(複数のルールをローテーションでプレイする)”ルールを含め、ベータテストで体験できた内容は、すべて製品版でも楽しめますよ。
ゾンビモードではこれまでにない“おぞましいゾンビ体験”ができる
――ゾンビモードの存在は、昨年と一昨年に発売されたシリーズ作品でも導入されましたが、今作のゾンビモードはどのようなう内容になるのでしょうか?
Whitney:ゲームの中核にあるのは、ゾンビの波状攻撃を協力して撃退していくウェーブ制です。本作のゾンビモードは、戦いのなかでストーリーや登場人物のキャラクターを楽しみつつ、新しい場所を目指して進んでいくことが目的となります。
――過去作と比べて、今作のゾンビモードで「ここが違う!」と言える点はどこでしょうか?
Whitney:今作は過去作とはまた異なる、新しいゾンビモードとなります。プレイヤーは、これまで以上におぞましいゾンビを体験できるでしょう。
――トレイラーでは“ナチスドイツの超科学!”的な描写がありますが、それが反映された武器は登場しますか?
Whitney:基本的には第二次世界大戦の武器を使って戦いますが、場面によってはファンタスティックな武器も存在します。ただし、それらの武器についても、同時の技術や科学力などを考察して実現可能であろう装備に仕立てられています。
――本作のゾンビモードを制作するにあたり、インスピレーションを受けたゾンビ作品はありますか?
Whitney:ゾンビモードのコアチームは、ホラー作品に強く取り組んでいます。彼らは洋の東西を問わずさまざまな作品を鑑賞し、恐怖というものの本質を作品に採りこもうと日夜努力を傾けています。
――今回はありがとうございました。
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